2016年度地理A追試験解説
たつじんオリジナル解説[2016年度地理A追試験]
<第1問;地理の基礎的事項>
問1 正解;4 地球は球体であるので、「真東」は同緯度方向ではなく、大きく右下の方向となる。
問2 正解;2 マガスカルは、かつて地球上に存在した古大陸ゴンドワナランドの一部。安定陸塊。 ア;アイスランド。太平洋中央海嶺上の火山島。 ウ;フィリピン。環太平洋造山帯に沿い、火山もみられる。東岸に沿って海溝。 エ;ニュージーランド。環太平洋造山帯に沿い、火山もみられる。プレート境界に沿う。
問3 正解;3 南半球においては、海流は大きく反時計回り。
問4 正解;1 ニュージーランドがわかりやすいか。偏西風や暖流の影響によって、年間を通じ気温や降 水量の変化が少ない穏やかな気候となる。 アラスカの太平洋岸は、暖流)(アラスカ海流)の影響によって比較的温暖。降水量も多い。 リ南部は、偏西風が年間を通じて吹き付け、湿った風の影響で多雨地域となっている。 なお、いずれも西岸海洋性気候である。
問5 正解 まず「森林」から。森林面積割合が高いのは、(1)熱帯林の赤道国、(2)冷帯林の高緯 度国の2つで、例外的に(3)温帯林の日本と韓国、がある。 (1)はほぼ赤道直下の国で、マレーシア、インドネシア、コンゴ民主、カメルーン、ブ ラジル、ペルーなど。 (2)はスウェーデンとフィンランド。ロシアとカナも森林国だが、ツンドラや高山な ど非森林地帯も多く、森林割合としては高くない。 (3)については、ヨーロッパやアメリカ合衆国は開発の過程で森林が大きく伐採された。 温帯の国で森林がよく保存されているのは、日本と韓国ぐらい。
以上より、P が「森林」
さらに「牧場・牧草地」。この割合が高いのは、半乾燥のステップ国であるモンゴル、カザ フスン、メキシコ、オーストラリアであり、日本にはほとんど見られない。Rが該当。 これ以外の「牧場・牧草地」国は以下のとおり。 ・サウジアラビア・・・砂漠国だが、緑化が推進され、比較的草地が多い。 ・ケニア・・・赤道直下。熱帯草原。 ・イギリス・アイルランド・・・大陸氷河に表土を削られ、樹木が生育しない。 ・アルゼンン・・・温帯草原パンパの国。 ・ニュージーランド・・・イギリスによって森林が伐採され、牧場が開かれた。 さらに「耕地」。基本的に人口密度と比例すると考え、インドとバングラデシュで極めて高 い値となる。Qが「耕地」。日本や東南アジアなど集約的な農業地域、あるいはヨーロッパ でも高くなっているのは納得だが、アメリカ合衆国やアルゼンンでも「高」となっているのは意外(というか覚えなくていいです)。なぜか、砂漠国のアフガニスンとイランで も高いのだが。まあ、「高い」といってもその中にいろいろあるんでしょうね。
問6 正解;4 「リモートセンシング」は遠隔探査。人工衛星から地上の様子を観察する。そのまま撮影 する場合もあるし、赤外線画像を撮影することも。しかし、「都市計画」についてはわから ないだろう。
問7 正解;4 等値線図は、気温や降水量など、地点ごとに観測したデーを表すもの。天気図における 気圧配置図などわかりやすい。「流通経路」のように、スート地点とゴール地点が明確な 場合は、「流線図」が一般的。矢印の太さで商品の量も表す。
<第2問;日本の自然環境>
問1 正解;5 Aの範囲では中央やや右よりを縦断する日本海溝を意識する。この位置に震源が並ぶウが 該当。 Bでは北東から南西へと連なる九州や南西諸島の位置に注意。火山も多く地震も発生して いる。アが該当。なお、四国や九州の沖合の南海トラフは意外に地震発生件数は少ない。 残ったCがイとなる。伊豆小笠原海溝が北西から南東方向へと連なり、震源も集中。
問2 正解;3 冬の季節風は、高気圧の生じるシベリア地域から吹き出すので、風向は3と4が正しい。 この季節風は大陸からの風であるため乾いているが、日本海上空で水分をたくわえ、日本 列島にぶつかる。しかし、日本列島の高峻な山々にぶつかると、風上側に雪雲をもたらす が、風下側へは乾いた風が吹き下ろすことになる。3が正解。
