2024年地理B本試験[第2問]解説

【第2問問1】

[ファーストインプレッション]統計問題中心で解きやすい第2問。おっと、特定の資源に関する算出・輸出・輸入とはずいぶんベタな問題ですね(笑)軽々解いてしまいましょう。

 

[解法]このように世界全体の図が用いられた問題については最初に「日本」に注目するのが大原則、特に今回のように鉱産資源の産出や貿易に関する問題ならば、日本のキャラクターはとてもわかりやすいね。

 

日本はAでは全く無く、Bではそれなりに大きい。Cでは再び無し。日本て鉄鉱石は産出されにくいし、もちろん輸出もされていないだろう。Bが「輸入量」になるね。なるほど、世界最大の鉄鋼生産国である(世界の半分以上の鉄鋼を生産)中国において輸入量が圧倒的に大きくなっているのは納得。

 

残ったAとCだが、輸入している国で輸出が少ないのは当たり前だよね。もちろん「輸入も輸出もしている」というパターンが全く無いわけではないけれど、それは特殊な例だと思う(*)。中国が輸入国である一方で、オーストラリアとブラジルの値が極めて大きいAを「輸出量」とみていいね。

 

Cが「産出量」となるのだが、ここでは上記の二つ(オーストラリアとブラジル)以外に中国にも注目しておこう。世界的な鉄鉱石産出国でありながら、国内での鉄鉱石の消費量(需要)が極めて大きいので、輸入量こそ多くなっている。鉄鉱石でチェックしておくのは中国、オーストラリア、ブラジルの3カ国であり、それぞれに状況が違うことを意識しよう。

 

中国・・・鉄鋼生産が多く、国内需要が大きい。産出量も多いが、輸入量こそ極めて大きい。

ブラジル・・・工業国であり鉄鋼生産はそれなりに多いが、輸出余力もある。産出量も多いが、一部は輸出されている。

オーストラリア・・・鉄鋼生産はなされない。産出量が多く、そのほとんどが輸出されている。

 

なお、近年の過去問で「オーストラリアから中国への輸出額の大きさ」が出題されたことがある。もちろん鉄鉱石をイメージして欲しい。オーストラリアから大量の鉄鉱石が中国へと輸出され、中国の(というか世界の)工業を支えている。

 

(*)この代表的な例にイギリスの原油があるね。北海油田の西側を領有するイギリスは原油の産出国であるが、ノルウェーからの輸入量も多い。ノルウェーは北海油田の東側を有するものの、沿岸の水深が深くパイプラインの敷設に適さない。北海のノルウェー側で採掘された原油は西に向かって敷設されたパイプラインによってイギリスへと送られている。なお、イギリスは原油輸出国でもあるのだが、「輸出量<輸入量」となっており、「純輸出国」というわけではない。国内消費量は比較的多い。

 

【第2問問2】

[ファーストインプレッション]最近つくづく思うのだが、地理って「高度経済成長期の日本」を学ぶ科目なんじゃないか。日本の歴史において大きな展開展となっている高度経済成長。この時期に日本の産業や経済、そして人々の暮らしはどのように変化したのかが常に問われている。工業においてはそれまでの減量立地型の工業や繊維工業などの軽工業が衰退し、臨海部の鉄鋼業・石油工業や自動車など重工業が発達した。都市構造においては農村から多くの人口が流入したことで巨大な都市圏がつくられたが、しかしそれは現在は姿を変えている。人々の暮らしもモータリゼーションの進行によって大きく変化している。日本のターニングポイントとしての高度経済成長を理解し、その前後で何が生じていたかを理解する科目、それが地理なんじゃないか。

 

[解法]とてもおもしろい問題。工業の問題と思いきや、実は日本の高度経済成長期に何が生じていたかを考える問題。いきなり正解を言ってしまうけれど、これ、2が誤りだよね。「1940年」に「東京湾岸」や大阪湾岸にも製鉄所が立地」するようになった背景としては「国内に埋蔵される原料や燃料が枯渇」したことが理由であると述べられている。原料や燃料とは鉄鉱石や石炭。これが1940年の段階

 

