2015年度地理B本試験[第1問]問4 解説

問4 [インプレッション] 土壌に関する問題は第1問「自然環境」の定番。土壌の名称より、その特徴が問われてことが非常に重要。

[解法]土壌の性質が問われている。本来名称はさほど重要ではないのだが、ここでは説明のため土壌名も提示しておく。一応って感じなんで、あまり気にしなくてもいいです(笑)

①;褐色森林土。温帯地域に広く分布する土壌で、枯れた樹木が腐植となっている(黒土においては枯れた草が腐植となるのと対照的)。腐植が比較的豊富であるので、土壌もやや黒に近い色(褐色)となっている(これも、腐植が極めて豊富な黒土が文字通り黒い土壌であるのと対照的)。
②;「鉄分」っていうのがよくわからないので、この部分は放置。文章自体の正誤判定をする問題ではないので、当たっているんでしょう。ポイントは「溶脱」と「灰白色」。蒸発作用が少ないところで、土壌が長時間湿っていることにより色素が溶脱されてしまう。ポドゾルで冷帯地域に分布。
③;「塩類の集積」が見られるのは乾燥の度合いが激しい地域。雨水や灌漑用水などが土中に染み込み、地下の塩類(カルシウムなど)を溶かし込む。そうしてできた水溶液が蒸発する際に(水分は空中へと蒸発するが)塩類を地表面へと持ち上げ、土壌が強アルカリ化する(水酸化カルシウムはアルカリ性)。これが塩害であるが、砂漠における環境問題であり、こういった事象がみられる地域に分布する土壌ということでRは砂漠土となる。「灰色」についてはどうでもいい。これも間違ってはいないのでしょう。
④;これは最もシンプルかな、ラトソルですね。高温多雨地域に分布する土壌で、酸化した金属を含んだ赤色の土壌。

①〜④の土壌はいずれも気候帯と対応していることがわかるだろうか。気候(つまり気温や降水量)によって生成された土壌を成帯土壌といい、今回はこれが4種類問われたことになる。

以上のことを十分理解した上で、図を参照しよう。
P;アメリカ合衆国東部。とくに五大湖より南側の地域であり、温帯。褐色森林土で問題ないでしょう。ちなみに褐色森林土がよく登場する地域は西ヨーロッパや日本の本州以南など。
Q;北欧(フィンランド)で冷帯気候がみられる。ポドゾルでオッケイですね。
S;黒海の北側の地域でウクライナが該当(地図上の位置は、海との関係で覚えておこう)。ここには肥沃な国土の一種であるチェルノーゼムが分布。決して砂漠土ではない。これが誤文となる。なお、黒土の分布する地域には半乾燥気候がみられるのだが、さすがに砂漠ほど乾燥の度合いが高いことはない。冷涼な地域であり、蒸発量が少ないので、そもそも強い乾燥は生じにくいところでもある。
R;ギニア湾に面するエリアで熱帯雨林。熱帯地域は熱帯雨林からサバナ(熱帯草原)にかけてラトソルがみられ、④は正文。

[アフターアクション] 土壌は毎年絶対1問出るから確実に3点になる。勉強の価値があるおいしいジャンル。とくに名称ではなく(君たちはともすればカタカナ言葉を優先して覚えてしまうけれど、それはあまりセンター地理では重視されないのだ)、性質を理解すること。土壌ごとにキーワードを整理しよう(ポドゾルは「溶脱」「灰白色」とかね)。
それから今回の出題は①〜④まで全て成帯土壌であったことが特徴的(反対語は間帯土壌)。成帯土壌とは気候帯に沿って広い範囲に分布する土壌であり、本問についても気候帯の知識は必須となる。寒冷であるため樹木が生育せず農業も不可能である「寒帯」。夏季は温暖だが冬季は凍結してしまう「冷帯」。四季は比較的明瞭であるが、冬季は凍結しない「温帯」。蒸発量が降水量を上回り、樹木が生育しない「乾燥帯」。赤道周辺に分布し、気温日較差が気温年較差より大きい「熱帯」。細かい気候「区分」(ケッペンね)は無視していいのだが、大まかな気候「帯」は中学校でも学習する内容でもあるし、マスターしておいて欲しいところなのだ。

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