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2014.03.15
模試作成です
日中は本読んだりビデオ観たりして、夜になったら明け方までひたすら仕事。長時間パソコンに向かうのは苦でないので大丈夫なんですが、それにしても毎日毎日「仕事したなー」っていう充実感はそれなりにあるのに、俯瞰してみた場合、全然仕事がはかどっていないんだなぁ(苦笑)。マーク模試3回分作るっていうのはそれだけしんどい仕事なんだなって開き直るしかないわな。時間はたっぷりあるし、じっくり腰を据えてがんばりましょう。
さて(ボクは決してそんな風には思っていないのだが)受験生の学力が下がったと言われる昨今ではあるものの、逆にセンター試験・地理の平均点は上がりつつあるという妙な状況。とくにここ数年は60点台後半に高値安定中で、大手予備校の模試なんか普通に平均点50点を下回ることもあるっていうのに、このギャップって何?ってなっちゃうわけです。
こうした状況を考えてみた場合、模試についても明確な易化が必要なのかもしれない。これまでは「刺激を与えよう」とか「授業で扱っていない箇所をあえて模試で取り上げよう」みたいなモチベーションで試験を作成していた部分もあって、どうしても平均点は低くなりがちだったんだけど、実際のセンターの平均点にアジャストするならば、そういった意識は変えていくべきなんだろう。
2014.03.14
インディアンス
ジャッキー・ロビンソンがメジャーリーグ初の黒人選手だっていう話は有名ですが、当然、先住民(インディアン)初のメジャーリーガーっていう人もいるわけで。
名前は忘れたのですが、彼が在籍していたチームがクリーブランド・スパイダース。やがて彼の功績をたたえ、チーム名そのものがインディアンスと改称され、現在に至っています。
こういう文化ってカッコいいと思うんだよな。「JAPANESE ONLY」日本ではこうした文化に馴染んでいない。本来の先住民であるアイヌや琉球民族にだって十分な敬意が払われているとは言いがたい。それぞれのアイデンティティが尊重される社会とは何かってことに、そろそろ日本人は本気で考えていかないとなぁ。
ちなみにクリーブランド・インディアンスにはかつて石橋貴明選手も在籍していましたね(笑)。
2014.03.14
4種類あるんだな。
4種類あるんだな。
先日ある友人から指摘を受けた。メルマガで連載している地理ブログの内容で「インナーシティ」に関する説明がおかしいんじゃないか?
ただ、彼が言うのはバージェスの都市構造を日本の都市に当てはめた場合の漸移地帯に対する解釈のことで、そもそも本来的にはインナーシティとは異なっている。しかし、なるほど、一つの言葉を巡っても実に多面的な解釈が存在するのだな、と改めて思う。
ボクが常々意識しているのは、4つの解釈。「教科書的な意味」、「学術的に正しい定義」、「試験に出題されるパターン」、そして「授業における省略と誇張」。
たとえばスプロール現象に関してこの4つを捉えてみよう。教科書においては「郊外における虫喰い状の乱開発。農地や林地の間に住宅地が無秩序に散在する。」のような説明の仕方がされている。
しかし、本来のスプロール現象は経済や都市開発に密接に関わる用語であり、意味合いがやや異なる。「郊外に住宅地が分散して配置されるため、道路や都市施設などのインフラ整備が効率的に行われない」という点を強調しておかないといけない。
とはいえ、これではわかりにいし、今ひとつピンとこない。だから授業ではこうやって教えてしまう。「農地や林地の間に住宅地とかあったらごちゃごちゃしてあかんやろ?しかも工場やゴミ焼却場まで近くにあったら、何となく嫌やん。だから住宅地は計画的に建設しなあかん」で、片付けてしまう。決して正しくはないんだが、もっと深い意味が知りたい生徒は大学生になってから自分で調べてみたらいいし、とりあえずの切っかけとして身近な問題に落とし込んでしまう。自分の生活体験と授業内容の間にギャップ(狭間)が生じることはできるだけ避けないと。
ただし、我々はあくまで「受験屋」なのである。究極的にはテストでどうやって出題されるのか、というパターンを提示するだけに我々の存在価値(レエゾン・デートル)がある。だからスプロール現象については「郊外」における「無秩序な開発」なのだから、文章正誤問題で問われる際には反対語としての「都心部」や「計画的な開発」といワードに注意せよ。近年の出題傾向として「ニュータウン開発」の対義語としてスプロール現象が登場することが多く、これも意識しておこう。こういった、実戦でそのまま使える知恵を彼らに授けることが第一の目的となる。
