共通テスト試行試験(2017年)解説

たつじんオリジナル解説[試行試験(平成29年)]解説         

 

難易度 ★(簡単) ★★(やや難しい) ★★★(難しい)

 

 

[1][解法]熱帯収束帯は赤道低圧帯ともいい、赤道一帯に形成される低気圧の帯。両半球から貿易風が収束している。北半球の亜熱帯高圧帯から吹き出した貿易風は、北風から東風に変化する。北東風と考える。南半球の亜熱帯高圧帯から吹き出した貿易風は、南風から東風に変化する。南東風と考える。いずれも、地球の自転による力である転向力の影響を受けている。転向力は、北半球においては進行方向に対し右向き、南半球においては進行方向に対し左向きの力となる。

[難易度]★

[コメント]ん、これはめちゃめちゃ普通の問題ではないか。旧課程と何も差がない。地球の風系(大気の大循環)については理論的に整理しておくこと。これ、基本ですね。

 

[2][解法]リード文には「Af」とケッペンの気候区分に関する用語が登場しているが、問題を解く際には関係ない。むしろ、図をしっかり読み解き、地球の気候について理論的な根拠をもって考えることが大切。

図には「熱帯収束帯(7月)」と「熱帯収束帯(1月)」がある。赤道直下の地域に形成される熱帯収束帯であるが、北半球の受熱量の大きい7月を中心とした時期には北半球側へと移動し、南半球の受熱量の大きい1月を中心とした時期には南半球側へと移動する。「熱帯収束帯は夏の方向へ動く」のである。

よかったら図1を2枚コピーして、1枚は、「熱帯収束帯(7月)」、もう1枚は「熱帯収束帯(1月)」の範囲を青で着色してみよう。なぜ青かといえば、それはこの一帯でスコールとよばれる集中豪雨がみられ、降水量が多くなるから。ビジュアル的に、雨が多い地域を読み取ろう。

とくに注目して欲しいのは、「7月の熱帯収束帯の影響下にあるものの、1月の熱帯収束帯の影響下にない範囲」と「1月の熱帯収束帯の影響下にあるものの、7月の熱帯収束帯の影響下にない範囲」。「熱帯収束帯=雨季」なので、前者は7月に雨季、1月に乾季となり、北半球の低緯度のパターン。後者は7月に乾季、1月に雨季なので、南半球の低緯度のパターン。いずれも「夏に雨季、冬に乾季」になっているのがわかるかな。北半球では7月が夏、1月が冬。南半球では7月が冬、1月が夏。

以上のことより、「赤道周辺が熱帯雨林気候」である(これはリード文に書かれている)のだが、その周辺においては明確な雨季と乾季が生じていることになる。なるほど、選択肢③の文章はジャストミートで正文なわけだ。

 

で、僕としてはここまででこの問題の分析は終わったらいいと思う。非常に理論的で、君たちが気候については必ず理解しておいて欲しいことが取り上げられている。ただ、残念なことに(?)本問は「適当でないもの」を一つだけ選ぶ問題なので、これでは正解が得られない。さて、どんなもんだろう?

熱帯収束帯の移動は、季節によるものだったね。地球が傾いた状態で太陽の周囲を公転しているため、7月を中心とした時期は日射量の多い北半球側が夏となり、1月を中心とした時期は同じく日射量の多い南半球側が夏となる。「の傾き、季節、熱帯収束帯の移動」についてはセットで考えるべきなのだ。

そして、③以外の選択肢を参照。なるほど、この中に季節と全く関係ないものが含まれているのがわかるかな。それは選択肢②。「太平洋東側の赤道付近」で「平年よりも海水温が高くなる」のは「エルニーニョ現象」だね。本来この海域の海水温は低い。ガラパゴス諸島からエクアドル〜ペルー〜チリ北部の海岸地域。ペルー海流の影響が強く、大気が安定するため降水量が少ない。砂漠が広がっている(海岸冷涼砂漠)。

でも、なぜかこのエリアにおいて数年に一回、異常な海水温の上昇がある。原因がわからないこの謎の事象をエルニーニョ現象といい、この付近だけでなく世界全体の異常気象を誘発するものとされている。これ、季節とは寛永ないよね。季節どころか、一応「数年に一回」とはされているが、それすらあやふやで、かなりランダムに発生するもの。だからこそ「異常」といわれるのだけれども。法則性のないこのエルニーニョ現象について述べた②を不適当とし、これを正解とする。

で、ここまででこの問題の分析は終わってくれたらいい。正直なところ、①と④についてはよくわからない。これらは熱帯収束帯と関係あるのだろうか。②が決定的に違う(つまり正解)なので、検討する必要もないのだが、個人的には腑に落ちないところが多い。

例えば、②について。「干ばつ」は熱帯収束帯の影響なのか?熱帯収束帯は降水をもたらすものであるので、干ばつとは逆。あえていえば、亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)の影響によって生じるもの。亜熱帯高圧帯は下降気流が卓越し、少雨気候の原因となる。この勢力が大きい時、干ばつが生じるとみていい。ただ、拡大解釈すれば、熱帯収束帯が形成されるからこそ亜熱帯高圧帯も作られると言える。熱帯収束帯という上昇気流の帯があってこそ、亜熱帯高圧帯という下降気流の帯が存在するのだ。そう考えると、「熱帯収束帯と亜熱帯高圧帯は関係する」そして「亜熱帯高圧帯と干ばつが関係する」のだから、間接的ではあるが「熱帯収束帯と干ばつは関係する」とも言える。ちょっと強引かな。

さらに④について。これ、台風に関する説明だね。台風と熱帯収束帯って関係あるのか? というか、そもそも熱帯収束帯の影響下では熱帯低気圧は発生しない。熱帯収束帯は主に赤道直下に生じるものだが、熱帯低気圧については赤道よりやや緯度の高い、北緯南緯10〜20°の海域で生まれる。赤道に近すぎると転向力(*)が作用しないため空気が渦を巻くことがなく、熱帯低気圧の成長がみられないのだ。

こう考えてみると、選択肢④もかなり疑問になってしまうんやなぁ。熱帯収束帯そのものより、熱帯収束帯を含む地球の風系の規則的な動きの中に、熱帯低気圧の発生も含まれると考えるべきなんだろうか。北半球の受熱量の多い7月を中心とした時期に海水温が上昇し、熱帯低気圧が発生する(水温27℃以上の海域で熱帯低気圧は発生)。選択肢②が完全に不規則であるのに対し、選択肢④は一応季節に応じた規則的な事象である。そういうことなのかな。よくわかりませんが。

(*)地球の自転によって、風や水に生じる力。北半球では進行方向に対し右向きの力が、南半球では同じく左向きの力が作用する。北半球において貿易風の風向が北から東に変化したり、偏西風の風向が南から西仁変化するのは転向力の影響。最も転向力の存在が重要なものに熱帯低気圧がある。

 

[難易度]★★★

 

[コメント]何とも言えない問題だな。「適当でないもの」を選ぶので解答は不可能ではないのだが、それにしても「解法」で述べたように、選択肢①と④について腑に落ちない部分がある。問題として完成度が低いように私は思うのだが、試行試験だから仕方ないのかな。

とはいえ、選択肢③の文章は大事なので、熱帯収束帯を中心に、雨季と乾季が生じるシステムについては完全に理解しておこう。

なお、ケッペンの気候区分が登場しているが、問題内容とは無関係。今後新課程でケッペンが出題されるかどうかはよくわからない。この判断は保留かな。それよりも、地球が傾いて公転しているからこそ雨季と乾季が生じるのだという理論部分が強調されている点は、従来のセンター試験と同じ。新テストも理論重視なのだ!

 

 

[3][解法]ナイル川の特徴が問われている。ナイル川は外来河川である。外来河川の定義は「流域に異なる気候環境を含む河川」。この場合の気候環境とは「湿潤」と「乾燥」。湿潤とは「降水量>蒸発量」の状態で。日本列島はいずれの季節でもどの地域でもこの自然環境に当てはまる。乾燥とは「降水量<蒸発量」の状態で、砂漠やステップなど。この異なる状態が流域に含まれているということは、具体的には「上流部が乾燥地域、下流部が湿潤地域」となるパターンや、「上流部が湿潤地域、下流部が乾燥地域」となるパターンが考えられるね。でもちょっと待ってほしい。乾燥とは蒸発量が降水量を上回る状態であり、この地域から流出する河川は存在しないことになる。だから、理論的に「上流部が乾燥地域、下流部が湿潤地域」となる河川は存在するはずがなく、実質的に外来河川とは「上流部が湿潤地域、下流部が乾燥地域」となる河川のことになる。乾燥地域に河川がみられた場合、必ず上流部に湿潤地域があるはずなのだ。上流側で十分な水分を蓄えた河川が、強い乾燥に耐え、水量を絶やさない。そのような強靭な河川を我々は外来河川と呼ぶ。

(注)上では外来河川について「湿潤→乾燥」としたが、ニジェール川のように「湿潤→乾燥→湿潤」となる河川ももちろんみられる。とにかく、水源が湿潤地域であり、流域のどこかに乾燥地域をサンドしている河川が外来河川なのだ。

本来外来河川は、乾燥地域を流域の一部に含んでいるのだから、通常の河川に比べ流量が少ないのが当たり前。ここでも「年流出高」の少ない河川がナイル川となるはず。ただし、14ミリの③、9ミリの④と候補が二つあるのがなかなか厳しい。年流出高だけでは判定できないのだ!

