たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう
2014年度地理B追試験
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問
2013年度地理B追試験
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2012年度地理B追試験
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問
たつじん先生の地理講座。
2014年度地理B本試験第4問解説
第4問 おっと、西アジア登場!これにはビックリ。こうした比較的マイナーな地域というのは追試験ではしばしば取り上げられていたものの、本試験ではスルーされてきていたからね。それがこうやって大きく登場しているのだから、かなり意外。でも、地誌問題だからといって、その地域に関する特殊な話題が出題されるわけではないし、普通に気候や農業、産業の問題として捉え、じっくり取り組んでいこう。
問1 [インプレッション] ずいぶん変わった問題。解きにくくはあるんだが、時間をかければ大丈夫じゃないかな。
[解法] 一つ一つ検討していこうか。最もわかりやすいのはBだと思う。北西端が海になっていて、さすがにここには集落は立地しないでしょ。この部分が空白となっている②がこれに該当。首都が多いことも納得。なるほど、ここにはいくつかの小さな国があるではないか(イスラエルやシリアなど)。
ただ、ここからがちょっと難しい。Cの特徴って何だろう?ここにはイラクっていう国がある。古代文明メソポタミアの国だ。世界4大文明はいずれも外来河川の周辺に発生したことはよく知られているね。イラクにも砂漠の中をチグリス川・ユーフラテス川という二つの巨大な河川が流れ、その周辺に人々が耕地を開き、文明が発達した。この河川の流れ、意識してみていいんじゃない?
そうなると、④が怪しいのだ。北西から南東に向かって集落が並んでいるが、これこそまさに河川(チグリスとユーフラテス)に沿って集落が立地している様子を表したものではないか。そういえばうっすらと河川の流れそのものが見えてきそうだ。Cを④とし、これが正解。
AとDは不問だが、とりあえずDが①でしょう。アラビア半島の砂漠地帯であり、そんなに集落があるとは思えない。一方、やや乾燥しているとはいえ、決して人が住めないような土地ではないトルコのAが③に該当。
問2 [インプレッション] いやぁさらになかなかおもしろい問題。よくもこんなネタを探してくるもんだ、と作問者の先生には頭が下がります。ポイントは海水の淡水化と地下水路ですね。
[解法] 興味深いのは「淡水化水」。海水を淡水にするわけだが、それなりの施設(淡水化プラント)の建設が必須なわけで、裕福な国にしかこんなわざはできないでしょう。表中で1人当たりGNIが高いのはクウェートとサウジアラビア。この2つの国のみ値が高いものとして、ウが「淡水化水」に該当。
さらに地下水というのも気になる。普通は地表水だけだからね(日本みたいに雨が多い国は基本的に河川や湖沼の水を利用するでしょう)。西アジアで地下水といえば、カナートという水路を用いて山麓の地下水を耕地へと導くイランの灌漑農業が頭に思い浮かぶ。オアシス農業ってやつですね。よって、イランでこそ値が大きいものが地下水と考えていいんじゃないかな。イが「地下水」となり、残ったアが地表水。なるほど、過度に乾燥が進むクウェートやサウジでは地表水が実に乏しい。
[今後の学習] 答を見ていないんですが、これで正解なのかな(違ってたらスイマセン)。とりあえずポイントは2つなわけだ。イランの地下水路と、裕福な国の淡水化事業。ネタとしては個別に知っている話題とは思うのだが、それを応用して問題に生かせるかどうか。なかなか難しいとは思うのだが、単なる一問一答の知識問題としてではなく、こうした思考のエッセンスを加えた問題をどれだけスマートに解けるかっていう、そうした応用力が問われているのだ。
問3 [インプレッション] 1人当たりGNI一発で解く!