もちろん1940年がどんな時代かを知る必要はない。地理は歴史科目ではないので、それを知ることはない。ただし、地理は高度経済成長期の日本については正確な理解が必要。高度経済成長期は1960年代を中心とした時期で、茨城県から大分県までの帯状のエリアで臨海部に製鉄所や石油化学コンビナートが新設され「太平洋ベルト」とよばれる広範な産業地域が形成された。同時に農村から三大都市圏への人口流入を著しく、東京から京阪神まで人口の集中地区である「東海道メガロポリス」も成立している。この時期は世界的な規模で考えると「エネrギー革命」の時期にあたる。人類の主要な動力が蒸気機関から内燃機関に変化し、重要なエネルギー源として固体燃料(石炭)から液体燃料(石油)への転換が生じた。日本の高度経済成長も、当時西アジアなどから安く得られた石油資源に支えられていた(だからこそ、石油価格の高騰によって経済が大打撃を受けてしまったわけだが。1970年代中頃に高度経済成長は終わる)。

 

「石炭から石油」への転換が重要なキーワード。1960年代の日本は全て「成長」の時代だったが、唯一「衰退」していったものが「国内の石炭産業」なのである。それまでは北海道や九州北部を中心に日本の先端産出量は多かった。石炭は「黒いダイヤモンド」と呼ばれ、炭鉱で働く者は大きな収入を得ていた。長崎県の端島(軍艦島)が有名だね。海底炭田の採掘坑に設けられた島であり、狭いエリアに住民はひしめいていたのだが、石炭から得られる利益で彼らの生活は潤っていた。石炭採掘は日本経済を支える重要な産業の一つだったのだ。

 

しかし、この状況が高度経済成長期に一変する。安いオーストラリア産の石炭の輸入が増え(*)、コストの高い日本の石炭産業が圧迫される。またエネルギー革命の時期とも重なり石炭の需要が停滞し、価格も上がらない。国内の炭坑は次々と閉山し、北海道や九州北部では人口流出が相次いだ。前述の端島もやがて閉鎖される運命となる。現在の日本の炭鉱はスタディマイン(研究用の炭鉱)として残された北海道東部のみ。高度経済成長期を境として日本の石炭産業は消滅した。

 

こういった経緯を知っておけば「1940年」の段階ですでに資源が「枯渇」していたとは考えられないだろう。1960年までは少なくとも石炭の採掘がある程度は行われていたのだから。この選択肢が誤りで答えとなる。

 

(*)日本は地下に坑道を掘って石炭を採掘する方式でコストが高い(危険性も高い)。オーストラリアは地表面から削り取る露天掘りでありコストが安い。また日本の石炭は水分が多く質が低いのに対し、オーストラリアは乾燥しており水分の少ない無煙炭。質が高い。

 

なお、1940年の図を見るとまだまだ原料産地での鉄鋼生産が盛んに行われていたことがわかる。まずは北海道の室蘭。北海道の内陸部(夕張は有名じゃないかな)で石炭が産出され、この地に製鉄所が置かれていた。さらに岩手県の沿岸部。釜石というところだが、周辺に鉄山があり、採掘された鉄鉱石を利用した原料地指向型の鉄鋼業が成立。さらに九州北部。北九州市の八幡だが、2カ所の製鉄所が立地。九州北部(筑豊や長崎など)の石炭を利用した鉄鋼業。鉄鉱石は中国から輸入されていた。

 

なお、この3カ所は1910年の時点でも製鉄所が置かれており、日本の鉄鋼生産の起源であることがわある。現在は室蘭の製鉄所は縮小、北九州は2つあった製鉄所の一つが廃炉となっている(第3問問1でも説明しているが、この閉鎖された製鉄所跡はスペースワールドという遊園地となった)。釜石はすでに閉鎖されている。

 

他の選択肢は検討の必要はないでしょう。とにかく「高度経済成長期」が重要すぎるのです!

