2026年地理総合、探究[第1問]解説

2026地理総合探究追試験

第1問 問1 解説

写真①〜④は、図1の地点ア〜エ周辺の祭礼です。問われているのは地点ウの周辺です。

正解は④

民族や宗教で決めつけない、という前提は置いたうえで、切る材料は祭礼の中身と季節です。写真の顔つきでは判定しません。

各地点と祭礼

①=イ(ブラジル、リオデジャネイロ)
サンバに合わせて踊る祭礼が3月頃、はカーニバルです。南半球の夏(1〜3月)に行われます。リオは「1月の川」という意味で、南回帰線(南緯23.4度)付近の港町です。海岸線が直線ではなく、南回帰線がかかるあたりでやや屈曲しています。色のない白地図では、この輪郭でリオを見ます。

リオは旧首都で、背後が山の坂の町です。沿岸の狭い平地に商業地・観光地、山腹にスラムが広がります。人口は1,000万に届かず、内陸の台地にあるサンパウロの方が大きいです。サンパウロはブラジル高原南部のコーヒー地帯です。リオは南回帰線の低緯度側なので、太陽高度が90度になる日があります。サンパウロは高緯度側で、90度にはなりません。赤道直下と違い季節があり、夏にカーニバルがあります。極端に寒い冬ではありません。

③=ア(アンデス、インカの地域)
神にトウモロコシの酒をささげる祭礼です。トウモロコシは中米寄りが原産地ですが、アンデスのインカでも伝統作物です。ジャガイモと並べて南米原産で足ります。

低緯度なので気温の年較差は小さいまま、標高で全体が下がります。100mで約0.5度とすると、4,000mで約20度低いです。低地の月平均が28〜29度なら、4,000mでは8〜9度台で、年中ほぼ同じ寒さです。垂直帯は、山頂の山岳氷河→草原(アルパカなどの放牧)→ジャガイモ→トウモロコシ→さらに下でキャッサバやサトウキビ、1,000m前後でコーヒー、という並びです。同じ高度帯では年中同じ作物を作り続けます。太平洋岸ぎりぎりをアンデスが通る、という位置もセットです。

④=ウ(スウェーデン)
日が長くなり始めることを祝う祭礼が12月、は冬至を過ぎて昼が戻り始める祝いです。昼の長さが大きく変わる高緯度で意味を持ちます。アンデスのような「年較差が小さく、同じ高度で同じ作物」とは逆です。北欧はプロテスタント地域です。写真の像の有無では切らず、緯度と12月で切ります。

対になるのが夏至(6月後半)のミッドサマーです。太陽高度は低く、いちばん暑いのは地面が温まってから大気が温まる7〜8月ですが、北欧では昼の長さ自体が大事で、学校の夏休みも6月後半を含みます。本問は12月側ですが、ミッドサマーも残します。

②=エ(タイ)
像に水をかける祭礼が4月、は水かけ祭り(ソンクラーン)です。仏教だから水、とは結びつけません。写真も頼りにしません。残りとして置きます。

対応

写真

内容

地点

①

3月のサンバ

イ リオ(南回帰線付近)

②

4月に像へ水

エ タイ

③

6月にトウモロコシの酒

ア アンデス

④

12月、日が長くなり始める

ウ スウェーデン

地点ウを問うので ④。

残す型

  1. リオは南回帰線の低緯度側。白地図は海岸の屈曲で見る。カーニバルは南半球の夏
  2. アンデスは年較差が小さいまま標高で寒い。ジャガイモとトウモロコシ
  3. 高緯度は昼の長さが祭礼になる。12月は冬至のあと、6月後半はミッドサマー

 

 

問題の図と選択肢を確認します。# 地理総合・地理探究 追試験 第1問 問2 解説

図2は、ワーキングホリデービザで日本との間を往来した人数(ビザ取得者数とみなす)です。2000年と2018年。A〜Cはオーストラリア、韓国、フランスのいずれかです。矢印の向きと太さ(人数)だけで切れます。

正解は①(オーストラリア=A、韓国=B、フランス=C)

オーストラリアは定番の行き先です。日本から出る側が多くなります。

A=オーストラリア

2000年は日本→Aが8,982人、A→日本が1,024人。2018年は日本→Aが11,436人、A→日本が1,376人です。どちらも日本から出る方が圧倒的で、絶対数も最大です。これがオーストラリアです。

B=韓国、C=フランス

人口は韓国約5,000万、フランス約7,000万で、極端な差はありません。切るのは距離と人の往来です。

日本の旅行先・経済関係はアジアとアメリカが中心です。アメリカは本土・ハワイ・グアムを合わせると多く、中国は制度変更で年によるばらつきがあります。ヨーロッパは全体として少なく、上位の貿易相手にも入りません。フランス人がワーキングホリデーで日本に大量に来る、とは読みません。

数字では、2018年に日本へ向かう6,534人がいちばん分かりやすいです。2000年も日本向きが973人で、すでに相手側からの流入が多く、2018年に急増しています(制度変更の影響はあり得ます)。近接する韓国がこれです。

Cは両年とも両方向が小さく、フランスです。

2000年(日本向き / 相手向き)

2018年

国

A

1,024 / 8,982

1,376 / 11,436

オーストラリア

B

973 / 145

6,534/ 750

韓国

C

250 / 204

1,336 / 461

フランス

矢印は図の向きに合わせています。Aは日本から出る方が大きく、Bは日本へ入る方が大きい、という対比です。

組合せ

オーストラリア

韓国

フランス

①

A

B

C

②

A

C

B

③

B

A

C

④

B

C

A

⑤

C

A

B

⑥

C

B

A

答え ①

残す型

  1. ワーキングホリデーの最大の相手はオーストラリア。日本から出る側が多い
  2. 日本の人の移動はアジアとアメリカが中心。ヨーロッパは小さい
  3. 韓国は日本向きの矢印が大きく、2018年に急増している