「解法」 産油国は大富豪ばかり?いや、もちろん貧乏ってことはないけれど、そんなに極端に1人当たりGNIが高いわけじゃない。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアにしても、1人当たりGNIは20000ドルで韓国と同じレベル。欧米の先進国には及んでいないよね。キがサウジアラビア。
それに対し、人口が少ない国ならば、「1人当たり」の値は極端に上がる可能性がある。産油国であり、なおかつ人口が少ないアラブ首長国連邦はどうだろう?北ヨーロッパの国々がそうであるように、この国も人口の少なさが後押しして、1人当たりGNIが極めて高くなっているんじゃないか。クがアラブ首長国。
残ったカがイラン。産油国ではあるが、人口も7000万人と多く、原油の輸出量はサウジには及ばない。アメリカ合衆国からテロ国家指定を受けているなど、経済的にはちょっと厳しいかもね。
[今後の学習] やっぱ1人当たりGNIですね。
問4 [インプレッション] 簡単な問題とは思うのだが、意外と引っかかった受験生は多かったかも。こういった問題で写真が重要な意味をもつ例は稀。写真ではなく、文章としっかり向き合って、そこから矛盾点を探す。ここでもやっぱり統計や理論が重要となる。
[解法] 統計で考えればいいと思うよ。「西アジア最大の自動車生産・輸出」がやっぱり気になるわけだ。自動車生産統計を確認してみよう。アメリカ合衆国、日本、ドイツの世界的自動車メーカーが本社を置く国は必須として、それ以外にも中国、ブラジル、タイといった低賃金国、さらにスペインやチェコ、カナダ、メキシコなど自由貿易経済圏(EUやNAFTA)に含まれ工場が進出している国、さらには韓国やインドなど自国メーカーによる生産が進む国など、いくつもクローズアップされてくる。でも、その中に西アジアの国ってあるか?とくに産油国で自動車生産をしてるって?
そもそも西アジアの産油国は1人当たりGNIが高く、しかも欧米からの距離的な遠さもあって、自動車工場が進出することはない。たしかに出稼ぎ労働者は入ってきているんだが、それは高層ビルや道路のような都市施設を建設するための労働者である(写真セがわかりやすいね)。同じ工業であっても「製造業」ではなく「建設業」であることがポイントとなってくるのだ。
②を誤りとみていいでしょう。
[今後の学習] 写真から答は得られず、文章に着目していく。「高賃金であるため組立工業は成立しない」という理論が重要なのだが、それだともしかしたらちょっとわかりにくいかもしれない。やはりここはベタに、自動車の生産統計で考えていいと思う。その方が確実だわな。統計重視の姿勢を徹底しよう!
ちなみに、他の選択肢①②④の内容もしっかり読んでおいて。これらは正文。西アジアの状況ってなかなか実感しにくいものなので、センター試験の問題文を教科書代わりに(最低限の)知識を確実にインプット。とくに④なんて大事なんじゃないかな。外国人労働者の割合が非常に高く、彼らは主に建設業に就いているんだが、十分な社会保障は得られず、劣悪な環境下での労働を強いられている。
問5 [インプレッション] 海峡に関する問題ってちょっと珍しいね。それにしても西アジアって見事に個性的な海峡がいくつも並べられるものだ。古い時代から東西の交通の要衝として発展してきた歴史もあるし、そして現在も原油を巡って非常に重要性の高い地域となっている。
[解法] 「石油」が一番明確なキーワードになると思う。世界の原油の半分以上はペルシャ湾に埋蔵されているといわれ、産油量ももちろん多い。この出口に位置するQがチに該当。
そして二つ目は逆に地図から考えよう。Pには人口1000万人に達する巨大都市イスタンプールが位置する。海峡を挟んで市街地が広がるこの街は、トルコ最大の都市でありながら、首都ではない。選択肢の文章の中からイスタンブールを説明しているものを探そう。そうすると、ツが気になるわけだ。「その(海峡の)両側に市街地を拡大しながら発展」っていうのがそれっぽくない?しかも「当時の首都」って書いてあるんだが、これは逆に「現在は首都ではない」っていう意味も含んでるよね。ツがPに該当。