 

【第2問問3】

[[ファーストインプレッション]GNIに関する重要キーワードが満載の素晴らしい問題ですね・

 

[解法]登場する国は3つ。アメリカ合衆国、インドネシア、オーストラリアといずれも明確なキャラクターを持っている。単なる「石炭の輸出量」の問題ではなく、日本向けの輸出(つまり「日本の輸入量」ってことだね)が問われているので注意が必要。

 

まず統計は必須。君たちが石炭の輸出国として知っておくべきはオーストラリアとインドネシア。オーストラリアについてはよく知られているだろう。問2でも登場したけれど、高度経済成長の時期に日本の製鉄所が臨海部に多く設けられた理由として「オーストラリアからの輸入に適する」ことがある。当時のオーストラリアは、イギリスから離れ白豪主義政策からの転換を目指していた。アジア地域との貿易関係を強化し、とくに日本との貿易が拡大した(このことは第4問問5でも登場しているね)。それに対しインドネシアは近年とくに石炭の産出量と輸出量が増大してきた国。現在はオーストラリアを凌いでインドネシアが世界最大の石炭輸出国となっている。

 

この問題の興味深いところはグラフのスタートが「1970年」となっているところ。日本がテーマとなる問題は高度経済成長期の様子が問われるわけで、本問もそれに倣っているね。1970年代はどういった状況だったのだろう。先ほども言ったように臨海部に製鉄所が設けられ資源がオーストラリアから盛んに輸入されていた。1970年の段階で値が大きいEとGのいずれかがオーストラリアだろう(この時期のFからの輸入量はゼロ)。

EとGはそれ以降の変化が異なる。Eからはそれ以降も輸入量が増え、最大の輸入相手国となっている。それに対しGの値は低下し、現在はほとんど輸入されていない。ここも統計で考えたらいいんじゃないかな。日本の輸入相手国は非常に重要。農産物は基本的にアメリカ合衆国から、工業製品は基本的に中国から、そして資源は基本的にオーストラリアから。もちろん資源については原油はサウジアラビアやアラブ首長国連邦、銅鉱はチリなど産出地域による違いはあるが、鉄鉱石や石炭は高度経済成長以降オーストラリアからの輸入が多い(なお、オーストラリア目線では最大の輸出相手国は最近は中国に変化している。これも第4問問5のネタ)。Eをオーストラリアとみていいんじゃないか。

そして近年値を少しずつ増しているFをインドネシアとする。原油や天然ガスも含め、資源開発が進む国である。Gがアメリカ合衆国でいいんじゃないかな。国内での供給(消費)量が大きく、輸出量は減っている(しかし、これも微妙な話なのだが、将来的にはアメリカ合衆国は原油と天然ガスについては輸出国に転換するとみられている。もちろんシェールオイルやシェールガスの採掘量の増加。アメリカ合衆国だからといって「資源は輸入する側なのだ」という偏見は持たないこと)。

 

さらにアからウを検討しよう。やっぱりウが目立つんですよね。GNIに関するキーワードがあるね。そう、「国内市場の大きさ」だね。GNIはその国の経済規模を表し、つまり市場の大きさを表す。3カ国中、圧倒的なGNIの大きさを有するのはアメリカ合衆国。1人当たりGNIも高く、人口も大きい。「GNI=1人当たりGNI×人口」を意識すること。ウがアメリカ合衆国でしょう。これがGに該当。

残った二つはどうだろう。ほぼ同じことが書いてあり、ほとんどいずれの国にも当てはまることなのだが、唯一異なっているのはアで「石炭産出量が急増」とある点。これ、どうなんだろうね。上述のように1970年代より日本はオーストラリアから莫大な資源を輸入していた(1970年代のオーストラリアの最大の輸出相手国は日本)。この点を考えるに、比較的古い段階(このグラフでイで言えば起点の1970年)からオーストラリアは資源産出が多かったと考えるべきで、鉄鉱石も石炭も含まれる。当時からオーストラリアの石炭産出量が多かったと考えれば「急増」はオーストラリアに該当しない。アがインドネシア、イがオーストラリアで、それぞれEとFに該当する。決定的なキーワードは存在しないが、そう考えるのが妥当だろう。一応、Fについては日本への輸出量が1970年にはゼロだったものが2020年には2千万トンとなっており、増加率は極めて高い(最初がゼロなんだから、増加率は無限大だね)。「急増」と考えてみても問題ないだろう。

 

 