 

だから、ここからは「風系の移動」で考える。なぜナイル川の流量変化に風系の移動が関係するかって?図をみてみよう。ナイル川は赤道から流れる白ナイルとエチオピア高原から流れる青ナイルとに分岐しているが、上流側の流域の広い範囲は「熱帯収束帯(7月)」の影響下に置かれている。「熱帯収束帯=スコール」だったね。白ナイルと青ナイルの上流部は7月にスコールに見舞われ、極めて降水量が多くなるはず。下流側で強い乾燥がみられたとしても、ナイル川はこの時期にこそ増水期を迎えるのだ。表中、流量が最大になる月が7月であるのは③のみ。しかも「年流出高」が少なく、これは外来河川とみていい。③が正解となる。

 

他の河川については判定の必要はないが、一応参考までに。

①がメコン川。多雨であるモンスーンアジアを流域に含み流量が多い。流量が最大になる月が9月であるが、これはこの地域の雨季と重なる(7月を中心とした時期)

②がライン川。温帯地域を流れ、流量は比較的多い。

④がオレンジ川。降水量が少ない地域を流れている。

 

[難易度]★★★

 

[対策]ナイル川の流量かぁ。これは地理(1996年以前)に出題されたことがあるな。ナイル川は外来河川なのだが、夏にはかなり増水し、洪水を起こすことがよく知られている。ただ、これは余り一般的なネタではないので、解答は難しかったかな。単に「砂漠を流れる」ことから④を正解とした人が多かったんじゃないかな。

「ナイル川の増水期は、青ナイルの水源であるエチオピア高原が雨季に入る夏であり、かつてはこの時期にしばしば洪水に見舞われた」ということを知っておこう。

 

 

[4][解法]写真が相変わらずわかりにくいが,何とか判別できるレベルかな。新テストになったらせめてカラー印刷にして欲しいところなんだが。

とりあえず判定。アが砂漠でしょう。こんなきれいな砂砂漠って珍しいんだが、まぁ写真ということでわかりやすいものを選んだのでしょう。本当の砂漠は岩だらけだからね。砂漠のそもそもの定義は「植生が地表面を覆い尽くしていない状態」のことであり、いわゆる「裸地」。砂イコール砂漠ではないから注意してね。

イは樹林かな。とくに隙間が見えないほどの密林であるので、熱帯雨林の可能性が高い。

ウはそれに対し、樹木が疎らである。こちらは「疎林」でしょう。疎林が特徴的であるのはサバンナ。熱帯草原ではあるが、樹林も疎らに分布し、「サバンナ=疎林と熱帯草原」と考えるのが適当。熱帯雨林が赤道周辺の地域ならば、サバンナはその低緯度側。いわゆるサバな気候であるのだが、これは熱帯でありなおかつ雨季と乾季が生じる気候。これについては[2]でも取り上げられているね。

さて、これらについて地図上で対応させて考えていこう。もっともわかりやすいのはZかな。マレー半島であり、ここは熱帯雨林が広がる。東南アジアの島しょ部であるが、マレーシアやインドネシアでは(熱帯の高温多雨の気候に適応した)アブラヤシの栽培がさかんなことを考えよう。Zがイ。近年は、熱帯雨林を伐採し、アブラヤシのプランテーションが拡大していることが熱帯林減少の原因として問題になっているね。

さらにXだが、北緯15°ほどの緯度帯。アフリカ大陸の最西端にセネガルという国があるが、そこから東に伸びる一帯が「サヘル」であり、おおよそXもそれに含まれる。サヘルは草原地帯であるが、雨季と乾季が明瞭。樹林はほとんどみられないものの、完全な砂漠というわけではもちろんない。カとクならば、クこそサヘルの風景に近いんじゃないかな。Xがクに該当。

なお、植生の変化については、赤道から高緯度側に向かって、「熱帯雨林Y→サバンナ→ステップ→砂漠」。サヘルはステップに含まれている。ステップから草原が失われることが砂漠化であり、「サヘルで砂漠化が進んでいる」ということは逆にみればサヘルは現時点で砂漠ではないということ。

残ったYがイである。ここはイラン高原。こんなにきれいな砂砂漠があるかどうかは疑問だが、少なくとも砂漠気候が広がることは確か。亜熱帯高圧帯の影響が強く(北緯30°ほど)降水量が少ないうえに、気温が高く蒸発量が多いので激しく乾燥する。カナートと呼ばれる地下水路によって用水を導きオアシス農業が行われている地域である。

 

[難易度]★★(写真が読み取りにくいかな)

 

[コメント]比較的オードドックスであり、従来のセンター試験で出題されてもおかしくない問題。サヘル地帯の判定がポイントになっているね。ここはチェックしておいて欲しいな。

 

 

[5][解法]形式的にはややこしい(選択肢が8つあるしね)けれど、内容はオーソドックス。こういった問題を解くコツは、細かい部分にはこだわらず、「対義語」を持つ言葉について確実にチェックし、明確な誤りである場合のみ「誤文」とする。正誤があいまいな場合は。あえて誤文とせず。「何となく正しいみたいだな」といった感じでも「正文」としてしまう。

となると最も気になる言葉は何と言っても、dの「上昇」だよね。火山灰が大気中に滞留したら、その分だけ太陽光線が遮られてしまう。気温は低くなるとみていいよね。「上昇」ではなく「低下」にしましょう。

他の2つの選択肢については正文。cについては火砕流の定義が難しいけれど、ここにある「高温逃すと固体粒子が一体となって高速度で流下する」という定義でぜひ覚えておこう。火山が噴火すると、火口に「溶岩ドーム」ができる。高温で溶けた岩石が、火口から噴出すると急激に冷やされ、そこに固化してしまうのだ。イメージとしては、かさぶたを考えたらいい。怪我して血が出てしまった時に、血が固まってかさぶたができるよね。で、(ちょっと痛い想像をしてしまうけれど)かさぶたをむいたら傷口が完全にふさがっていないで、また血が流れ出したみたいな。

溶岩ドームも同じ。火口をふさぐように溶岩ドームが形成されると、その中に火口から噴出される気体(火山ガス)や液体(溶岩)、そして固体(固化した溶岩)がぎゅうぎゅうに圧縮される。巨大な風船を思い浮かべよう。風船がマックスまで巨大化して一気に破裂する。風船ならば中からは空気が飛び出してくるだけだから大丈夫だけれども、溶岩ドームの場合は「高温のガス」(火山ガス)や、「固体粒子」(固化した溶岩)が破裂して飛び出してくる。極めて危険な状態なのだ。岩石による直接的なダメージもあるけれど、高温によって周辺家屋が焼き尽くされてしまう延焼の被害も大きい。

eについては問題ないでしょう。火山近隣ではその熱エネルギーを利用して地熱発電が行われる。

 

[難易度]★★(内容は簡単だが、形式が難しい)

 

[コメント]このランダム正誤問題って難しい。なぜランダムと表現したかといえば、選択肢が4つある状態で「誤っているものを選べ」ならば1つは誤りだが残りの3つは正文、「最も適当なものを選べ」ならば3つが誤りで1つが正文。このように正文と誤文の個数は決まっているので、誤文を優先的に判断し、消去方で正文を判定するという手法が使える。

これに対し、こうしたランダム正誤判定の場合は、そういった消去法的アプローチが使えず、あいまいな選択肢については判断が極めて困難。

とくに正文の判定が難しいのがわかるかな。決定的に誤っている言葉(本問の場合は「上昇→低下」)があれば即座に誤文と断言できるのだが、正文についてはそういった明確な判断基準がなく、「何となく当たっているんじゃないか」程度の読み取りしかできない。今後はこのパターンの問題も増えると思われるので、対処していかないといけないのだが。

 

 

[6][解法]一見「難しい」と思ったものの、案外と簡単なのかな。「浸水も津波もどちらも低地で被害が大きいだろ」と考えたんだが、よくみたら地形図の範囲には海岸線も描かれているね。これは判断が容易だわ。

まずカから。市街地が広がる河川沿いの低地だけでなく、海岸にも災害の範囲が及んでいる。津波は海底地震を原因とする海水の波動。海岸付近が危険なのは言うまでもない。カが「津波」。それにしても図の北端や東端の谷や河川沿いの地域にも津波の被害が及ぶのが恐ろしいね。海水がとんでもない勢いで突き上げられてきて、陸地の奥にまで達しているのだ。道路沿い(道路は大概の場合、谷筋や低地を走行している)に逃げるのではなく、一目散に山上など高所に逃げないといけないってことだね。

さらにカについて。クと比べて、河川沿いの低地が災害範囲となっている。これは「河川氾濫」でしょう。

残ったクが「急傾斜地」。なるほど、山地の周辺に被害範囲が及んでいる。こういった場所に家屋があったら、かなり危険だね。

 

[難易度]★

 

[コメント]海岸に被害が及ぶことに気づけば津波の判定はできたはず。良問だなと思います。

 

 

[7][解法]まず図1を判定。アメリカ合衆国がわかりやすいんじゃないかな。世界最大の商業的な農業が行われている国で、穀物を中心とした農畜産物の輸出量が極めて大きい。人口に比べて過剰な農畜産物が生産されているわけで、もちろん穀物自給率は高いよね。アが「穀物自給率」となり、片方のイが「人口増加率」。

この時点で選択肢が①と②に絞られる。表1より「栄養不足人口率の高い」地域としてはアフリカを考えればいいだろう。図1を参照し、アフリカは穀物自給率は低く、人口増加率が高い。②が正解。

 

[難易度]★

 

[コメント]かなり新テストの形式が意識された問題。複数の図表を用いて考察させてはいるけれど、ちょっと無理やり何じゃない?って印象すらある。内容自体は簡単なので大丈夫でしょう。

 

 

[8][解法]問題文がおもしろくて、わざわざ「調べ、グラフにまとめた」って書いてある。でも、そんなの関係なくて、結局単なる生産統計だね。オーソドックスな問題。

まずPについて。小麦の生産上位は、人口大国の中国とインドが占めている。中国ならラーメンや饅頭(マントウ)、インドならナン。Pは中国に該当。もちろん米も中国、インドが1位2位だね。

さらにQについて。こちらはトウモロコシと大豆で圧倒的な生産量を誇っている。アメリカ合衆国の五大湖南側のコーンベルトは混合農業地帯で、世界最大のトウモロコシと大豆の生産地域。Qはアメリカ合衆国。

Rは消去法でブラジルだが、近年中国向けの大豆の輸出が際立って増加している。中国は飼料用として多くの大豆を輸入しており、今や世界最大の大豆輸入国である。

 

[難易度]★★★

 

[コメント]実は普通の統計問題。「米・小麦=中国」、「トウモロコシ・大豆=アメリカ合衆国」は余裕だよね(とかいいつつ、こういう絶対的な基本事項が頭に入ってない人は多かったりする。注意!)。

 

 

[9][解法]農牧業区分に関する問題。集約的な農牧業と粗放的な農牧業との違い。「集約的」とは土地生産性が高いということで、収量を農地面積で割って求めた値が大きくなる。1ha当たりの収量が大きい。「粗放的」はその反対で、こちらは1ha当たりの収量が小さい。土地生産性が低い。

土地生産性は一般に人口密度に比例し、人口密度が高いところでは集約滝な農牧業がみられ、人口密度が低いところでは粗放的な農牧業がみられる。

本問では肥料の消費量と土地生産性を結びつけることが大切だろう。集約的な農業地域としてはヨーロッパとアジアがある。いずれも人口密度が高く、限られた耕地を有効に利用し、高い生産性を上げるため、肥料が多く用いられる。集約的とは「丁寧」というイメージであり、多くの人手と肥料や農薬を用い、丁寧に農牧業がなされる。

それに対し、広大な土地で「雑」に農牧業が行われる場合、これを「粗放的」といい、こちらは人口密度が低い地域で特徴的。オセアニアやアフリカは土地生産性が低く、粗放的な農牧業地域に区分される。

以上より、集約的;アジア・ヨーロッパ、粗放的;オセアニア・アフリカとなり、これを肥料の使用に対応されるならば、明らかに①は集約的、④は粗放的と解釈されるが、②と③が微妙。さぁ、これはどうしたらいい?

