2013年度地理B本試験[第3問]問3 解説

問3 [インプレッション] いやぁ、これ厳しいなぁ。地理の知識うんぬんではなく、文章と図からその場で推理しないといけない。できる人にとっては簡単なんだろうけれど、こうした問題を苦手にしている人って多いと思うよ。

[解法]都市の形状を問う問題だが、最大のキーワードは「囲郭」。防御のため都市の周囲を壁で取り囲み、古代の中国やヨーロッパでみられた。もちろんこのような壁があっては市街地の拡大ができないので、平和になった現在は多くの囲郭は取り壊されている。そしてその囲郭に沿って、環状道路が敷設されていることも多い。
そういった観点からするとアがCになるだろう。都市の周囲を取り囲むように道路がみられ、これがかつての囲郭の跡に設けられたものであることが十分推測できる。都市内部の街路は、小ざっぱりとしており、近代的な都市なのかなという感じもする。
さらにイとウ。文章から考えるしかない。ポイントは「計画的」。AとBのどちらか計画的にみえるかってことだよ(Cが最も計画的に見えるって?そりゃあそうかもしれないけれど、これはすでに「囲郭」でアに決まっているんで、ここでは考慮外なのです)。どちらも入り組んだごちゃごちゃした街路になっているのだ。

[アフターアクション] 囲郭のネタはぜひ知っておいて!これは結構問われる。それからイの「イスラームの都市」という言い方はかえって分かりにくいと思うので(インドネシアなどイスラム地域は地球上の広い範囲に広がっているからね)、ここでは「北アフリカ・西アジアの乾燥地域」と言い換え、迷路状の街路がみられることを知っておこう。