問3 正解;1 これは難しい。たしかに四国(それから近畿と中国)にも活火山は存在しないのだが、そ れを知っておけっていうのも厳しいと思います。 2;ごく稀であるが、勢力を保ったまま北海道方面まで達する台風はみられる。 3;高潮は「低気圧によって生じる海面上昇」であり、「干拓地や三角州など低地において」 被害が大きい。なお、「特に奥がせばまった湾で大きな被害を及ぼす」のは津波。 4;「西風」ではなく、「北東風」。
問4 正解;1 これも難しいな。緊急地震速報は、ある地点で地震が発生した場合に、その情報を瞬時に 全国各地に伝えるというシステム。地震の波動が到達するにはイムラグがあり、自分が 今いる地点が揺れるのには、1分や2分やそれなりの時間が経過した後。そうした時間差 を利用して、実際に揺れる前にしっかり準備しておけよっていうこと。 つまり「各地で観測された震度分布」を報告するものではない。これは、地震が終わった 後のニュースや新聞の仕事。ただし「津波」の情報については、緊急地震速報の範囲に含 めてもいいとは思うのだが。ちょっと不明瞭ではあるかな。
問5 (図が公開になっていないのでパスです)
<第3問;世界の生活・文化>
問1 正解;4 いい問題ですね。最近はこうした料理の問題が地理Bでも多く出題されている。 アはB。「羊肉」を用いるのは、乾燥地域とくにイスラム圏の特徴。 イはC。トウモロコシは新大陸(メキシコ周辺)原産。 ウはA。オリーブは地中海沿岸地域を代表する食材。地中海性気候に対応する。
問2 (写真が公開になっていないのでパスです)
問3 正解;3
問1に続いて羊がポイントになっている。 パキスンは、乾燥地域に位置するイスラム国家であり、「羊肉」が主に食され、「豚肉」 が嫌悪される。3が正解。 他はちょっとわかりませんが、1が日本(ヤギって!?)、3がオーストラリア(ビーフだ ね)、4が中国(豚の飼育頭数は世界ントツ1位)かな。
問4 正解;3
言語はこれぐらいの問題が理解できればいいと思うよ。 1;アルゼンンは「スペイン語」。ラテンアメリカでポルトガル語はブラジルだけ。 2;ドイツ語ではなく「フランス語」。カナ東部ではフランス語が用いられる。 3;ナイジェリアは多民族(多部族)国家であり、さまざまな言語がそれぞれの地域で使 用されていたが、民族融和の一つの手段として英語を公用語として採用した。これが正解。 4;マレーシアはブミプトラ政策によってマレー系住民の立場が尊重される国。公用語も マレー語のみ(ちなみに、国の宗教もイスラム教)。
問5 正解;3 五大湖南側のL地域はコーンベルトであり、トウモロコシと大豆の輪作が行われる混合農 業地帯。サトウキビは亜熱帯性の作物であり、アメリカ合衆国ではメキシコ湾岸やフロリ 半島の園芸農業地域において栽培される。
問6 正解;3 実数に注目。2億人を超えている1はアングロサクソン(イギリス)系を中心とした「ヨ ーロッパ系」、最も少ない(それでも1500万人近くはいるのだが)4が中国系と中心と した「アジア系」。 2と3だが、30年の間に逆転していることに注目しよう。1980年には2が多かった のだが、2010年には3の方が多い。奴隷にルーツをもつアフリカ系は、独立当初から アメリカ合衆国においては一定の人口割合を保っていたが、メキシコからの移民などヒス パニックはとくに近年の増加率が高くなっている。2が「アフリカ系」、3が「ヒスパニッ ク」である。 なお、ヒスパニックは上記のようにメキシコなどからの移民であるが、同時に「スペイン 語」という意味もある。アメリカ合衆国人口3億人中、スペイン語を母語とする者が50 00万人を突破したということ。
