2009年度地理B本試験[第5問]解説

2009年度地理B本試験[第5問]

 

まさかのカナダ地誌!!!これはわからなかった。僕はド本命がオセアニア(オーストラリア)で、他に米国や中国、さらにヨーロッパもあると思ったけれど(第1問のヨーロッパはジャンル的には「自然環境」で「地誌」でないよね)、まさか地誌でカナダが大々的に取り上げられるとは。僕は驚きました。

今年の全体の問題の中で一番やっかいだったのは問3。ちょっとこれはないなと思ったな。ただし他はオーソドックスな問題が並んでいると思う。

 

2009年度地理B本試験[第5問]問1

 

[講評] ケッペンの気候区分的なワードが出てるでしょ、Cで。僕は実はこういった登場の仕方でこれからちょこちょこケッペンが出てくるんじゃないかとは思っているわけだ。でもこれが正解(つまり誤文)じゃないので判定の必要もないんだけどね。まぁこういったネタに関する対策は後述。基本的には植生の問題と捉えていいよね。植生は地理では非常に重要なアイテムなのです。「ツンドラ」を知ること。

 

[解法] 「ツンドラ」とは何だろうか。日本語で「コケ」のこと。ツンドラっていうのはドイツ語なんだね。例えば停電になって冷凍庫が止まってしまうとするじゃない?中の氷は解けてしまうけれど、その解けた部分にカビが生えてしまったりする。(カビとコケの違いはあるけれど)それがツンドラ。

北極海の沿岸など、一年のうちの長い期間は雪や氷に閉ざされているけれど、短い夏の間だけ表面の氷雪が融解し、むき出しになった地表面をおおい尽くすようにコケ(ツンドラ)が生育する。もちろん農業ができるような場所ではなく、定住する人々もいない。一部の遊牧民族がトナカイを連れて、短い夏を過ごすのみ。

どうだろうか。「北極海沿岸=ツンドラ」といったイメージを持っておいていいと思うんだよね、僕は。

 

[最重要リンク] とにかくツンドラという言葉が最重要なのだ。01B本第3問問4参照。「A付近(米国五大湖周辺)はかつて広大な氷河に覆われていたため、耕作不能なツンドラ土が広がっている」とある。ツンドラ土とはその名の通りツンドラに分布する土壌。肥沃な土壌の絶対条件は腐植に富んだことであるが、ツンドラとなっているところは植物も少なく、また寒冷であるため、植物も腐りようがないのだ。「耕作不能」であるのはその通り。

でも分布位置が違うよね。五大湖周辺のような大都市がいくらでも存在し、人口も多い地域がツンドラであるはずがない。ツンドラは北極海の周辺ぐらいなものだ(注)。

 

(注)ツンドラのほとんどは北半球に集中しているが、南半球でも一部に存在する。南アメリカ大陸の一番南側は南極に近く、ツンドラとなっている。ただしトナカイはいなかったりするんだよね。ペンギンが南半球だけの動物であるように、トナカイも北半球限定の動物なのだ。例えば、98B本第1問問5参照。南アメリカの農牧業に関する問題で「高緯度の冷帯気候地域では、トナカイの放牧がみられる」とあるが、これは誤文。ツンドラは両半球にあるが、トナカイは北半球限定。

 

[関連問題] 選択肢1について。ケッペンの気候区分が問われた例はない。このような言葉が入っている時点で、この選択肢は「解答」とはならないはずだ。関連問題もない。

選択肢2について。新期造山帯に関する問題は多いが、ロッキー山脈が問われるケースは少ない。とりあえず、北米大陸においては「中央やや左寄り」に最も高所となる山脈があることを知っておこう。

選択肢3について。上の最重要リンクを参照してください。ツンドラは非常に重要。

選択肢4について。エスチュアリーとは大河川の河口部分が「沈降」しラッパ状の入り江となったもの。三角江ともいう。水深が十分で、天然の良港に適した海岸地形である。反対語はデルタ(三角州)。こちらは土砂が囲う付近に堆積し、陸地となってしまったもので、沿岸の水深は浅く、港とはなりにくい。日本にはデルタが多く、エスチュアリーが少ないので、ちょっとイメージしにくいかもしれないが、その形状は目で覚えておこう。

