2019年地理B追試験[第6問]解説

2019年地理B追試験第6問

 

恒例の地域調査。今回のターゲットは群馬県の沼田市。ここは利根川の河岸段丘で有名なところなんですが、さてどういった形で出題されているのでしょうか。

 

<2019年地理B追試験第6問問1>

 

[インプレッション]おっと、いきなり変わった問題。ダムだって!?降水量が示されているようだけれど、その関係からみれば解けるのかな。変わった印象の問題ほど、実は簡単な内容が問われることが多い。本問もそのパターンだといいんだが。

 

[解法]ん、これいきなり難しいじゃないか!?どうやって考えたらいいんだ?悩んだらシンプルに解くことが鉄則ではあるんだが。

問題文を読んでみよう。図のABにはダムがあるんだね。これは納得。それぞれ異なる水系に属している。別の河川流域っていうこと。だからAを流れた水がB地点を通ることはない。Aを通る川とBを通る川は、下流側では合流している可能性もあるが、とりあえず別々の川と考えた方がいい。

さらに問題文には注釈がある。「上流にダムがなく、集水面積がほぼ同じである」と。なるほど、集水域つまり雨水が流れ込む範囲が同じということ。同じ降水量ならば同じだけの流量があり、同じだけの水がダムに流れ込むということ。

さらに図では月降水量とダムの貯水池への流入量が示されている。月降水量はよくあるデータなので、とくに問題ないだろう。ダムの貯水池への流入量については要するに河川流量と考えていいんじゃないかな。単位は「m/秒」。なるほど、1秒間に何mの水が流れ込んでいるかを示している。まさに河川の水量のことでしょう。

では月降水量から。こういったグラフは数字そのものにも注意しないといけない。ここで特徴的なのは冬の降水量。1月の降水量が200ミリに達するって、これは異常だよ!日本の平均的な降水量は年1500ミリ。1か月100ミリ程度が平均。低温で上昇気流が生じにくく、さらに大気中の水蒸気量も少なく、冬は降水量が少なくなって当然。それが200ミリだなんて!?ここまで冬の降水量が多いということは、これ、間違いなく雪だよね(ときどき「降水量に雪は含まれますか」という質問がありますが、もちろん含まれます。当たり前・笑)。日本海側の豪雪地帯ならばこれぐらいの降水量は考えられる。

さて、では豪雪地帯であるのは、AB、どちらだろう?どちらも日本海側地域というわけではないが、どちからといえば、Aがそれに近いかな。日本列島の日本海側の積雪の理由はみんな知っているよね。大陸からの寒冷な北西季節風が、温暖な日本海上空で湿った空気をはらみ、日本列島にぶつかる。高峻な地形に沿って高度を増した空気は冷却され、雲を生じ、とくに山脈の北西側(風上側斜面)に降水(冬であるので雪)をもたらす。

Aの場所ってどうなんだろう?日本海側と太平洋側を隔てる山脈は、この地点の北に位置し、新潟県と群馬県の境界となっている。Aはこの山脈の南麓であり、北西季節風に対する風下側斜面となる。ここで雪が降るのか?

でも、さすがにBで多雪となる可能性はないんじゃないか。こちらは埼玉県東部であり、山梨県に近接する。むしろ関東平野の一部と考えてもいいと思う。北西からの季節風がこの地まで雪を運ぶだろうか。

とにかくとんでもない雪なのだ。そんな豪雪になる可能性があるのはAしか考えられない。少なくとも、Aから少しだけ北にいった新潟県の山間部は日本有数の豪雪地帯なのだ。その「おこぼれ」があったとしても不思議ではない。ちょっと強引な感じもするが。アをAとみていいと思う。

イ については全然触れていなかったが、こちらは太平洋側地域の典型的な降水パターン。梅雨の時期にやや雨が多くなり、台風シーズンに降水量が最大となる。そして冬は乾く。1月の降水量は極めて少ない。関東平野の一部とみていいBがこれに該当すると判定する。

