2022年地理A追試験解説

たつじんオリジナル解説【2022年地理A追試験】

<第1問>

[問1]最初に現地時間に直してしまうのがコツ。

東京とバンコクは2時間の差(東京の方が早い)。東京の11時45分はバンコクの9時45分。この時刻に出発した航空機が同じくバンコク時間の17時05分についたので「17時05分マイナス9時45分」で所要時間は7時間20分。

ドバイもこれと同じように考える。ドバイに到着が5時30分なので、所要時間を巻き戻し(?)出発は「5時30分マイナス12時00分」ということで17時30分となる。これがドバイ時間。東京とドバイの時差は5時間ということになる(もちろん東京が早い)。東京と世界標準時(ロンドン)の差が9時間なので、ドバイは4時間ということになる。

[問2](カ)階級区分図は割合の高低を表す。どうかな、高い値を「濃く」、低い値を「薄く」表した方が感覚的にイメージが一致しない?例えばカラー印刷だったら、「高い=赤」、「中=緑」、「低い=青」にしたりしないかな。aの方がわかりやすいと思う。

(キ)「人口が増えたか減ったか」の境界線は、もちろん人口増加率0%だよね。xの場合は中の階級区分が「-4%~2%」であり、例えば人口が減少しているところ(マイナス3%とかね)と人口が増えているところ(プラス1%って感じ)が同じ色に分けられてしまう。これ、不都合だよね。しっかり「0%」が階級を区切る基準になっているyの方が適切な図となる。

[問3]まずBから。Bの南東部に等高線が2重になった小さい丘がある。点からはこの丘の前面は見えるけど、裏は見えないね。スに注目してみよう。この丘のある場所に、丘の裏側が「見えない」ように示されている。Bがスに該当。

さらにC。これ、おもしろい地形があるね。中央の点を囲むように北から東、南へと「釣り針」のように湾曲した堤防状の丘がある。この丘もやっぱりその裏側は見えない。サにそれが示されているんじゃないかな。Cがサとなる。

残ったシがAとなる。Aは谷の中にあり、とくに北には山が位置し、北東から尾根が張り出している。この尾根を越えて視線が届くことはなく、北側の地域への視界は大きく限定されている。

[問4]Fは沿岸部で津波。Gは北海道や東北で多く、近畿地方にない。火山。

[問5]これはよくわからないのだが、チが違うんじゃない?っていうか、チがなぜ作られているのかはわからない。タは津波タワー、ツは火山シェルター、テは首都圏・地下調整池で画像検索しておいてください。

[問6]マは「時間がかかり」から遠隔地のJ。ムは「標高が最も高い」から等高線に囲まれた(小さな丘なのだろうか)のム。

<第2問>

[問1](ア・イは写真がないので省略)

ウは階段があるのがポイント。高床式の家屋になっている。地面からの熱と湿気を伝えず、陸上の小動物の侵入を防ぐ形になっている。熱帯雨林地域の家屋。Cが該当。

[問2]E;「ふたつの海」でクのパナマ。太平洋と大西洋のことだろう。

G;「仏陀」よりキのブータン。チベット仏教を信仰する。

Fは歌詞がないので省略。

[問3]カナダはイヌイットが住む。皮でつくって防寒性の高い靴の2が正解。シカ(鹿)とあるが、トナカイ(馴鹿)だろうか。

1は稲作地域で韓国、4は乾燥地域(ヤギは羊と同じく乾燥地域に住む)のモロッコ。3はオランダ。ポプラはヨーロッパでよくみられる樹種。

[問4]1人1日当たりの食料供給量は肉や油脂を中心とした食生活をしている欧米で高く、とくに「飽食」の1人当たりGNIの高い国で大きな値となる。欧米かつ1人当たりGNIが高い先進国であるオーストリアがサに該当。

モンゴルは遊牧の伝統文化を有する国。農業は行われず(遊牧でいろいろなところを移動しているのだから、種を受けて育てて刈り取るといったことはできないよね)、穀物や野菜の摂取量が少ない。乾燥したステップ気候のもと、羊や馬を遊牧し、その乳や肉を属する。アジアとしては例外的に動物性カロリーの高い国。スがモンゴル。

