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2014.04.18
2014追試験より
今、今年のセンター追試験の分析をしているのですが、全体の解説はまた後日アップするとして、ちょっと興味深い問題が。
最近のトレンドとして原発や再生可能エネルギーに関する問題の出題率が高くなっているわけで、こうした側面からも地理という科目の重要性は高いように思います。その中で今回はこういった選択肢が登場。
全体の問題は省略しますが(興味ある人は大学入試センターのホムペからダウンロードしてください)、要するに次の文章の下線部の正誤判定をせよということ(下線が引けないので、カッコで示しています)。
アメリカ合衆国では1980年代後半から(石油の)生産量の減少傾向が続いているが、これは「原子力エネルギーへの依存度が高まったため」である。
これ、わかります?要するにスリーマイル島の話なんですが、原発事故以来アメリカ合衆国は新規の原発の着工は行われていないんです。この事実に照らし合わせて考えれば、この選択肢については「依存度は高くなっていない」ということで誤文となります。アメリカで石油の生産量が減少したのには他の理由があるんでしょう。
このようにアメリカやヨーロッパで20世紀後半以降、原子力発電所の建設は進められておらず、むしろ脱原発の流れにあるんですよ。これは意外と日本では知られていないことじゃないですか?フクシマの悲劇にぶち当たるまで、日本が原発を拡大する方向にあったのと対照的ではありませんか。
教科書ではこの「欧米の脱原発」ネタは語られていません。あえていえばフランスが原子力への依存度が高いっていう話題だけですが、これについてはまた後日どこかでお話しします。もちろん地理学習者の中にも原発推進派・容認派はいると思いますが、しかしセンター地理の世界観の中では原発はネガティブな意味しか有さないことを知っておくべきでしょう。
2014.04.18
遺伝子組み換え(追加)
先ほどのURLが無効かもしれません。
http://www.i2m.co.jp/NaturalLife/index.php?FrontPage
こちらが正解です。
2014.04.18
遺伝子組み換え
http://www.i2m.co.jp/NaturalLife/index.php?cmd=read&page=%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%8F%9B%E3%81%88%E4%BD%9C%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7&word=%E8%B1%86%E8%85%90%20%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%8F%9B%E3%81%88
意外と知られていないんでしょうか。遺伝子組み換え作物については、国内の(商業的)栽培は禁じられているのですが、輸入に関しては制限がないのです。もちろんこれを使って加工された食品には表示義務があるのですが、レストランなどで使われたら我々は知るすべがありません。
ちなみにこの話題はセンター地理でも出題されています。「わが国は遺伝子組み換え作物の輸入は行われていない」という選択肢、これ、誤りです。
2014.04.13
テラローシャ?テラロッシャ?
最新の教科書を読んでいると、土壌に関するネタが意外に変化している。
例えばブラジル高原南部に分布する間帯土壌であるテラローシャなんですが、最近はどの教科書でもテラロッシャって言っていて、こちらの表記の方が適切なのかな。でもテラロッサ(地中海沿岸の土壌)とややこしくなっちゃうんで、個人的には伸ばす棒の入っている「ローシャ」って言い方がベターに思うんだけどね。
それから、色に関してもちょこちょこ表現が変わっていて、今まではテラローシャについては「暗紫」が一般的だったのですが、こちらも最近は「赤紫」っていうのがトレンドらしい。こうした変化にも付いていかないとね。内容は同じなんだけど、言い方が異なっているってパターン、要注意です。
2014.04.11
インド食肉事情おまけ
あ、 もう一つオマケで。インドで肉類の消費が少ない理由に貧富格差があります。要するに貧乏人は肉を買えない。日本のIT企業で働いているようなインド人はそ もそも金持ちなので、それこそチキンを中心とした肉食にも馴染みがあるはずです。しかしインドで圧倒的多数を占める貧困層は、生活の中で肉料理にはありつ けないのです。このようにインドの食肉事情については重層的な複雑な解説が必要となってしまうのですが、さすがに受験レベルではそれを全て伝えることはで きないので、この辺りの生温い説明でご容赦をば。失礼しますー
2014.04.11
インド食肉事情
地理はそもそも統計が重要視される科目ではあるのですが、統計学的アプロートというものは常に有効であるとボクは思うのです。
今、流れとしてインドの食肉事情について話題になっているので、それに沿ってお話してみましょうか。