95本第2問問1参照。1・2・4の河川の河口の形状に注目。これがエスチュアリー。河口が沈降し、ラッパ状の入り江になっているのがわかるだろうか。ちなみに、1はテムズ川でエスチュアリーに位置している港湾都市はロンドン。4はエルベ川でハンブルク。なおエルベ川とハンブルクの組合せは97B追第3問問2でも登場している。ちなみに3はライン川であるが、この河口はデルタになっている。土砂で埋められた遠浅ノ砂浜海岸となっており、ポルダーという干拓地やユーロポートといった掘り込み式の港がみられることは知っておいてもいいかな。

02B本第1問問2参照。カがエスチュアリーなんだがわかるかな。これを右側が下になるように傾けてみるとわかるんだが、95本第2問問2におけるXの川の河口部分だったりするのだ。これはセーヌ川という川ですが、名前はどうでもいい。エスチュアリーの形を目に焼きつける。なお、断面図サとシは、図キやクのものなので無関係。

99B追第1問問3参照。Zの文章はテムズ川についての説明だが、ポイントは「数十km上流にある都市」。これがロンドンだが、船舶はエスチュアリーを利用して、テムズ川を遡ることができ、大きな港湾のあるロンドンが商業の中心地となっている。エスチュアリーは港湾に適した地形なのだ。

04B追第3問問1参照。アの文がロンドンの説明。ロンドンは港湾であることが重要なキャラクター。「ロンドン=エスチュアリー=天然の良港=港湾都市」である。

01B本第3問問3参照。単に「エスチュアリー」の名前だけ登場しているという別にどうでもいい問題だが(笑)、翌年の02年にエスチュアリーやフィヨルド、リアス式海岸を大々的に取り上げた問題が出題されていることに注意。センターってこういう「前フリ」があるんだよね。

 

[今後の学習] Aで気候区分、Bで大地形、Cで植生、Dで小地形が問われている。ポイントは植生だったわけで、やはり植生に関する徹底的な理解は必要。第1問問6でも、硬葉樹と照葉樹がベタに問われていたけれど、やはり植生の重要性は高い。針葉樹とツンドラの違いぐらいは常識にしておいてほしいな。

他の選択肢に含まれる内容についてはどれくらいカバーしたらいいんだろう。これがちょっと判断に迷うのだ。別に知らなくても今回の問題は解けたしな。でも近年こういった地形に関するネタは増加しているし、さらに「気候区分」にも不穏な動きがある。

まずBについて。これはロッキー山脈という高峻な山脈だけれども、環太平洋造山帯に含まれる新期造山帯。これは常識としてぜひ知っておこう。米国には東部にアパラチア山脈という古期造山帯があって、これと対照的なものとして押さえておく。

さらにDについて。この形状を目に焼きつけておこう。関連問題の項目でも触れたけれど、これがエスチュアリー。河口部分がラッパ状に広がっている。上着のジッパーを途中まで上げて、首元まではちゃんと閉まっていないといった感じ。エスチュアリーについては、ヨーロッパのテムズ川(ロンドン)やエルベ川(ドイツ北部ハンブルク)などが代表例でそれぞれ出題されている。それから、アルゼンチンのラプラタ川というところも河口がエスチュアリーになっているので、よかったら見ておくといい。ここにはブエノスアイレスという巨大な港湾都市がある。

