勉強の仕方(1)
<共通テスト地理の勉強法について>
共通テスト地理で確実に80点を取る!ための勉強法をお伝えします。ぜひ参考にしてくださいね。
1)中学地理の完成
まずは中学地理の問題集から始めましょう。これには次の意味があります。
・基礎固め・・・何事も基礎が大切です。中学の勉強からしっかり!
・高度な知識・・・しかし、実は中学地理、かなり難しいのです。解いてみたらわかります。センター地理で必要な知識の8割以上は中学地理のものです。共通テストでも傾向は変わらないでしょう。
・問題を解く感覚を身につける・・・教科書や参考書を読むだけでは点数は上がりません。問題を解くことで「解答力」を上げていくのです。
4月から7月の間(あるいは4月から6月でも構いません)、中学地理の問題集に取り組んでください。1ヶ月に一冊のペースが適当に思います。
・お勧めの問題集はありますか・・・いえ、ありません。ベストは君が中学時代に使っていた問題集です。同じ教材を繰り返し勉強することはどんな科目であってもベストの勉強法ですよね。地理も例外ではありません。一応参考までに使い勝手のいい問題集も挙げておきます。最終的には自分のセンスで選んでくださいね。
・「チャート式中学地理準拠ドリル」(数研出版)
・「中学ハイクラステスト地理」(受験研究社)
・「3ステップ式標準問題集中学地理」(受験研究社)
2)過去問演習
共通テスト地理の傾向はセンター地理とあまり変わりません。センター地理の過去問演習が最も有効な対策となります。過去問を解き、出題傾向を分析し、内容に十分習熟してください。「習うより慣れろ」ですよ。
若い先生たちの中には「過去問は最後に力試しで解いてみる」と仰るかたがたもいらっしゃいますが、私たちベテラン組はそのほとんどが「過去問は最初に解いて、どんな問題が問われているかを知ってから本格的な勉強にとりかかる」ことを推奨しています。
もしかしたら我々ベテラン組の感覚が古いのかもしれません。若い先生がたのアドバイスの方が君たちにはしっくりくるのかしれません。こちらも最終的には皆さん自身の自己判断になりますが、よかったら「受験勉強は過去問からスタートする」という考え方が長い間主流であったことを知っておいて欲しいですし、今でもそれが支持されているということは、おそらくこれが「正解」なんだとは思います。
目安として「夏」はセンター過去問演習が勉強の中心となります。共通テスト地理はセンター地理と傾向が変わりません(二回に渡って行われた腰痛テスト試行調査の問題をみる限り、そのように断言して構わないと思います)ので、センター過去問にしっかり習熟することが共通テストへ向けた最善の対策になります。「7月」になったら過去問に取り組み、「8月」いっぱいをその期間としてください。もちろんこれはアバウトなスケジュールですので、自分の学習進度との兼ね合いによってもう少し遅い時期でもとくに問題ないでしょう。上記のように「7〜8月」が理想ですが、「8〜9月」でも構いません。ただ、これ以上遅れて10月までずれ込むとちょっと慌ただしくなってしまいますので、余裕をもって「最悪でも9月いっぱい」で終了することを目指してください。
過去問については、基本的には「地理B本試験」でいいと思います。もちろん追試験や地理Aの問題の中にも素晴らしいものがあるのですが、あれやこれやと手当たり次第に手をつけていては収拾がつきません。ある程度の範囲は決めておくべきです。年数についても、とりあえず「10年間」でいいのではないでしょうか。2021年の共通テストを受験するのですから、「2020年から2011年」までの過去問がその対象になります。順番も適当で大丈夫だと思いますよ。2020年から2011年までランダムな順で解いてみてください。主体性を持って勉強しましょう。私ならサイコロでも降って順番を決めるでしょう(笑)。ただ、どうしても決めてもらいたいという人もいるかも知れません。そうですね、年を追うごとに順番に解いてみたらどうですか。2011年から始めて、2020年で最後となるように。本当にどうでもいいと思いますよ。自分のフィーリングで。
さらに言えば、この10年分というのもあくまで目安に過ぎません。学習プランとして、できれば2ヶ月で解き終わって欲しいということで、1週間に1回ずつ解いていけば8〜9年分解けますし、それにプラスアルファして10年分という回数を暫定的に決めているだけです。もちろん多い分には構いませんから、11年分、12年分、さらに遡って解いてみてもおもしろいと思いますよ。統計が若干古い?いえいえ、多少古い統計であっても性格や傾向には変化はありません。十分に解けますので、どんどんチャレンジしましょうね。
