2015年度地理B本試験[第5問]問4 解説

問4 [インプレッション] 土壌劣化という言葉は耳慣れない。センター初出じゃないかな。とはいえ、とくにビビる必要はない。表の方で「過放牧」とか「森林破壊」とかおなじみのワードが登場しているじゃないか。これを頼りに解いていけばいいんじゃない?これ、実は植生の問題だよね。そして植生と結びつく気候の問題。

[解法]表を参照。「過放牧」は砂漠化の原因の一つで、家畜を過剰に飼育することによって、一帯の草地を根こそぎ食べ尽くしてしまう。砂漠化とは「植生喪失」のことで、半乾燥の草原(ステップ)においてみられる環境問題。候補の3つの地域のうち、砂漠化が深刻な問題として取り上げられているもの(そして過放牧が行われているもの)は「アフリカ」である。カが該当。
さらに「森林破壊」。実は冷帯林は増加しているし、アジアでも中国など積極的な植林によって森林面積割合はやや上昇傾向になる。森林は冷帯林、温帯林、熱帯林とあるが、その中で森林減少が深刻になっているのはとくに熱帯林である。伐採や開発などによって熱帯地域では多くの森林が失われている。このことから、熱帯の割合が高い大陸として「南アメリカ」を考え、熱帯林が広がっているが、その分だけ森林破壊も深刻であることを考えよう。キが該当。
残ったクが「北・中央アメリカ」。ここのポイントは農業でしょ。アメリカ合衆国にける土壌劣化として深刻なのは土壌侵食(土壌流出)つまり「表土の流出」。そもそも丘陵地を切り開いて畑地にしているため、雨や風の影響で土壌がこぼれ落ちてしまう。それを防ぐために等高線耕作も行われているのだが(段々畑や棚田と似たような感じ)、それでは大規模機械化がしにくいということで、せっかくの等高線耕作地が破棄され、そのまま斜面上に耕地が設けられる。それじゃあ、土壌は流出するばかりだよね(涙)。あるいはアメリカ合衆国の農業がもたらす環境被害として、大規模灌漑による土壌の塩性化(塩害)がある。西武乾燥地域では地下水をくみ上げ、センターピボット農法が行われているのだが、粗放的な散水であるため、塩害のリスクは高い。

[アフターアクション] アメリカ合衆国の農業における土壌劣化を知っておいて欲しいかな。等高線耕作の放棄によって土壌侵食が深刻化し、センターピボット農法によって塩害(それから地下水を使ってしまうため、地盤沈下も)が生じる。

鈴木たつじん公式サイト

センター試験・地理Bの学習のために、いろいろなアドバイスをしていきます。

検索

モバイルサイト