2024年共通テスト地理A追試験解説
たつじんオリジナル解説【2024年共通テスト地理A追試験】 |
[1]1;グード図法は、低緯度側はサンソン図法、高緯度側はモルワイデ図法にて描かれている。いずれも緯線は直線で示されている。曲線ではない。誤り。
2;それぞれの軽度を判定。イギリスを通過する経線が0度。日本を通過する経線が東経135度。イギリスから数えて日本の経線は9本目なので、図に描かれた経線は15度間隔であることがわかる。Aはイギリスより西に6本目。西経90度、Bは日本より西に2本。東経105度。軽度の合計が180度となると半日つまり12時間の時差。AとBの間の軽度差は195度であり、これより長い。13時間の時差。誤り。
3;これはなるほどその通りだろう。図からでも判定できるんじゃないかな。正文。
4;方位が正しいのは正距方位図法。ただし、その正距方位図法であっても正しいのは「中心点から」の方位のみ。
とくに図法の知識がなくても解ける問題だと思う。図から直接判定し、3を正解とすればいい。参考までにやや詳しい説明を加えておく。新課程(地理総合・地理探究)では「図法」ジャンルそのものが教科書から消えてしまっているので、ほぼ不要な知識ではある。
[2]F~Hの四角形の底面(最も南の辺)に注目しよう。Fは中央より西側に谷がみられる。Gは東側に低い土地がありそうだ。Hは全体的に険しい地形となっている。
ア~ウの最も手前の断面に注目。西側が低くなっているのはウである。北東から南西に向かってはっきりとした谷がみられることも特徴。ウがFとなる。
さらにイは東側にやや低い土地があるようだ。さらにイでは北東から西に向かって明確な尾根線が走っている。なるほど、Gの範囲も等高線から判定するに、東から西へと高所(尾根)が横断している。Gをイとみていいだろう。
残ったアがHとなる。
[3]カに注目。1966年は海岸線に位置し、2020年もやや侵食は進んでいるようだが同じく海岸線に位置している。400メートル後退ということはないのではないか。1が誤り。
2;砂浜海岸(砂丘)の内陸側に並んでいる樹林(広葉樹林・針葉樹林)は一般に防風林・防砂林と考えていい。
3;土地利用記号から判定。「田」である。水田とみていいだろう。
4;潟湖は一般に水深が浅く、堤防を建設することで干拓されることが多い。本図にみられる潟湖もその典型だろう。堤防で区切られ、内側が排水されることで干拓地が造成されている。1966年に水域だった部分は2020年には陸化され、土地利用記号から判定するに畑となっているようだ。
[4]北海道で低く、西南日本で高くなっている①と③が気温である。②と④は降水量となるわけだが、日本海側で高い値となっているシが冬の2月。豪雪地帯となっている。
[5]図がないので判定できないが、おそらく「台地」なのではないか。山間部の谷沿いの地域は土石流の被害の危険性が高い。河川の氾濫の被害が大きいのは河川沿いの低地(氾濫原、三角州)。
[6]bの「護岸」は洪水や土石流の対策なんじゃないだろうか。河川上流から流れてくる大量の水や土砂が、周辺の土地へと流れ出すことを防いでいる。
最もわかりやすい噴石対策はcだろう。火口から噴石が空中に飛散し、周辺に落下することで被害が拡大する。噴石から身を隠すために施設として「火山シェルター」があるので、こちらも画像検索しておくといいだろう。建物の屋根を強化することで建物の破壊を防ぎ、避難所としている。
さらにaも対策の一つとなるだろう。噴石はそもそも火山の噴火活動によって生じるものであるし、噴火の予兆を探ることによってあらかじめ火山周辺に近づかないなどの対策が講じられる。
[7]モンスーンアジア(季節風の影響でとくに夏の降水が多くなる東アジア~東南アジア~南アジアまでの一帯)では稲作がさかんで米がよく食される。東アジアで割合の高いアが米だろう。よって小麦はイ。