さらに隣の図に移ろう。そもそもの流入量に大きな違いがある。Dは全体に多く、Eは少ない。でも、これは手がかりになりにくいな。たしかに年間の降水量を比べると、ア>イであり、Aの方がBより多くなるのは予想できるのだが、しかし決定打とはならない。

当然ここで注目するべきはピークの時期である。Dでは4月や5月に一気に増水する。これはかなり極端な数字だよ。どういった状況なのか考えてみよう。

それに対し、Eでは一応9月にピークとなる。なぜこの時期の流量が多い?もちろん月降水量と対応させて考えればいいと思う。もちろん、これって台風だよね。9月は降水量が多くなる。その分だけ流量が増加すると当たり前に考えてみる。

では、Dはなぜ4月と5月に増水する?しかも一気に。爆発的に数字が大きくなっている。河川水が文字通り怒涛のごとく流れ落ちてくるのだ。

このパターンって、思い当たるところがあるんじゃない?そう、「雪解け」だよね。冬に雪と氷に閉ざされて流れを失っていた河川が、春の訪れとともに雪氷が解け、周囲の土を巻き込みながら、爆発的な流れを生じる。このパターンはシベリアの河川に多い。最もシベリアは雪はほとんど降らないので(冬はシベリア高気圧が発生するのだ)雪解けというより「氷解け」というべきだろうが。その点、日本ならば雪が多いで、まさしく「雪解け」である。月降水量のグラフより、Aの場所では冬に豪雪に見舞われることがわかった。なるほど、こういった地域ならば春(寒冷地なのでやや遅い春なのだろう。4月から5月にまたがる)に一気に増水することは十分に想像の範囲内である。DがAEBとなる。

 

[難易度]★★★

 

[今後の学習]これ、難しかったと思うよ。考えに考え、裏の裏をつくぐらいでないと解けなかったんじゃないかな。降水量についてはほとんど当て勘だから。グラフが極端すぎる。めちゃめちゃ雪が降るところと、冬に乾きまくるところ。ABでどっちがどっちかて言えば、何となくAの方が(日本海側に近いし)雪が降りそうだ、ぐらいの解き方しかなかったと思う。

ただ、逆に流量については、月降水量が決まれば明確になる。もちろん「雪解け」。豪雪であるだけ、雪解けによる流量変化は極大となる。これまではシベリアやカナダの「氷解け」(これらの地域は冬の降水量が少ない。激しい寒気により大気が収縮し、高気圧となるのだ)がテーマとされることが多かった寒冷地の河川だが、今回は珍しく日本が登場したことでその傾向もぜひ確認しておくこと。日本とくに本州ならばシベリアやカナダほど寒冷とはならないものの、何と言っても雪の量が違う。「雪解け」により流量の急激な変化は、これら寒冷地を上回るインパクトがある。

 

<2019年地理B追試験第6問問2>

 

[インプレッション]出ました、河岸段丘!沼田市の市街地は河岸段丘の段丘面に乗っている。非常に特徴的な地形であり、一回直接見てみたいなって思ってはいるのです。

 

[解法]鳥瞰図の問題。視線の位置と方向を定めるのがポイント。その上で、左に何がある?右に何がある?手前に何がある?奥に何がある?と一つ一つ目印を確認していくこと。

まず土地の高低を確認。どの方向が高いのだろうか。図の中央部、◎で示される市役所の北に「417.3」の三角点がある。ここ、実はかなり標高高いね。ちょっとした山になっているようだ。

さらに道路に注目しよう。着色されている道路が「国道」。このような主要幹線においては、2キロごとに水準点が設けられ、標高が示されている。なるほど北西の「恩田町」付近から南へ向かう国道沿いにはいくつも標高とみられる数字が書かれている。北から「335.1」、「336.4」、「331.1」。ちょっと上がって、大きく下がる。全体としては北で高く、南で低いんじゃないかな。そもそも関東地方自体が北で高く南で低い。それにのっとった地形の傾きであると思う。