さらに料理。Kは「米」でありモンスーンアジア(季節風の影響で湿潤。米作が盛ん)のベトナム、Lは乾燥気候に適応する羊の肉が使われモンゴル。

[問5]米国は医療大国であり、GDPに占める医療支出の割合がそもそも高い国であるが(イメージはブラックジャックね。富裕層は高いお金を払って高度な医療行為を受ける)、しかし健康保険制度が整っていない国でもある。先進国は一般的に国民皆保険であり、国が医療費を負担するものの、米国は例外的に公的な支出が少なく、家計負担が大きい。他の国で低いのに、一つだけ極端に高い値となっているQが「医療・保健」であり、チが米国。

[問6]ヨーロッパで割合の高いマが世界文化遺産、アフリカやオーストラリアで値の高いミが世界自然遺産。また、アフリカに危機遺産が多く、これはアフリカの政情不安によるものだろう。

<第3問>

[問1]

人口が多い中国やインドが含まれているbが生産量。輸出が多いということは商業的。商品作物。

[問2]

7月の気温が低く南半球。写真は不明だが、高温で雨季と乾季が明瞭な気候なので熱帯草原が広がっているのでは。長草の草原の中にまばらに樹木が点在している風景。サバナだね。

[問3]サは米なので、湿潤アジア(モンスーンアジアとも。海洋からの季節風の影響で多雨となる、東アジアから南アジアにかけての地域)に位置する東南アジア。シはトウモロコシだが、メキシコが原産地の作物で、世界の他の地域では飼料として主に用いられているが、メキシコ周辺地域では主食として食べられている。こちらが中央アジア。

写真は、Aはトルティーヤだよね。メキシコ料理でこれが中央アメリカ。Bはどこか東南アジアの料理なのかな。

[問4]これ、なかなか難しい。かなり考えた。「指数」っていうのがポイントなんだよね。実数ではない。指数はもちろん割合なので、これが高い値を示しているということは、現在の値が大きいことも大切だけど、もともとの数字が小さいこともとくに重要。とくに極端に指数の伸びが大きい場合には、おそらく最初の値が極端に低い。数字のマジックに注意しよう。

ここで気になるのはKのサハラ以南アフリカの500という伸び。わずか38年間で5倍って、普通ありえる?これ、昔ほとんど作られていなかったってことだよね。昔の値が極端に低く、だからこそ伸び率が高い。

逆に他の二つの地域はKにおいてはほぼ横ばいだね。微増といった感じだろうか。でも、ここからわかることがあるでしょ?それはこの二つの地域はKの生産がもともと多かったということ。さぁ、1980年代の段階ですでに生産が多かったと思われるものは、南アジアの米、南アジアのトウモロコシ、南アメリカの米、南アメリカのトウモロコシのどれだと思う?確実に「もともと多かった」と言えるのは「南アジアの米」でしょ。インドは人口大国であり、多くの人々が米を食べる(小麦も多いけどね)。1980年の南アジアの米の生産が少なく、それが38年後には4倍、5倍になったとは思えないのだ(Jのグラフでは南アジアや南アメリカの指数が2018年には400に達している)。せいぜい2倍と考え(いや、2倍でもめちゃめちゃ多いけどね)Kが米とする。南アメリカも米についてはあまり増えていないんだね。ブラジルなんか結構米を食べているイメージでもあるんだが。逆に、最初にも述べたようにアフリカでは5倍に増えている。アフリカでは近年「ネリカ米」という米が広まり、生産量が急激に増えている。アフリカの風土に合わせて品種改良されたもので、単位面積あたりの収量が多くなっている。ネリカとは「New Rice for Africa」のこと。Kが米。

一方のJはトウモロコシかな。飼料に利用され、世界全体で生産が拡大している。つい20年ほど前は米と小麦とトウモロコシは世界全体の生産量がそれぞれ約6億トンずつで大差なかったのだが、現在は米と小麦が約7億トンと大きな伸びを示していないのに対し、トウモロコシの生産は10億トンを超えている。グラフ中の三つの地域についてもトウモロコシの生産がそれぞれ伸びているのは納得だろう。

タについては「食料」でいいんじゃないかな。トウモロコシは食料のほか、飼料やバイオ燃料としての利用もあるが、米はアジアで生産が多く、そのアジアが自給的農業地域であることから、自国で消費(つまり食料として)する分が多いと思っていい。(完成)