とりあえず、注釈をみてみよう。ここでは肥料について「ふん尿などの自給肥料の消費は含まない」とある。自給の反対は商業だが、要するに購入することにって得られる化学肥料などが、本問の「肥料」には該当するのだろう。なるほど、本来、粗放的な農牧業地域である北・中央アメリカや南アメリカでも意外に肥料の値は高くなっているが、企業的な農牧業が行われる地域であり、多くの肥料を購入して使うことができる。こうした経済的な側面も考えるべきであろう。先進国が多く、大資本を投下することでより多くの肥料が使われているとみられるヨーロッパを①とする。ヨーロッパは肥沃な土壌には恵まれないが、平野や低地の占める割合が高く、国土面積に占める農地の割合も高くなるのだろう。

その一方で、④をアフリカと判定する。粗放的な農業地域であり、更に経済力も弱く、多くの肥料を購入できないことが考えられる。厳しい自然環境がみられる大陸であるが、農地の割合が比較的高い(40%)ことは意外でもある。

さて、ここからが難しい。残った②と③がアジアかオセアニアである。アジアは経済的な理由により集約的な農業地域としては肥料の消費が少なく、オーストラリアを中心とするオセアニアは、企業的に大資本が投下されるため、粗放的な農牧業地域ではあるが比較的肥料の消費が多い(それでも北・中央アメリカや南アメリカに負けているが)。さて、どちらがどちらだろう?普通に考えて、砂漠が広がるオーストラリアで農地の割合が低く②に該当し、人口密度が高く広い範囲で農業が行われていると想像されるアジアが③と考えられる。でも、それで正しいのか?ここで最高に気になるのが問題文の注釈なのだ。「農地には、耕地のほか牧草地なども含む」とある。そう、オーストラリアは乾燥大陸であり、国土の半分以上が乾燥帯であるが、砂漠だけでなくステップの占める面積も広く、そこでは羊の飼育も行われているではないか。グレートアーテジアン盆地における牧羊はよく知られているね。「牧草地」まで含めてしまったら、オーストラリア(オセアニア)は農地の割合って高くなるんじゃないか?

でも、だからといって、②がアジア、③がオセアニアってことがあるか?カギは北・中央アメリカと南アメリカの存在なのだ。北・中央アメリカも乾燥気候が比較的広く、さらに高山や森林もある。南アメリカも広大なアマゾン低地やアンデス高原があり、農牧業の行われている地域が限定的なはず。どうだろうか。オセアニアにおいて、北・中央アメリカや南アメリカより耕地の割合が高く、ヨーロッパと近い水準なんていうことがありえるか。逆に中国の沿海部や東南アジア、インドなど自然環境に恵まれ農業の盛んな地域を広く有するアジアにおいて、耕地の割合が全大陸中最も低いなんてことがあるか?いや、それは考えにくいのだ。以上より、②をオセアニア、③をアジアと判定。正解は③である。

 

{スイマセン。。。}

と思って解いていたら、正解は①だって???いや、全くわからない。とにかくアジアは集約的な農業地域であることは絶対的で、だから肥料の消費量が多いって解釈なんだろうか。

いや、でも難しいな。ヨーロッパは最近自然農法が見直されてきており、有機肥料すなわち家畜の排泄物などが積極的に用いられているそうだ。「ふん尿などの自然肥料の消費は含まない」がポイントだったのだろうか。ヨーロッパはこちらが多いはず。

それにしても、ヨーロッパはそもそも土地が肥沃ではなく、農業に肥料は必須だと思うのだ(アジアは沖積平野など肥沃は土地が多い)。難しいな、というより悪問の部類なんじゃないだろうか。

 

[難易度]私も間違えましたので、もちろん[超★★★]で。

 

[コメント]う〜ん、どうやって解いたらいいのか悩んでしまう。本問につては悪問とみるしかないのか。そもそも縦軸が「耕地」であるのに、横軸は耕地と牧草地を合わせた「農地」。この辺りで問題として完成度が低いと思えてしまうのだが。

 

 

[10][解法]カについては農業のキーワードが重要。選択肢には

「自給的」と「商業的」とある。これは対立する言葉であり、自給的は生産する地域での消費を目的とするもので輸出は少ない(むしろ足りない分を他地域から輸入することもある)。商業的は、自らの地域での需要を満たすだけでなく、他地域への輸出を前提に生産を行う。文章には「生産量に占める輸出量の割合も小さい」とある。多少は輸出もされているようだが、その割合が「小さい」とあえて説明しているのだから、これは「商業的」とみるべきではないだろう。カは「自給的」となる。

さらにキについて。そもそも大豆の用途って何だろう?もちろん一部は豆腐や納豆などの食品加工用に用いられるが、主に飼料や油脂原料に利用されているね。トウモロコシと同様。とくにここでは「食生活が変化して」とある。なるほど、人々の食生活において肉類や乳製品の供給(消費)量が増えてきたのだろう。家畜の飼料となる大豆などの需要が大幅に拡大したことは納得である。キは「飼料」。

 

[難易度]★

 

[コメント]大げさなグラフや文章が用意された割には問題はシンプルだったと思う。これが共通テストのスタンダードな傾向なのだろう。内容的には、農業のキーワードを問うオーソドックスなものであり、これまでのセンター試験の内容からはさほど離れていない。

 

 

[11][解法]食料供給に関する問題。1人1日当たり食料供給量は原則として1人当たりGNIに比例する。つまり先進国の人々は高カロリーの食生活を送り、発展途上国はそうではないということ。ただし、米を主食とするモンスーンアジアでは食事のカロリー量は低く、先進国であっても例外的に日本は1人1日当たり食料供給熱量は低くなっている。最低限、君たちが認識しておくセオリーはこれぐらい。

では問題に目を通そう。まずXから。高カロリーの国々であるがなるほど「世界有数の高所得国」とある。つまり1人当たりGNIが高い。候補の3か国中最も1人当たりGNIが高いのはサウジアラビアで、約25000ドル/人。Xがサウジアラビアである。

さらにYについて。こちらは1人当たりGNIが低い国であることが想像される。また「5歳未満の子どもの死亡率は高位である」ともある。この指標こそ1人当たりGNIと反比例するものであり、やはりYは低所得国であることがわかる。タイは工業が発達し、1人当たりGNIも比較的高いことを考えると、ここに該当するのはボリビアだろう。南アメリカのアンデス高原に位置する内陸国で、さほど1人当たりGNIが高いとは思えない。

残ったZがタイであろう。日本ど同じグループであり、モンスーンアジアの食文化を共有している、

 

[難易度]★

 

[コメント]形式としては目新しい感じもするが、内容的には極めてオーソドックスな事例が問われている。ただ、土地生産性の高さを肥料の使用量の多さに結び付けることができるかどうかという思考力が問われているのは間違いない。後に登場するが、[23]ではEUの拠出金額をGNIに対応させたり、[24]では1人当たり工業付加価値額を1人当たりGNIと関連させたりなど、複数のデータについて「翻訳」する作業が必要になってくる。データの丸覚えではなく、データの意味(そしてなぜそのような関連性が生じているのか。本問でいえば、肥料をたくさん使えば土地生産性が上がるじゃないか!という理論)まで捉えなくてはいけない点において、より高度な思考力が求められている。新テストの特徴といえよう。

太り過ぎ人口についてはおおまかに1人1日当たり食料恐竜量に比例することを考える。つまり「1人当たりGNIに比例するが、アジアは低い」のである。

 

 

[12][解法]フェアトレードに関する問題。フェアトレードは直訳すれば「適切な貿易」。企業が一次産品を安定した高い価格で買い取り、その生産者である発展途上国の人々の労働環境や生活の改善に結びつける。もちろん製品はその分だけ高くなるわけだが、最終消費者の我々はその負担を受け折れるべきである。欧米ではコーヒーやチョコレートなどのフェアトレード製品がスーパーで一般的にみられ、価格はやや高めに設定されているものの、それをあえて購入する消費者は少なくない。

選択肢④を検討してみよう。先進国がフェアトレードを推進している点については正しい。問題は後半である。「発展途上国の農家の生活水準が悪化している」ことがおかしい。生活を改善するためにフェアトレードという考え方があるはずである。④が誤りである。

 

[難易度]★(もしかしたら「難しい」と感じた人も多かったかも知れないけれど、これぐらいの問題、楽勝で解いてくれないと高得点はおぼつかないぞ)

 

[コメント]ポスターという形式が新しいが、内容的にはオーソドックス。本来カタカナ言葉があまり出題されない従来のセンター試験においても例外的に「フェアトレード」という言葉はよく登場していたので、当然知っておくべき考え方である。例えば、先進国のチョコレート会社はコートジボワールの農家からカカオを低価格で買い叩いている。その結果として我々は安い値段でチョコレートを食べることができるのだが、果たしてそれが「適正」なのか。コートジボワールでは児童労働も問題になっている。子どもたちが低賃金で働いており、彼らは学校に通えず、字すら読めない。世界の人々が少しでも高い値段でチョコレートを買うことで、収益の一部がコートジボワールの子どもたちに還元される。