【第2問問4】[ファーストインプレッション]おっ、この問題はちょっと厄介だぞ。ドイツとイギリスが登場し、その区分が重要となっている。ただ、イギリスって「工業」ジャンルで取り上げられる時にはいわゆる「へたれ」キャラというか(笑)「工業がない」というキャラクターで登場するんですよね。その考えに沿って解けばなんとかなるんじゃないかな。

それからここでは「付加価値額」という言葉がとても重要なので、ぜひ知っておこう。「付加価値額」についてはそのまま「お金」と考えればよく、要するに「GNI」のこと。だから、ここで示されている「人口1人当たりの製造業付加価値額」については「1人当たりGNI」と考えればいい。これ、めっちゃ大切なことなので、「受験のコツ」としてインプットしておこう。こういうコツをたくさん知っておくと強いよ!

 

[解法]先に言葉を定義しておこう。ここでは「製造業付加価値額」ってあるよね。これ、そのまま「GNI」と考えてください。だから世界的にみて製造業付加価値額が大きい国として、アメリカ合衆国や中国、日本、ドイツなどが挙げられる。付加価値額っていう言い方に戸惑うかもしれないけれど、要するに「お金」のことだと考えてください。具体的にはこういうこと。例えば自然の状態で取り出したもの(工業の場合は「鉄鉱石」がこれに当たるね)は値段が安い。一次産品と呼ばれるもので、こういったものを産して輸出している国ってたいして儲からないよね。やがて鉄鉱石が加工されて鉄鋼になる。鉄鉱石に比べれば鉄鋼の方が値段が高いけれど、まだまだこういった「素材」は安い方だと思う。それが部品に加工され、組み立てられ電気製品になる。ほら、どんどん値段が高くなっていっているのがわかるかな。手間をかけて加工することでそこに「価値」がついていくのだ。つまり「付加価値」だよね。さらにこの電気製品がコンピュータならば、そこにOS(オペレーションシステム)やソフト(アプリ)がダウンロードされ、さまざまな機能を発揮すれば、さらに付加価値が高まるんじゃない?資本力や技術水準の向上によって、付加価値が高まるのだが、こういった工業製品や知識産業製品の生産が大きい国って経済規模が大きい国だと思わないかな。アメリカ合衆国や中国、日本、ドイツなど。つまり「製造業付加価値額」は「GNI」と対応するわけだ。

 

本問のグラフでは「人口1人当たりの製造業付加価値額」とあるが、要するにこれは「1人当たりGNI」ということ。登場している国はベトナム、中国、イギリス、ドイツの4カ国。前者2つが発展途上国で1人当たりGNIが低く、後者2つが先進国で1人当たりGNIが高い。グラフを判定するに、1と2がベトナムか中国のいずれか、4と3がイギリスかドイツのいずれかとなる。

ドイツを判定する問題なので、選択肢は3と4に絞られる。グラフでは1990年と2018年の変化が示されているが、こういった「変化」に注目すると混乱する。この手の問題は「現在」の値を絶対的なものとしてそれで判定してしまった方がいい。いずれも2018年の数値に注目し、3は「人口1人当たりの製造業付加価値額」と「GDPに占める製造業の割合」がともに高く、4はいずれも低い。シンプルな言い方をしてしまえば、工業に特徴がある3とそうでなない4の違いということ。

 

ここで統計を考えて欲しい。例えば重要な製造業として鉄鋼業と自動車工業がある。ヨーロッパはそもそも製造業が発達した地域ではないが、それでも鉄鋼や自動車の生産が世界ランキングで上位にある国ってどこだろう?そう、ドイツだよね。鉄鋼生産は近年落ち込んだとはいえ10位以内にはランクインしているし、自動車も多くの企業が本社を構えヨーロッパ最大の生産台数を誇っている。一方のイギリスは工業製品のランキングには入ってこない国であるし、とくに目立った製造業の発達もみられない。値の高い3をドイツ、低い4をイギリスとみてしまっていいんじゃないか。「GDPに占める製造業の割合」であるので、たしかにこれはGDPに反比例する指標である。GDPとはGNIのこと。ドイツは世界4位のGNI大国であり、イギリスを上回っている。とはいえ、両国のGNIに決定的な差はあるのだろうか。1人当たりGNIはドイツがやや高い。人口はドイツが8000万人、イギリスが7000万人でこちらもややドイツが優勢。1人当たりGNIと人口を掛け合わせたGNIならば、せいぜいドイツの値はイギリスの1.5倍程度かそれ以下なんじゃないかな。このグラフを参照するに、GDPに占める製造業の割合は3と4との間で(前者が20%、後者が8%)2.5倍の差がある。ドイツとイギリスのGNIの格差を上回るものがあるので、やはりドイツの方が絶対的な値でも製造業の生産額は大きいということになるよね。もし、これが逆(イギリスが3、ドイツが4)ならば、イギリスの製造業の生産額はドイツを超えることになる。先にも示した自動車や鉄鋼の世界ランキングと矛盾が生じるよね。3がドイツ、4をイギリスと決めていいだろう。