Aの気候区分については、今回は単なる外れ選択肢としての登場でもあり、とくに意識する必要はない。ただ、問題はこれからなんだよな。「ケッペンの気候区分は問われない」ことはもはや常識なんだけれども、あえて何かの形で問われる可能性がなくはないと僕は思ったりするわけだ。とはいえ、西岸海洋性気候なんていう比較的マイナーなものがメインを張る可能性はない。出題されるとしたら、第1問問1でも登場したけれど「地中海性気候」しかありえない。北緯南緯35°付近の大陸西岸に「必ず」表れる。南ヨーロッパや西アジアの地中海沿岸が代表的なところだが(ローマやイスタンブールが出題されている)、アフリカの北西部のアルジェリアやモロッコ、さらに米国太平洋岸(サンフランシスコの気候グラフやカリフォルニア州でブドウ栽培がさかんなことが出題)、アフリカ南西端のケープタウン、オーストラリア南部(パースやアデレードの気候グラフやブドウ栽培が出題)、そして南米大陸太平洋岸チリ中央部。

意外とチリ中央部が出題されていないんで要注意だと思っているんだが、結局のところ地中海性気候の出現するポイントは全て重要なので、地図帳などで確認しておくべき。ケッペン気候区分が取り上げられる可能性は極めて低いが、出題されるならば地中海性気候しかあり得ない!

 

2009年度地理B[第5問]問2

 

[講評] ホイットルセー農業区分ネタ。問1で気候区分は出題されたけれど、でも別に知っておく必要はなかったよね。ま、補欠扱い。それに対し、ホイットルセー農業区分はバリバリのレギュラー。っていうかエース。これをマスターしておかないとセンターでは得点できない。

 

[解法] 米国の西経100°に沿う一帯は年降水量500mm程度の半乾燥地域で、土壌が肥沃(半乾燥土壌のプレーリー土)。小麦の専業地帯となっており、これを農業区分では

企業的穀物農業という。米国中央部(カンザス州っていう州があります)は冬小麦、米国北部からカナダ南部にかけての地域は春小麦。春の訪れを待って播種する小麦なのだ。選択肢4が該当。文章についてもとくに気になるところはないよね。ま、そもそも蒸発量の少ない低温地域で「乾燥」するのかっていうツッコミはあるんだが、とりあえずFの一体に分布している土壌がプレーリー土という半「乾燥」土壌なので、まぁ納得してやってください。「機械化された」「大規模耕作」は企業的穀物農業のキーワード。

1の「遊牧」、2の「混合農業」、3の「酪農」はもちろんいずれもホイットルセー農業区分。

 

[最重要リンク] これに関する問題は多いわけだが、あえてこの問題をピックアップしてみましょうか。03B追第3問問1参照。ここではもちろん「北アメリカ大陸」に注目してください。そしてもちろん中央部の「ウィニペグ」を。

左に「120°w」とあって、右に「70°w」とあるので、中央やや左寄りのウィニペグはおおよそ西経100°の経線上に位置することを考える。「100°w=年降水量500mm」であり、半乾燥気候がみられる一帯。ここには半乾燥土壌のプレーリー土が分布しているのだ。半乾燥土壌にはチェルノーゼムやプレーリー土があるが、いずれも腐植が豊富な黒土。企業的穀物農業地帯を形成し、大規模に小麦が栽培されている。

このカナダ中央の米国との国境に沿う一帯が、肥沃な土壌を利用した春小麦地帯であることをしっかり印象づけておこう。

 

[関連問題] 98B本第1問問2参照。選択肢1(正文)がカナダ中央南部の説明。ここでは「プレーリー土」「春小麦」をチェック。年降水量500mm程度の半乾燥気候がみられ、土壌は肥沃となる。大規模に小麦が栽培されているが、カナダは寒冷な気候(冷帯)であるので、春を待って栽培する春まき小麦(春小麦)が栽培されているのだ。ちなみに、図1においてPのエリアのすぐ南の着色部は同じ企業的穀物農業地帯ではあるが、こちらは秋まき小麦こと冬小麦(冬を越す小麦)。温暖な地域は冬小麦であることも知っておこう。

04B追第3問問7参照。Xのウィニペグに注目。「春小麦」がキーワード。よかったら今回の問題と合わせて、ウィニペグが「春小麦地帯の東端」に位置していることも目で確認しておくといいだろう。ウィニペグとは先住民アメリカインディアンの言葉で「泥水」の意味。春の雪解け時に河川水が一気に増水し、流域の土砂を削り取りながら激しく流下する様子を表現している。春を象徴する地名であり、彼らが春を待ちわびる気持ちがよく表れているではないか。まさに「春小麦」。

 

[今後の学習] 今回は企業的穀物農業地域が出題された。ホイットルセー農業区分はそのまま知識問題として出題されるので、過去問を徹底的にチェックして、出題傾向を探っておかないといけない。とにかくセンターでもっとも重要なのはホイットルセー農業区分。一年を費やして研究せよ!