 

 

[13][解法]カルトグラムは変形地図。絶対値(この場合は人口)の大小を面積で表す。

それに加え、ここでは人口密度も示されている。人口密度は相対値(割合)であり、人口を面積で割って求められる。人口とは異なり「大きい・小さい」、「多い・少ない」という言い方はせず、「高い・低い」という表現になる。地区ごとに色の違いによって高低を表している。

では、各選択肢を検討していこう。

①;ヨーロッパには中位の国が多い。そもそも面積に関してはこの図からは判定できない。

②;アジアに注目。「人口が最も多く」は単に面積を比べればいい。たしかに面積が大きく、人口が多いとみていいだろう。また、東アジア(中国等)や南アジア(インドなど)には人口密度が高位や中位の国が多い。これが正文。

③;アフリカには人口密度が高位の国は1つしかない。また。本図からは人口増加率の高低はわからない。

④;ラテンアメリカとは、中央アメリカ(メキシコ以南の北アメリカ大陸)や南アメリカなどが含まれる。たしかに中位や低位の国が多いが、しかし中央アメリカは主に中位の国で湿られており、低位は少ない。

 

[難易度]★

 

[コメント]カルトグラムが使いたいだけの問題だったんじゃないかな。内容は非常に簡単。このように図の読解のみで解答できる問題もかなり共通テストには含まれそう。

 

 

[14][解法]まずA〜Dについて国名を明らかにしないといけない。Aがフランス、Bがインド、Cが中国、Dがブラジル。それぞれの位置から十分に国名は想像できると思うが、とくにBからDについては人口大国であることも重要な手がかり。人口は、1位中国、2位インド、3位アメリカ合衆国、4位インドネシア、5位ブラジル。

ここからは人口ピラミッドの判定。人口ピラミッドで注目するべきは「底辺」すなわち0〜5歳人口。これが出生率にほぼ対応していると考えてよく、さらに出生率と人口増加率には相関関係があることを考える。つまり、「人口増加率の高低=底辺の長さ」であり、4つの国について人口増加率を考え、それを1〜4の人口ピラミッドの底辺に対応させる。

地域(大陸)別の人口増加率(年人口増加率)は以下の通り。

 

2%;アフリカ

1.5%;南アジア・ラテンアメリカ

0.5%;東アジア・アングロアメリカ

0%;日本・ヨーロッパ

 

Aのフランスはヨーロッパに該当し「0%」。先進国であり、女性の社会進出が進むなどして出生率が下がり、また高齢化が進むことで死亡率が上がり、出生率と死亡率の差はほとんどない(もしくは死亡率の方が高い)。

Bのインドは南アジアであり「1.5%」。豊かな農業地域であり、伝統的に多産を歓迎する南アジア地域では出生率が高い。

Cの中国は東アジアであり「0.5%」。一人っ子政策によって出生率が低下し、人口増加の伸びも停滞した。一人っ子政策は撤廃されるが、これまでもすでに様々な緩和策が実施されていたにも関わらず出生率は回復しなかったので、今後もやはり出生率は低く、人口増加率も上がらないと予想されている。それどころか近い将来には人口が減少するという予測もある。

Dのブラジルはラテンアメリカであり、1.5%。離婚と中絶を禁じるカトリックが信仰されており、子どもの数は多い。

さて、以上の数字より①〜④を判定しよう。人口増加率と自然増加率(出生と死亡の差)は比例し、もちろん出生率とも比例する。人口ピラミッドの底辺は「0〜5際」の乳幼児を表し、これが出生率と対応すると考えていいだろう。「人口増加率=人口ピラミッドの底辺」なのだから、これが短い①と③がフランスと中国のいずれか、長い②と④がインドかブラジルのいずれかとなる。

問題ではブラジルを答えることが求められている。さて、どうだろう?②と④でどちらがブラジル?どちらがインド?

ここで困ってしまうのだ。上の表では、南アジアとラテンアメリカの人口増加率は同じであり、人口ピラミッドの底辺も同じ長さとなる。しかしどうだろう?インドとブラジルを区別しないといけないし、なるほど②と④では底辺の長さが全く違うではないか!?

さてどうする?ここからはカンに頼らなくてはならない。つまり「何となく」で解かないといけないのだ。今までのセンター試験でこんな「不確かな」問題は出題されたことがないぞ。必ずセオリーに基づき、統計に当てはめて解く問題ばかりだったのに。

この辺りが新テストならではということなのだろうか。インドとブラジルの人口増加率に大きな差はないとしても、どちらかといえば、人口増加率が高いのはいずれの国か?もうこれは感覚で行くしかない。例えば、人口増加率(自然増加率)は大まかに1人当たりGNIに反比例する(だからこそ、人口増加率はアフリカで高く、ヨーロッパで低くなるわけだが)。両国の1人当たりGNIは、インドが2000ドル/人程度であるのに対し、ブラジルは10000ドル/人近くに達する。インドもブラジルも工業国では有るのだが(鉄鋼や自動車の生産が多いね)、経済レベルには実はかなり大きな差がある。農村を中心にまだまだ出生率が高く、より底辺の長い人口ピラミッドとなると考えられるインドを②と判定するのは適切だろう。残った④がブラジル。

 

[難易度]★★

 

[コメント]従来のセオリーだけでは解けない問題になっている。これが新テストなのか? 今までならこうした問題は「タンザニア、ブラジル、中国、スウェーデン」のように、それぞれの人口増加率の数値(2%がアフリカ、1.5%が南アジアとラテンアメリカ、0.5%が東アジアとアングロアメリカ、0%が日本とヨーロッパ)を代表する国をとりあげ、比較することで解答が求められた。それが今回は同じカテゴリーの中から2か国(インドとブラジル)が登場したのでややこしい。

解法では経済レベル(1人当たりGNI)で解いたが、インドは農村に多くの人口が居住し、そこでは女性が若いうちに結婚し(法律では許されていないが、一部には幼児婚の習慣が残る地域もあるとか)、多くの子どもをもうけることが喜ばれているということを意識して解く問題だったのかも知れない。理論ではなく、感覚の部分が多く含まれているような気がする。その分だけ難しい。

 

 

[15][解法]まずは1人当たりGDPから判定していこう。1人当たりGDPと1人当たりGNIは同じと考えていいっていうのは大丈夫だよね。みんなはしっかり1人当たりGNIをいろいろな国についてチェックしておかないといけない。最重要は「1人当たりGNIが10000ドル/人」である国々。発展途上国としては工業化が進む国であり、今後の成長が期待される。マレーシア、トルコ、ロシア、ルーマニア、メキシコ、ブラジル。アルゼンチンなどが含まれる。東南アジアでシンガポールやブルネイに次ぐ経済レベルを有し、電気機械工業やハイテク産業の発達もみられるマレーシア、ヨーロッパに近接し西欧諸国から衣類や電気機械など労働集約型の工場の進出がみられるトルコ、EU圏に含まれやはり労働集約型工業の進出がみられるルーマニア、原油や天然ガスの産出が多く世界的な資源国であるロシア、NAFTAの一員でありアメリカ合衆国系の企業による自動車生産がさかんなメキシコ、南半球最大の工業国として鉄鋼業や自動車工業の発達するブラジル、豊かな農業生産を背景に経済発展を進めるアルゼンチン。

現在の1人当たりGDPが約10000ドル/人であるイがメキシコである。

ここからはアとウの判定。合計特殊出生率に大きな差があることに注目しよう。合計特殊出生率とは、一生涯に一人の女性がもうける子どもの数の平均。非常に興味深い指標であり、複雑な計算方法があるのだが、高校地理のレベルでは「合計特殊出生率と出生率は比例する」と考えてしまっていい(*)。インドネシアとナイジェリアを比較し、人口増加率が高いのはアフリカのナイジェリアである。アをナイジェリアと判定し、正解は4。

ナイジェリアとインドネシアの1人当たりGNIについても確認しておこう。

ナイジェリアはOPECに加盟する産油国であるので、エチオピアやコートジボワール、ケニアなどアフリカの最貧国と比べれば1人当たりGNIは極端に低いわけでもない。しかし人口規模は大きく、OPEC加盟国の中では最も1人当たりGNIが低い。

インドネシアの1人当たりGNIは東南アジア10か国中、ほぼ中間の順位。東南アジア各国は経済レベルによって以下のようにカテゴリー分けする。

高所得国;シンガポール(中継貿易)・ブルネイ(天然ガスの産出)

1990年代に工業化が進んだ国;マレーシア(電気機械・ハイテク)・タイ(自動車)

2000年代に工業化が進んだ国;インドネシア(資源産出)・フィリピン(出稼ぎ送出)・ベトナム(社会主義)

工業化の進まない国;ラオス(内陸)・カンボジア(内戦)・ミャンマー(軍事政権)

 

[難易度]★

 

[コメント]オーソドックスな良問だと思う。出生率と合計特殊出生率を結びつけ、さらに1人当たりGNI(1人当たりGDP)については10000ドル/人が重要。

 

 

[16][解法]ランダム正誤判定問題。これは難しい。ただ、あいまいな文章ならば(つまり、明らかな誤りがない場合)は正文としてしまっていい。どちらか迷ったら正しいと考えてしまっていいということ。

aについて。これは「誤文」なのか。誤っているとしたらどの部分なのだろうか。対義語となりうる言葉があるだろうか。なるほど、文章の中に対比されている部分がある。「沿岸部」と「傾斜地」だよね。高級住宅地とスラムの位置関係について、前者が沿岸部で後者が傾斜地なのか、それとも反対なのか。

