2014年度地理B追試験[第6問]解説

第6問 地域調査の問題.桜島だけにサクラさん?(笑)地形図や図表を作った問題、さらにラストの調査方法に関する正誤問題等内容はかなりオーソドックス。一部に難問もあるが、全体には難易度は低めで、ここでしっかり得点しよう。

問1 [インプレッション]写真判定問題。こうした問題って模試ではなかなか作りにくいので憧れるなぁ(笑)。視線判定なので、矢印を延長して自分の視界を明確にすることが重要。

『解法』ア〜ウ、それぞれの矢印を延長してみよう。それが視線となる。またそれぞれの写真について、中心に縦線を引いてみよう。それが先ほど書いた視線と一致している。中央に何がみえるか、左右に何がみえるか。
ポイントになるのは海。視線が海に入り込んでいるものがアとイであるのに対し、ウは視線の先には山がある。A〜Cの写真を判定し、海が見えるものはBとC(なお、海が右側にみえることも確認。アとイの視線はいずれも右側に海が位置している)。正面が山となっているのはAであり、これがウとなる。
さらにアとイ。視線の先に何がみえるだろうか。アの正面には市街地がみえ、イの正面には小高い山がある。このことから、Bがア、イがCとなる。

[アフターアクション]写真判定問題は視線を確定させること。矢印を延長して、自分がみている中心線をはっきりさせてから解こう!セオリーに忠実な問題でした。


問2 [インプレッション]地形図問題.火山噴火を取り上げた問題はかつて1999年度に雲仙普賢岳が出題された例がある。独特の地形図だね。

[解法]①;赤生原は海岸線に沿う北部の集落。現在でも家屋はみられ、溶岩によって覆われたわけではなさそうだ。誤文。
②;1902年の地形図を確認。御岳の西側の斜面に果樹園の記号はみられない.針葉樹がみられる程度。誤文。
③;なるほど、たしかに溶岩によって浅海が埋め立てられ、広い範囲が陸化している。正文。
④;三角州は沖積平野の一種で、河川による堆積地形。溶岩によるものではない。誤文。なお、三角州については第1問問5選択肢4でも取り上げられている。確認しておこう。

[アフターアクション]それにしても最近、地形図問題の難易度が低下しているような気がする。本問も、ちょっと三角州の定義が難しいぐらい。地形図問題に妙な苦手意識を持たず、確実に得点しよう。


問3 [インプレッション]何これ?簡単すぎない?

[解法]そのまま①が正解なんじゃないの?2月において最も降灰量が小さかったのは、南岳の南西側。

[アフターアクション]変な問題(笑)。これだけ立派な図をつくったのだから、もっとそれを活用する問題ができたはずなんじゃ。ボーナス問題ですね。


問4 [インプレッション]雪国の対策っていうネタが数年前の追試験で出題されたが、それと同じパターン。でもこちらの方が楽。なぜなら、誤り選択肢についても過去に出題例があるから。

[解法]2006年度の追試験で茶畑のファンが出題されている(2012年の本試験でも写真にチラッと登場しているのだが、こちらは問題の対象となっていない)。これは霜対策。空気をかき混ぜ、冷気が地表面付近にたまらないようしている。降灰や噴石の対策ではない。

[アフターアクション]茶畑のファンって中学の問題で登場するのかな。高校地理ではおそらく取り上げられていないよね。ボクは茶の産地の出身なので、このファンが遅霜を防ぐためのものであることはよく知っているんだけど。いずれにせよ、2006年に問われているネタなので、やっぱり過去問研究は重要ってことだね。


問5 [インプレッション]一転してこちらは難しいな。以前佐賀県を対象にこうした問題が出題された例があったが、そちらでは地形がヒントとして与えられ、稲(低地に適応するからね)が真っ先にわかった。今回は手強いな。

[解法]一番気になるのはJの「75%以上」の地域の広さなんだわ.農地のほとんどが特定の作物のために使われているって言うパターン、めずらしくない?これ、おそらく稲だと思うんだわ。わが国の主穀であり、栽培面積も当然広い。とくに東北地方や日本海側では顕著なのだが、鹿児島でもそういった地域は存在するのでは。Jが稲となる。
さらにL.シラスの分布地域と最も対応しているのはこれでは。火山灰は比喩ではないし、水もちも悪い。大隅半島(桜島の東の方の半島)を中心に栽培されているのは、厳しい自然環境でも生育できるイモ類なのではないだろうか。地面深くに根を張り、厳しい自然環境でも生育できる。根や地下茎に養分を貯えることでイモが育つ。Lをイモ類とみていいだろう。
Kが野菜類。桜島の西側の鹿児島市で比較的値が高いが、近郊農業として野菜が栽培されているのだろう。

[アフターアクション]これは難しいと思う。最大のポイントは「75%以上」という数字。これに注目できないと、なかなか解けない。センター地理は数字の学問という鉄則。これ大事!


問6 [インプレッション]ラストはありがちな問題。調査方法に関する問題だが、たいていインタビューとかアンケートの重要性が問われているんだよね。

[解法]①について、インターネットで衛星画像は手に入る。でもそれで観光施設ってわかるもんなのかな。建物の形状などはわかっても、その機能まではなかなかわからないんじゃない?これが誤文でしょう。他はたしかにその通りだもの。

[アフターアクション]意外とこういった問題を苦手にしている人、いるんじゃない?幸い、出題例は多いし、慣れることはできる。選択肢②や④のように聞き取り調査やアンケートっていうのは、調査方法としては非常に有効。