2015年度地理B本試験[第3問]問5 解説

問5 [インプレッション] 現代社会的な問題。時事問題とまでは言わないけれど、ある程度の一般常識問題として解凍するべきなのかもしれない。地理の学習ではなかなか追いつかないところではある。間違えたりしても仕方ないのかもしれない。

[解法] 農業就業人口割合は低下し続けている。農家が減少するのだから、「耕作放棄地」は増加していると思うよ。③が正解。他の選択肢については、①はたしかに正文と思うのだが、②は正直よくわからない。④については、まぁたしかにそういう見方もあるよなって程度。そもそも「注目されるようになった」っていう客観性を欠いた表現になっているので、文章そのものの正誤を問うのはナンセンスなんじゃないかな。

[アフターアクション] 現代社会の問題と思って解くしかないのか。でも、あえてこれをセンター地理のフォーマットに押し込めてみようか。
例えば、①について。過疎化とは単に人口が減少するだけでなく、とくに若年層の流出によって、高齢者だけが地域に取り残された状態。例えば伝統的な文化として祭りを取り行うにしても若い世代がいないのだから、誰が運営をするのだろうか。例えば村の消防組織というものがあったとしても、高齢者ばかりでは消防訓練すらおぼつかないだろう。
②について。「農業就業人口」は減少している。多くの国営企業が民営化されているように、規制緩和は確実に進むわけだ。これまでは制限されていた民間企業の農業への新規参入が、より自由に行われる傾向にあるのは、資本主義社会のセオリーでもある。
③について。「地産地消」は注目される考え方である。でもやはり、それよりも経済原則が優先されるわけだ。つまり「安いのが一番」と。地産地消がいいに決まっている。でも実際には国内産は高いから安い海外産に飛びついてしまって、日本の農業は衰退していく。人は誰でも「安さ」を追い求める。それは安心や安全性よりも優先されている。
④について。最近はファームステイなんていうのも行われているね。都市部の子供達が農家に滞在し農業体験を行う。そういう文化ってすごくいいと思うし、棚田や森林の保護なんていうこともすごく大事なことだってみんな認識している。