これについては発展途上国の大都市におけるスラムのできる位置について考えてみよう。「発展途上国のスラムは都市の周辺部に拡大する」というセオリーがある。経済力が小さいため、都心に近い限られた範囲のみインフラ整備された近代的な街区は限定される。インフラが整備され、CBDや商業地区が立地。高級住宅地もその周囲に近接する。その一方で、農村から多くの労働力が移入し、彼らに十分な雇用はないため、都市の外縁部にスラムを作ってそこに住み着く。リオデジャネイロは港湾都市である。港に接した沿岸部を中心に近代的な開発が進みCBDや高級住宅地が形成される一方で、そこから離れた居住に適さない地域においてはスラムが広がることになる。この場合は「土地条件の悪い傾斜地」に不良住宅地区(あ、言い忘れていたけど、これ、スラムってことだよ)がみられるのはまさにその通りだと思う。これは正文でしょう。

bについて。「沿岸部の広大な用地」については写真から判断するしかないかな。キの写真をみるに、なるほど手前に大きな海が広がっており、奥に高層ビルなど近代的な街並みがみられる。「商業・金融の世界的な中心地」についてはどうだろう?「商業」は問題ないと思う。上海はシンガポールやホンコンと並ぶ、世界最大規模のコンテナ貨物取扱量を誇る港湾を有する都市である。商業の世界的な中心地は妥当だろう。

一方、金融が難しいのだ。一般に金融業が発達するのは経済レベルすなわち1人当たりGNIが高い国や地域。「金融=銀行」であるので、ヨーロッパならばスイス、アジアならばシンガポールやホンコンが金融業の中心となる。上海はあくまで中国の都市であるので、国全体の1人当たりGNIは低い。金融業については発展していると断言していいものだろうか。この判断で悩む。

ただ、ここでは「商業・金融」とひとまとめにしてしまっているので、金融に大きな意味があるとも思えない。また「世界的な中心地」という言い方もあいまいというか、広い意味で考えればとくに否定するべき文言でもないように思われる。本当に判断が難しいのだが、ここは正文とみていいんじゃないかな。「決定的に誤っているキーワードが無い限り、正文とする」という約束事でいいと思うんだわ。

cについて。「世界最高層」とあるけれど、地理の問題でこうした人工物の高さが問われることはないと思うんだわ。だからここは無条件で正しいと思っていい。正直、僕もよくわかりません(笑)。「オイルマネー」も問題ないとは思います。ドバイが含まれるアラブ首長国連邦は、OPECに加盟する産油国。ペルシャ湾に面し、日本への原油輸出がとくに多い。石油による収入によって建設業(インフラなど都市整備)が発達している。これも正文でいいでしょう。

以上より①を答えとしました。答え合わせしました。たしかに①で正解。良かった〜

 

[難易度]★★★

 

[コメント]これ、やっぱりいい問題と思わないんだわ。選択肢bでは「商業」と「金融」は分けないといけないと思う。上海は「商業」の中心地であることは間違いないのだが、「金融」というと難しい。ただ、今回の問題が一つの「判例」となって、今後は「上海=金融」という捉え方をしていくべきだとは思う。実際、世界三大証券取引所といえばニューヨーク、東京、ロンドンになるのだが、上海の証券取引所の取扱額はすでにロンドンを超えている。近い将来、東京もしのぐようになり、ニューヨークと上海がツートップとなるのは目前に思われる。たとえば「中国に進出する日本企業は金融業が中心である」というのは明らかな間違いであるが(安価な労働賃金、巨大な市場を見込んだ製造業が中心だよね)、「上海で金融業が発達している」は「正文」として考えていこう。

さらにcについても、解法でも述べたが、そもそも世界最高層のビルを問うのがどうかって思うんだわね。地理で人工的な構造物についてその順位や数字的なものが問われたことはないと思う。中国のサンシャダムについて「世界最大規模」といった表現が登場した記憶はあるのだが、それぐらいじゃないかな。ダムにしても、自然に影響を強く与えるもので、ビルとは性格が異なっているし。

さらに。「巨額のオイルマネー」とあるけれど、実はこれも怪しい。アラブ首長国連邦は名前の通り、複数の国が合わさった連邦国家。アブダビなど大規模な油田を有し産出量の多い地域もあるが、ドバイは実は原油が取れないんですね。だからこそ、中継貿易港を整備し、地域の経済拠点とし、さらに観光にも力を入れるようになったという経緯がある。もちろん国全体で考えれば間違いなく「オイルマネー」の豊富な国であり、そこまで細かいことを気にする必要はないけれど、そのくせ「最高層のビル」みたいな微細なことを問うてくるっていうのはどうも釈然としない。試行問題だから詰めが甘いのかな。それとも今後はこういった人工物についてもどんどん問うてくるということなんだろうか。現時点では判断しかねますね。

 

 

[17][解法]都市圏に関する問題。簡単だね。

とはいえ、最初に「都市圏」とは言ったものの、厳密にはちょっと違う。正確には「大都市の内部構造」。「都市圏=通勤圏」ではあるので、例えば東京ならばその都市圏(東京大都市圏)は、都心から半径50kmに及ぶ巨大なものとなる。本図の範囲はそこまで巨大ではないんじゃないかな。

そのことも踏まえて、とりあえず考えていこう。まずターミナルが位置する中心の円の内側が「中心市街地」。地価が極めて高く再開発も進む。オフィスやデパートが集中し、昼間人口が極めて多い。その外側のEが「周辺市街地」で、一般には中心市街地と周辺市街地の2つを合わせて「都心部」と呼ぶ。昼間人口の多い地域ではあるが、しかし早い時期に開発されているため、古い街並みがみられる。商店街や中小工場などもみられ、いわゆる下町の風情を残す地域。Eがシに該当するとみていいだろう。

都心部を取り囲むのが郊外で、FやGはこれに含まれる。Fのエリアには鉄道が通じ、都心部に通勤する人々が居住する。昼間人口が夜間人口より少ない地域である。ニュータウンもみられるだろう。Fをスとする。

Gは港湾に接している。都心から離れており、地価も安いはず。臨海型の工場や、船舶が輸送してきたコンテナ基地などが立地しているだろう。Gがサに該当する。

同じ工場の説明が、地価の高いEでは「中小」、地価の安いGでは「大規模」となっているのが興味深い。

 

[難易度]★

 

[コメント]2008年度地理B本試験[16]をほぼそのまま引用した問題。試行試験ならでは、って感じかな。

 

 

[18][解法]人口規模が同じ都市における人口流動や商業活動の違い。表2を参照しよう。昼夜間人口比率に大きな違いがあるのがわかるね。昼夜間人口比率は、夜間人口(常住人口。住所がそこにあるってことだね)に対する昼間人口の割合で、「昼間人口÷夜間人口×100」で計算される。タは大きく昼間人口の方が大きく、大都市圏の都心部に位置する都市であることがわかる。逆にツは昼間人口が少なく、これは通勤などで昼間の間が市外に出ているということ。大都市圏の郊外の都市。チは100をやや上回る程度で、昼間人口と夜間人口に大きな違いはない。これは他の都市との間に人口流動が少ない、独立した都市といえるだろう。大都市圏には含まれない・

このことをふまえてX〜Zを判定。Xは「地方都市」、Yは「副都心」、Zは「ベッドタウン」とある。わかりやすいのはZじゃないかな。ベッドタウンについては郊外の住宅地を考える。大都市圏の郊外に位置する衛星都市で、都心部で働く人々が住居を構えている。Zがツになる。

さらに「地方都市」もわかると思う。近くに「交通と経済の中心」となる都市があるようだが、こちらの都市も「行政と文化の中心」であり、独立性は高いと思う。Xがチである。

残ったYがタとなるがどうだろう。「副都心」というのが気になるかな。大都市圏は「タマゴ」のようなものだと考えてほしい。黄身の部分が「都心部」、白身が「郊外」。都心部はさらに2つに分けられ、より中心に近いところが「中心市街地」。CBDが形成され、再開発も活発に行われる。地価が高く、高層ビルが林立し、行政機関や企業オフィス、デパートなどが立地する。それを取り巻くのが「周辺市街地」。古い時期からの市街地が広がり、商店街や中小工場などがみられる。代々そこに住んでいる人々が多く、新しい転入者が少ないため、一部では高齢化も進んでいる。ただ、そんな古びた地域である周辺市街地ではあるが、複数の鉄道が入り込む結節的では交通の便がいいことから再開発も積極的に行われ、中心市街地と同様に高層ビルが立ち並び、オフィス・商業地区となることがある。都心の機能を一部分担する「副都心」がそこに形成されるのである。東京駅周辺の都心に対し新宿が、大阪駅周辺の都心に対し天王寺が、それぞれ代表的な副都心である。郊外ではなく、あくまで都心部の一部、すなわち古くから住宅が立ち並ぶ地域が再開発され新しい街区に再生するのがポイントであり、むしろ都心を越えて文化や経済の中心地となることすらある。東京の場合ならば、本来副都心であったはずの新宿に都庁も移転し、行政の中心ともなりつつある。どうだろうか。Yの説明がこれにそのまま当てはまらないかな。おそらく、このYの文章自体が新宿区を説明したものではないかな。東京大都市圏の副都心で、JRやや私鉄、地下鉄が乗り入れるターミナル駅となっており、高層ビルが立ち並ぶ。しかし、昭和初期からすでに市街地化が進み、古い住宅や町工場なども一部にはみられる。東京でみられる典型的な風景じゃない?