問7 正解;4 これはわからないや。地理A特有の問題と思って諦めるしかないかな。エイズは輸血によ って生じるわけで、「渡り鳥」はさすがに関係ない。まず、シが該当。 さらにXのような人口過疎地域ではなく、大都市が集まるような地域においてこそエイズ の割合は上がると予想され、Y が該当。正解は4。 なお、サとXが「西ナイル熱」のようだが、なるほど、これが「渡り鳥」によって媒介さ れるならば、Xのような南北方向に感染者が広がるというのにも納得できる。冬は南へ、 夏は北へ。
<第4問;地球的課題と世界の結びつき>
問1 正解;3 二酸化炭素排出はエネルギー消費と関係し、つまりGNIや人口を念頭におかないといけ ない。2010年の構成比が49%である2がアジアと思っていいんじゃないかな。そも そもアジアは世界全体の人口の60%以上を占めているわけで、49%といっても「1人 当たり」を考えれば低いぐらいなんだが。伸び方も「253」とかなり高い。中国やイン ドの経済成長を考えれば、妥当だろう。 他の3つの地域は人口規模的にはさほど変わらない。ヨーロッパが5億、北アメリカ(こ の問題の場合、中央アメリカは含まれていないと考えるべきだろう)が3億、中央・南ア メリカが5億。GNIを考えたらならば、1人当たりGNIが絶対的に違うので、GNI の大きなヨーロッパと北アメリカ、小さな中央・南アメリカとなる。このことから、4を 中央・南アメリカと思っていいんじゃないかな。工業が発達した地域でもないし、この程 度だろう。人口は世界の10分の1未満なのだから、2010年の構成比が5%程度でも 納得。 これで残ったものは1と3である。ここからが難しいのだが、ぜひ「京都議定書」を考え てみてほしい。1990年代に締結された京都議定書によってヨーロッパやロシア、日本 は二酸化炭素排出量について削減目標が設定されたが、アメリカ合衆国は脱退し、とくに 二酸化炭素排出量の削減には努力していない。2010年までに大きく構成比を低下させ た(実数も「100→82」と低下している)1がヨーロッパ。ロシアにおける工業停滞 や生産性の低かった東ヨーロッパ地域の工場閉鎖などの要因も重なっている。逆にあまり 構成比に変化はなく、むしろ実数として増加(100→112)している3が北アメリカ。
問2 正解;1 国名にはこだわる必要はない。「過放牧」は砂漠化の原因の一つであるので、「家畜の放牧」 を勧めることが砂漠化対策にはつながらない。
問3 正解;4 伸び率を見るまでもないだろう。現在(2010年)の値をみて、最も老人の割合が低い 4をアフリカとすればいい。単純な老年人口(総人口に対する65歳以上人口)ではなく、 生産年齢人口100人当たりの65歳以上人口なので、若干デーは異なるが、アフリカ で圧倒的に老年人口割合が低いのは事実であるし、そこはあまり気にしなくていいんちゃ うかな。
1がヨーロッパなのは問題ないでしょう。高齢化が著しい。 2と3が迷うのだが、2において「1990年から2010年の間」に全く値が変化していないことに注目。これはどういうことかといえば、世界は確実に高齢化に向かっている わけだから(医療も発達、衛生環境もよくなるしね。乳幼児死亡率は下がるし、長命化も 進む)、普通は「生産年齢人口100人当たりの65歳以上人口」も上昇する。しかし、こ の値が変わらないということは、高齢者と同じ勢いで、生産年齢人口(15歳から64歳) が増えているということになる。ん、これでもまだわからない?要するに「0〜14歳」 までの年少人口が増えていないっていうことだ。 2の地域においては、出生率が低下し、年少人口割合が低下。相対的に生産年齢人口割合 が上昇したことによって、「老年人口÷生産年齢人口」が停滞したのだ。これっておそらく 一人っ子政策の影響なんじゃないかな。2がアジアとなり、3が北アメリカ。 この部分、理解できない人は放置でいいです(笑)
問4 正解;4 「知識集約型産業」はコンピューソフト開発など。先進国で発達しており、発展途上国 にはふさわしくないキーワード。4が誤り。もちろんインドの都市部などコンピュー関 係の産業が盛んな地域もあるが、そういった仕事は他に比べて「低賃金で雇用が不安定」 ではないよね。 1〜3は全て正文。とくに1は重要かな。発展途上国は道路や鉄道の整備が遅れていて、 信号機もまともにないような交差点も多いし、渋滞はかなりヤバいね。