 

2009年度地理B本試験[第5問]問3

 

[講評] トロントの問題。カナダの最重要都市はトロントであるし、トロントしか出ないのだ。トロントだけマスターしてしまえば恐いもんはない。でもちょっと待て!?トロントで絶対的なキーワードである「自動車」がないではないか!どうする?どうするんだ?敵は思いっきりフェイントをかけてきた。でも君はそれを見のがさず、必ずや打ち砕け!

 

[解法] バンクーバー、エドモントン、トロント、モントリオール、いずれもセンター過去問に登場しているという「前科」がある都市ばかりなのだ。「犯人」となる資格は十分になる。しかし、それでもやはりトロントなのだ。カナダはひたすらトロントだけでいい。

カナダ最大のキーワードはNAFTA。北アメリカ自由貿易協定のことで、米国を中心にカナダとメキシコが調印し、3か国の間に自由貿易(関税や制限のない貿易)が実現している。ただし、国境を接していないカナダとメキシコの関係はさほど強いものではなく、どうしても米国がメインとなっている。米国の巨大な経済圏にカナダが飲み込まれているのだ。その中でポイントになる都市がトロント。場所をみてもらえればわかるように、米国との国境に接し、米国からの企業進出にたいへん適した立地条件を有している。とくに五大湖の米国側には世界最大の自動車工業都市であるデトロイトが存在し、巨大な自動車工場があるばかりではなく、エンジンやガラス、タイヤなど部品を製造するような関連企業も多い。自由貿易であることを利用して、経済レベルの低いカナダに自動車組立工場が多く進出するのだが、その進出先が、米国からみて最も都合の良い(つまり交通の便がいいっていうこと)トロントであったのは当然のことだろう。

で、ここで選択肢を見る。さぁどうだろう?ん、ちょっと待てよ。おかしいじゃないか。トロントを示すキーワードである「自動車」が見当たらないではないか!それどころか鉄鋼業のような重工場すら、その存在が示されていない。どうする?どうする?相手がストレートしか投げてこないと思っていたら、いきなり変化球を投げてきたぞ!そんなの対応できるのか。

でも、君たちは絶対に得点しないといけないのだ。確実に当てていけ。え?「自動車」みたいな確実なキーワードがないじゃないかって?そうなんだよ、それならそれで、開き直って、もっとも確率の高いキーワードに的をしぼって、それをジャストミートせよ。それって何なんだ?ここでは1の「工業」しかあり得ないんだよ。2にも「化学工業」という言葉あるんだが、2の場合はそもそも鉱産資源が豊富なことが大前提となっており、トロントは(自動車のような組立工業がある時点で)資源の豊富な都市ではない。また同じく2には「穀物の集散地」という言葉があり、問2でFが企業的穀物農業地域であることが判断できていれば、この選択肢はFに最も近いエドモントンが該当し、そこから遠く離れたトロントは無関係であることがわかる。どうだろうか。1については「繊維」という言葉が全く意味不明なんだが、「多様な工業」とあるので、この「多様」に自動車工業なども含まれているんじゃないかと想像するしかない。

どうだ?本当に納得しにくい問題ではあるのだ。しかしこういった問題をクリアできれば大きいぞ。正解は1である。

ちなみに1をトロントであると判定すると「内陸水運の起点」ということにも納得できる。単に内陸水運ならば、湖に面したトロントだけでなく、河川沿いのモントリオールもそれっぽくなってしまうのだが、ここではとくに「起点」なんて言葉が示されている。起点にふさわしいのはどちらだろう?モントリオールは明らかに中間地点ではないか。ここがスタートっていうのはおかしいよね。どちらかといえば起点という言葉がふさわしいのはトロントだと思う。ここで製造された工業製品が、河川を伝って(そしてモントリオールを通り過ぎて!)、大西洋へと運ばれていく様子をイメージしよう。