[今後の学習] この大問は本当によくできていて、ベーシックな知識は大前提として、それを応用させて解く問題が並んでいる。本問にしてもネタは2つ、ペルシャ湾の原油と巨大都市イスタンブールなわけで、複雑な事項が問われているわけではない。
問6 [インプレッション] 宗教や民族に関する問題と思いきや、そうでもないか。それにしてもこの大問はイランをやたら大きく取り上げているね。たしかにイランは出題率が低い国ではないものの、欧米との関係は不安定であるし、いつ大きな変化が生じるかわからない。本来出題しにくい国に思うのだが。
[解法] 「アメリカ合衆国はイランをテロ国家に指定していて、原油を輸入しないなど、経済制裁を行っている」。この程度の知識があれば十分でしょう。「欧米諸国との間で対立」がキーワードで②が正解。
[今後の学習] これ、ちょっと問題としてはどうなのかなって思うよ.イランは大統領が強硬派のアフマドネジャドから穏健派のロウハニ師に代わり、欧米とは雪解けの状況にある。アメリカ政府が凍結していたイラン向けの銀行口座も解除し、イランにお金が流れるようになっている。現時点(2014年)ではギリギリ「欧米諸国との間で対立」しているんだろうけれど、近い将来は何ともいえないな。
参考までに他の選択肢も含め、やや発展的な解説を。
①;エジプト。「アラブ民族主義の指導者」って具体的に誰かよくわからなんだが、4か国中アラブ民族の国はエジプトとサウジだけだし(トルコは黄色人種系統、イランはペルシャ民族)、サウジが絶対に③なので、消去法としてエジプトしか残らない。「アラブ世界の中心」はその通りで、かつて中東戦争でイスラエルと戦った主力はエジプト軍である。でも、真っ先に平和条約を結び、アメリカにすり寄って、むしろアラブ社会を裏切った国こそエジプトなんだけどね。ま、その当たりは触れないでおきましょうか。
②:上述のようにイラン。イスラム教多数派はスンニ派というのだが、シーア派は少数派。これが主である国は、イラン、イラク、アゼルバイジャン。アゼルがテストに出るとは思わないので、イランとイラクのイライラコンビがシーア派と覚えておいたら十分かな.教義内容は地理では問われない。
③;「豊富な石油資源」でいいと思う。これがサウジ。どうせならサウジを問う問題にしたらよかったのに。そしたら簡単だし。
④;トルコ。位置的にはもちろん、政治的にも経済的にもヨーロッパに近い国ではある。NATOは欧米を中心とした軍事同盟で、トルコもこれに加盟している。ただし、EUには加盟していないはみんな知ってるね。NATOは地理Bでは初出なのだが、とくに覚えなくていいでしょ。軍事関係は問われない。
第4問 おっと、西アジア登場!これにはビックリ。こうした比較的マイナーな地域というのは追試験ではしばしば取り上げられていたものの、本試験ではスルーされてきていたからね。それがこうやって大きく登場しているのだから、かなり意外。でも、地誌問題だからといって、その地域に関する特殊な話題が出題されるわけではないし、普通に気候や農業、産業の問題として捉え、じっくり取り組んでいこう。
問1 [インプレッション] ずいぶん変わった問題。解きにくくはあるんだが、時間をかければ大丈夫じゃないかな。
[解法] 一つ一つ検討していこうか。最もわかりやすいのはBだと思う。北西端が海になっていて、さすがにここには集落は立地しないでしょ。この部分が空白となっている②がこれに該当。首都が多いことも納得。なるほど、ここにはいくつかの小さな国があるではないか(イスラエルやシリアなど)。
ただ、ここからがちょっと難しい。Cの特徴って何だろう?ここにはイラクっていう国がある。古代文明メソポタミアの国だ。世界4大文明はいずれも外来河川の周辺に発生したことはよく知られているね。イラクにも砂漠の中をチグリス川・ユーフラテス川という二つの巨大な河川が流れ、その周辺に人々が耕地を開き、文明が発達した。この河川の流れ、意識してみていいんじゃない?
