キーワードで理解するセンター地理

●永久凍土○
シベリアなど寒冷地においては、冬には地面が凍結してしまうのだが、夏には地表面に近い部分のみ氷が解け、地下には凍り付いた土の層が保たれることがある。この、一年を通じて凍ったままの層を「永久凍土層」という。
農業ができなかったり生活が困難であったりするようなことはないが、家屋の建築法には工夫が必要。生活熱が地下に達して永久凍土層が融解すると家屋が傾くなどの被害が生じる。建物を地面から離して持ち上げる高床式の家屋によってこの被害を防いでいる。

●ピッツバーグ○
センターに世界の都市名が出ることは少ないが、特定の都市が何回も問われることはある。ピッツバーグは代表例。
ピッツバーグは米国東部のアパラチア炭田に接する鉄鋼都市。70年代までに隆盛を極めたが、80年代以降衰退し、閉鎖した製鉄所跡地の再開発も進む。
現在の米国の製鉄業は、その中心が「原料産地」に近い内陸部のピッツバーグから、原料の輸入に適した「臨海部」のボルチモアへと移動している。

ピッツバーグと北九州はともに鉄鋼業が衰退し、人口も減少している都市。

◆ドイツの河川・運河と都市その2◇
D;シュバルツバルト東麓に水源を発する(1)川はドイツ南部を東流する国際河川である。
E;(1)川は、ライン川の支流(2)川と(2)(1)運河によって結ばれる。この運河のほぼ中間地点に位置し交通の要衝となる都市は(3)である。
F;(4)川はコブレンツでライン川と合流する。(4)川の水運はフランス・ロレーヌ鉄山とドイツ・(5)炭田を結び付ける。

答(1)ドナウ(2)マイン(3)ニュルンベルク(4)モーゼル(5)ザール

●土壌○
土壌は、気候帯に沿って広い範囲に帯状に分布する「成帯土壌」と、火山活動やサンゴ礁の隆起など特殊な要因によって局地的に狭い範囲に分布する「間帯土壌」の2種類がある。

センターに登場する主な成帯土壌は「ラトソル」「ポドゾル」「砂漠土」「黒土(チェルノーゼム・プレーリー土)」、間帯土壌は「レグール」「テラローシャ」「テラロッサ」「レス」。

土壌に関する問題は毎年必ず1問出題されます!名称や分布地域だけではなく、色や栽培される作物など必ず整理しておくこと。

●オセアニアの生態系○
氷河期の地球を考える。海面は現在より100m以上低下しておりユーラシアと北米が陸続きになるなど、様々な動植物の分布範囲が広がっていった。
そんな中、他の大陸と切り離された「孤独の世界」だったのがオーストラリア大陸を中心としたオセアニアだったのだ。オセアニアとアジアを分けるロンボク海峡は水深が大きく氷河期においても陸続きにならず、アジアの動植物がオセアニアに渡ることもなかった。
かくしてオセアニアは、有袋類に代表される固有種の楽園となった。

牛や羊は後から持ち込まれた。

●ドイツ東部の憂鬱○
ドイツは、東西ドイツの統一が話題になる国である。1990年、資本主義国として経済発展を遂げていた西ドイツは、当時社会主義国であった東ドイツを併合し、統一ドイツが誕生。首都は東ドイツに位置する人口最大都市。
現在は資本主義となった旧東ドイツであるが、国内における後進地域であることは間違いない。首都ベルリンこそ再開発は進むものの、全体としては経済レベルは低く、ドイツ他地域から取り残されているのが現状。

西部のルール地方、南部のミュンヘンなどへの出稼ぎも多い。

●都心に工場は存在しない○
さまざまな都市機能が集積する都心部は夜間人口に比べ昼間人口が大きくなる地域であるが、面積は限られ、主要駅の周辺 などを中心に地価も高い。収益性の高い商業機能が立地する一方、広い面積を必要とする施設は都心部では成立し得ない。その代表例として「工場」を知ってお こう。
工場を中心に発展した都市ならば都心部に工場がある可能性があるが、そういう都市であっても再開発によってその工場は閉鎖あるいは移転され、跡地はオフィスや商業施設などに有効利用される。

●都市人口割合をめぐる数値(1)○
都市人口割合とは、都市居住者の人口が総人口に占める割合のことで、一般に先進国で高く発展途上国で低い。1人当たりGNIに比例する傾向がある。
「都市」の反対が「農村」であるが、つまり都市人口割合と農村人口割合(そんな言葉はないが)は反比例の関係にあることになる。第1次産業人口割合が高い国で農村人口割合が高いことが想像できるので、つまり都市人口割合は第1次産業人口割合とも反比例するはずである。

第1次産業とは農林水産業のこと。