例えば、最近うちの近所にもインド料理屋ができたそうで、メニューが郵便受けに入っていたのですが、なるほど全体に肉を使った料理は少ないもののタンドリーチキンのように鶏肉を食材としたものもちらほら(ちなみに、先に言っておきますが、タンドリーチキンはインドでもパキスタンの国境に近い乾燥した地域の料理なので、これを「高温多湿」を特徴とする典型的なインドの料理というかどうかについては疑問なのです。ご了解をば)。
さて、ここで統計を引っ張り出してきましょう。世界の鶏肉の生産です。
1位;アメリカ合衆国(1710万t) 2位;中国(1208) 3位;ブラジル(1100) 総生産量が8936万tなので、この3か国で全体の半分が生産されているわけです。
インドは世界6位で220万t、ちなみに日本は世界12位で138万tです。
あ、やっぱインドって世界6位なんや、すごいやん!って思うのはちょっと早計。インド人って、世界全体の人口70億人に対し、13億人ぐらいいるわけです。つまり世界の5人に1人がインド人。1人当たりの生産量に換算すると、他の国々と比べ、その量はあまりに少ないのです。人口が4分の1のアメリカ合衆国の生産量がインドの8倍であるので、1人当たりの値は1:32となり、日本と比較してもその値は7分の1程度(人口は10倍、生産量は1.5倍なので)にとどまってしまうのです。
もちろん上でも述べているように、地域差があるので一概には言えないものの、統計学的なアプロートを一つ加えるだけで、インドの食肉事情が具体的にイメージされるわけです。もっとも、鶏肉に関する問題はセンター地理では出題されませんので、細かい話はこれ以上しませんが、とくに理系のみなさんはこうした数字を用いた話って大好物でしょ?ボクもすごく好きなんです(笑)
2014.04.11
途中経過など
途中経過など。
拙著「間違えやすい地理用語」に関しては脱稿済み。ただいま校正や間違いチェックからの第1校作成中とのこと。10月発売を目指してがんばっています。全国の書店でお会いしましょう。買ってね☆
またそれに続いて第2弾としてまた違った形の参考書を考えています。こちらは企画案を出版社の方に上げている段階で、その企画案にも編集者のアドバイスのもと、何回か手を入れています。現時点ではリアクションも良く、色よい返事ももらえているのですが、まだまだ何があるかわかりませんからね。順調に企画が通ればいいなぁ。
というわけで今年度もさらにこうした出版関係の仕事に力を入れていこうと思っています。がんばらんとねっ
2014.04.10
test
https://www.dropbox.com/s/0zqtn1cdg2syzkc/%EF%BC%BB%EF%BC%91%EF%BC%94%E3%83%BB%EF%BC%91%E3%83%BB%EF%BC%91%E3%83%BB%EF%BC%91%EF%BC%BD%E3%80%80.pdf
2014.04.09
インド人の食文化
質問があったので、答えておきますね。
Q.インドでなぜ牛の肉が食されないのか。
A.高温多雨の自然環境で衛生条件も悪い。腐敗しやすい家畜の肉を食するという文化が存在しない。
すごく誤解している人がいて、インド人は牛肉を食べないんじゃない。肉そのものを食べないのだ。「インドではヒンドゥー教の教えにより、牛を神聖視している。だから家畜の肉を食べない」ってよく聞くかもしれないけど、これっておかしいもんね。牛以外の家畜の肉については言及されていない。
もちろん、教科書的な言い方として宗教による戒律を強調するのは間違っていないし、学校の試験で問われたらそう書いておけば正解にはなると思う。
でもちょっと考えてみて欲しいんだわ。ヒンドゥー教はじめ宗教ってそもそも数千年の歴史しか持たない新しい概念なわけだよね。それが、数万年から数十万年という長大な時間を経て培われてきた人類の生活文化を上書きできるはずもない、とボクは思うのです。
要するに、インド人はヒンドゥー教ができる前から、肉なんか食べていなかったってことだよ。
宗教をやたら得体の知れないものと捉えてしまうという思考は、日本人特有のものなんじゃないかな。宗教とは生活であり、生き方であり、自然や歴史と密接に関連したものであるよね。科学的な視点をもって、宗教は論じられるべきだと思う。
(いちおう。。。)ここではインド人って書いちゃいましたけど、インドにはイスラム教徒など他宗教の信者も多いし、世界に住む印僑には普通に肉類を食べる人もいるわけで、本当はこの言い方は適切ではないよね。わかりやすいよう、便宜的に「インド人」としていることを了解ください、
2014.04.08
受授業力
さすがに『怒る』ということはない。しかし授業内で行う「背筋伸ばそうよ」、「今はノートをとるタイミングやで」、「ちょっと前を向いてくれや」、「机の上は整理しておこうよ」みたいな『促し』は、むしろ授業の円滑化のためには必要な手順である。ただし、この程度の『促し』にも堪えられない生徒というのは一定数いて、彼らのほとんどは翌週の授業には姿を現さない。
授業を受ける力を『受授業力』と名付けるならば、そのスキルを上げてあげるのも我々授業者の役割の一つなのだとは思う。とはいえ、学生時代は授業中は常に居眠りやし、珍しく起きていたと思ったらとなりとおしゃべりしてるし、遅刻早退当たり前だったたつじんとしては(笑)自らの行為を棚に上げて、生徒を指導していかないといけないわけだな。しんどいな〜。