そうなると、④が怪しいのだ。北西から南東に向かって集落が並んでいるが、これこそまさに河川(チグリスとユーフラテス)に沿って集落が立地している様子を表したものではないか。そういえばうっすらと河川の流れそのものが見えてきそうだ。Cを④とし、これが正解。
AとDは不問だが、とりあえずDが①でしょう。アラビア半島の砂漠地帯であり、そんなに集落があるとは思えない。一方、やや乾燥しているとはいえ、決して人が住めないような土地ではないトルコのAが③に該当。
問2 [インプレッション] いやぁさらになかなかおもしろい問題。よくもこんなネタを探してくるもんだ、と作問者の先生には頭が下がります。ポイントは海水の淡水化と地下水路ですね。
[解法] 興味深いのは「淡水化水」。海水を淡水にするわけだが、それなりの施設(淡水化プラント)の建設が必須なわけで、裕福な国にしかこんなわざはできないでしょう。表中で1人当たりGNIが高いのはクウェートとサウジアラビア。この2つの国のみ値が高いものとして、ウが「淡水化水」に該当。
さらに地下水というのも気になる。普通は地表水だけだからね(日本みたいに雨が多い国は基本的に河川や湖沼の水を利用するでしょう)。西アジアで地下水といえば、カナートという水路を用いて山麓の地下水を耕地へと導くイランの灌漑農業が頭に思い浮かぶ。オアシス農業ってやつですね。よって、イランでこそ値が大きいものが地下水と考えていいんじゃないかな。イが「地下水」となり、残ったアが地表水。なるほど、過度に乾燥が進むクウェートやサウジでは地表水が実に乏しい。
[今後の学習] 答を見ていないんですが、これで正解なのかな(違ってたらスイマセン)。とりあえずポイントは2つなわけだ。イランの地下水路と、裕福な国の淡水化事業。ネタとしては個別に知っている話題とは思うのだが、それを応用して問題に生かせるかどうか。なかなか難しいとは思うのだが、単なる一問一答の知識問題としてではなく、こうした思考のエッセンスを加えた問題をどれだけスマートに解けるかっていう、そうした応用力が問われているのだ。
問3 [インプレッション] 1人当たりGNI一発で解く!
「解法」 産油国は大富豪ばかり?いや、もちろん貧乏ってことはないけれど、そんなに極端に1人当たりGNIが高いわけじゃない。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアにしても、1人当たりGNIは20000ドルで韓国と同じレベル。欧米の先進国には及んでいないよね。キがサウジアラビア。
それに対し、人口が少ない国ならば、「1人当たり」の値は極端に上がる可能性がある。産油国であり、なおかつ人口が少ないアラブ首長国連邦はどうだろう?北ヨーロッパの国々がそうであるように、この国も人口の少なさが後押しして、1人当たりGNIが極めて高くなっているんじゃないか。クがアラブ首長国。
残ったカがイラン。産油国ではあるが、人口も7000万人と多く、原油の輸出量はサウジには及ばない。アメリカ合衆国からテロ国家指定を受けているなど、経済的にはちょっと厳しいかもね。
[今後の学習] やっぱ1人当たりGNIですね。
問4 [インプレッション] 簡単な問題とは思うのだが、意外と引っかかった受験生は多かったかも。こういった問題で写真が重要な意味をもつ例は稀。写真ではなく、文章としっかり向き合って、そこから矛盾点を探す。ここでもやっぱり統計や理論が重要となる。
[解法] 統計で考えればいいと思うよ。「西アジア最大の自動車生産・輸出」がやっぱり気になるわけだ。自動車生産統計を確認してみよう。アメリカ合衆国、日本、ドイツの世界的自動車メーカーが本社を置く国は必須として、それ以外にも中国、ブラジル、タイといった低賃金国、さらにスペインやチェコ、カナダ、メキシコなど自由貿易経済圏(EUやNAFTA)に含まれ工場が進出している国、さらには韓国やインドなど自国メーカーによる生産が進む国など、いくつもクローズアップされてくる。でも、その中に西アジアの国ってあるか?とくに産油国で自動車生産をしてるって?
そもそも西アジアの産油国は1人当たりGNIが高く、しかも欧米からの距離的な遠さもあって、自動車工場が進出することはない。たしかに出稼ぎ労働者は入ってきているんだが、それは高層ビルや道路のような都市施設を建設するための労働者である(写真セがわかりやすいね)。同じ工業であっても「製造業」ではなく「建設業」であることがポイントとなってくるのだ。
②を誤りとみていいでしょう。
[今後の学習] 写真から答は得られず、文章に着目していく。「高賃金であるため組立工業は成立しない」という理論が重要なのだが、それだともしかしたらちょっとわかりにくいかもしれない。やはりここはベタに、自動車の生産統計で考えていいと思う。その方が確実だわな。統計重視の姿勢を徹底しよう!
