共通テスト[60分間]の使い方

共通テスト地理Bにおいて「60分間」の有効な時間活用法についてお話します。

 

まず問題冊子を開いたら「地理A」と「地理B」を確認してください。模試では地理Aの部分が省略されていますから、本番の問題冊子を手にしたらかなり違和感があると思います。地理Aを間違って解かないように

 

地理Bの最初のページをギュッと折り返して、クセをつけておくといいですね。絶対に地理Aと間違えないように。

 

そして問題の全体をみます。この時にわざと音を立ててパラパラとめくるのもいいですね。スタートと同時に問題に取り掛かっている他の人からすれば「何だ、こいつ?」って思われるでしょうが、相手の心をかき乱すことで自分が精神的に優位にたてるかも知れませんよ(でも、あまりやりすぎないように・笑)

 

そして(おそらく第5問である)地域調査の大問をチェックします。今回は何県がテーマとなっているのだろう。そして登場人物の名前は誰だろう。事前にみんなで県名や人名を予想しておくといいですね。自分の予想が外れたとしても、友人の予想が当たっていたとしたらテンション上がりませんか?気分よくテストに入れます。もし外れていたとしても別に何のマイナスもありませんよね。ノーリスクハイリターンです(笑)

 

さていよいよ問題に取り掛かりましょう。センター過去問の統計上。最も難易度が高いのが第1問問1です。これから取り掛かることは得策ではありません。最初から難しい問題に当たれば混乱と焦りを呼びます。

 

一方で最も難易度が低い傾向にあるのが第2問問1です。ここからスタートが「おいしい」ですね。統計中心の第2問は全体的にときやすい問題が多く、統計をしっかり勉強している「たつじん地理」の生徒ならば、ここで一気にスタートダッシュがかけられますよ。

 

僕は共通テストは「第2問」から解きます。センター試験から総合して、最も難易度が低い問題が「第2問問1」だからです。統計がストレートに出題され、非常に時やすい問題になっています。そのまま第2問の問題を全て解きますが、この際に絶対に注意して欲しいことは「1問解いたら1問マーク」の習慣をつけること。第2問問1ならば小問番号[7]です。それを解いたら、すぐに答案用紙の[7]に解答をマークします。1問ごとにこれを繰り返します。頭もリフレッシュされて、引きずることなく気持ちよく次の問題に進めます。

 

第2問のつぎは第3問、そして第5問に進みます。地形図問題をはじめとする思考問題が多く、解答に時間を要します。まだ時間に余裕がある段階で第5問に取り掛かるのは「受験の鉄則」です。第5問を最後に回して、時計を気にしながら解けば集中力が損なわれます。

 

そして第4問です。ここは知識問題が比較的多いのでペースを上げることができます(もしくは、「知らない」から諦めることができます)。

 

ラストは第1問です。これもセンターの傾向からして、第1問問1が最も難しい問題であることが多いです。ここまで来ると時間が足りないかも知れません。しかし、焦らず1問ずつ解いて行って、時間切れまでたっぷり問題と向き合い、ゴールとなります。数問やり残しがあっても(たとえば第1問の問5や問6までたどり着かない場合もあるでしょう)気にしません。1問たかだか3点です。このぐらいのロスは他の科目で取り戻せます。それより、時間をたっぷり使って「考える」ことができた点について自分を褒めてください。地理の問題は思考問題が多いのですが、こういった問題を雑に解いてしまい失点というパターンはよくあります。「しっかり時間を使えた」ことで間違いなく正解率は上がっているはずです。時間を使うのって実は難しいですよ。だから、慎重にじっくり問題と向き合うことができた自分を褒めて欲しいのです。

 

おっと、見直しの時間がないじゃないか?いえいえ、そんなものは最初から想定していません。11問全力で取り組んだではありませんか。今さら中途半端に時間をつかって見直せば逆に間違えますよ。解答用紙の問題番号を間違えてマークしていたらヤバいじゃないかって?いえいえ、その可能性はありません。そのために「1問ずつマーク」をしているのです。第23第5問と解いて、もしマークがズレていれば「第4問」を解いてマークする時に気づきますよ。第3問問6の解答は本来[18]ですが、間違って[19]にズラしてしまったとしましょう。第4問の

問1、こちらが本来の[19]です。いざ[19]をマークしようとしたらすでに解答が書かれていた!この時点でズレているのがわかるじゃないですか。大問を解く順番を入れ替え、1問ずつマークすることで、解答番号のズレが生じる可能性を極限まで減らすことができるのです。

 

 

とにかく「見直し」は不要です。例えば見直し時間に5とるつもりの人もいますよね。でも考えてみてください。5分で何を見直すんですか?5分とは300秒です。試験全体で30問ほどあります。1問につき10秒ですよ?これで何を見直すことができるのでしょうか。後からやり直したい問題があるとします。でも、まずそれを探して(ページをめくって)再度問題を読み直し、考え直すわけですよね。こんなに時間が勿体ないことはありませんよ。その場その場で全力で問題を解き、解答をマークしたら頭を切り替え、次の問題に進んだ方がいいですよ。それが最も時間を有効に使える手段です。「あの問題の答は実はあれだったんじゃないか」という気持ちがあると次の問題に集中できません。解き終わった問題は忘れて、常にリフレッシュしていかないと。

 

「60分間、時間を贅沢に使い、見直しの時間は設けない」ことを徹底して下さい。時間を気にせず解いて、ブザーがなったらおしまい。問題を解く順番を工夫して1問ずつマークしていますから、解答番号がズレている可能性はありません。ブザーがなったら、ブザーが鳴り終える前にとりあえず今取り掛かっていた問題の答えだけ最後にマークして、それでテストを締めくくったらいいのです。

 

どうでしょう。もちろんこれは全ての人に強制するものではありませんし。全ては貴方自身の性格に依存します。「やっぱり第1問から順番に解きたい」という几帳面な人もいるでしょうし、「どうしても5分間見直しの時間をつくりたい」という慎重派の人もいるかも知れません。でも、「受験はテクニック」でもあるのです。こうした工夫によって得点が上がることもあります。参考にしてもらえたら嬉しいです。