問5 正解;3
これ、いい問題ですね。 1;これは定番問題。「緑の革命」は農業の近代化なので、農薬や肥料の使用量は「増加」 した。 2;これも重要。アフリカだけではなく、世界全体で食料の総生産量は増加し、その増加 率は人口増加率を上回る。つまり、計算上は食料不足はありえないっていうこと。でも、 実際には地球上から飢餓と貧困は消えない。食料不足の原因は、農業や食料生産、人口増 加にあるのではなく、「分配」と「用途」になる。富裕な人々が食料を独占し、貧しい者へ と行き渡らない。本来、人間の口に直接入るべき穀物が、家畜の飼料として大量に使用さ れる。 4;「フードマイレージ」は輸送コスト。食料を輸送することで生じるさまざまな不利益で あり、エネルギー消費(それに伴う二酸化炭素排出量の増加)の問題にも結びつく。これ は「低下」させるもので、上昇させてはいけない。
問6 正解;2 自給的な農業地域(アジア・アフリカ)と商業的な農業地域(ヨーロッパ・新大陸)の対 比。 小麦の輸出超過量がプラスとなっている1と2が北アメリカとオセアニア、マイナスとな っている3と4がアフリカ。小麦の代表的な輸出国が、アメリカ合衆国やオーストラリア であることを考えよう。 米についてはそもそもの貿易量自体が少ないので、あまり参考にならないが、それでも統 計は重視するべき。米の輸出量が多いのは、最新統計で、1位インド、2位ベトナム、3 位イ。もちろんアジアにはインドネシアやフィリピンのような輸入国もあるのだが、ア フリカと比較すれば全体として輸出地域となっていることには疑問の余地はない。米の輸 出がマイナスとなっている3がアフリカ、プラスの4がアジア。 さらに米の輸出については、アメリカ合衆国も世界5位にランクインしている。とくに日 本の輸入量に占める割合についてはアメリカ合衆国がとくに高くなっている。この、アメリカ合衆国から日本への米の流れを考え、プラスの1が北アメリカ、マイナス(というか ほぼ貿易されていないよね)の2がオセアニア。
問7 正解;2 在留邦人の問題は地理A頻出だが、地理Bにもたまに登場するので、注意。 在留邦人というのは、「外国に住んでいる日本人」のこと。 4がわかりやすい。かつて日本からブラジルに多くの農業移民が生じた。彼らは現在でも 国籍を変えず日本人としてブラジルに住んでいるが、移民からかなりの年月がたち、高齢 化が進むと同時に、亡くなる人も多い。4が中央・南アメリカ。 さらに、人口移動については、「1人当たりGNIの低い国から高い国」という大原則があ る。最大の値となっている1は、アメリカ合衆国を主とした北アメリカである。 この原則からみると、2がヨーロッパ、3がアジアとなるのだが、ちょっと考えてみよう。 1985年から1995年までは3の方が2より多く、単純に経済レベルの差から考えら れるものではない。ポイントはやはり2の成長率である。例えば、中国は1980年代に 改革・開放政策によって外国との交流が活発化した。とくに近年は日本国内における外国 人数で中国がトップになるなど(留学生が急増)、日本との関係性も深まっている。国際社 会におけるアジア地域の台頭を考えれば、2をアジアと判定するのは困難ではない。19 90年代を中心に日系企業が東南アジア(マレーシアやイ)、2000年代以降は中国へ と、さかんに生産の拠点を移動させた。現地スッフの増加を考えれば、なるほどアジア の在留邦人数が増えていることにも納得なのだ。
問8 正解;5
アはオーストラリア。パプアニューギニアなど近隣地域。 イはスペイン。ラテンアメリカの旧スペイン植民地。 ウはイギリス。インドやパキスン、ナイジェリアなど旧イギリス植民地。
<第5問;福山市の地域調査>
(地理 B[第6問]解説を参照してください)