 

[最重要リンク] ここはあえてそのまんまの問題をピックアップ。04B追第3問問7参照。こちらはカルガリー(w)、ウィニペグ(X)、トロント(Y)、Z(オタワ)が登場している。トロントに注目してみると「カナダのフランス語圏における最大の都市であり、この国における経済活動の中心となっている」という文章が与えられているのだが、トロントは「自動車工業」が絶対的なキーワードになる都市であり、そもそも「英語圏」だから米国からさかんに工場がさかんに進出しているのだ。もちろん誤文。これはそのまんまモントリオールの説明。「経済活動」っていうのが気になるんだが、09年の問題の方でもなぜかモントリオールについては「金融・保険業の中心地」とあり、何だかよくわからない。どうでもいいか。とにかく「トロント=自動車工業=米国とのつながり=英語圏」ということが絶対的な事実。

 

[関連問題] 07B本第3問問3参照。バンクーバーがアジアとつながりの深い都市であることが説明されている。太平洋岸に位置するし、まぁそれは納得できるわな。

01A本第1問問4参照。トロント、バンクーバー、モントリオールの言語(母語)の問題。中国語が多いバンクーバー、フランス語が多いモントリオール。

 

[今後の学習] しかしこの問題、改めてみると難しいな。おそらく本年度で最も正解率が低かった問題だと思う。トロントが問われたことは驚きでも何でもないが、問題はその問われ方なんだよな。「多様な工業」だけではしぼりにくい。言い方は悪いんだけど、今回の問題はあまり参考にならないし、あまり深く追求しなくていいかもしれない。都市に関するネタが出題されたからといって、そこに神経質になる必要はない。過去問をしっかり研究し、その範囲でしか出題されないという点は、これまでも、そしてこれからも、変わりようがないのだから。

 

2009年度地理B本試験[第5問]問4

 

[講評]  「増加するものはアジアである」というセオリー。これは至るところで使える。とくにこれは人口移動の問題。経済レベルの低いところから高いところへと人が移動することも意識するとさらに考えやすいだろう。

 

[解法]  「増加するものはアジアである」のだ。1960年代から2000年にかけてずっと増加しているのは「アジア」である。とくに、現代の人口移動とは1人当たりGNIの低い国から高い国へと流動していくセオリーがある。経済レベルの低い中国から多くの移民が生じていることも想像する。

残った2つについては、現在の割合には大きな違いはない。それならば、過去に遡って変化の度合いから推理するのだ。アは大きく割合を低下させているのに対し、ウは多少の高低変化はあるものの、たいした動きでもない。絶対に特徴的なのはアの方なのだ。これって何だと思う?カナダはかつてはイギリス領であったし、現在もイギリス系の住民が多い。そしてもちろん英語圏でもある。古い時代はヨーロッパとのつながりが強く、そこからの移民も多かったのではないかと考えていいだろう。それがやがてアジアへと取って変わられていき、ヨーロッパからの移民の割合も低下していく。そういった考えで問題ないと思うよ。

 

[最重要リンク] 99B追第5問問3がほとんどそのまんま。過去と現在を比較して、その割合が大きく低下している1が「ヨーロッパ」、逆に急上昇している4が「アジア」。これって絶対的なセオリーと思っていいんじゃないかな。かつてヨーロッパに支配されていた新大陸の国々ではあるが、その未来はアジアとの関係性にあるのだ。

 

[関連問題] 07B本第5問問5選択肢1参照。オーストラリアの移民はラテンアメリカ出身者が多いと述べられているが、もちろんこれは誤り。アジア系の増加が特徴的。カナダも同じことがいえるのだ。

 