[問5]これは素晴らしい問題ですね。この試験全体でピカイチ。

「先進国で農業が盛ん、発展途上国で農業がダメ」というセオリーがあるのだが、これについては食料とくに穀物をイメージして欲しい。発展途上国は多くの人々が農業に従事し(第1次産業就業人口割合が高い)、国内の主産業が農業なのだが(GNIに占める農業収入の割合が高い)、しかし栽培しているものはカカオやコーヒーなどの嗜好品や、アブラヤシ(パーム油)や天然ゴムなど工業製品によって代替されるもの。人間が生きるのに絶対に必要となる食料(穀物)とは異なっている。それら商品作物を輸出し、食料を輸入しているのだが、それは明らかに歪んだ貿易構造。先進国に穀物栽培地域は集中し、食料を輸出することで発展途上国を搾取し、世界を支配する。そういった経済構造を考えてみて欲しい。

そうなると誤っている選択肢というか、ある単独の言葉が目に入るよね。そう、それは「輸出用の穀物」。アフリカの国が作っているのは商品作物であり、それは嗜好品であったり、油やゴムの原料。穀物ではないよね。アフリカの貧困は「本来必要でないもの」を作らされているからだ。本当に必要は穀物の生産という立場は先進国に奪われてしまった。選択肢2が誤りで「穀物」を「商品作物(プランテーション作物)」に変えよう。そんなものをいくら作り続けていても、アフリカに未来なんかない。(完成)

[問6]1は誤り。例えば食料(穀物)の増産への活動としては「緑の革命」があるが、これは農業の近代化。灌漑の整備、品種改良、肥料や農薬の多消費。伝統への回帰ではない。

2も誤り。そもそも焼畑農業のような生産性の低い農業に頼ろうというのが間違い。もちろん「土地の利用サイクル」を早めることこそ全くの誤り。焼畑農業は森林の再生を待って火入れを行う。焼畑周期が早まれば失われる森林が増える。

3が正解。「単一作物=商品作物=プランテーション作物」と考えていい。嗜好品(コーヒーや茶)、工業原料(天然ゴム、落花生)が中心で食料ではない。問5とも重なるが、このようなものを作ってもたいした稼ぎにならないし、貴重な耕地をつぶして「食べ物ではない」ものを作ることで食糧不足のリスクは高まる。せめて「生産品目を多角化」して国際価格の暴落に備えるべきだし、当然「自給作物」の生産へと軸足を移すべきである。

4は誤り。「児童の労働率」と「1人当たりGNI」は反比例する。子どもは賃金が安いので、彼らが働けば働くほど、全体の賃金水準は下がるよね。1人当たりGNIが低い国ほど子どもが働いている。逆に、「就学率・識字率」は1人当たりGNIは比例。子どもたちがしっかりとした教育を受けて学校に通えば、高等教育機関への進学率も上がるし、高度人材の育成も進む。そうでなくても、学歴があれば高収入の仕事に就くことができるのだから、全体の賃金水準も上がる。つまり1人当たりGNIは上昇。(完成)

<第4問>

[問1]これ、わからないんですよ。正解は1みたいなんですが。。。

計算してみましょうか。「可採埋蔵量」は「ある年の石油の確認埋蔵量をその年の年間生産量で割った値」とある。なるほど、ここからは計算問題だ。「可採埋蔵量=確認埋蔵量÷年間生産量」という式が成り立つ。つまり「年間生産量=確認埋蔵量÷可採埋蔵量」。2005年と2015年の値を比較してみよう。可採年数は2005年が40年、2015年が51年といったところだろうか。確認埋蔵量は2005年が12(千億バレル)、2015年が16(千億バレル)。年間生産量を計算すると、2005年が「12(千億)÷40」、2015年が「16(千億)÷51」。2005年の値が「0.3」であるのに対し、2015年の値は「0.31」。どうかな、概数であるが決して的外れな数字でもないと思う。

問題はこの「0.3千億バレル/年」と「0.31千億バレル/年」という数字について「停滞」と言っていいのかどうかってこと。増えたとは言え、わずか「0.1」でしょ?これ、「停滞」と言い切っていいんじゃないか。はっきりと「増加」っていうわけではないことは確か。それなのに「停滞」が誤りで、選択肢1が正解ってのはどう思う?僕にはよくわからんのだよ。。。