ただ、そうしたモンスーンアジアにおいても経済成長による食の欧米化が進み、米の割合が低下し、肉類の供給(消費)が多くなる。Bが古い時代であり、Aが現在。
[8]まずこの料理がインドのものであることをわからないといけないのだが、どうだったかな?せめてカラー写真にしてほしかったところなのだが。。。
インドでは殺生は避けられ、家畜のみでなく魚介類もあまり食されない。一方で乳製品は多く摂取され、重要な動物性タンパク源となっている。また写真の料理からもイメージできるように、インドでは香辛料がよく使われている。4がインドとなる。
スイスは内陸であり魚介類の割合が低い。移牧が行われる酪農国であり、乳製品はよく摂られている。3がスイス。
タイはインドと同様に香辛料がよくつかわれる。また東南アジアは日本と同様、主な動物性タンパク源の一つが魚介類である。2がタイ。
ノルウェーは海に接し、ヨーロッパの国としては例外的に魚介類の摂取が多い。一方で一般的なヨーロッパの食文化として乳製品もよく食べられている。1がノルウェー。
[9]Mはキ。アメリカ合衆国はカロリー過多による肥満や糖尿病などの生活習慣病が深刻。低カロリーの日本食が評価されている。キが該当する。なお、カでは「安価な食事」とあるが、日本食がとくに安価ということはないだろう。むしろ安易なのはハンバーガーやフライドポテトなどのファストフードだろう。しかしそれらは高カロリーでありながら栄養が不足し、さらに生活習慣病となりやすい。
NはF。とくにドイツでは第二次世界大戦後の戦後復興期にトルコから多くの出稼ぎ労働者が流入した。西アジアの食文化が広まる。Fが該当。西アジアというわけではないが、インドやパキスタンからイギリスへ、アフリカからフランスへ、それぞれ旧植民地からの移民も増加している(なお、トルコはドイツの植民地ではない)。Eについては誤り。ヨーロッパはそもそも食料輸出地域であり、西アジアからの肉類の輸入が多いわけではない。トルコから果実や野菜が輸入される程度。また「生鮮食肉」とあるが、保存や輸送の手間を考えると、鮮度がとくに重要な生鮮食肉が多く貿易されているとも思えない。
[10]Jはスだろう。何かをモデルとして絵が描かれているわけではなく、幾何学文様のデザインと考えられる。イスラームは偶像崇拝が禁じられ、とくに人物の肖像画は避けられている。そのため、このような幾何学文様によるデザインが広く普及した。
シはKだろう。レモンが描かれているようだが、これが「地域を代表する食材」に該当すると思われる。地中海沿岸の果樹栽培地域だろうか。
写真がないのでよくわからないが、Lがサに該当するはず。「華僑・華人の文化を反映した」とあるが、東南アジアの中国系住民の文化が示されているのだろう。龍や虎でも描かれているのかな。
[11]良問ですね。正解(誤り)は4。プラスチック生産は石油化学工業であり、資本集約型工業に分類される。巨額の資本を投下し、巨大な工場施設をつくることで成り立つ工業。石油化学工業のほか、鉄鋼業やセメント工業もこの仲間である。いずれも資源(原油、鉄鉱石・石炭、石灰)に依存するという特徴がある。
資本集約型工業の反対語が「労働集約型工業」。こちらは労働力に依存する(生産コストに占める労働力の割合が高い)。単純労働力を求める労働集約型工業が衣類工業や電気機械工業がわかりやすい例だが、熟練労働力によってこそ成り立つ工業(産業)もある。高い教育を受けた熟練労働者によって精密機械がつくられ、さらに21世紀は知識集約型産業(知識産業)として先端技術産業も発達しつつある。
選択肢4には「プラスチック素材の生産」のために「労働力」が求められるとあるが、これはどうだろう。プラスチック工業は資本集約型工業であり、労働集約型工業とは対立するもの。労働力は必要とされない。これが誤りとなる。