ただ、本図で示された範囲はそんなに単純な地形ではないと思う。それは河川の存在である。このような山間部を流れる河川は侵食が盛んで土地を大きく削っている。そ

河川を探してみよう。先ほど見た恩田町を通り抜ける国道に並行するように河川の流れがあるのがわかるかな。「硯田町」(これ、何て読むんやろ?「すずりだ」なのかな)の「硯」っていう字を南北に貫くように「土手(堤防)」がみられる。垂直の壁で囲まれた土手であり、おそらくコンクリートでつくられた強固な建造物だろう。その土手の内側に河川の流れが見える。河原が広がり、中州(川中島)には「荒地」の土地利用記号も。「地蔵橋」、「利根川橋」を越え、南へ流下する。流れの方向は矢印があるからわかりやすい。「鷺石橋」と鉄道橋を過ぎると、左岸(進行方向に向かって左)には「岩の崖」の記号が連続し、沿岸が断崖絶壁になっている様子が伺える。この断崖に沿って等高線も何本か走っているね。高低差50メートル近い(5万分の1地形図なので等高線間隔は20m。それが2〜3本みられるので、40〜60m程の高低差)険しい地形となっている。

まずはこの河川に注目してみようか。ケが判定できるはず。ケの矢印をそのまま延長してみよう。キミの視線はここに固定されているわけだ。河川はこの視線とほぼ直交する形で流れている。いや、直交でもないかな。左手がやや手前、右手がやや奥。微妙ではあるが、ちょっとだけ角度がついているね。

さて、この流れを鳥瞰図から探してみよう。河川が視線の左から右に流れ。ちょっとだけ左が手前、右が奥。そうなると、一つだけはっきりとそうなっているものがないか?そう、それは①だね。①をみると、中央から奥に向かってテーブル状の地形がみられる。それと手前の低地の間の崖(斜面)をみると、ほぼ左右に並行であるように思えるのだが、手前の低地にみられる河川(とみられる細い溝)に注目してみるとどうだろう?ほぼ左右に並行でありながら、やや左手が手前(溝の左端は左辺には届かず、下辺へと消えている)にあり、右手はやや奥にある。この角度こそ、ケと河川の角度なのである。ケを①であることがわかる。

そうなるとこの「ケ=①」を次へのステップにできるわけだ。キを判定してみよう。ほあら、視線判定問題の基本は「矢印を延長して自分の視線を定める」事にあるんだったね。ケの矢印を延長してみる。キの矢印も同様に。なるほど、この2つの直線って一致するじゃないか。キはケの反対方向からこの地形を眺めていることになる。

そうなると話は早い。①の鳥瞰図、ひっくり返して反対から見てみようよ。さて、何が見える?

目の前に大きな台地が広がり、その奥に低地が東西に伸びる。この形に近いのって何だろう?

僕は②だと思うんだよね。②の一番手前は台地となっている。①の一番奥が台地、②の一番手前が台地。これ、同じ地形を逆方法から見てない?

さらに②では台地の向こうに低地が広がる。この低地も①で手前に見えている低地のはず。

そしてダメ押しで。②の台地の奥の端。左手がちょっと奥に出っ張って、右手がやや手前に引き込まれている形。これを反対から見たら(②の図をひっくり返して見てみよう)、右手が手前に張り出し、左手がちょっと引っ込んでいる。このパターンって、①に見られるでしょ?台地の崖(斜面)が、なるほど右が手前、左手が奥になっている。②をキとする。

では残ったカとクについて見ていく。今度はキとケの組み合わせとは違って完全に相対しているわけではないよね。でもおおまかに向かい合わせになっているので、それは意識して解いてみていいと思う。

セオリーとしてまず矢印を延長してみよう。カはどうかな。白岩町の工場付近を通過し(鳥瞰図には建物は示されていないので工場を判定しても仕方ないのだが)、「榛名町」という文字付近へと視線は伸びる。クはどうか。等高線を横切り(この等高線が示す斜面については手前すぎて鳥瞰図に描かれていない可能性もあるが)河川を横切って(「沼須町」の「町」という文字に河川がかかっている)、上沼須町へと達する。「桑畑」の土地利用記号もみえるね。珍しい。