ちなみに、Xは群馬県の前橋市じゃないかな。「隣接都市」は高崎市。Zは大阪と京都の間の高槻市か枚方市、もしくは大阪と神戸の間の西宮市かな。

ん?でも新宿区ならば、年間商品販売額はもっと大きくなりそうやな。もしかしたら違うのかな。ま、どうでもいいか(笑)。

 

[難易度]★

 

[コメント]従来のセンター試験でもしばしば見受けられたもの。しかも難易度は大きく低下している。問題ないでしょう。

 

 

[19][解法]ハイサーグラフを用いた問題。見方はわかるかな。1〜12の数字は月を表し、縦軸が気温、横軸が降水量。座標の数字を詳しく読み取ろう。

図1参照。タリン、ダブリン、マドリード、アテネの4都市。まずは気温で考える。原則として、気温は緯度に対応する。気候因子として最も重要なものは緯度なのだ。低緯度ならば太陽からの受熱量が大きく高温となり、高緯度ならば受熱量が小さく低温となる。マドリードとアテネが低緯度で高温、ダブリンとタリンが高緯度で低温と考えていいんじゃないかな。

ここは夏の気温に注目してしまっていいと思う。冬の気温は③が明らかに高く、④は極めて低い。しかし、①と②は同じぐらいであり、③>①=②>④ という感じ。これでは上位2つ、下位2つには区分しにくい。一方で夏は①と③で明らかに高く、②と④で冷涼。東京の7月平均気温が25℃であることを考えると、①は東京と同じぐらい、③は東京よりさらに暑いのに対し、②や④は日本ではちょっと考えられないぐらい「涼しい夏」となっている。マドリードとアテネを①と③とし、ダブリンとタリンは②か④のいずれかである。

では更に②と④について考えよう。ここでは気温年較差に注目すればいいと思う。ヨーロッパは偏西風と暖流の影響が強いところだね。偏西風は、低緯度から吹く風で、亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)から暖かい風を西ヨーロッパへともたらす。暖流は赤道周辺の暖かい海水を大西洋北部海域へと運び、沿岸部における冬の寒さを和らげる。どうだろう?②と④で決定的に違うのは冬の気温であり、とくに④では最寒月平均気温が−5℃ほどとなり、河川や湖沼、港湾は凍結するのではないか。

ノルウェーの沿岸は冬でも凍結せず、港湾が使用可能(不凍港)となるのはよく知られているね。ダブリンが凍結するとは思えない。②をダブリンと判定しよう。気温年較差の小さい典型的な海洋性気候がみられる。

一方の④がタリン。こちらは凍ってしまうね。どちらかといえば大陸性気候。

 

[難易度]★

 

[コメント]ずいぶんオーソドックスな気候判定問題。2009年度地理B本試験第1問問1の問題とほぼ同じ形で問題が作られているので、よかったら比べてみよう。いずれにせよ、ケッペンの気候区分は全く必要とされない。緯度による気温の高低差、隔海度による気温年較差の違い。

 

 

[20][解法]写真判定問題だが、これ、結構(かなり?)難しいぞ。いずれも特徴的な風景だが、センター試験の時代には扱われたことがないんじゃないかな。

意外にわかりにくいのがイだと思う。実はこれ、オリーブ畑なのだ。オリーブは耐乾性の硬葉樹なのだが、これが生育している土地では下草が生えないという特徴がある。土中の水分を大きく吸い上げてしまい、草が育たないのだ。オリーブは古代ギリシャ時代に、燃料用の油脂を採取するために地中海沿岸地域に広く植えられた作物。他の樹木を切り倒し、草原を刈り、オリーブ畑に変えられた。それ以来、その周辺には下草は生育しなくなってしまったのだ。イが地中海沿岸の風景であり、Cに該当。

ウについては写真の判定は容易だが、これがAとBのいずれかに該当するかが非常に迷うと思う。何が写っているかはすぐにわかるよね。高峻な山々と乳牛、高原の放牧地。そう、アルプス山脈の風景。アルプとよばれる高原の放牧地で移牧が行われている(移牧とは季節差を利用した牧業形態。夏はアルプで放し飼い、冬は山麓の畜舎で舎飼い)。ただ、問題はアとイ、どちらがアルプス山脈ってことなのだ。これって難しくない?

アルプス山脈ってスイスのイメージがあるよね。もちろんそれは間違っていないのだが、正確には「スイス南部」なのである。スイスとイタリアの国境山脈がアルプス山脈。これは強調しておかないといけない。スイス南部からオーストリア南部、イタリア北部にまたがる巨大な褶曲山脈がアルプス山脈なのだ。イタリアは決して「温暖」なだけの国ではない。たしかに南部のイタリア半島は太陽がさんさんと輝く地中海性気候地域であるが、北部には冬季オリンピックの開催地であったトリノもあるなど、東日本にも似た「寒冷」な気候もみられる。イタリアは実はスキー大国でもあるよね、北部では険しい山々が連なり、さらに降水量も多い(降雪が多い)ため、スキーの大回転競技(スラローム)の名選手が多いのもイタリアの特徴なのだ。ちなみに、イタリアの東に隣接する小国スロベニアこそ、世界最高のスキー競技の国として知られている。険しい山々と豊富な降雪なのだ。

さて、どうだろうか。イタリアに近いB、やや離れたA、アルプス山脈に該当するのはどちらだろう?Aはイタリアというよりドイツ南部というべき地域だろう。Bがアルプス山脈に該当し、ウとなる。

アがB。でも、これ何だと思う? 一見すると水田みたく見えるよね。田んぼとあぜ道というか。あるいはエビの養殖池にすら見える。でも、これ実は違うんだわ。これは「林地村」の写真。四角形の部分って水が張られているように見えるけれど、これは普通の畑。中央を道路が通っていて、それに沿って集落がみられる。これ、「路村」ってパターンだよね。中世のドイツやポーランドにみられる開拓村で、開拓道路に沿って集落が並ぶ。周囲には四角形(長方形、短冊状)の耕地や放牧地が配置される。計画的な集落の代表例である。2009年度地理B本試験第4問問1の図1Bが林地村を描いたもの。

 

[難易度]★★(極めて★★★に近い)

 

[コメント]いわゆる地理の問題としては普通なんだが、センター地理に限っていえばかなり珍しい内容。オリーブ畑に下草がないというのはわりとよく知られたネタなんだが、センター地理では初登場。林地村もしばしば登場しているものの、写真からそれを判定しないといけないのは厳しい。唯一、アルプス山脈はわかりやすいのだが、しかしその位置(AとBのどちらだろう?)が判定困難。決して内容的に難しい問題ではなかったと思うけれど、得点に結びつけることは厳しいかな。

 

 

[21][解法]言語(民族)系統と宗教・宗派の問題。ベタな問題だけど、このジャンルを苦手にしている人って多いんじゃないかな。確実に行こうね。

本来、言語(民族)と宗教は対応はしないものの、ヨーロッパについては例外的に両者を対応させて覚えてしまった方がいい。北西部が「ゲルマン・プロテスタント」、南西部が「ラテン・カトリック」、東部が「スラブ・東方正教」。ゲルマン・プロテスタントは「イギリス・北欧」、ラテン・カトリックは「スペイン・フランス・イタリア」、スラブ・東方正教は「セルビア・ロシア」で覚えておこう。

ただ、実はここからが重要。上記のように大まかに言語と宗教はセットで覚えてしまえばいいのだが、例外も多い。とくに重要なものは以下の3つ。

・ドイツ南部・・・ゲルマン/カトリック

・ポーランド・・・スラブ/カトリック

・ボスニア・ヘルツェゴビナ・・・スラブ/カトリック・イスラム・東方正教

ここで注目して欲しいのはポーランド。図中のGの国だね。非常に重要な国なので、絶対に位置はチェックしておこう。農業に特徴がある国(混合農業。ライ麦とジャガイモの生産、豚の飼育頭数が多い)ではあるけれど、言語・宗教もポイントになる。

選択肢を参照。Gのポーランドが正しく表されているのは「スラブ語族・カトリック」の④のみ。Hの判定は不要で、この時点で正解は④となる。

ちなみに、Hはブルガリア。東部ヨーロッパの代表的な国で「スラブ・東方正教」である。

 

[難易度]★(これぐらい楽勝で解いて欲しいな。もしアウトならば、言語・宗教ジャンルをしっかり復習しておこう!)

 

[コメント]非常に興味深いのは。GとHの2か国について問われているのに、正解のためにはG国だけわかれば十分で、H国は無視できるのだという点。このパターンって今までのセンター試験にはなかったんじゃないかな。記憶にない。考えようによっては親切な問題とも言えるわけで、この形が新テストで採用されたらかなりラッキーってことだね。

 

 

[22][解法]はっきりしない問題だな。答えにくいな。

とりあえず検討していきましょう。

①;文章がちょっとわかりにくいので、しっかり読解しないといけない。「EU域内」の商品について「関税をかける」とある。これ、どうなんだろうね。EUは域内の関税を撤廃し、自由貿易を実現している。もちろん域外(日本やアメリカ合衆国など)に対しては輸入も輸出もしっかりと関税をかけることによって安価な商品の流入を防いでいるわけで、域内の貿易とははっきりと区別されている。これは誤文とみていいんじゃないかな。

②;これは悪くないと思うんだよなぁ。とくに否定するべき部分がない。EUにとどまらずヨーロッパ諸国はいずれも再生可能エネルギーの利用には積極的である。デンマークの風力と動物性バイオマス(豚の排泄物)、フィンランドの植物性バイオマス(木くず)、ノルウェーの水力、イタリアやアイスランドの地熱、ドイツの風力と太陽光などなど。「資源をめぐる国家間の対立」が具体的にどんなものかわからないけれど、原油のイギリスやルーマニア、石炭のドイツやポーランドなど資源産出に特徴がある国は多くあり、それらの共同利用も重要なテーマであると思う。これ、正文でしょ。

さらに付け加えるならば、ヨーロッパは全体として、二酸化炭素の削減に積極的であり、さらに将来的な脱原発を計画している。東ヨーロッパ地域の生産性の低い火力発電所を閉鎖し二酸化炭素排出量を減らす。多くの国ですでに原子力発電からの撤退が議決されており、「原発」国のフランスでも新規の原子炉の建設はほとんど行われない。エネルギー政策についての意思は共有されている。

③;これ、どうなんだろう?1993年にEUが発足し、現在は28か国。一応、EC時代から加盟国を時代別に示してみますね。

 

60年代(原加盟国);ベネルクス(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)・ドイツ・フランス・イタリア

70年代;イギリス・アイルランド・デンマーク

80年代;ギリシャ・スペイン・ポルトガル

 

1990年代にECEUに改組されて(マーストリヒト条約)、すぐにオーストリア・スウェーデン・フィンランドが加盟し、15か国となる。

 

2000年代に13か国が加盟するが、以下の通り。

 

旧ソ連;バルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)

東欧諸国;ポーランド・チェコ・スロバキア・ハンガリー・ルーマニア・ブルガリア

旧ユーゴスラビア;スロベニア・クロアチア

旧イギリス領の観光国;マルタ・キプロス

 