なお「高い技術をもつ」ともあり、もちろんこの部分も誤っている。高い技術をもつ労働者すなわち熟練労働者が必要な工業は精密機械工業など。
[12]Zがタになりそうだね。スーパーの食品について表示をみれば、いろいろな情報がわかる。生鮮食品ならその輸入先であったり、加工食品であっても原材料がどの国から輸入されたものであるかが判別できる。食文化のみならず食材そのものの「グローバル化」しているのだ。
さらにXがツなんじゃないかな。「職人」はまさしく「伝統的な技術」を有するものであり、高級無食器について「ブランド化」し価値を高めることができる。残ったYがチだろう(これは今ひとつはっきりとした判断はできないが)。
[13]Cが非常に重要。険しい山々と谷を流れ落ちる氷河。高峻な地形、そして山岳氷河がみられるような寒冷な気候がみられるのはアルプス山脈。(火山はないものの)新期造山帯の急峻な山脈であり、とくに標高の高い部分は万年雪は山岳氷河がみられる。アルプス山脈の位置についてもこの機会に頭に叩き込んでおこう。決して「ヨーロッパ中央部」ではなく、やや南側に位置していることがわかるんじゃないかな。アルプス山脈はイタリア北部(スイスとの国境)であり、イタリアはスキー競技がとても盛んな国。次の冬季オリンピックはミラノが開催地だね。
他はBをみてみよう。はるか遠くに風車がみえないかな。現在は多くが観光用となってしまっているが、こういった風車がみられるのはオランダだね。アに該当。オランダは平坦な国土を有し(オランダ人の中には山を見たことがない人がいるそうだ!)、この写真のような見渡す限りの平野はオランダ特有のもの。風車も偏西風を利用することから想像できるように西ヨーロッパの沿岸部の文化。東ヨーロッパの内陸部にはみられない。
残ったAがウのようだが、これはどうなんだろうね。ちょっとわかりにくい写真。遠景には山地がうかがえ、手前には森林や農地(?)が広がる(これ、湖じゃないよね?牧草地か何かだよね?)。ウは東ヨーロッパ(どこの国あたりだろうか。よくわからないが)であり、湿潤な気候がみられ、周辺は山地も多いようだ。
[14]3が誤り。例えばライン川(スイス~ドイツ~オランダと流れる)には「船舶が航行可能」な支流も存在し、運河を通じてドナウ川(図の南東へと流れ出る「船舶が航行可能な河川」)とも連結しており、大西洋(北海)から黒海(図の範囲からは外れているが、ドナウ川が流れ込む海域)までヨーロッパを横断して船舶が航行することができる。「陸路」に頼る必要はないね。
1;ヨーロッパの地形は「北でなだらか、南で急」。アルプス以北の北部(先ほどの問題でアルプス山脈の位置を確認しておこう)は平坦な地形が広がり、河川や運河の船舶の航行に適している。また偏西風の影響で年間を通じ一定の降水があり、凍結しない気候でもあり(温帯ということ)河川の流量は一定。山がちで、さらに夏の降水が少なく渇水するアルプス以南の南ヨーロッパとの違いも意識しておこう。
2;具体的な例としてはドイツ西部のルール地方があるだろう。石炭資源の豊富な地域だが、鉄鉱石はスウェーデンからノルウェーを経由して船舶でライン川を遡って供給されている。内陸の工業地域であっても河川(運河)交通を利用すれば、船舶による安価な大量輸送が可能となる。
4;北海に河口がある河川はライン川、黒海に河口がある河川はドナウ川。支流や運河によって両河川は連結している。
[15]東経を意識しよう。ライ麦は混合農業地域で栽培される作物であり(ライ麦とじゃがいもを輪作し、豚の餌とする)ポーランドでの生産が特徴的。ポーランドの値が大きい4がライ麦。