さて③と④に注目。ちょうど半分のところに縦線を引いてみよう。これが先ほどの矢印と一致する。視線である。君が中央に立って、この地形を実際に眺めている様子を想像する(とはいえ、地表付近じゃないよね。ちょっと高度を上げて眺めないと。まさに「鳥」の視点なのだ)。

③と④のいずれにも目の前に台地があり、斜面(崖)が東西に走っている。似た地形ではある。でも、あえて違う箇所を探すとすればどこ?

④がわかりやすいと思う。④では左の方向に河川がみられる。手前から奥に向かって。図の左端へと見切れていく。③では同じく左手に河川がみられるものの、視線と垂直の方向(底辺に対し平行の方向と言った方がいいかな)。ここ、決定的に違うよね。

まずカを見てみよう。図をひっくり返して矢印に向かって覗き込む感じで。左手にそれらしき河川があるかってことだよね。う〜ん、どうだろう?横塚町から白岩町方面に流れる「薄根川」という河川が確認できる(ちょっと漢字がよく読み取れないので、正しいのかわかりませんが)が、これはカの視線に対し垂直の方向に流れているので、④で左手の方向に確認できる河川ではないと思う。

それに対しクはどうか。これは明らかに視線の左手に、奥に向かって流路が見えないだろうか。図の北西の恩田町付近から図の南端へと流れる河川。クの視線を基準に考えれば、左手奥から左手前に向かって流れている。これ、④の図に明確に示されているんじゃない?クは④とみていいと思う。④については、図の右手にも特徴的な地形がみられるのだが、これは地形図の方でははっきりしないのでダメ押しができないのだが、河川だけから判定して問題ないと思うよ。

残った③がカ。

 

[難易度]★★★

 

[今後の学習]これ、難しかったな。鳥瞰図の問題の中でもとくに難しかったと思う。ただ、手順に従って解けば決して解答は不可能ではない。時間をかけても確実に解く! メンタルが大切な問題だと思うな。

 

<2019年地理B追試験第6問問3

 

[ファーストインプレッション] この手の文章2つそれぞれの正誤を問う問題って解きにくいね。問題そのものは一応地形図問題の一種とみてもいいと思う。ずいぶんシンプルで分かりやすい図なので、なんとか正解できるかな?

 

[解法]略地図を用いた問題。地形図問題の一種であるので、図からさまざまな情報を読み取ることが必要。

まずサから判定しよう。「河岸段丘」とあるが、これは問題ないんじゃないかな。問2の鳥瞰図を見るに。なるほど、沼田市街地は「台」状の地形の上に乗っている。この台地については河岸段丘の段丘面とみることは十分に可能だと思う。河岸段丘は土地の隆起と河川の侵食による地形。

図6から城の位置を判定。「城跡」の地図記号はわかるだろうか。「凸」から底辺が消された形となっている。なるほど、図の北西部にみられるね、この記号の北と西を等高線が何重か走行している。どうだろうか、ここに城の天守があったとして「段丘面の縁」とみて、これも問題ないだろう。「防御を重視して」は明確ではないが、たしかに急斜面に接していれば、この方向からは攻め込みにくい。防御には一定の効果があったと思われる。

さらに文章の後半。「寺社」と「武家屋敷」である。これらは城の東側や南側に配置されている。これは正文とみていいだろう。こちらの方向に寺社や武家屋敷が設けられているのも防御上の目的がある。とくに寺社についてはこのように城に近接して配置されることがよくみられるのだが、たしかに城を襲撃するために寺社を焼き払うなんて罰当たりなことはできないもんね。とても効果的だと思う。

シについて判定。用水路を探してみよう。なるほど、一見すると道路かと思ったけれど、図に示されている黒い線は用水路だったのね。かなり密に張り巡らされている。河岸段丘面は水が得にくいため、このような用水路は必須だったんだろうね。上流の河川から引いているのだろう。文章の前半部分は問題ない。