ただし、みなさんが購入する過去問集によっては、地理B本試験10年分が掲載されていない場合があります。そんな過去問集がダメ!というわけではありませんよ。そうした過去問集でも、追試験は豊富に含まれていたりして、問題自体は10回分あるいはそれ以上含まれているのではないですか。センター地理Bは、実は本試験と追試験、傾向や難易度に差がありません。他の科目では追試験の方が明らかに難しい場合があったり、あるいはちょっと変わった実験的な問題が出題されているという例もあったりと、いろいろな状況を聞いていますが、地理には全くそのようなことはありません。むしろ統計の新しさを考えれば、10年前の本試験を解くより、最近の追試験の方がいいかもしれませんね(これも誤解があるといけませんので断っておきますが、統計が古くとも全く問題はありません。10年前の問題、全然大丈夫ですからね)。理想をいえば本試験10年分ですが、とくにこだわるところでもないので、追試験にもどんどん取り組んでください。
解き方については、必ず時間を計ることをお勧めします。この段階で過去問を解く目的の一つとして「タイム・マネージメント」があります。60分という時間を使いこなし、とにかく「ゆっくり、じっくり」解く習慣を身につけるのです。いえ、60分ではありませんね。「60分以上」です。60分以上の時間を費して、落ち着いて時間をコントロールしながら解いてください。制限時間内に終わらなくて構いません。問題のやり残しがあって当然です。今は焦ってはいけません。問題の正解不正解よりも「いかに時間を使う」ことができたか。そもそも思考力が中心の共通テスト地理です。時間をつかってこそ解ける問題が多くあるのです。そういったものに対応するよう、タイム・マネージメントの力を養ってください。
で、ここからが大切ですよ。解き終わったら、すぐに丸つけして得点を出してください。そして、、、そのまま終わりにして、次に進みましょう。正解した問題をチェックし、間違えた問題を確認し、過去問集に付録として付けられている解説については「読まない」でください。解説を読んで、一問ずつ振り返る必要はありません。というか、そこで時間をかけてはいけません。解いた問題は解きっぱなしで構いません。すぐに他の勉強に移りましょう(それとも、60分以上集中して疲れたでしょうか。それならば遠慮なく休憩してくださいね)。
解説を読んで問題を研究するのは9月以降です。今は「共通テストとは何か」を知る段階です。とりあえずでいいので10年分の問題(300問以上ありますよね)を解いてみて、共通テストとはどういった試験問題が出題されるのか、といったことを体感するのです。
ひとまず現段階で意識するのはここまでです。問題の分析についてはまたお話しします。
なお、過去問集について「赤本」「青本」「白本」「黒本」のいずれがお勧めなのかという質問もよくありますが、これもどれでもいいです。というか、どうせ過去問は何回も演習するものであるから、全部買ってしまったらいいんじゃないですか?
それぞれの本によって解説が違う?いや、そんなことは気にしなくていいです。私のホームページにセンター試験問題のオリジナル解説はアップしています。ぜひ、こちらを活用してください。だから、市販の過去問集については問題と解答・配点のみ使用して、解説は全部捨ててしまえばいいんです。全然大丈夫ですよ。
3)ノート形式問題集の利用
ノート形式問題集、かなり使えます。実は今をさること20年前、たつじん先生が地理を勉強した際に利用したのもノート形式問題集なのです。
お勧めというか、使いやすいものは以下のものだと思います。
・地理Bの必修整理ノート(文英堂)
内容は簡単です。教科書の基礎レベルです。ただ、「教科書」というのがクセモノで、みなさんもご存知のように受験地理って実は教科書、あまり関係ないですよね。教科書で登場した内容が問われるわけではない。ですので、本教材に関しても雑でいいので「一通り片付ける」といった雰囲気で取り組んでくれたらいいと思います。意味のわからないところがあっても放置して、地理という科目の全体像をつかんでください。どうせ地名などは出題されませんし、ケッペンの気候区分についての知識も不要なのですから。
正解を見ながら、空欄を埋めていってしまえばいいのです。重要事項を覚える必要はありません。まずは、こちらの教材を一通り終わらせてから、地理の本格的学習をスタートすると言うい感じでしょうか。
年間を通じて、このノート形式問題集を手元において、気づいたことをメモしていく。本当の「ノート」のように使うことができればベストだと思いますよ。手元において活用しましょう。
なお、次のURLは私のホームページです。こちらとTwitter(「たつじん地理」で検索してください)で随時受験情報を公開していますので、よかったら参考にしてくださいね。
https://ts9ts9ts.cloud-line.com