オレンジについてはスペインがヨーロッパ最大の生産国である。輸出量も多い。スペインの値が際立って多い2がオレンジとなる。オレンジの栽培限界は、ヨーロッパ最南部。スペイン南部やイタリア半島、ギリシャなどに限定される(なお、オリーブの栽培北限は地中海沿岸に沿う。フランス南部なども含まれている。オレンジの栽培北限はこれより南側)。ただ、この地域は降水量が少なく、オレンジ栽培のためには灌漑(かんがい。人工的に水を与える)が必要であり、これが原因で塩害も生じている。
1が小麦。小麦の栽培北限は北欧であり、ヨーロッパの広い範囲で栽培がなされる。最大はフランス。3がブドウ。栽培北限はフランス北部パリ盆地。フランス以南のスペインやイタリアで栽培される。
[16]「旅行支出」がわかりやすい。人口が多い国は旅行者も多いし、支出も多くなる。とくに高所得国ならば1人当たりが使う金額も大きくなる。このような「国民が使うお金」についてはその国の人口や経済規模(GNI)と比例するはず。(ロシアを除く)ヨーロッパ諸国の人口はドイツ8千万、イギリス7千万、フランス7千万、スペイン5千万、ポーランド4千万で、他の国は1千万程度かそれ未満の小国。「旅行支出」が最も小さいクがギリシャだろう。なお、ギリシャは南部ヨーロッパに位置し、1人当たりGNIは高くない。GNIの大きさについてもイギリスやイタリアより小さい。
残ったカとキについてはヨーロッパの気候を考える。イギリスなど北部は高緯度に位置し、夏の気温が低い(暖流の影響で冬の気温はあまり下がらないが、暖流は夏の気温には無関係)。一方でイタリアは比較的緯度が低く夏の気温は高く、またこの時期亜熱帯高圧帯に覆われるため晴天日数も多い。「涼しい夏」の北欧やイギリス、ドイツから、「暑くて天気がいい」地中海沿岸地域へのリゾート地へと多くの人々が移動する。ヨーロッパでは数週間の長期間の観光行動が一般的で、これをバカンスという。イギリス人の旅行支出が多く、そしてイタリアでの観光客の迎え入れが多い(到着観光客数)ことを考え、カがイタリア、キがイギリスとなる。
[17]数字の問題。実数と割合を考えよう。例えばA君とB君がいて、ともに浪人している。もともとの点数はA君が高く、B君が低い。1年間勉強したとして「点数の伸び率」ってどっちが高いと思う?増加率は、分子が「増えた数」であり、分母が「もとの数」である。500点だったA君が700点まで増えたとして、B君は400点だったのが600点まで増えた。同じく200点増えたわけだけれど、基準となる「もとの点数」がB君の方が小さいのだから、増加率はB君の方が高くなるね。もともとの点数(数)と、増加率は反比例の関係にある。ただし、増加率が高いとはいえ、実際の点数がB君の方が低いのは、1年前と変わらない。A君が700点、B君が600点。
1;「1人当たりGDP」と「1人当たりGDPの増加率」がともに高い。
2;「1人当たりGDP」は低いが、「1人当たりGDPの増加率」は高い。
4;「1人当たりGDP」と「1人当たりGDPの増加率」がともに低い。
1と3は数字で考えた場合、ちょっとおかしいね。2が正解となる。
なお、3については誤りなのだが、これも「1人当たりGDP」で判定できるね。地理では「1人当たりGDP」は「1人当たりGNI」と同じ。1人当たりGNIは賃金水準であり、工場(外国資本)は高い方から低い方へと移動し、労働者は低い方から高い方へと移動する。つまり「工場」と「労働者」で移動の方向が反対なのだ。3のように、外国資本(工場)と労働力(労働者)が同じ方向に移動することはない。
[18]域内の貿易障壁が取り払われているEUはとくに域内向けの貿易額の割合が高い。モノだけでなく、人やサービスの移動も自由化されている。61.4%の高率である2がEU。