 

1がベトナム、2が中国かな。この問題、実は大切なのはここから! 発展途上国である二つの国において「GDPに占める製造業の割合」が上昇しているね。今や世界の工業生産の中心は発展途上国に移りつつあり、製造業の生産額も急増していることに注目する。ベトナムならば安価な労働力を利用した繊維工業が中心だろうが、今後や電気製品などの生産も行われるだろう。中国も同様に安価な労働力を狙っての工場進出がさかんだが、それに加え鉄鋼業や石油化学工業などの素材工業(資本集約型工業)、さらに中国国内での販売を目的とした自動車生産(現地生産)も増加している。世界に冠たる工業国である。

 

その一方で、ドイツやイギリスでは「GDPに占める製造業の割合」は停滞もしくは低下している。国内主産業が金融業など第3次産業へと移行しているのだ。日本もいつまでも工業にこだわるのではなく、とっとと金融大国になるべきなのだ。ただ、おもしろいのは「人口1人当たりの製造業付加価値額」についてはドイツが大幅に成長している。これは「付加価値」に注目し、より「値段の高い」ものをドイツが作り始めたということなのだ。これも最初に言ったね。これ、おそらくコンピュータソフトなどの知識産業なんじゃないか。知識集約型産業の発達がドイツでみられ(今やルール工業地帯は古くからの鉄鋼業が衰退し、先端産業地区へと転換している)それらの「価値の高さ」がこちらのグラフの動きに反映されているのではないか。日本もとっとと自動車工業なんかやめて、頭を使う産業を指向しないといけない。やばいっしょ。日本は世界基準からすると周回遅れになっている。大丈夫なのかよ(っていうか、大丈夫じゃないんです・涙)。

 

【第2問問5】

[ファーストインプレッション]これはストレートな問題だね。工業ジャンル、似たような問題が多いような。立地条件が出題されるね。

 

[解法]これは1が誤りでしょ。「国内の農村部」に「豊富な労働力」がある???たしかに一部の工場は地方(農村)へと進出する場合もあるが、それは「安さ」を求めてのもの。一般に地方は大都市圏に比べ経済レベルが低く、賃金水準が低い。東北地方に電気機械工場が多く進出している例はある。地価も安く工業用地には困らない。また高速道路などの交通種産も整備され、部品や製品の輸送も容易となっている。九州ならば輸送しやすいさを考え、空港近くにIC(集積回路)の工場がつくられているね。

 

さらに言えばここえは「繊維工業」とある。繊維つまり衣服はとくに価格が安いので、日本国内では成り立たない。既製品の大量生産の工場は「1人当たりGNI」の低いアジア諸国へと移転しているね。

 

【第2問問6】

[ファーストインプレッション]今後の地理総合・探究でも出題されそうな形だね。簡単だからこそこういった問題を確実にゲットしよう。第5問問6とも似ているね。

 

[解法]個人的には一つ目の「関連する施設に新たな価値を見出し、地域の魅力を高める」にピンと来たのだけれども、でも分かりやすいのは二つ目の「持続可能なエネルギー利用により、環境に配慮した社会を構築する」かな。「持続可能なエネルギー」といえば、基本的には二酸化炭素を発しない自然環境を利用した新エネルギーを想起し、「太陽光発電」や「風力発電」が典型例だと思う。ただ、旧来の発電方式ではあるが、やはり自然環境を生かした二酸化炭素フリーの「水力発電」もこれに含めていいと思う。一方で、これに含まれないのは「原子力発電」。燃焼に頼らない(核融合と核分裂)ので二酸化炭素は排出しないが、資源を再利用できるはずの核燃料サイクルが完成していない現状、原子力利用は決して「再生可能」ではない。近い未来に枯渇するウランに依存するという点においては、石炭や原油など化石燃料と変わりない、