 

 

 

問題の図と選択肢を確認します。# 地理総合・地理探究 追試験 第1問 問3 解説

図3は2020年の家計消費支出の割合です。E〜Gは日本・アメリカ合衆国・インド、凡例のカとキは娯楽・文化か住宅・光熱です。問うのはアメリカ合衆国と娯楽・文化の組合せです。

正解は④(アメリカ=F、娯楽・文化=キ)

いちばん先に切るのはアメリカの保健・医療です。

F=アメリカ

アメリカには国民皆保険がありません。公的な医療支出は小さく、民間保険や自己負担が大きい国です。富裕層が高額な医療に支出するため、家計に占める保健・医療の割合が突出します。図ではFの保健・医療が約20%で、EとGは数%です。これがアメリカです。

国全体でもGDPに占める医療費の割合は高く、高度医療の市場が大きい、という読みとつながります。本問の数字はGDP比ではなく家計支出の割合です。平均して家計の約2割が医療、は公的負担が小さいことの表れです。

G=インド、E=日本

残りは食料の割合(エンゲル係数)で分かれます。所得が低いほど家計に占める食料費は高くなりやすい、という目安です。富裕層の外食で崩れることもあるので100%の法則ではありませんが、インドと日本の差ははっきりしています。

Gは食料が圧倒的に大きい。これがインドです。アメリカは食料の割合が低く、Fと矛盾しません。

Eは日本です。住宅・光熱(家賃・電気・ガス)の割合が高いのが日本の家計の特徴です。インドはスラムを含め住宅費が低く出ます。

カとキ

E(日本)ではカもキも大きく、G(インド)ではどちらも小さいです。先進国の方が娯楽も住宅も割合が高い、という並びなので、大小の対比だけではカとキが決まりません。絶対量で見ます。

生活に近い必需は、娯楽より住むこと・光熱です。Eで約25〜30%を占める方が住宅・光熱(カ)、約10%の方が娯楽・文化(キ)です。

インドの映画産業が盛んなことと、家計の娯楽費が大きいことは別です。テレビが少ない時期は映画館へ行く、という昔の日本と同じ読みで、家計割合の高さとは一致しません。

組合せ

アメリカ

娯楽・文化

①

E

カ

②

E

キ

③

F

カ

④

F

キ

⑤

G

カ

⑥

G

キ

答え ④

残す型

  1. アメリカの家計は保健・医療が突出する。公的負担が小さく自己負担が大きい
  2. 食料の割合が高いのはインド。日本は住宅・光熱(家賃)が高い
  3. カとキは対比ではなく絶対量。大きい方が住宅・光熱、小さい方が娯楽・文化

 

 

 

選択肢の表を確認します。# 地理総合・地理探究 追試験 第1問 問4 解説

図4のJ〜Lは、温泉の源泉数、公立図書館数(市町村などが設置)、スキー場数のいずれかです。全国に占める都道府県別の割合を円の大きさで示しています。統計は図書館が2018年、源泉数とスキー場が2019年です。

正解は⑥(温泉=L、公立図書館=K、スキー場=J)

ない県と、人口に比例しない分布で切ります。

J=スキー場

南にない図がスキー場です。九州・四国が極端に少なく、紀伊半島(和歌山)にもほぼありません。沖縄もありません。

多いのは長野、新潟、東北、北海道です。雪が降るだけでは決まらず、東京など人口の多い地域からのアクセスも効きます。長野は降雪量だけで日本一というより、首都圏から行きやすいことが大きいです。ゴルフ場が大都市圏に寄るのと対で、スキー場は雪とアクセスの両方が要ります。

K=公立図書館

公立なので、基本は市町村の数に沿います。人口とは比例しません。東京圏に人口の約3割がいても、図書館数が3割になるわけではありません。自治体1つが大きくても、施設数は自治体の数で頭打ちです。地方は1自治体の人口が少なくても、市町村の数はそれなりにあります。

このため北海道から九州・沖縄まで、全体に円が散ります。東京など大都市圏も自治体数が多いので円は出ますが、人口の空白地にゼロ、にはなりません。沖縄にあるのも図書館側です。公立施設の分布は、この「全国に薄い円」で覚えておきます。

L=温泉の源泉数

火山帯に沿って全国にありますが、図で目立つのは九州、とくに大分です。鹿児島も大きく、北海道にもあります。観光で有馬(兵庫)や城崎を思い浮かべても、源泉数の円はそこまで大きくありません。大分をそのまま温泉県として置いてよいです。

地熱発電と結びます。東北の奥羽山脈(秋田・岩手)と、大分の九重です。火山=温泉=地熱、です。沖縄は火山帯ではなく、図でも円がありません。近畿のように火山が少なくても温泉がある県はありますが、沖縄はそれで切れます。

組合せ

温泉

公立図書館

スキー場

①

J

K

L

②

J

L

K

③

K

J

L

④

K

L

J

⑤

L

J

K

⑥

L

K

J

答え ⑥

残す型

  1. スキー場は「ない県」で切る。九州・四国・紀伊・沖縄がなく、長野はアクセス
  2. 公立図書館は人口ではなく自治体数。全国に薄く散り、沖縄にもある
  3. 源泉数は大分(九重)が本命。地熱発電と同じ火山帯。沖縄にはない

 

 

 

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