2013年度地理B追試験[第6問]解説

<2013年度 地理B 追試験 第6問>

 

[30][インプレッション]そのまんま中学地理の問題。こういう問題を確実にゲット!

[解法]金沢市はイ。日本海側に位置し、冬季の降水量が多い。雪の影響。

長野市は冷涼少雨の気候がみられ、アに該当。長野県など中央高地の気候は、標高が高い分だけ全体の気温が低く、また周囲を山岳で囲まれているため海から水分が届きにくく、降水量も少ない。静岡市はウとなり、正解は④。

[ひとこと]完全中学の問題でしょ。地図も示されていないから、日本の都市名も知っておかないといけないし。

 

[31][インプレッション]見にくい写真だな〜。ボクはある程度知識があるから解けるけど、初見でこれ、解釈できるかな。

[解法]潟湖とは。最初は浅い海だった部分が、砂の堆積物(砂州や沿岸州など)によって海と切り離されて形成された湖。淡水と塩水が入り交じる汽水湖であることが多い。北海道のサロマ湖や青森県の小川原湖などがわかりやすい。海岸線に沿っていることが多い。「金沢市」の文字の北方に四角形のような妙な形をした水域がある。かつて広い範囲が湖だったのだろうか、現在は干拓されることにより面積が狭まっている。古い時代にはこの一帯は海であり、砂が堆積したことで湖になったことが想像できる。カは「潟湖」が該当。

なお三日月湖は別名、河跡湖とよばれるもの。大きな河川の周辺部にみられる細長い(とくに三日月のような)小さな水域。蛇行していた河川の流路が短絡化され、周囲にかつての流路が取り残されたもの。周辺に大きな河川があれば三日月湖の可能性もあるが、本図ではみられない。

沿岸流とは。海岸線に並行して流れる小さな海水の流れ。河口から吐き出された土砂などを運搬し、離れた場所に堆積させることで砂州や砂嘴(さし)、沿岸州などを形成するはたらきがある。手取川の河口をみてみよう。やや北川に向かって曲がっているのがわかるかな。最初は海岸線に対し垂直に川は流出していたはずである。それが南方から北方へと流れる沿岸流によって、河口が北側にねじ曲げられてしまったのだ。沿岸流の方向は南西から「北東」で妥当だろう。正解は①。

[ひとこと]実はこれ、かなりの難問と思うのだが。とくに潟湖の判定は厳しいなぁ。もっとわかりやすい潟湖を取り上げるべきだな。

 

[32][インプレッション]2006年に地理Aで出題されたパターンだな。

[解法]日本海側の金沢市は冬に豪雪に見舞われる。①は絶対だよね。雪が降ってもひさしの下が歩道になる。そういう意味では②も雪の対策なんだろう。冬が積もっても玄関の扉が開けられる仕組みにしてあるんだと思う。で、③と④が意味がわからない。③っていったい何なんだよ?これ何の意味があるの?④もよくわからない。屋根の上に石みたいなものが置いてあるんだけど、こんなんがあったら積もった雪が素直に地面へと落ちないじゃない?いや、待てよ?これはもしかしたら雪下ろしの時の足場になるものなんじゃないか?あるいは、雪が何mも積もって二階の窓から出入りするようなことも雪国にはしばしばあるようだ。その時に屋根の上をスムーズに歩けるように、このような突起を作っておくんじゃないか?そう考えると、④には十分な理由がある。っていうか③は全然わからない。。。何のためにこんなものがあるのか。

ここまでくると単なるクイズだよな。お手上げです。少しでも可能性が高いものとして④を豪雪対策と考え、③を誤りとするしかないな。間違ってたらすいません。

[ひとこと]こりゃわからんわ〜。クイズ苦手やねん(涙)。

 

[33][インプレッション]すごく興味深いですね。こんな用水があって、一部がトンネルで、しかも自然の圧力を用いて噴水まであるなんて!

[解法]本当に興味深い文化遺産なんだけれど、問題自体は簡単だね。とくに工場はみられないような(工場の地図記号は歯車)。③が誤り。

[ひとこと]地図記号は難しいものは問われない。せいぜい工場ぐらいのもの。

 

[34][インプレッション]地形図問題で「適当なもの」を選ぶ問題は時間がかかって、難しいんだわな。近年難易度が低下していた地形図問題だが、久々に歯ごたえがある問題が登場したって感じ。逆にいえば、一般的な問題とは思えないわけだが。

[解法]正文指摘問題である点が難しい。一つ一つ検討していかないと。しかも300年以上前の地図と比較するってしんどいな。

①について。どうだろう?とくにそうした環状道路のようなものは見られないような気がするが。おそらく誤文だろう。

③について。そもそも金沢城の西側の町家地区ってどこよ?細長いやつ?現在の市役所(二重丸)は金沢城の南にあるから、そこからは外れているような気がするが。誤文と思う。

④について。これははっきりわかるかな。昔の図の南西端に寺院(卍の記号)が集まっているね。現在も同じ地域に寺院が集中している。北東には移転していない。誤文。

3つの選択肢が消せたので、やっと②を正文としよう。金沢城の南東の上級武家屋敷の跡が現在は兼六園になっている。

なお選択肢③の官公署は「尾山町」の東、「尾山神社」の北にある、果樹園に点々がついた記号。選択肢②の文教施設とは博物館・美術館や図書館のことだろうか。博物館・美術館は「成巽閣庭園」の文字の南側にある屋根のついた家のような記号、図書館はさらに南西の本を広げたような記号。でもこれらって上級武家屋敷の跡地からはちょっと外れてない?ま、細かいことは気にしなくていいか(笑)

[ひとこと]めずらしい問題だなと思う。地図記号は寺院と市役所ぐらいは知っておこうか。

 

[35][インプレッション]こういう簡単な思考問題を確実に解く技術は重要。でもこれを簡単と思えるのも難しい(?)。

[解法]購買行動?どんなものをいくらぐらい買ったって?住宅地図で商店の位置ぐらいはわかるだろうけれど、金銭的なものまではわからないんじゃないかな。とくに現在の購買行動を調べるのに、新旧の図を比較してもなあ。④が正解。

[ひとこと]センター試験特有のクセのある問題と思います。過去問演習を何度も繰り返して、こうした問題をスムーズに解けるようにしよう。思考問題が勝敗を握るのです。