1993年以降の加盟国は16か国あるわけだけれど、「東ヨーロッパ」にカテゴリーされる国はポーランドなど6か国。旧社会主義といえばバルト3国や旧ユーゴの国も含まれ11か国にのぼるが、これらを「東ヨーロッパ諸国」ということはあまりない。どうだろう?東ヨーロッパ諸国だけに限定してしまっているこの選択肢についてはちょっと疑問が残る。

④;これはわかりやすい。ワインが一般的であるのはブドウ栽培地域。ブドウの栽培北限がパリ盆地であり、これより北側の地域ではワインよりビール(大麦が原料だね)が好まれている。EU域内でも、フランスやドイツ南部、地中海沿岸はワイン地域であるが、イギリスや北欧、ドイツ北部、ポーランドなどはその範囲から外れる。食文化については共通性はない。

以上より正解は②でしょう。

 

[と思ったら。。。]

スイマセン、間違えました。正解は③なんだそうです。えっ、②はなぜ違うの? エネルギー政策については全体的な意思の統一ができており、自然再生エネルギーの共同利用も当然行われているはずなんだが。もしかして「資源をめぐる国家間の対立を緩和する」が間違っている? ん、対立はなかった!っていうこと? そんなあいまいなところが誤りだったんだろうか? いや、これは全然わかりません。

 

[難易度]私も間違えましたので、[超★★★]で

 

[コメント]いやぁ難しい。っていうか完全な悪問だわ。解答ができない。今回は試行試験ということでこうした問題も含まれていたっていうだけなんじゃないかな。お手上げです。

 

 

[23][解法]この手の問題は、1人当たりGNI一発で問いてしまうのがベスト、Pは極端に高い。日本(40000ドル/人)と比べてもレベルが違うほどの高さ。先進地域のヨーロッパでも、この水準の国々はかなり特殊で、主に北ヨーロッパの人口小国が多い。人口が少ない分だけ、1人当たりの値が上がるのだ。クの「国内人口は少ないが」がポイント。クに該当。

Qは日本と同じレベル。ドイツが示されているのがヒントになるね。これらはいわゆる「ヨーロッパの大国」。フランスやイギリス、イタリア、スペインが該当する。カに該当。いずれも人口が大きい国であり、GNIが大きい。なるほど、EUへの拠出金額が大きいのも納得。

Rは20000ドル/程度でやや低い。世界的にみればむしろ高い方に分類されるのかも知れないが、グラフからもわかるようにEU加盟国としては際立って低い。2000年代にはってEUに加盟した東ヨーロッパ諸国、バルト3国など。キに該当する。

ところで、このグラフのおもしろい(というか、ややこしい)ところは、縦軸が1人当たりGNIという「割合」になっているのに対し、横軸がEUへの拠出金額という「実数」になっているという点。本来なら縦軸を「GNI」という実数にするか、横軸を「1人当たりのEU拠出金額」という割合にしないといけない。センター問題としてあえてわかりにくさを狙ってこういうグラフにしているのかな。

 

(発展)「EUの拠出金」については規模の大きな国で値が大きくなっている。この場合の「規模」とはもちろん経済規模であり、GNIのこと。国が有するお金すなわちGNIが多い国はそれだけたくさんの金額を拠出しているし、経済規模の小さな国は少ししか拠出できない。したがって「EUへの拠出金額はGNIに比例する」といえると思う。

PやRはGNIが小さいので拠出金額が小さく、QやドイツはGNIが大きいので拠出金額も大きい。

GNIは、1人当たりGNIと人口の積である(GNI=1人当たりGNI×人口)。つまり、GNIは、1人当たりGNIと人口のそれぞれに比例するというわけだ。Pの国々は人口が少ないためGNIが小さく、Rの国々は主に1人当たりGNIが低いからGNIがやはり小さい。Qの国々は、1人当たりGNIが高く、人口も多いので、GNIが大きくなる。例えば、横軸の「EUへの拠出金額」を「GNI」と書き換えてもこのグラフは成り立つのだ。

 

[難易度]★

 

[コメント]1人当たりGNIだけで解いてしまうのが理想だが、さらに人口やGNIを考え、それをEUへの拠出金額に対応させて考えさせようという深みのある問題。今までのセンターとは一味違う。

 

 

[24][解法]わかりにくい問題だな。問題の解釈だけで時間がかかった。今までのセンターではちょっとなかったタイプの問題。そもそも選択肢が9個っていうのも珍しいしね。まず図5のデータが何を表すものかを考え、さらにそれを検証するための方法を挙げろっていう二段構えになっている。ゆっくり考えていこう。

図5参照。アルジェリアからフランス、トルコからドイツ、ポーランドからドイツ、南アジアからイギリス、南アメリカからスペインなどの人口流入が目立っている。どうだろう?これ、「労働者」の移動と考えていいんじゃないかな。経済レベルが低い地域から高い地域へと、高賃金と豊富な雇用機会をもとめての人口移動と考えられる。とくにトルコからドイツなんていうのは典型的なんじゃないかな。戦後復興期に、ドイツ国内で不足した労働力を補うため、多くの労働者をトルコから招き入れた。彼らはガストアルバイターと呼ばれ、ドイツの工業化と経済発展を支える重要な労働力となった。

X〜Zの判定。少なくとも「先進国どうし」ではないので、Yは除外される。XとZは微妙。なるほど、Xには「雇用機会が不足」、Zには「賃金格差が大きくなり」とあり、いずれも経済的な理由による移動を説明した文であることがわかる。ただ、Xでは「旧植民地から旧宗主国への人口移動」と条件を限定しており、さらに「治安が悪い」という要因も付け加えられている。治安の悪さは一般的に人口移動の理由とはなりにくいが、拡大解釈し「内戦を避けて」のように武力正徳を理由とした難民ならば、むしろ人口の国際的移動の重要な要因となる。しかしどうだろうか。図7の移動は難民の移動だろうか。いや、そうではない。戦争が生じていない国からの人口移動も多く含まれている。さらに、アルジェリア→フランス、南アジア→イギリスならばたしかに「旧植民地から旧宗主国へ」の移動なのだが、トルコや東欧からドイツへの移動はそれに当てはまらない。ドイツはほとんど植民地を持たなかった国である。こういった点より、Xは不適当とみていいんじゃないか。図7については、純粋に経済レベルの違い(つまり賃金格差)が要因の移動であり、それは主に製造業における労働者の移動と考えて妥当。まずZが該当。

さらにサ〜スの判定。ここまで考えてくれば簡単に答えは導けると思う。例えば、ポーランドからドイツへの移動。ポーランドでは賃金水準が安いので、高い給料がもらえるドイツへと労働者が流入し、彼らは工場で電気製品や自動車の組立を行う。「工業付加価値」というものが具体的に何か分かる必要はない。とりあえず工業に関するデータなのだなと何となくわかったら十分。スを選択し、正解はZ—スの⑨となる。

 

[難易度]★★(内容的には容易だが、形式が目新しいので解答は困難だった)

 

[コメント]かなりややこしい問題だった印象。まずX〜Zだが、Yはともかくとして、XとZは似たようなことを言っていて判定が難しい。もっとわかりやすい選択肢にできなかったものか。Xの「雇用機会」は削除し、「治安が悪い」も「内戦による難民の発生」などに書き換えてしまうとか。今のかたちでは曖昧すぎる。

また、サ〜スについても「工業付加価値額」という耳慣れないキーワードの使用はいかがなものか。付加価値については単純に製品の値段を考えればよく、例えば紙や鉄鋼。プラスティックなどの素材は安い。これは「付加価値が低い」という。消費財(消費者が買い求めるもの)は素材より付加価値は高いものの、その中でも大きな差があり、衣類や低く、電気製品や自動車はやや高い。コンピュータ関係のハイテク製品は極めて付加価値が高いということになる。これら工業製品の生産について「1人当たり工業付加価値額」というのだから、衣類工業が中心の国では低く、電気機械や自動車工業の国は高く、ハイテク産業が集積する国でこそ極めて高くなると考えていいだろう(なお、鉄鋼についてはそもそも電気機械工業や自動車工業の発達する国で生産が多いので、ここでは指標とならない)。衣類工業がさかんな国は発展途上国であり1人当たりGNIが低い。ハイテク産業の国は先進国で1人当たりGNIが高い。要するに「1人当たり工業付加価値額は1人当たりGNIに比例する」と考えてしまっていいだろう。ということは、スの文章については「EU加盟国における1人当たりGNIについてのデータ」と言い換えることもできる。なるほど、1人当たりGNIの値がわかれば、それが低い国から高い国へと明確な人口流動がみられることが、図7から読み取ることができる。

 

 

[25][解法]地形図問題で、正文判定。誤文を3つ探さないといけないが大丈夫かな。

縮尺の違う3つの図を用いた点が非常に興味深い(だから厳密には「地形図」じゃないんですよね。地形図はあくまで10000分の1、25000分の1、50000分の1の図なので)。今後はこういったパターンの出題形式がみられるのだろう。とてもおもしろい。

①;図1参照。安倍川は広大な河原(河川敷)を有する河川であり、堤防の内側全体を水が流れているわけではない。おそらくここって扇状地なんだろうね。扇状地がそのまま海まで達しているパターン。砂利が堆積していて、河川水が地下を流れている。降水量の少ない時期には表面を流水がほとんどみられないこともあるだろう。逆に上流側で雨が大量に降った場合には堤防の内側全体に河川水が満ち溢れることもあるかもしれない。地図に示されたのはあくまで平均的な状態に過ぎないと思う。流れは細くなったり、太くなったり、降水の様子によって大きく変化するはずだ。これ、正文でしょう。

②;図2を参照。なるほど、たしかに進行方向の右手に山地が見られる。土地利用記号を確認。「青木」付近には針葉樹林がみられるが、「大和田」の北方には広葉樹林の記号もみえるんじゃないかな。

