たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう

センター過去問演習の方法

<センター過去問演習>

 

夏をメドにセンター過去問演習に入ってください。

 

1)共通テスト地理とセンター地理は傾向や難度、出題範囲がほとんど変わりませんので、センター過去問演習が最良の共通テスト対策になります。

 

2)過去問は「最初に解くもの」であり「覚える」ものです。まずは「最初に解くもの」であることについて説明しますね。みなさんは4月から6月の間に中学地理の問題集を複数冊解いたと思います。いよいよ本格的な受験対策が「始まる」わけです。まずはセンター過去問集を入手してください。演習を通じて「センター地理とは何なのか」を知るのです。兵法家の孫氏も「敵を知ること」は必勝への第一歩と説いています。

 

3)理想を言えば「7月と8月」の2ヶ月をかけて、過去問に取り組みましょう。このスケジュールは、「8月と9月」でもとくに問題ありませんし。あるいは「9月と10月」にまでズレこんでもなんとかなります(ただし、10月は模試が多い時期ですので、物理的に時間が取れない場合があります)。2ヶ月ですので、8週間プラスその前後を含め「足掛け10週間」という感じでしょうか。「週に1回分」のペースで過去問を解きましょう。地理B本試験の直近10年分が目安となります。2021年共通テストでしたら、2011年から2020年までですね。2022年共通テストでしたら、2012年から2020年までのセンター試験と2021年の共通テストになります。順番はどうでもいいと思います。新しい方から遡ってもいいですし(例えば、20202019→・・・の順)、古い方から順番に進めてもいいです(同じく、20112012→・・・)。私ならば適当にランダムな順番で進めると思います。

 

4)本番を想定して、時間はしっかり計ってください。というか、時間をオーバーするように解いてください。正規の解答時間は60分ですので、少なくとも61分、できれば70分かけて解きましょう。地理はそもそも思考力が問われる科目です。地形図問題に典型であるように、時間をかけてゆっくり解くべき問題が多くあります。時間をかければかけるほど得点が上がるのだ!と心に念じてください。現に、(経験の少ない)現役生はすぐにセンター問題を解き終えてしまうのに対し、(十分な準備をした)浪人生は時間が足りないことが普通です。試験は、制限時間をいかに有効に使うか、「タイム・マネージメント」が重要なのです。時間を使う練習を心がけてください。

 

5)このような時間を十分にかけて問題を解くと、「見直し」の時間がなくなるって?

いえ、それでいいんです。見直しなど不要です。時間制限がある試験において見直しという作業は極めて効率が悪いことを認識してください。例えば、制限時間60分で問題数が30問ならば、1問当たりの時間は2分です。ページをめくるのに1秒、解答をマークするのに5秒かかったとしても1分54秒を解答に費やせるわけです。

これに対し、30問の問題を45分で解いてしまいましょう。1問当たり1分30秒で、上記の時間ロスを考えれば、124秒でしょうか。さて、時間が15分余りました。ここで見直しをします。まず、マークがズレていないか確認しますよね。これで2分ぐらい使うでしょうか。さらに全30問中、気になった問題を「探す」という手間がかかります。ここでも時間のロスが生じます。15分余ったとしても、純粋に「見直し」にかけられる時間は10分程度かも知れません。120秒。問題を解いた時間である124秒にこれを加えて、1分44秒。「見直ししないぞ」と割り切って解いた場合にくらべ「10秒」もそれぞれの問題にかけられる時間は少なくなります。

もちろんこれは単なる数字遊びであり、実際にはこんなことはないかも知れません。でも、「見直し」が実は効率の悪い作業だということに気付いてくれましたか。問題は「一期一会」です。「この機会を逃したら、次のチャンスはない」という気持ちで、その瞬間に集中して解いてください。その気持ちが、問題への理解を深め、正確な解答を導く土台となるのです。

おっと、ここで一つ疑問になったことがありませんか?それは「マークのズレ」がないか確認する作業はどこでするべきなのか?ということ。これ、全く問題ありませんよ。(7)で説明する、「大問ごとの解く順番を変える」ことと「1問解いたら1問マーク」を実践したら、物理的にマークのズレをなくすことができます。詳しくは(7)を読んでくださいね。

 