3がNAFTA(USMCA)。アメリカ合衆国のGNIはEUより大きい。NAFTA(USMCA)ならばさらにカナダやメキシコも加わり、GNIの合計が世界最大の自由貿易圏となる。
4がメルコスール。「南米南部」であるのでブラジルとアルゼンチンを考えればいい。ブラジルが2億人、アルゼンチンが5千万人なので、2.5億人。周辺国を加えて人口は3億人程度だろう。
残った1がASEAN。東南アジアだが、経済規模(GDPつまりGNI)は小さく、メルコスールと変わらない。人口は、インドネシアが2.5億人、フィリピンとベトナムが各1億人、マレーシアとタイで1億人(3千万人と7千万人)、ミャンマーで5千万、それ以外の小国も併せ、6.5億人程度となる。これはEUやNAFTA(USMCA)より多い。
[19]ヨーロッパは日本と同様に少子高齢化が進み「少産多死」の状況。2019年の数値で「出生率<死亡率」となっている(つまり人口が自然減小している)3が該当。
同じく2019年の数値から判定し、出生マイナス死亡の値が高い1がアフリカとなる。東南アジアとオセアニアは解答として問われることはないと思われ、考慮しなくていい。東南アジアは世界平均レベル(年人口増加率は1%)、オセアニアは母数となる人口規模が小さいため変動が大きい。とりあえず1980年の段階で出生率が高かった2が発展途上地域とみなされ、東南アジアとなる。
[20]1人当たりGNIを基準に考える。1人当たりGNIが高いのが先進国、低いのが発展途上国。
「栄養不足人口の割合」は1人当たりGNIと反比例するだろう。自給作物の生産が少ない発展途上地域で食料不足となる一方で、先進地域はフードロスとなる。食料供給が過剰で、廃棄量が多い。
「穀物自給率」と1人当たりGNIは比例。上記の説明と同じ。発展途上地域では食料は作られず、先進地域は穀物輸出地域となる。北米やオセアニア、ヨーロッパは小麦の輸出地域。
「18歳以上人口に占める肥満人口の割合」も、先進国における食料供給の過剰さを考えれば、1人当たりGNIに比例するだろう。発展途上地域では食料が十分でなく、痩せ細る人も多い。一方で先進地域ではカロリー過多による生活習慣病や肥満のリスクが高い。
一つだけ1人当たりGNIに反比例する指標があるので、これから判定する。細かいところをチェックするのは面倒なので、わかりやすくアメリカ合衆国に目をつける。1人当たりGNIの高いアメリカ合衆国で「帝位」となっているイが「栄養不足人口の割合」だろう。
残った2つはどうだろうか。本問の場合、日本がいずれも「定位」となっているのでこちらは判定材料にならない。1人当たりGNIが高い国でありながら、アメリカ合衆国とは違うキャラクターを有している国hどこか?つまり、いわゆる先進国以外で1人当たりGNIが高い国(地域)ってどこだ?そう「産油国」だよね。オイルマネーで潤ってはいるが、それは技術力の高さや工業化によるものではなく、ドバイなど最先端の都市もある一方で、欧米や日本ほどに社会が成熟しているわけでもない(この話題でよく登場するのが移民について。欧米では移民には十分な社会保障が与えられるケースが多いが、産油国では外国人労働者についてその権利は保証されていない)。アとウではサウジアラビアに注目してみよう。アは「低位」、ウでは「高位」。ここではサウジアラビアなど西アジア地域が乾燥した気候を有する砂漠国である点に注目しよう。農業用水が乏しいので、一部を除けば農耕は行われない。サウジアラビアでは地下水を利用したセンターピボット農法によって小麦が栽培され(そもそも小麦の原産地は西アジアである)、かつては輸出されていたこともあるようだが、さすがに現在は輸入するようになっている。サウジアラビアで穀物が十分に栽培されているとは思えず、「定位」のアが「穀物自給率」となる。