「これは間違っているんじゃないか、これが正しいんじゃないか」というのはそもそも不毛な議論であって、要はケースバイケースでどういった要素を強調して提示していくかということなんだと思う。仕事柄もちろん「試験」をメインコンセプトに教えてはいるんだが、それが成り立つためにはやはり「学術」的な土台は大事であるし、高校からの授業の継続性も考えれば「教科書」も無視できず、おもしろい授業のためには「誇張」も必要となる。この辺りのバランスとコントロールを考えていきたいとは思っている。
2014.03.09
ホキ美術館
千葉県にホキ美術館という写実画専門の美術館があるのですが、そちらに行ってみようかなと思っています。しかし、千葉県なんかほとんど行ったことないし、千葉市以東は完全に初めて。かなり田舎であることは覚悟していますが(笑)
2014.02.28
2014年度京大入試問題に関するコメント
ちょっと時間があったので、二次試験は専門外ですが、京大の問題にザッと目を通してみました。
[1]地形図読解
満点を取るべき試験でもないし、全体で7割を取ることを目標とするならば、決して難易度が高い問題が並んでいるわけでもない。しかし、やっぱり論述が手強いなという印象。というか、実は、簡単すぎて逆にしんどい(笑)。海岸沿いの森林の役割は何ですか?と問われ、一言で「防風林」と答えれば十分正解になるのに、それを50字でダラダラ説明しないといけないという苦しさがそこにある。結局、地理の論述って「決まった言い方」をいくつ覚えるかが肝要なんだが、この問題にしても3文字で説明できる言葉について「内陸の集落や耕地を強風や風雪、飛び砂の被害から守るために植えられた防風・防雪・防砂林である」のように長々と決まり文句を連ねないといけない。地理は他の科目ほど高度な知識が問われるわけではないので、知識の習熟よりこうした定型文をいくつ「暗記するか」かが重要なのだな。思考力の求められる「センター」地理との違い。
[2]食料需給
なるほど、発展途上国のモノカルチャー経済、フェアトレード、フードマイレージに関するネタが問われており、アップ・トゥ・デートな雰囲気がある。こういった話題はボクは授業でも積極的に取り上げているし、問題提起もしている。興味をもっている生徒がすごく多い分野でもあるし、問題として非常に適切に思う。我々教える立場の人間こそ、より深く勉強していかないとこういったトピックには対応できないよね。がんばりましょう!
[3]宗教
宗教は盲点となりやすいジャンルではあるが、文系で時間的に余裕がある受験生ならばそんな弱音は吐いてはいけないね。ここも(というか全部そうなんだけど)論述問題はほとんどが「定型文」なので、ネタをいくつ覚えておくかがポイント。よく言う話なんだけれど、論述問題こそ自由度はなく、暗記するだけだったりする。カシミール問題なんかホントそのまま書かないといけないんだわ。唯一ラストの問題だけがちょっと時事的な内容を含む(フランスの公立学校ではイスラム女子学生のベールの着用を制限した、というトピック)ものだったんだけど、模範解答みたらそれには触れてなかったな。そういう書き方もあるんだろうけれど、ボクならそうした具体例に触れた模範解答を作るかなって感じ。センターでも登場した話題であるし、そんなに無理じゃないと思う。
[4]ユーラシア地誌
これも難しくない。もちろんセンターレベルではないけれど、適切な勉強法を行っていれば、十分に解答には辿り着いただろう。地誌分野だけあって、若干地名的な知識も必要にはなってくるんだが、それは私大の過去問で習熟すればいい。ただ一つ、農業に関する論述が問われている部分があって、それをホイットルセー農牧業区分の用語を用いてしっかり説明できたかどうかが、本問の分水嶺なんじゃないかな。こちらはセンターでも必須のネタ。
以上、極めてオーソドックスで非常に優れた問題が並んでいると思う。ベーシックな部分はセンター対策の勉強(これは授業でとればいい)。地誌に関する部分は私大の過去問で学習(これは自分で勉強できるでしょう)。そして論述については定型文を片っ端から覚えていく(これは講師が一年かけて添削してあげたらいい)。さすが、京大。簡単だからこその、素晴らしい試験問題。
2014.02.21
東京に行っていました
打ち合わせで東京へ。せっかくの東京なので2泊3日して、いくつか美術館を回って来ました。
ここは世田谷美術館。一つの区にこんな立派な美術館があるなんて!