後半部分はどうだろう?「段丘崖の谷を通って河川に注いでいる」とある。階段状の地形が海岸段丘だが、平坦面を段丘面と呼ぶのに対し、急斜面の部分が段丘崖。先ほど見た等高線が何重にもなっている部分が段丘崖だろう。

城の北を見てみようか。段丘面から河川へと流れ込む用水路がみられる。「段丘崖」を降りる用水路である。キーワードは「谷」。さて、等高線の様子から谷になっていることが読み取れるかな。400mの等高線が分かりやすい。高い方に向かって大きく凸になっている。これ、中央部が低く周囲が高い「谷」であるのだ。谷は尾根の反対語だったね。谷と尾根については地形図で等高線をみることによって判定できる。等高線が低い方に向かって凸となっていれば尾根、高い方に凸となっていれば(低い方に凹とも言えますが)谷。城の北の用水路については、谷を流下していることがわかる。シも正文とみていいでしょう。

以上より①が正解。両方とも正しいだなんてちょっと怪しいけれど、これしか考えようがないからね(笑)。過去の同様の形式の問題の例をみても、正正とか誤誤の組み合わせって少なくない。本問もこれで決まりでしょう。

 

[今後の学習]このパターンの正誤問題は解答が難しいのだが、キーワードをしっかり追っていけば大丈夫だと思う。サについては「段丘面」の読み取りと「寺社」と「武家屋敷」の位置の確認。これは図(地形図)を素直に読み取ればいい。複雑に考える必要はない。

シについてはもちろん「反対語を持つ言葉」である「谷」に注目。谷には尾根という反外語がある。等高線の様子から谷であるか、尾根であるかを判定する。もちろん用水路(河川)が流れ込んでいるのだから普通に考えれば谷なんだけどね。地形の立体視は非常に重要なのです。

 

<2019年地理B本試験第6問問4>

 

[インプレッション]一見するとややこしそうな問題。表と図が与えられていて、問題文も長い。でも、こういった問題こそ設問自体はシンプルだったりする。それに図表や問題文などヒントが多く示されているのだから、丁寧に考えていけば必ず解ける。時間はかかるかもしれないが(というか、時間はしっかりかけましょう)、確実に得点するべき問題だね。

 

[解法]図表が与えられているが、問題形式自体は文章正誤問題の、さらに誤文判定問題であるので、とっつきやすいと思う。こうした問題は先に選択肢を読んでしまうのがコツ。図表の読み取りから判定できる考察問題かも知れないし、あるいはちょっとした知識を用いる問題かも知れない。いずれのパターンにも対応できるよう、問題を読解しよう。

では下線部の判定から。この地域では第1次産業の衰退がみられ、農業就業人口が現象したようだが、これには「養蚕業の衰退」があったようだ。なるほど、たしかに昔の日本では養蚕業がさかんで、桑の栽培、蚕の飼育が各地で行われていたが、現在はほとんどみられない。この選択肢は納得である。

選択肢②。「経営耕地面積の減少率は畑より田が高い」とある。なるほど、これ、かなり怪しいね。調べてみようか。

表1をみたらいいと思う。田は「2035」haから「1730」haへ。そう極端に減ったわけでもない。畑は「6803」haから「4364」haへ。これは3分の2ぐらいになってしまってるね。畑の方が大きく減っている。うん、これが違うじゃないか。②が正解。

③と④は見なくてもいいかなぁ(笑)。

 

[難易度]★★

 

[今後の学習]こうした問題をたくさん解いて、「いかにも間違っていそうな選択肢」を探すテクニックをみんなには養って欲しいな。

せっかくなので選択肢③と④も検討しておこうか。

③については図7参照。「木材、家具」は破線で示されているが、1990年には100を超えていたのに、2010年は50を割り込んでいる。半分以下。食料品や機械はここまで大きな減り方はしていないね。

