2026年地理総合追試験[第3問]解説

2026地理総合追試験

第3問 問1 解説

河川流量の年変化です。流域の気候が反映されます。図1は流量観測地点と、その地点より上流の流域です。国土数値情報などにより作成されています。図2のア〜ウは、2013〜2022年の月平均流量で、国土交通省の資料により作成されています。A〜Cとの組合せを選びます。

正解は③(A=イ、B=ア、C=ウ)

流域は、尾根に囲まれ、雨水がその川へ集まる範囲です。広ければ流量は大きくなりますが、降水量の方が先です。月別の形で切ります。

C=ウ 瀬戸内

日本の年平均は約1500mmで、多いところは2000mm、3000〜4000mmです。瀬戸内は約1000mmで、西日本では珍しい少雨です。長野の中央高地、梅雨と台風が弱い北海道も同程度です。夏の季節風は四国山地に、冬の季節風は中国山地に遮られ、水分が届きにくいです。流量が年間を通して100㎥/秒前後にしかならないウがCです。

B=ア 紀伊半島

3000〜4000mm降る地域です。大台ヶ原、尾鷲が典型で、小笠原高気圧から吹く南東の風が紀伊半島の山地に当たり、風上斜面で地形性降雨になります。滝が多く、修験の山のイメージです。7〜9月に300㎥/秒を超える山ができ、二等辺三角形に見えます。南アジアや東南アジアの雨季・乾季と同じ型で、日本では夏に雨が集中する太平洋側です。アがBです。

A=イ 雪解け

1〜3月は少なく、4月に一気に増えて、そのあと減ります。直角三角形です。冬に凍る寒冷地の型で、カナダやシベリアの川、日本なら北海道や日本海側です。雪そのものは北海道で極端に多くなくても、氷と雪が春先に解ければ流量は跳ねます。イがAです。

組合せ

A

B

C

①

ア

イ

ウ

②

ア

ウ

イ

③

イ

ア

ウ

④

イ

ウ

ア

⑤

ウ

ア

イ

⑥

ウ

イ

ア

答え ③

残す型

  1. 年間を通して少ないのが瀬戸内。夏は四国山地、冬は中国山地が遮る。ウ
  2. 夏に山ができる二等辺三角形が紀伊半島。地形性降雨。ア
  3. 4月に跳ねる直角三角形が雪解け。北海道・日本海側。イ

 


 

第3問 問2 解説

地理院地図の写真です。E〜Hの地形と土地利用を①〜④が説明しています。選ぶのはFです。

正解は④

古い地形と新しい地形を先に分けます。更新世(かつての洪積世、縄文時代以前)は土地が動いていました。隆起すれば海は退き、沈降すれば海は進みます。完新世(かつての沖積世、縄文後期以降)は土地がほとんど動かず、川の侵食・運搬・堆積で地形ができます。①は土地が動いた古い地形、②〜④は堆積でできた新しい地形です。

①=E 洪積台地

海底の平坦面、または低地が隆起し、10〜20mの台地になった地形です。洪積の洪は洪水の洪で、ノアの箱舟に由来する古い語なので、公式には使いません。地理では洪積台地として残しておくと、一般語の台地と区別できます。海岸沿いに階段状なら海岸段丘、川沿いに階段状なら河岸段丘で、どちらも隆起した台地の一種です。施設栽培地として使われます。地図では一段高くなっているEです。

沖積平野は扇状地、氾濫原、三角州です。目の粗い砂礫は山と平野の境に残り扇状地、下流へ行くほど細かくなり、三角州は粘土や泥です。教科書で出る沖積低地は、扇状地を除いた氾濫原と三角州を指す言い方で、正式語ではありません。どちらも土地は動いていません。

③=G 旧河道

蛇行は、平野の傾斜が緩く、流れが一定しないからです。危険なので堤防で直線化します。堤防の外側に残ったかつての河道が三日月湖、河跡湖です。水が抜けると干上がり、帯状に屈曲した低地が旧河道です。農地、この場合は水田です。Gの湾曲した跡がこれです。

②=H 自然堤防

目の大きい砂礫が、洪水で溢れて堆積し、水が引いたあとも残った地形です。泥や粘土ではありません。川沿いに数メートル盛り上がり、1mの浸水では届かないので宅地になります。列状に家が並ぶのが見分け方で、周りは水田です。Hが②です。

④=F 浜堤

波が打ち上げた砂礫です。川が運んだのが自然堤防、波が運んだのが浜堤で、どちらも数メートルの盛り上がりです。野球のマウンドと同じで、海のそばにあるのが浜堤です。さらに大きくなれば砂丘で、10〜20mになり等高線に載ります。浜堤は等高線に出ない微妙な高まりだから、家が立ちます。Fは海の近くでも、北側の水田地帯より安全です。そちらが後背湿地で、水が入ると引きません。

