2013年度地理B追試験[第1問]解説

<2013年度 地理B 追試験 第1問>

 

[1] [インプレッション]最近こういう変わった気候グラフが登場するケースが多い。冷静に数値を読み取って、対応していかないとね。

[解法]気候グラフで気温と降水量が示されている場合は、気温を優先して考えるべき。本問もまず気温からみていこう。気温は原則として緯度と深い関係になるものだが(低緯度なら高温、高緯度なら低温)図1のA〜Dはほぼ同緯度であり、緯度による気温の高低は関係ない。

よって気温による判定は困難なので、降水量に目を移そう。「冬季3か月の合計降水量の割合」である。例えば①はこの値がわずか5%であり、冬季の降水がほとんどないことがわかる。なるほど、シベリア高気圧の影響で冬季の降水が極端に少ないユーラシア大陸東岸のAがこれに該当するだろう。

これに対し、むしろ冬季に降水が片寄っているのが③。3か月間の降水量なので、年間を通じ均等に降水があるのならばその値は25%となり、②や④は普通の地域であるのだが、③は40%にも達し、特徴的な傾向をみせている。本来ならば太陽光線が弱いため上昇気流の作用が小さい冬季には、大気中の水蒸気量も少ないことも要因となり、降水量が少ないはず。それなのに③は夏季より冬季の降水が際立っている。これは冬季の降水量の多さもさることながら、夏季の降水量があまり多くないことも一つの理由となっているのだろう。「夏季少雨、冬季多雨」は、地中海性気候である。アメリカ合衆国の太平洋岸は地中海性気候の出現する典型的な地域であり、Bがこれに該当する。正解は③。

CとDは不問。

[ひとこと]地中海性気候の位置がそのまま問われているという点においてちょっとやっかいとは思うが、逆にいえば、この気候区がみられる地域は確実に覚えておこうというメッセージを含んでいるともいえる。重要!

 

[2] [インプレッション]海流の問題。海流の流れについて基礎的な知識があれば十分に解けるはず。ただ、西とか東とかの言い方がややこしいので、ここは注意しないといけないね〜。

[解法]南半球における海流の大まかな流れ方は「反時計回り」。太平洋ならば、西側のオーストラリア大陸東岸を暖流が南下し、東側の南アメリカ西岸を寒流が北上する。選択肢③に注目。「南アメリカ大陸」を基準に考えるならば、寒流の影響を受けるのは西岸であり、東岸ではない。これが誤文。図をみてもそのことは確認できる。例えば南緯35°付近に注目すると、東岸のアルゼンチン北部付近の海水温は24℃程度であるのに、西岸のチリ北部付近では約16℃となっている。③が正解。

[ひとこと]図をみるだけでもわかるけど、海流の向きのような自然地理に関することは覚えておいてもいい。

 

[3] [インプレッション]ベタな問題だが、重要。思考問題として解いてもいいが、時間短縮のために即答しよう。自然地理はある程度知識(暗記)重視でいってしまっていいよ。

[解法]北半球の様子。中緯度高圧帯から低緯度方向に吹き出した風(南へ向かって吹く風。つまり北風)が、転向力(北半球なので進行方向に対し右向きの力を受ける)によって東風に変化していく。つまり北東風。

南半球の様子。中緯度高圧阿智から低緯度方向に吹き出した風(北へ向かって吹く風、つまり南風)が、転向力(南半球なので進行方向に対し左向きの力を受ける)によって西風に変化していく。つまり南東風。④が正解。

[ひとこと]もっとも、貿易風が東寄りの風ということを丸暗記しておけば十分な問題でもあるんだけどね。

 

[4] [インプレッション]誤文判定問題。①は「活用されることも多い。」、②は「変わるものもある。」。③は「サイクロンとよばれる。」、④は「ほぼ一定である。」。文末のニュアンスなんかに注目してもいいかもね。

[解法]怪しいものから確認していこう。まず③。「よばれる」と言い切っているのが誤文っぽい。とはいえ、たしかにインド洋で発生する熱帯低気圧は「サイクロン」で正しいのだ。本来カタカナ言葉はセンター地理では出題されにくいのだが、熱帯低気圧の名称はその例外の一つで、実はしばしば出題される。「太平洋北西部=台風、インド洋・オーストラリア=サイクロン(*)、北アメリカ=ハリケーン」である。正文。

次に怪しい文は選択肢④かな。「季節にかかわらず一定」には「季節によって変化する」という反意表現がある。その点、①や②はそうした反意表現が考えにくい。

④の文章に注目しよう。熱帯低気圧については台風を考えればいい。台風は水温が高い時期つまり夏に集中して発生する。日本にやって来るものは風の影響で秋が多いが、それでも寒冷な時期に熱帯低気圧が生じるイメージはない。季節によって発生数に変化はあり、決して「一定」であるはずがない。④が誤文となり、これが正解。

[ひとこと]文章のニュアンスにも注目していこう。

 

(*)オーストラリア北西岸のサンゴ海で発生するものをウィリーウィリーとよぶ場合もあるが、出題されにくいので覚えなくていい。

 

問5 [インプレッション]火山と海嶺に関する問題。非常にオーソドックス。ついでにサンゴ礁って感じかな。いずれも過去に出題例があるので、確実に得点ゲット。

[解法]Jはアが該当。ここにはモルディブ諸島があるが、サンゴ礁による地形であり、標高が低い。地球温暖化に起因する海水面上昇によって水没の危機が叫ばれている。

Kはイが該当。ハワイ諸島。一般にプレート境界に近い部分に分布する火山であるが、ハワイは数少ない例外。プレートの中央部(専門用語でホットスポットという)に火山が生じ、島となっている。

Lはウが該当。大西洋の中央を南北に海嶺が縦断している。プレートの広がる境界で、海底からの高さが数千mにもなる巨大な海底山脈である。①が正解。

[ひとこと]ベタだけど、必修ジャンルだなぁ。

 

問6  [インプレッション]土壌に関する問題は、以前のように分布地域と名称だけを知っておいても十分ではなくなった。性質や分類などより理論的な部分が問われるようになってきている。

[解法]土壌は成帯土壌と間帯土壌に分類され、さらに成帯土壌には湿潤土壌、半乾燥土壌、乾燥土壌がある。とくに重要なのは半乾燥土壌であり、年降水量500mm程度のステップ地域に分布している。草が枯れ腐植となり表面に厚く層を成し、黒色土と呼ばれる。ウクライナのチェルノーゼム、北アメリカのプレーリー土、アルゼンチンのパンパ土。いずれも大規模な小麦農業地帯となる(企業的穀物農業)。正解は③。

なお栗色土は同じステップ地域でもやや降水量が少ない(200mm程度)地域に分布。テラロッサは石灰岩を母岩とする間帯土壌であり、地中海沿岸や石灰岩地域(隆起サンゴ礁)など。

[ひとこと]土壌の問題の難化が目立つ。理論的に考えないと!

 

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