[今後の学習] カナダが出題された(過去にはオーストラリアも)ので、次は米国でしょう。米国への移民の出身国としては、第1位がメキシコで、第2位が中国であることを知っておこう。中国を主とするアジアからの移民が増加しているのはカナダやオーストラリアと共通しているが、やはり米国はメキシコと長い国境線を接しているという特徴がある。メキシコからの移民が多く、それを中国が急激に追い上げているというニュアンスで頭に入れておこう。

 

 

2009年度地理B本試験[第5問]問5

 

[講評]  新課程になってから、民族ジャンルの問題は、それまでの「宗教」重視からこのような「言語」重視に変わってきている。これはなかなか厄介かもしれない。カナダのフランス語使用地域についてはベタなネタなんで問題ないと思うが、それ以外がちょっとしんどいかも。イマジネーションの世界なのだ。

 

[解法]  Rは簡単。カナダは多言語国家であるが、国民の大多数が英語を使用しているのに対し、かつてフランスに支配されていた東部(ケベック州というところ)ではフランス系住民が多くフランス語を使用している。よってRがキになる。

問題はPとQ。Pについては太平洋岸であるので、中国からの移民などアジア系が多いというイメージは十分にあるだろう。それに対し、Qはどうだろうか。北極海に面し、人口は少ないだろうが、そのほとんどを占めている先住民族のイヌイットが独自の文化をもって生活している場所(*)。クの「その他」が4分の3っていうのは普通じゃないよ。少数民族などが自治をしているようなエリアであることが想像できる。Qがクでいいと思う。

残ったPがカに該当。どうだろうか。Pにはバンクーバーのようなメジャーな都市もあり、そこで英語が使われていないとはちょっと考えにくいんだが。

PとQについてはちょっと想像して、かなり考えないといけない。でも決して無茶な問題でないので、何とか得点をゲットしてほしいな。

(*)Qの地域は、最近になってノースウエスト準州から分離して成立した「ヌナブト準州」というところ。先住民族のイヌイットが居住し、彼らの文化や生活様式が尊重されている。

 

[最重要リンク] ケベックなんてどうでもいいと思うんだよ。それはセンター試験で何回も出題されているネタであるし、本来民族ネタはあまり出題されない地理Bの受験生の君たちもやっぱり知っておいて然るべき話題だと思うから。むしろちょっとやっかいなのはイヌイットなんだよな。04A本第1問問1で、カナダの北極海沿岸の先住民(つまりイヌイット)の様子が問われている。「厳しい自然環境に対応し、短い夏季を中心に狩猟・漁労を行ってきた。近年では、外来文化に接触し、生活様式を変化させている」というのがその説明。う~ん、内容はよくわかるんだが、しかし言語についての説明がないんだよな。難しいな。どうしたもんかな。

 

[関連問題] イヌイットが気になる。

97B本第2問問3参照。「カナダやアラスカ地域の先住民であるイヌイット(エスキモー)は、現在では定住化が進み、その食生活も購入した食料に大きく依存するようになった」(正文)。

01B本第3問問2参照。「海水面が低下した時期には、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸へのモンゴロイドの移動があった」(正文)。

00B追代2問問5参照。「ツンドラ地帯では、トナカイの放牧や野イチゴ、コケモモなどの採集を行って生活している人々は、現在ではいなくなった」(誤文)。「雪氷地帯では、ヘリコプターやスノーモービルの普及によって物資の入手が容易になったため、人口増加が急速に進んでいる」(誤文)。「北極圏では、気温が低く、スキーに適した水分の少ない雪質であるため、スキーリゾートとして開発が進んでいる」(誤文)。

02B本第1問問1参照。これはグリーンランドについての記述だが。「現在もその大半が厚い氷河に覆われるこの地域には、海岸部にモンゴロイドの居住する集落がみられる」(正文)。

どうだろうか?といくに言語についての説明もないのだが、「イヌイット=モンゴロイド(黄色人種)」であることだけはしっかり意識しておいて、イギリス系などが多数を占めるカナダにおいては、言語的にも明確な差異があることを意識しておいた方がいいかもしれないなぁ。

 

