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質問ありがとうございます。とても素晴らしい観点ですね。失業率ですが、実はこれ、国際間を比較する際には全く当てにならないデータなんですよ。

日本の厚生労働省が出している失業率なのですが、分子が「失業者」であることはわかりますよね。分子は「労働者全体」ではなく、あくまで「就業を希望する人の数」が分母なのです。たとえば、最初から専業主婦を希望し、就業の意思のない人は含まれません。この分母の設定が国によって違うので（これ、都市人口割合も同じなのです。国際間で都市人口や求職者の定義が異なっています）、実は「無効」なデータなのです。同じ国の中で、10年間に失業率はどう変化したか？といったようなことはよくわかるのですが、「ある年の日本と外国の失業率を比べる」ことは実質的に不可能なのです。

韓国の失業率の低さは、そもそも仕事を求める女性が少ないという事情があります。日本と同様に女性の社会進出への意識がやや低く（女性の自立が促されている欧米とは全く状況が違います）、女性の求職者の割合が低くなります。分母となる「就職を希望する女性」が少ないのですから、結果として失業率は低くなります。しかし、そもそも働く意思のない女性が多いのですから、実際に仕事をしている女性の数は少なくなりますよね？

例えばこのようになります。
欧米「仕事をしている女性：７０％、仕事を求める女性（失業者）；２０％、専業主婦；１０％」であるのに対し、日韓「仕事をしている女性；５０％、仕事を求める女性（失業者）１０％；専業主婦；４０％」となったとします。日韓の方が女性の社会進出は進まないのに、女性の失業率は低いのです。それぞれのデータで分母が異なるからです。

単に「失業率」というデータを鵜呑みにするのではなく、どういった計算式によってそれが求められているのは考えないといけません。

このように公式の統計には「からくり」があることが一般的です（そして、それは仕方ないことなのです）。我々も自分の判断で、各統計の意味を読み取り、それを正しい資料として活用することが求められるのですね。

たつじん先生こんばんは
2021の追試の第3問の問い2の韓国の女性の労働力率を見て思ったのですが、韓国は失業率が低いので、もう少し中間層の労働率が高いと思ったのですが、この場合はあまり失業率は関係無いのですか？