5)さらに解き終わったら「丸つけ」して得点だけ求めてみましょう。解説は今は読む必要はありません。秋以降にじっくり解説を中心とした勉強をして、各問の研究と分析に勤しめばいいのです。現時点では、多くの問題を解いて「センター地理(共通テスト地理)とは何か」を知ることが大事です。まずは10年分の問題に目を通すことで「経験値」を上げましょう。解説を読むと、どうしても時間が取られます。それは後回しで構いません。まずは問題を多く解くこと。雰囲気をつかみましょう。

 

6)センター地理(繰り返しますが、共通テストと傾向は変わりません)には色々な問題が含まれています。簡単な問題もあれば難しい問題もあります。センター地理は偏差の小さい試験です。解答不可能な悪問(捨て問)も多いのですが、それ以上に誰でも解ける簡単な問題も多いのです。難しい問題(それは悪問であり、捨て問である可能性が高い)に気を取られて、簡単な問題を落としてしまったらもったいない。簡単な問題も難しい問題も1問3点ほど。コスパを考えれば、簡単な問題でサクッと3点取った方が、難しい問題であれこれ悩んでようやく3点取るより「美味しい」わけです。今日から意識を変えましょう。簡単な問題だからこそ、しっかり取り組んで、確実に得点する。この考え方は徹底してくださいね。君が手も足も出なかった問題については、忘れてしまえばいいのです。

 

7)演習の際のちょっとしたコツを。大問ごとの解く順番を操作するのは有効ですよ。センター試験では、第1問「自然環境」、第2問「産業」、第3問「生活文化・都市・人口」、第4問「地誌」、第5問「比較地誌」、第6問「地域調査」という順でした。共通テスト(試行調査)では第1問「自然環境」、第2問「産業」、第3問「生活文化・都市・人口」、第4問「地誌」、第5問「地域調査」と、大問ごとのジャンルもほとんど変わりません。

第1問の自然環境は最も難しいです。これに真っ先に取り掛かると出鼻を挫かれる可能性があります。一方、第6問(第5問)の地域調査は地形図問題はじめ時間がかかる問題が多く、制限時間が迫っている状態で取り組むと焦ってしまい思わぬミスも。

例えば、統計中心で比較的解き易い第2問や第3問からスタートし、時間的余裕をもって地域調査の大問に移り、調子の出てきたところで第1問を片付け、知識問題も多い(つまり解答に時間がかからないということです)地誌を最後に仕上げる。こんなパターンっていいと思いませんか。

もちろん自分の判断で解く順番を考えて欲しいのですが、例えばセンター過去問ならば「第2問→第3問→第6問→第1問→第4問→第5問」の順、本年の模試と共通テスト本番については「第2問→第3問→第5問→第1問→第4問」の順。この順番は解きやすいと思いますし、先ほど述べたタイム・マネージメントの点においても調整がしやすいと思います。問題を解く順を変えるだけで得点が上がることがあります。ぜひ試してみてください。

ただし、注意点が。一旦、解答順を固めたらその順を最後まで崩さないでください。過去問ならば多少は構わないのでしょうが、模試のたびに毎回解く順をその場で考えていたら、不安定要素になりますよね。迷いが生じるかも知れません。また、例えば「冒頭の第2問を10分で解き、第5問の地域調査の大問が終わった段階で35分を使う」といったタイム・マネージメントが必要となるわけですが、大問を解く順を毎回変えていたらこれもうまく行きません。解答順の固定化は、絶対条件です。

さらに、これも模試で試して欲しいのですが、「1問解いたら1問マーク」も習慣化しましょう。例えば最初に第2問の問1を解きますよね。この小問番号が[7]だったとしましょう。即座に解答用紙の[7]のところに求めた答えをマークしましょう。地理の問題は1問ごと独立しています。1問解いて、ちょっと頭を切り替えて、次の問題に進む。1問ごと区切って解くことは適切な解答法になります。実は、この方法の最大の目的は「マークミス」を無くすことにあります。先に[7]をマークしますよね。そして後から第1問問6を解いて、今度は[6]にマークするわけです。もし、解答欄がズレてマークされていれば、この時点で気づくわけです。これで「見落とし」はなくなります。安心してテストに向かってくださいね。

 

8)「7〜8月」「8〜9月」「9〜10月」のいずれかのスケジュールで過去問10年分を解いたら、いよいよ単問ごとの研究と分析に入りましょう。仮に10月からこの作業に入れば、共通テストまで100日あります。1日に数問のペースで全問題の研究と分析が終わります。かなり余裕があると思いますよ。

研究と分析については。センター試験の解説がこのホームページにあります。

 

これらの解説を用いて一問一問を分析し、理解を深めていきましょう。

 

 

 

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