さらに目黒美術館。ここはこじんまりとしていましが、すごく感じがいいところ。
品川の原美術館。おされ〜
2014.02.08
桃園会の芝居を観に行ってきました
昨日は伊丹AIホールへと桃園会『のにさくはな』を観に行って来ました。隣席のおじいちゃんが基本的にずっと居眠りしてる人で、(いびきがうるさいから)何回叩き起こしたことか!寝るぐらいなら来るなよ。っていうか、この緊張感あふれる芝居で寝るか???
そう、そんな緊張感、ボクは堪能させてもらいました。改めて俳優のオーラというか、身にまとう空気というものには圧倒されます。こういうの、ボクには絶対ないもんなぁ。役者同士のオーラがぶつかり、融合し、摩擦しあい、舞台には特殊な緊張感が生まれるのです。
作品のテーマとして感じたのは、日常の一枚薄皮をめくった背後にある非日常性のようなもの。我々がいかに健やかに日々の生活を送っていようとも、そこに確実にカタストロフの影はしのびよってくるのだ、という不条理性。そういえば前回観た「中野金属荘・PK戦」にしてもやはり不条理性が強く強調されていたような。でも「中野〜」がババタバタしたコメディタッチの作品だったことと比べれば、ボクは本作のもつ緊張感、そして緊迫した空気の方が好きでしたね。
やっぱり芝居も定期的に観に行かないといけないなぁ。こういうものを知らないで生きてるって、すごく人生を損しているような気すらしてくるのです。
2014.02.06
2014年地理B本試験[第4問]解説
2014年度地理B本試験第4問解説
第4問 おっと、西アジア登場!これにはビックリ。こうした比較的マイナーな地域というのは追試験ではしばしば取り上げられていたものの、本試験ではスルーされてきていたからね。それがこうやって大きく登場しているのだから、かなり意外。でも、地誌問題だからといって、その地域に関する特殊な話題が出題されるわけではないし、普通に気候や農業、産業の問題として捉え、じっくり取り組んでいこう。
問1 [インプレッション] ずいぶん変わった問題。解きにくくはあるんだが、時間をかければ大丈夫じゃないかな。
[解法] 一つ一つ検討していこうか。最もわかりやすいのはBだと思う。北西端が海になっていて、さすがにここには集落は立地しないでしょ。この部分が空白となっている②がこれに該当。首都が多いことも納得。なるほど、ここにはいくつかの小さな国があるではないか(イスラエルやシリアなど)。
ただ、ここからがちょっと難しい。Cの特徴って何だろう?ここにはイラクっていう国がある。古代文明メソポタミアの国だ。世界4大文明はいずれも外来河川の周辺に発生したことはよく知られているね。イラクにも砂漠の中をチグリス川・ユーフラテス川という二つの巨大な河川が流れ、その周辺に人々が耕地を開き、文明が発達した。この河川の流れ、意識してみていいんじゃない?