③;図1参照。用宗付近では列車は北から南に走行している。「進行方向の右側」とは西の方向だね。時刻は10時すぎ。太陽は南東の方向にあるので、これは間違い。

④;図1を参照。鉄道が「小浜」付近で「日本坂トンネル」を出る。図3を参照。図の北東部に「小浜」とあり、トンネルの出口がある。図1の箇所と同じ。ここから「サッポロビール工場」までの間の鉄道を観察。進行方向の左手つまり東側に海があるのは間違いないのだが、その間には等高線の密集したエリアがあり、つまり山地。これによって視界は遮られ、「海が見えた」はずはない。誤り。

以上より①が正解。

 

[難易度]★★

 

[コメント]いい問題ですね。複数の地図を用いて、それぞれを比較しながら文章の正誤を問う。新しいパターンだが、私はこれ、好きですね。これから新テストでこの形式の問題が増えてきたら、ちょっと楽しみ。

 

 

[26][解法]要するに、暑いか寒いかだけの問題でしょう。冬の気温に注目するとわかりやすい。最も温暖なイが八丈島、標準的(それでも東京より暖かいが)なアが静岡、寒冷なウが軽井沢。なお、地球上、夏の気温はどこも大きな違いはなく、八丈島も東京も静岡も最暖月平均気温は25℃をやや越えている。軽井沢は高原であり標高が高いので、全体の気温が低い。標高が何メートルか知らないけれど、他に比べて5℃以上低くなっているね。冬の気温がマイナスになるのは、本州の低地ではちょっと考えられない。

 

[難易度]★

 

[コメント]西園寺公望とかいろいろなこと書いてますが、あまり意味ないよね(笑)。単なるシンプルな気候判定。実験的に問題文をちょっと工夫してみたって感じなんでしょう。

 

 

[27][解法]これ、難しいな。微妙なんじゃない?しかも、老年人口の増加率と老年人口率でしょ?この判定は難しいなぁ。じっくり取り組んでみよう。

まず、キに注目。人口分布図と対比するとわかりやすい。新幹線の駅もあり、人口が集中する静岡駅周辺地区で、キは「高」となっている。企業オフィスや商業施設なども多いのではないか。キを「第3次産業就業者率」とみていいと思う。

それに対し、「老年人口の増加率」と「老年人口率」。それぞれ計算式を考えると、前者が「(2010年の老年人口  2000年の老年人口)/2000年の老年人口」。もとの老年人口を基準に、10年間で変化した分の老年人口の割合を考える。分母が「もとの老年人口」、分子が「変化した老年人口」。

後者は「老年人口/総人口」。総人口を基準に老年人口の割合を考える。分母が総人口、分子が老年人口。

異なる時代の2つの老年人口を考えないといけないので、「老年人口の増加率」は求めにくいと思う。「老年人口率」の方が判定しやすいんじゃないかな。こちらから考えてみましょう。

老年人口率については、人口流入地区で低く、人口流出地区で高いという基本的なセオリーがある。人々は仕事を求めて転居する。仕事がない過疎地域からは若者が流出し、仕事の豊富な都市部へと流動する。「若者が移動する」のだから、人口減少はすなわち老人が取り残されることを意味し、人口増加率と老年人口率は反比例の関係となる。

これを図の範囲に当てはめるとどうだろう?例えば東京のような巨大な都市圏(東京大都市圏)においては、ドーナツ化現象が顕著(高地価の都心部から郊外に人口流出)だったので、都心部で比較的老年人口率が高く、郊外で低いという関係が成り立っていたが、静岡駅を中心とした都市圏の場合、それほど巨大ではないので、駅周辺の市街地全体(具体的には図5の人口分布図で人口が多く集中している地域)で老年人口率が低いとみていいんじゃないかな。それに対し、都市圏から離れた農山村では人口が流出し、過疎化が進む。もちろん高齢者の割合は高い。同じく人口分布図で人口が少ない地域でこそそういった傾向がみられるはず。このことをふまえ、カとキを観察。

しかし、そこまで明確な違いはみられないのだ(涙)。さてどうする? いや、よく見たら違う箇所はあるじゃないか。図の最も北西側のエリア。どうかな。静岡駅の接する中央の最も大きなエリアの北西側に接する、図中で2番目に面積が大きいと思われるエリア。ここ、どうかな? 人口は少ないし、静岡駅からも離れているので過疎地域であることがわかる。キの図を参照するに、一部に第3次産業就業者率が高い箇所もあるが、全体的に低め。農業(第1次産業)が中心なのだろう。

カでは「高」が多く分布しているのだが、クでは「高」の数は減り、むしろ「中」そして「低」も比較的多くみられる。どうだろう?こういった地域で老年人口率が低いとは思えない。カを「老年人口率」とする。

そして、クが「老年人口の増加率」なのだが、「低」が多いのは、そもそもの老年人口が多かったので、増加率を計算すると値は大きくならない。昔から老人ばかりだったので、この10年で大きな変化はなかったということ。これなら納得できないか?

カが「老年人口率」、キが「第3次産業就業者率」、クが「老年人口の増加率」となり、正解は④。これでどうだ!

 

[難易度]★★(がんばれば解けるぞ!)

 

[コメント]読み取りにくい図だったなぁ。これも本番でやられたらたまらんぞ。問題としてはあまり良くないと思う。ただ、じっくり図を観察してみて、時間をかければ納得して解けるはず。せめて新テストはカラー印刷にして欲しいところなんやけどね(苦笑)。それだけで正解率が全然変わると思うよ。

 

 

[28][解法]ん、何だこの問題?今後もこのパターンで行くつもりなのか?

図の施設は避難場所と思われる。高所に避難して防がれるものって何だ?

とりあえず④は絶対に違う。「土石流」は山地斜面のキーワード。図のような平坦な地域では生じない。さらに②もおかしいでしょ。「液状化を防ぐ」ことはできない。地震の振動によって地面が揺さぶられ、水の分子が表面に噴出する。建物の倒壊や泥土化などの被害が生じる。液状化を防ぐには、地中の水分を取り除かないといけない。例えば、河川や海との間の地中にフェンスを作るなどして、水分が入り込むのを防ぐなど。

結局残ったのが①と③。これ、両方とも正しいような気がするんだけどな。高さは10mほどだろうか。ん〜、河川の氾濫でここまで増水することはないな。建物の2階程度で十分だし、わざわざこうした施設に避難することもない。逆に津波ならば、もしかして10mを超える巨大な高波が来襲する可能性もあって、この高さでも不安なんだが。何なんだろう?判断できないので、ここは①と③の両方を正解としたら。。。違った(涙)。答えは③のみでした。ん〜、こりゃわからんぞ???

 

[難易度]超★★★

 

[コメント]これは難しいな。正解率めちゃめちゃ低いと思う。洪水の時に、ああした高いところに昇るのって有効だと思うんだけどな。この形式を新テストでも続けるつもりなのだろうか。試行試験だけの「実験」であることを祈ります。

 

 

[29][解法]よくわからん。このパターンで問われたら、解答が困難。ランダム正誤判定問題は極めて正解率が低くなるだろうし、学力を測るには不適当と思う。

とは言え仕方ないのでとりあえず解いてみましょう。

まずサから。砂防ダムはセンター試験に頻出のキーワード。いわゆる「堰(せき)」のことで、山地や傾斜地を流れる河川に建設される小規模なダム。水を防ぐことはないので治水(洪水対策)には効果は薄いが、上流からの土石流や(火山があれば)火砕流などをせき止め、下流側への被害を最小限に抑える役割がある。M地点は山間部の谷筋であり、ここに土石流が流れ込む可能性はある。砂防ダムは有効な対策である。正文。

そしてシ。Lは谷底平野である。平坦な土地であり、河川が氾濫した場合には洪水の被害が及ぶことは十分に考えられる。これも正文。

最後にス。Nは河川敷。ここ、もちろん洪水怖いよね。写真2もなるほど、これはかなりヤバいかもしれない。河川がちょっと増水しただけで、テニスコートや道路は浸水してしまうだろう。これも正文。

というわけで答えは1としてみたが。。。おっ、正解でした。良かった(安堵)。

 

[難易度]★★★(内容はともかく、形式として難しい)

 

[コメント]新テスト全体の感想なんだけれど、内容は従来のセンター試験と変わっていません。むしろ2016年以降のセンター試験で比較地誌が登場して知識がやや重視される傾向になったことを考えると、この試行試験は理論が強調されており、昔のセンター試験に回帰した印象を受ける。もっと新課程って劇的に変化するものと思っていたらから、個人的にはずいぶん拍子抜けなのです。内容的には特別な対策は必要ない。

しかし、形式なんだわな。本問に代表されるランダム正誤判定問題が怖い。「誤っているものを一つ選べ」や「最も適当なものを一つ選べ」のように誤文あるいは正文が一つだけ混ざっているという条件が付いていれば解答は簡単なんだが、本問のようにその正誤の数がわからないと困ってしまう。とにかく、「決定的に間違っている言葉がなければ正文」と考えてしまっていいと思う。「どちらかといえば正文かな」、「なんとなく正文に思う」といった感じで取り組むのがベストだと思う。あまり疑わずに文章を素直に読んでみましょう!って感じかな。

 

[30][解法]これは簡単ですね。何の問題にないでしょう。もちろん④が誤り。とくに説明の必要はないよね。試行試験として、あくまで実験的に入れた問題でしょう。

[難易度]★

[コメント]「霞堤」が登場していますね。地理用語集(山川出版)より。「堤防を不連続とし、洪水時には開口部から逆流させて洪水流を弱める機能をもつ」とあります。各自、画像などで検索しておくといいですね。武田信玄がつくった「信玄堤」が有名です。センター試験では2004年度地理B本試験第5問問4にて取り上げられています。

 

 

<解答・配点>

 

[1]4 [2]2 [3]3 [4]4

[5]3 [6]4

[7]2 [8]3 [9]1 [10]2 [11]2 [12]4

[13]2 [14]4 [15]4 [16]1 [17]4 [18]3

[19]2 [20]2 [21]3 [22]3 [23]5 [24]9

[25]1 [26]5 [27]4 [28]3 [29]1 [30]4

 

[7]参考問題

[28]過不足なくマークしている場合のみ正解とする。

(配点非公表)

 

 

 

 

 

 

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