④については、そういうことも言えるだろうね。「産業の衰退」は全体的な傾向なんだろうが、昔ながらの農村地域ではこうした問題は起きているだろう。東京圏へと人口が転出し、若者が減少。農村に根差した伝統的な木材工業、家具工業は後継者不足となり、就業者の高齢化が進む。いい仕事だと思うんだけどね。

 

<2019年地理B追試験第6問問5>

 

[インプレッション]あれ、問4と同じような感じだね。図を見て、考察する問題なんじゃないかな。丁寧に解けば確実に得点できる問題であることを期待します。

 

[解法]図を読み取って、文章(下線部)の正誤を判定。こうした問題は先に文章の方を読んでしまったほうが手取り早く解けて時間の節約になる。

まず①から。「相対的に人口が希薄な地域を中心に」小学校がいくつも閉鎖されたとある。人口密度が低いってことだよね。これは納得できることなんじゃないかな。

さらに、「地域内に小学校がなくなった」市町村もあるという。これは極端じゃないのかな。合併前とはいえ、一応、一つの自治体(市町村)だったところだ。ある程度の面積はあるだろうし、いくら過疎地域でも小学校がなくなったらまずいんじゃない?これ。怪しいから確認しよう。

図8の下の二つ。2003年には9つの市町村があったのかな。それが2016年には6つに減少している。西部の3つの自治体が合併して一つになっている。南東の自治体も、西に隣接する小さな自治体と合併している。2016年の図をみて、2003年の市町村の範囲を意識しつつ、小学校の場所を確認。

どうだろう?西部の自治体だが、最も西に位置していた自治体についても小学校は減少しているが、一つだけ残されているじゃないか。他の自治体についても同様。完全に小学校がなくなってしまった事例なない。これが誤りで、正解は②となります。いかにも怪しい選択肢だったね(笑)

他の選択肢はみる必要もないでしょう。ここも問4と同じ(笑)。

 

[難易度]★

 

[今後の学習]問4と同じ。時間をかけて丁寧に解けば必ず解ける(というか、そもそも時間もそんなにかからないかな)。難易度自体は問4よりは楽だと思う。

他の選択肢についてはとくに解説はいらないと思います。③についてはよくわからないけれど、そういうものもあるんじゃないかな。①と④については図から読み取りましょう。難しくないと思うよ。

 

<2019年地理B追試験第6問問6>

 

[インプレッション]定番の地域調査の方法に関する問題。図はみなくていいんじゃないかな。

 

[解法]調査の方法について考える。知識は不要なので、具体的な状況を想像しつつ、解いてみよう。

①はなるほどなって思う。自動車のナンバープレートをみれば、どこからやって来たのかだいたいわかるね。

②はどうなんだ?「将来人口推計値」だって?月夜野ICの交通量はそもそもほとんど変化していないわけだが、これが将来の人口とどう関係がある?これ、怪しいんじゃない?

③については、水上温泉というのがどこにあるのかよくわからないが、水上ICの近くなのかな。名前からして。この温泉の利用客の数とこちらのICの利用者数には当然関係があるだろう。

④はどうかな。図1をみるに、昭和ICは沼田市のさらに南にあって、東京圏からのアクセスはこの地域では一番。このICができたことによって、農業や工業への影響が生じることは当然考えられる。都市向けの農産物の生産が増えたかもしれないし、あるいはIC付近に新たに工場が設けられたかもしれない。非常に納得できるのだ。

以上より、どうも腑に落ちないのは②だけ。これだけが何を言っているのかよくわからない。誤りでしょう。

 

[難易度]★★

 

[今後の学習]こうした文章正誤問題って「明らかに誤っている」ものがはっきりと炙り出されることが多いんだが、本問ってちょっと感覚が違う。他の3つの選択肢が確かに「正文」であるので、「何だか意味がよくわからない」ものを誤りとして選ぶってパターン。どうかな。みんな解けたかな?言わてみればこれが誤りってわかるけど、自分の力だけではちょっと自信が持てないな。そういった感じだったんじゃないかな。不思議な問題です。