そうなると、④が怪しいのだ。北西から南東に向かって集落が並んでいるが、これこそまさに河川(チグリスとユーフラテス)に沿って集落が立地している様子を表したものではないか。そういえばうっすらと河川の流れそのものが見えてきそうだ。Cを④とし、これが正解。
AとDは不問だが、とりあえずDが①でしょう。アラビア半島の砂漠地帯であり、そんなに集落があるとは思えない。一方、やや乾燥しているとはいえ、決して人が住めないような土地ではないトルコのAが③に該当。
問2 [インプレッション] いやぁさらになかなかおもしろい問題。よくもこんなネタを探してくるもんだ、と作問者の先生には頭が下がります。ポイントは海水の淡水化と地下水路ですね。
[解法] 興味深いのは「淡水化水」。海水を淡水にするわけだが、それなりの施設(淡水化プラント)の建設が必須なわけで、裕福な国にしかこんなわざはできないでしょう。表中で1人当たりGNIが高いのはクウェートとサウジアラビア。この2つの国のみ値が高いものとして、ウが「淡水化水」に該当。
さらに地下水というのも気になる。普通は地表水だけだからね(日本みたいに雨が多い国は基本的に河川や湖沼の水を利用するでしょう)。西アジアで地下水といえば、カナートという水路を用いて山麓の地下水を耕地へと導くイランの灌漑農業が頭に思い浮かぶ。オアシス農業ってやつですね。よって、イランでこそ値が大きいものが地下水と考えていいんじゃないかな。イが「地下水」となり、残ったアが地表水。なるほど、過度に乾燥が進むクウェートやサウジでは地表水が実に乏しい。
[今後の学習] 答を見ていないんですが、これで正解なのかな(違ってたらスイマセン)。とりあえずポイントは2つなわけだ。イランの地下水路と、裕福な国の淡水化事業。ネタとしては個別に知っている話題とは思うのだが、それを応用して問題に生かせるかどうか。なかなか難しいとは思うのだが、単なる一問一答の知識問題としてではなく、こうした思考のエッセンスを加えた問題をどれだけスマートに解けるかっていう、そうした応用力が問われているのだ。
問3 [インプレッション] 1人当たりGNI一発で解く!
「解法」 産油国は大富豪ばかり?いや、もちろん貧乏ってことはないけれど、そんなに極端に1人当たりGNIが高いわけじゃない。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアにしても、1人当たりGNIは20000ドルで韓国と同じレベル。欧米の先進国には及んでいないよね。キがサウジアラビア。
それに対し、人口が少ない国ならば、「1人当たり」の値は極端に上がる可能性がある。産油国であり、なおかつ人口が少ないアラブ首長国連邦はどうだろう?北ヨーロッパの国々がそうであるように、この国も人口の少なさが後押しして、1人当たりGNIが極めて高くなっているんじゃないか。クがアラブ首長国。
残ったカがイラン。産油国ではあるが、人口も7000万人と多く、原油の輸出量はサウジには及ばない。アメリカ合衆国からテロ国家指定を受けているなど、経済的にはちょっと厳しいかもね。
[今後の学習] やっぱ1人当たりGNIですね。
問4 [インプレッション] 簡単な問題とは思うのだが、意外と引っかかった受験生は多かったかも。こういった問題で写真が重要な意味をもつ例は稀。写真ではなく、文章としっかり向き合って、そこから矛盾点を探す。ここでもやっぱり統計や理論が重要となる。
[解法] 統計で考えればいいと思うよ。「西アジア最大の自動車生産・輸出」がやっぱり気になるわけだ。自動車生産統計を確認してみよう。アメリカ合衆国、日本、ドイツの世界的自動車メーカーが本社を置く国は必須として、それ以外にも中国、ブラジル、タイといった低賃金国、さらにスペインやチェコ、カナダ、メキシコなど自由貿易経済圏(EUやNAFTA)に含まれ工場が進出している国、さらには韓国やインドなど自国メーカーによる生産が進む国など、いくつもクローズアップされてくる。でも、その中に西アジアの国ってあるか?とくに産油国で自動車生産をしてるって?
そもそも西アジアの産油国は1人当たりGNIが高く、しかも欧米からの距離的な遠さもあって、自動車工場が進出することはない。たしかに出稼ぎ労働者は入ってきているんだが、それは高層ビルや道路のような都市施設を建設するための労働者である(写真セがわかりやすいね)。同じ工業であっても「製造業」ではなく「建設業」であることがポイントとなってくるのだ。
②を誤りとみていいでしょう。
[今後の学習] 写真から答は得られず、文章に着目していく。「高賃金であるため組立工業は成立しない」という理論が重要なのだが、それだともしかしたらちょっとわかりにくいかもしれない。やはりここはベタに、自動車の生産統計で考えていいと思う。その方が確実だわな。統計重視の姿勢を徹底しよう!