[今後の学習] よく「民族・宗教」っていうけれど、実は民族と宗教には直接的な関係はない。日本を構成しているのは日本民族が大半だけれども、その中だって宗教的には多様ではないか。それに対し、民族と言語というのは直接的な関係がある。いや、むしろ「民族=言語」と考えていい。少なくとも地理という科目においては。

そういった意味でちょっと気になる国があるので紹介しておこう。それがペルー。ペルーは、先住民族インディオの割合が高く、全人口の約半分を占めている。だからこの国は、スペイン語以外に、インディオの伝統的言語であるケチュア語も公用語とされているのだ。どうかな。ちょっとマイナーなネタかな?でもイヌイットの言語が意識された問題がこうやって出題されると、次はインディオの言語かなって僕は思ったりするわけだよ。とりあえず「ペルー=インディオ」は知っておくとして、さらに「インディオ=ケチュア語」も知っておいて。

 

2009年度地理B本試験[第5問]問6

 

[講評] NAFTAの問題。いいんじゃないですか、オーソドックスで。貿易統計をネタにした問題は毎年必ず出題されるけど、今年はこれが登場したってわけですね。

 

[解法] 基本的にGNIと貿易額は比例する。3ヶ国中でGNIが最大なのは、もちろん米国(っていうか、GNI世界最大だし)。それに次ぐのはカナダ。人口は少ないけれど、1人当たりGNIはそれなりに高いので、GNIも大きい。一方メキシコは人口1億を有する人口大国ではあるが、1人当たりGNIは低く、GNIはあまり大きくない。

図を参照。XとYの間の貿易額が最も大きいようだ。それに次ぐのはYとZ。そしてXとZの間が最も小さい。このことから3ヶ国間の貿易をリードしているのは間違いなくYであるし、Xの貿易額もそれに次いでいる。Zが最も貿易額が小さいとみていい。Yが米国、Xがカナダ、Zがメキシコでいいでしょう。

ちなみに、米国は「貿易赤字国」なのだが、カナダとメキシコの間の貿易でもしっかり「輸出<輸入」の貿易赤字となっている。しょうもないオヤジだな(笑)。

貿易品目としてはカナダの自動車が大切なはずなんだが、本問では「機械・輸送機械」とまとめられてしまっているために詳細がよくわからない。ま、どうでもいいか。

 

[最重要リンク] このグラフの形式はよく出てくるので戸惑わないこと。01B本第2問問1で練習しておきましょう。

Aは、Bに対して輸入超の貿易赤字。さらにCに対しては輸出超の貿易黒字。

Bは、Aに対して輸出超の貿易黒字。さらにCに対しても輸出超の貿易黒字。

Cは、Aに対して輸入超の貿易赤字。さらにBに対しても輸入超の貿易赤字。

他の両方に対して赤字なのでCが米国。同じく他の両方に対して黒字なのでBが日本。

こういったグラフの見方に習熟しておこう。それにしても米国ってどこに対しても赤字なんだなぁ。

 

[関連問題] 03B追第4問問5参照。NAFTAとEU、そしてASEANが比較されている。GNIが最大のNAFTA、貿易額が最大のEUという覚え方。ちなみにASEANは人口が大きい。

06B本第5問問6参照。メキシコの主要貿易相手国。NAFTAの一員であるメキシコにとって、最大の貿易相手国は米国。

96追第7問問6参照。カナダ・米国・メキシコの貿易統計。カナダの自動車や米国の航空機が最重要。メキシコについては当時は原油が輸出品目の1位であるが、現在は電気機械となっていることも知っておこう。

 

[今後の学習] 今年はメキシコが3回登場しているよね。本問と原産地(メキシコはトウモロコシの原産地なのだ)とラストの問題。これ、マジで気になる。そろそろメキシコが来るんじゃないか。デンマークが昨年で終了し、イランもこれでおしまいでしょう。新しくブームになってくると予想されるのはメキシコですよ。

メキシコ関係の統計(人口、1人当たりGNI、輸出品目、輸出相手国)は要チェック!

 

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