一年間かけての東大論述対策

 

こんにちは。質問の内容から想像するに、今年の東大受験生ではなく、来年以降の受験を考えていらっしゃるのでしょうか。高2あるいはそれ未満のかたと思いますので、今後1年またはそれ以上の期間での勉強法についてお答えしたいと思います。

 

私も東大対策として問題に取り組んでいますが、「インプットの予備教材」は用いていません。過去問が全てです。

 

スタサプの論述講座は東大対策というより、論述問題全般の「基礎」的な内容であり、あくまで「導入」という位置づけです。こちらはもちろん受講していただきたいとは思うのですが、これだけで完成図は考えないでください。この講座で得た内容をベースとして、実戦的な論述問題への取組みを重ねていくイメージです。

 

ですので、この「論述編」の受講はできるだけ早い段階で終えておくことが理想です。例えば「高校地理24講→7月完了」、「地誌編→8月完了」、「論述編→9月完了」といったペースでしょうか。

 

スタサプ以外での勉強が重要になることは間違いありません。

 

基本的なペースとしては以下のようになります。

 

基礎力養成段階;4月〜9月

実戦力養成段階;10月〜2月

 

基礎力養成段階の教材は「東大の地理27か年」(教学社)です。東大のか顧問集には他に「東大入試詳解25年」(駿台)もありますが、前者の方が解説、解答ともに適切に思います。

 

こちらは80問ほどの問題が含まれています(東大は1年分で3つの大問があります。27✕3=81ですよね)。こちらについて半年間(180日間)で1通り取り組んで欲しいのです。ペースとしては、2日に1問(日曜は休むとして、1週間に3問)ずつ進んでいきましょう。

 

 

最初の段階は「答えを写す」だけでも問題ありません。できるわけありませんからね(笑)。問題を読んで、まず考える。そして解説を読みながら、自分なりの解答を作ってみる。解説は細かく具体的に書かれていますので、この時点でそれなりに解答は作れると思います。しかし、それでも無理なら仕方ありません。解答を写しても全く問題ありません。過去問を「教科書」として使うのです。

 

そして10月以降は、同じ問題について再演習を行います。もう一度「東大の地理27か年」を解いて行きましょう。今度はできるだけ解説を読まないように、自分だけの力で。もちろんこの時点で完璧にできるわけはありませんから、無理ならどんどん解説を読んでしまって構いませんよ。前述のようにあくまで「教科書」ですから、そこからいろいろな知識を吸収していけばいいのです。さらに最初に挙げたもう一冊の過去問集である「東大入試詳解25年」も入手し、こちらも同時に読み進めていくと良いかも知れませんね。同じ問題について異なる2つのアプローチから解説が進められており、立体的な学習が可能となります。

 

10月から2月にかけてはこのような問題の再演習(さらに再々演習もいいですね)によって、実戦力を上げていきましょう。これ、最も効果的な学習法ですよ。

 

なお私は他の参考書や資料集、地図帳などは全く使っていません。「趣味」として地理を勉強するならばこういった教材もおもしろいとは思うのですが、受験まで1年しかありませんので、効率優先となります。「テストに出るところを直接マスターする」という意識を持つならば、やはり過去問徹底がベストですよ。教科書は読んでも構いません。教科書は高名な先生がたが著されている(やはり我々のような「受験屋」とは違います)だけあり、とてもおもしろい「読み物」となっています。頭を休めるのにいいと思いますよ。地理を楽しく勉強するためのアイテムとして、教科書を「遊び半分」で読んでみて下さい。地理の多様な側面がわかり、リフレッシュになりますよ。