残ったウが「18歳以上人口に占める肥満人口の割合」。とくに考慮しなくていいが、サウジアラビアを含むアラブ諸国(北アフリカ・西アジア)やイランで高くなっている。この地域は羊を中心とした家畜の肉がよく食べられ、その分だけ肥満になるとも言われているが、そもそもの体質なんじゃないかなって思う。太りにくい日本人(もっとも、日本人は肉や油はさほど食さない低カロリーの国民性なのだが)と、肉食中心の乾燥地域の違いなのだろうか。イランは穀物自給率が高いわけでもなく、一方で栄養不足人口の割合も低いわけでもないのに、肥満が多いっていうのはやはりペルシャ系の人々の体質によるものなのかも知れないね。
[21]4が誤り。アラル海は塩湖(乾燥地域では蒸発量が多いため、湖水の塩分濃度が上がる)であり、干上がった旧湖底には塩が張り付いている。塩分を含んだ土壌は農業には適さない。なお、この塩が風によって周辺地域へと飛散することによって、比較的距離の離れた農地においても塩害の被害がみられるそうだ。
[22]1;日本と東南アジアの関係を考えればいい。かつて日本はフィリピンやタイから多くの熱帯林を輸入していたが、それらは日本企業が行った森林の無秩序な大量伐採によるもの。この影響でフィリピンやタイでは大きく森林面積が減少し、現在も熱帯国として例外的に国土に占める森林面積割合は低い値となっている(20%程度)。フィリピンやタイの森林を伐採し尽くした日本が次に向かったのはマレーシアやインドネシア。このままでは国内の森林資源が枯渇すると恐れた両国は、政府の取り組みによって日本企業による伐採を防いだ。森林はあくまで国の管理下とし、伐採は国が主導して計画的に行われる。さらに原木ではなく加工材として輸出することで(合板)、国内に製材業の振興も図った。伐採された森林には計画的に植林も進められ、現在の両国は世界的な熱帯林の輸出国でありながら、森林面積割合も高い値(50%以上)をキープしつづけている。このような状況を考慮すれば、選択肢1が正解であることがわかるだろう。選択肢1の取り組みはマレーシアやインドネシアによってなされ、「木材の購入」相手は日本である。
2;地下水を大量に使用すれば、地下水の枯渇や地盤沈下などの問題が生じる。
3;「大量の化学肥料や農薬」はそれが流出することで周辺地域への影響も大きい。たとえば農業ではないが、東南アジアやチリにおけるエビやサーモンの養殖場では環境への負荷が問題視されている。成長を早めるための成長ホルモンや、病気を防ぐための抗生物質が養殖エビ・サーモンには使われているが、これが海域の汚染物質となり、生態系の破壊が一部でみられるようだ。本選択肢における発展途上国の農業においても、例えば農薬を持ちいていわゆる「害虫」を駆除してしまえば、それを捕食していた動物がいたとして、彼らの個体数も減少してしまうことになる。また害虫が耐性を身につければ、捕食動物の減少によって、かえって害虫の数が爆発的に増えてしまうこともある。こういった化学肥料や農薬の使用には慎重にならないといけない。「大量」が誤りとなる。さらにいうならば、こういった地域の農家は一般的に貧困であり、化学肥料や農薬を買うためのお金がなかったりする。
4;エビの養殖池はマングローブ林を伐採してつくられている。エビの養殖池が開発されたら、その分だけマングローブ林は失われる。
[23]オランダは国土面積が狭く、国内の移動に航空機は用いないのではないか。「0」がオランダの国内線と考えていいと思う。Kが「国内線」、シが「オランダ」。
逆にアメリカ合衆国は国土が広く、多くの人々が航空機の国内線が移動する。Jの値が極めて大きいサが「アメリカ合衆国」。サはKの値も大きく、世界で最も航空交通の発達した国こそアメリカ合衆国なのだ。
[24]西アジアは石油の最大の輸出地域。Pが「輸出」、タが「西アジア」と考えると妥当だろう。