Fは④です。

対応

地点

文章

地形

E

①

洪積台地・海岸段丘。隆起した古い平坦面

H

②

自然堤防。洪水の砂礫、列状の宅地

G

③

旧河道。三日月湖が干上がった屈曲した農地

F

④

浜堤。波が打ち上げた砂礫の宅地

答え ④

残す型

  1. 土地が動いたのが洪積台地。動かない堆積が沖積平野
  2. 湾曲した跡が旧河道。川沿いの列状集落が自然堤防
  3. 海沿いで同じ盛り上がりが浜堤。Fは④


 

第3問 問3 解説

島の災害リスクです。図4は瀬戸内海の島と南西諸島の島のハザードマップで、国土数値情報などにより作成されています。LとMは津波浸水想定の範囲と土砂災害警戒区域、黒は重なる地域です。橋梁で他地域とつながっていない島では、Mについて主にカが想定されています。

正解は①(M=津波浸水想定の範囲、カ=発生後の長期間の孤立)

L=土砂災害、M=津波

土砂災害は斜面の災害です。土石流、崖崩れ、地すべりを含みます。土石流は、雨で増えた川の水が土や石を巻き込んで下流を襲うものです。崖崩れは、雨で地盤が緩んで斜面が落ちるものです。Lは谷や川沿いに細く入っているので、山から土石流が下る型です。

Mは沿岸部だけで、谷に沿っていません。南西諸島の島はサンゴ礁の島で、火山島と違い標高が低く平らです。土石流の出る斜面がなく、沿岸だけが危ないので、Mが津波です。津波は海底地震で、震源の海面が盛り上がり、崩れて周囲へ伝わります。

カ=発生後の長期間の孤立

②と④の「発生前の全島避難」は切れます。地震は予知できません。台風なら気圧配置で進路をある程度読めますが、地震にはその週間がありません。地震のあと津波までの時間差は数時間で、荷物をまとめ、船をチャーターして島を出る期間ではありません。高い場所へ登ることはできても、発生前の全島避難にはなりません。

発生後の孤立はあり得ます。港が津波で潰れ、家屋や車の瓦礫で使えなくなると、船が来ません。助けは必ず来ますが、その間の食料、生活必需品、避難所の寝場所、暑さ寒さへの備えを島に置いておく、が想定です。何か月もではありません。

組合せ

M

カ

①

津波浸水想定の範囲

発生後の長期間の孤立

②

津波浸水想定の範囲

発生前の全島避難

③

土砂災害警戒区域

発生後の長期間の孤立

④

土砂災害警戒区域

発生前の全島避難

答え ①

残す型

  1. 谷沿いは土石流。Lが土砂災害
  2. 沿岸だけで平らな島は津波。M
  3. 地震は予知できない。橋のない島は、発生後の孤立に備える


 

第3問 問4 解説

地点Qから避難場所a〜cへの徒歩の経路です。図5は避難経路、陰影起伏図、洪水時の浸水想定区域で、国土数値情報などにより作成されています。河川の流下方向、水域、浸水想定区域が示されています。サ〜スとの組合せを選びます。

正解は③(a=シ、b=サ、c=ス)

Qは低地で、自宅がある地点です。陰影起伏図ではaとbが盛り上がり、cはQと同じ低地です。浸水想定区域でもcは水に浸かり、aとbは外れています。三つの文章に共通する「避難場所の浸水の危険性」で先に切ります。

c=ス

避難場所まで短い経路で、避難場所自体に浸水の可能性があります。cだけが浸水想定区域の中にあり、距離も短いです。スがcです。

b=サ

浸水の危険性が低い場所まで短い距離で到達できますが、土砂災害に遭う危険性があります。避難場所の浸水の危険性は低いです。

土砂災害は、川を下る土石流と、斜面の崖崩れ・地すべりです。この川は平野を流れていて急ではないので、土石流ではありません。bは陰影起伏図で傾斜地にあり、Qからすぐ高い場所へ上がれます。斜面を通るので、土砂災害の危険がサです。

a=シ

避難途中の土砂災害の危険性は低いが、浸水の可能性がある範囲を抜けるまでの距離が長いです。避難場所の浸水の危険性は低いです。

aは浸水区域の外で安全ですが、Qからaへは浸水想定区域を長く歩きます。シがaです。

組合せ

a

b

c

①

サ

シ

ス

②

サ

ス

シ

③

シ

サ

ス

④

シ

ス

サ

⑤

ス

サ

シ

⑥

ス

シ

サ

答え ③

残す型

  1. 避難場所が浸かるのがc。ス
  2. すぐ高い斜面へ上がるのがb。土砂災害はサ
  3. 安全だが浸水区域を長く抜けるのがa。シ

 

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