ちなみに、他の選択肢①②④の内容もしっかり読んでおいて。これらは正文。西アジアの状況ってなかなか実感しにくいものなので、センター試験の問題文を教科書代わりに(最低限の)知識を確実にインプット。とくに④なんて大事なんじゃないかな。外国人労働者の割合が非常に高く、彼らは主に建設業に就いているんだが、十分な社会保障は得られず、劣悪な環境下での労働を強いられている。
問5 [インプレッション] 海峡に関する問題ってちょっと珍しいね。それにしても西アジアって見事に個性的な海峡がいくつも並べられるものだ。古い時代から東西の交通の要衝として発展してきた歴史もあるし、そして現在も原油を巡って非常に重要性の高い地域となっている。
[解法] 「石油」が一番明確なキーワードになると思う。世界の原油の半分以上はペルシャ湾に埋蔵されているといわれ、産油量ももちろん多い。この出口に位置するQがチに該当。
そして二つ目は逆に地図から考えよう。Pには人口1000万人に達する巨大都市イスタンプールが位置する。海峡を挟んで市街地が広がるこの街は、トルコ最大の都市でありながら、首都ではない。選択肢の文章の中からイスタンブールを説明しているものを探そう。そうすると、ツが気になるわけだ。「その(海峡の)両側に市街地を拡大しながら発展」っていうのがそれっぽくない?しかも「当時の首都」って書いてあるんだが、これは逆に「現在は首都ではない」っていう意味も含んでるよね。ツがPに該当。
[今後の学習] この大問は本当によくできていて、ベーシックな知識は大前提として、それを応用させて解く問題が並んでいる。本問にしてもネタは2つ、ペルシャ湾の原油と巨大都市イスタンブールなわけで、複雑な事項が問われているわけではない。
問6 [インプレッション] 宗教や民族に関する問題と思いきや、そうでもないか。それにしてもこの大問はイランをやたら大きく取り上げているね。たしかにイランは出題率が低い国ではないものの、欧米との関係は不安定であるし、いつ大きな変化が生じるかわからない。本来出題しにくい国に思うのだが。
[解法] 「アメリカ合衆国はイランをテロ国家に指定していて、原油を輸入しないなど、経済制裁を行っている」。この程度の知識があれば十分でしょう。「欧米諸国との間で対立」がキーワードで②が正解。
[今後の学習] これ、ちょっと問題としてはどうなのかなって思うよ.イランは大統領が強硬派のアフマドネジャドから穏健派のロウハニ師に代わり、欧米とは雪解けの状況にある。アメリカ政府が凍結していたイラン向けの銀行口座も解除し、イランにお金が流れるようになっている。現時点(2014年)ではギリギリ「欧米諸国との間で対立」しているんだろうけれど、近い将来は何ともいえないな。
参考までに他の選択肢も含め、やや発展的な解説を。
①;エジプト。「アラブ民族主義の指導者」って具体的に誰かよくわからなんだが、4か国中アラブ民族の国はエジプトとサウジだけだし(トルコは黄色人種系統、イランはペルシャ民族)、サウジが絶対に③なので、消去法としてエジプトしか残らない。「アラブ世界の中心」はその通りで、かつて中東戦争でイスラエルと戦った主力はエジプト軍である。でも、真っ先に平和条約を結び、アメリカにすり寄って、むしろアラブ社会を裏切った国こそエジプトなんだけどね。ま、その当たりは触れないでおきましょうか。
②:上述のようにイラン。イスラム教多数派はスンニ派というのだが、シーア派は少数派。これが主である国は、イラン、イラク、アゼルバイジャン。アゼルがテストに出るとは思わないので、イランとイラクのイライラコンビがシーア派と覚えておいたら十分かな.教義内容は地理では問われない。
③;「豊富な石油資源」でいいと思う。これがサウジ。どうせならサウジを問う問題にしたらよかったのに。そしたら簡単だし。
④;トルコ。位置的にはもちろん、政治的にも経済的にもヨーロッパに近い国ではある。NATOは欧米を中心とした軍事同盟で、トルコもこれに加盟している。ただし、EUには加盟していないはみんな知ってるね。NATOは地理Bでは初出なのだが、とくに覚えなくていいでしょ。軍事関係は問われない。
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