ちなみに、他の選択肢①②④の内容もしっかり読んでおいて。これらは正文。西アジアの状況ってなかなか実感しにくいものなので、センター試験の問題文を教科書代わりに(最低限の)知識を確実にインプット。とくに④なんて大事なんじゃないかな。外国人労働者の割合が非常に高く、彼らは主に建設業に就いているんだが、十分な社会保障は得られず、劣悪な環境下での労働を強いられている。
問5 [インプレッション] 海峡に関する問題ってちょっと珍しいね。それにしても西アジアって見事に個性的な海峡がいくつも並べられるものだ。古い時代から東西の交通の要衝として発展してきた歴史もあるし、そして現在も原油を巡って非常に重要性の高い地域となっている。
[解法] 「石油」が一番明確なキーワードになると思う。世界の原油の半分以上はペルシャ湾に埋蔵されているといわれ、産油量ももちろん多い。この出口に位置するQがチに該当。
そして二つ目は逆に地図から考えよう。Pには人口1000万人に達する巨大都市イスタンプールが位置する。海峡を挟んで市街地が広がるこの街は、トルコ最大の都市でありながら、首都ではない。選択肢の文章の中からイスタンブールを説明しているものを探そう。そうすると、ツが気になるわけだ。「その(海峡の)両側に市街地を拡大しながら発展」っていうのがそれっぽくない?しかも「当時の首都」って書いてあるんだが、これは逆に「現在は首都ではない」っていう意味も含んでるよね。ツがPに該当。
[今後の学習] この大問は本当によくできていて、ベーシックな知識は大前提として、それを応用させて解く問題が並んでいる。本問にしてもネタは2つ、ペルシャ湾の原油と巨大都市イスタンブールなわけで、複雑な事項が問われているわけではない。
問6 [インプレッション] 宗教や民族に関する問題と思いきや、そうでもないか。それにしてもこの大問はイランをやたら大きく取り上げているね。たしかにイランは出題率が低い国ではないものの、欧米との関係は不安定であるし、いつ大きな変化が生じるかわからない。本来出題しにくい国に思うのだが。
[解法] 「アメリカ合衆国はイランをテロ国家に指定していて、原油を輸入しないなど、経済制裁を行っている」。この程度の知識があれば十分でしょう。「欧米諸国との間で対立」がキーワードで②が正解。
[今後の学習] これ、ちょっと問題としてはどうなのかなって思うよ.イランは大統領が強硬派のアフマドネジャドから穏健派のロウハニ師に代わり、欧米とは雪解けの状況にある。アメリカ政府が凍結していたイラン向けの銀行口座も解除し、イランにお金が流れるようになっている。現時点(2014年)ではギリギリ「欧米諸国との間で対立」しているんだろうけれど、近い将来は何ともいえないな。
参考までに他の選択肢も含め、やや発展的な解説を。
①;エジプト。「アラブ民族主義の指導者」って具体的に誰かよくわからなんだが、4か国中アラブ民族の国はエジプトとサウジだけだし(トルコは黄色人種系統、イランはペルシャ民族)、サウジが絶対に③なので、消去法としてエジプトしか残らない。「アラブ世界の中心」はその通りで、かつて中東戦争でイスラエルと戦った主力はエジプト軍である。でも、真っ先に平和条約を結び、アメリカにすり寄って、むしろアラブ社会を裏切った国こそエジプトなんだけどね。ま、その当たりは触れないでおきましょうか。
②:上述のようにイラン。イスラム教多数派はスンニ派というのだが、シーア派は少数派。これが主である国は、イラン、イラク、アゼルバイジャン。アゼルがテストに出るとは思わないので、イランとイラクのイライラコンビがシーア派と覚えておいたら十分かな.教義内容は地理では問われない。
③;「豊富な石油資源」でいいと思う。これがサウジ。どうせならサウジを問う問題にしたらよかったのに。そしたら簡単だし。
④;トルコ。位置的にはもちろん、政治的にも経済的にもヨーロッパに近い国ではある。NATOは欧米を中心とした軍事同盟で、トルコもこれに加盟している。ただし、EUには加盟していないはみんな知ってるね。NATOは地理Bでは初出なのだが、とくに覚えなくていいでしょ。軍事関係は問われない。