 

その逆に、二酸化炭素は排出するものの再生可能エネルギーと考えられているものに「地熱発電」がある。とはいえ化石燃料ほどの二酸化炭素を排出するわけでもなく、自然環境の利用という点においては太陽光や風力と同じ。さらに「生物」の利用がある。いわゆるバイオマスだね。生物エネルギーである。主に植物に由来するものがイメージやすいが、微生物、家畜の排泄物など多様に開発が進んでいる。アメリカ合衆国は世界最大のバイオマスエネルギーの利用国であり、トウモロコシからバイオエタノール(アルコール燃料)が抽出されている。ブラジルでもサトウキビからのアルコール燃料が(発電ではないが)自動車のガソリン代替品とされている。バイオマスは液体のみでなく、家畜の排泄物からえられるバイオガス、

 

さらにいえば、実はインドがバイオマス大国と聞くと意外だろうか?発展途上国でさほど技術水準が高くないのにバイオマスが盛んに利用されているなんて? 実はこれは簡単な理由で、要するに「薪炭材」を使っているということ。木を燃料とすることは最も原始的な資源利用の一つといえる。要するに薪をつかって料理をしたり、炭をつかって暖をとったりしているということだ。しかし、森林の利用は実は「古くて新しい」エネルギー利用である。針葉樹から油を絞って燃料とすることもできるし(松やたいまつになったり、油を豊富に含んでいるのだ)、あるいは木を直接に燃料とすることもある。実際に「森の国」フィンランドでは間伐材などから得られた木質ペレットを家庭用燃料とするだけではなく、火力発電の燃料ともしている。森林国であるフィンランドが最も恐れているのは酸性雨。酸性雨は硫黄酸化物によるもので、それを発生させる石炭など化石燃料の使用などご法度なはず。でも実はフィンランドは火力発電に依存する割合が高い国なのだ。それはなぜ?要するに石炭ではなく「木」によって熱を得て発電に利用しているのだ。二酸化炭素は排出するが、硫黄酸化物は排出せず、酸性雨の原因とはならない。二酸化炭素にしても森林の成長中に光合成によって大気中の二酸化炭素を酸素に変える。吸収する二酸化炭素の量と排出する二酸化炭素の量が相殺(中和)される「カーボンニュートラル」の効果によって、大気中の二酸化炭素濃度が過剰に上昇することは避けられる。「間伐材」による発電も「持続可能なエネルギー利用」の一つであり、Rをスと判定していいだろう。

 

さらに「特定の大企業に依存する企業城下町から脱却する」については、その反対語が含まれている選択肢があるね(そういえば、このことに関する問題が東大の入試問題で出ていたっけ。共通テストの問題って過去の東大の入試問題を参考につくられているっていうのは本当だね)。大企業の「大」の反対語として「中小企業」があり、「企業」に相対する言葉として「大学」がある。さらには「特定の企業に対して、多数の企業すなわち「他企業」も反対語とみていいよね。「特定の大企業」に頼るのではなく、「中小企業」や「大学」、そして多くの「他企業」に力を仰ぐ。Rがサに該当。なお、東大の問題では例えば豊田市のような特定の大企業(豊田市の場合は自動車企業のトヨタだよね)に依存していると、いざその企業が撤退したり、その業種が不況に陥ってしまった時に市の財政が破綻したり市民の雇用が不安定になったりする。その保険として、他の産業を誘致しそれらを活性化させることで、不況に強い財政や雇用状況をつくるべきなのだ、と。リスクマネージメントが地域経済においても重要であることを訴える問題だった。さすが東大、観点が鋭いなと思っていたのだが、今回このような形で共通テストでも出題されるようになった。Rがサtなる。

 

残ったPがシになるね。これは検討の必要はないが、「照明にともされた稼働中の工場群」は夜景スポットとして人気が高いね。山口県周南市の徳山コンビナートが有名なんじゃないかな。よかったら画像検索してみてください。