他の選択肢は全て正文。とくに問題ないと思う。

ちょっと気になるのは選択肢3の「条件の悪い油田」かな。これは例えばアメリカ合衆国のシェールオイルがあるね。近年新しく開発が進む油田で(選択肢2の条件は充足)、技術進歩によりこうした地下のシェール層(頁岩荘)からの採掘が可能になった(選択肢4も充足)。ただ、これは多額のコストがかかるのだ。シェール層を水圧でくだいて、そこから石油や天然ガスを得る。本来ならこんな高コストのエネルーなんて掘りたくないし、使いたくない。アメリカ合衆国にしても安い西アジアからの原油を輸入すればいいのだ。しかし、「石油の国債価格が上昇」し、「買う」より「掘る」方が低コストとなった。莫大な資本を投じても、十分に採算が取れるようになったのだ。選択肢3の「条件の悪い油田」はシェールオイル鉱山のことであり、すでに述べたように選択肢2と4の内容も満たす。

しかし、そう考えてみるとやはり1が間違っているとみていいんだろうか。世界中で新たな油田の開発が進み、とくにアメリカ合衆国のシェールオイルは代表的。技術も進歩し、さらに多くの石油資源が採掘できるようになった。それなのに「需要が停滞」していたらおかしいよね。需要が拡大しているからこそ、世界全体で原油増産の動きとなっているわけだし。グラフをみたら間違えるって問題だったのかな。よくわからん。

[問2]GDPはGNIと同じなので、ここではGNIという言葉を使います。このグラフは「GNI当たり1次エネルギー消費量」を示したもの。一次エネルギーとは石炭・石油・天然ガスのこと(だから僕は「一次」のように漢字で書きたいのだ)。「一次エネルギー消費量÷GNI」で示される。

GNIに比べて一次エネルギー消費量が多い国がロシアやインド。米国もそうかな。逆が日本とイギリスだね。

GNIの順位は1位米国、2位中国、3位日本、4位ドイツ、5位インド、6位イギリス。

一次エネルギー消費量の順位は1位中国、2位米国、3位インド、4位ロシア、5位日本、6位ドイツ。

GNIが上位ではないのに、一次エネルギー消費良の順位が高いロシアは「GNIに比して一次エネルギーを多く使っている国」であるし、GNIは6位だが一次エネルギー消費量が7位以下であるイギリスは「GNIに比して一次エネルギーを少なく使っている国」になるよね。

では選択肢をみていこう。

1から。イギリスのようなヨーロッパの先進国は第二次産業や第三次産業が中心であり、牧畜業が大きな比重を占めているとは思えない。

2について。これは正解なんじゃないかな。Aの本試験でも米国の人口あたりの自動車保有台数が多いことが登場していた、

さらに3。インドは原油(石油)の産出は少なく輸入国。さらに言えば、国内で豊富に採掘される鉄鉱石と石炭だが、インド国内で鉄鋼生産が拡大したことによって、これらの資源についても輸入国となっている。中国と似た状況だね。

最後に4。石炭は不純物を含み、燃えにくい。つまり燃焼効率は悪いのだ。「エネルギー効率が高い」ことはない。

[問3]森林面積の割合が高いAが熱帯林の豊富な南米。人工林が急増しているCがアジア。中国では植林が進んでいる。

[問4]オーストラリアにおいて「経済的」な課題があるとは思えない。Eが自然条件だろう。異常気象で少雨になったのかもしれない。

逆に経済的な問題を抱えている地域がアフリカ。Fが経済的条件。

「持続的」であるならば、外国に依存するのは一時しのぎにしかならない。恒久的は施設整備が求められる。イが該当。

[問5]これは、、、もしかしてめちゃ簡単?現在(2020年)の値だけ見ればいいんじゃない?アフリカで高くJ、ヨーロッパで低くLに該当。

[問6]1人あたりGNI(1人当たりGDP)と平均寿命の関係には2つのポイントがある。一つ目は「比例関係にある」ということ。本図をみても、右肩上がりに点が並んでいる。でも、もう一つのポイントはむしろこれを否定するものだけれども、「アフリカや南アジアを除けば、平均寿命に大差はない」ということ。1人当たりGNIが10000ドルを越えればどの国も平均寿命は70歳に達し、これは決して低い値ではないよね。

だから、以下のように考える。「平均寿命は1人当たりGNIと比例関係にはあるけれど、人間の寿命は決まっているし、1人当たりGNIがいくら高くても、平均寿命は高止まりする」といった感じ。将来的には、世界中全ての国で平均寿命が90歳なんていう未来があるのかもしれない。

これは2が誤りだろうね。平均寿命75歳に達する国の中には1人当たりGNIが10000ドルにも満たない国がある。