2012年度地理B本試験[第6問]解説

<第6問>

 

問1 [ファーストインプレッション]変な問題。河川の幅や角度より、周辺の山地の傾斜の様子をみたらいいんじゃない?

[解法]写真判定。最も山地の傾斜が急であるCが上流。Aは普通なので中流。Bはむしろ山地が見当たらないね。下流。

[今後の学習]土地の角度というのは意外と大事。本問も河川の問題ではあるけれど、山に注目してしまった方がいいと思うよ。

 

問2 [ファーストインプレッション]なるほど、地図記号がポイントになっているのか。一見した印象では確かに珍しい問題だ。でも問われているのは発電所であり、要するに送電線をたどりなさいって問題だよね。そのパターンの問題なら過去問でもしばしばみられる。

[解法]そもそも沢間駅を探すのがしんどいわけだが(苦笑)。とりあえずがんばって探したとして、対岸を眺めてみよう。発電所は「発電所・変電所」で、工場に似た地図記号。発電所(変電所)からは間違いなく送電線が通じているわけで、送電線をたどっていくのがコツとなる。っていうか、そもそも沢間駅の対岸には送電線自体が通っていないよね。ここにある記号もよく見たら工場である。①が誤り。

なお、発電所(変電所かもしれないけど)は送電線に沿っていくつもみられ、図の南部、「あお」駅の北西側など。

[今後の学習]送電線に注目しておこう。送電線は「索道」と混同しやすいんで注意する。また送電線をたどることで「発電所・変電所」が見つかることもある。送電線(そして発電所)は、地図記号の中では飛び抜けて出題率が高いですよ。

 

問3 [ファーストインプレッション]これも傾斜を見たらいいんじゃないの?それから文章は「近世」や「明治」に注目。

[解法]倉平は山地なので急傾斜でしょう。Pが倉平。平坦なQが牧ノ原となる。

アとイの判定。中学地理の知識で牧ノ原という地名を知っておくと強いんだけどなぁ。「流域の茶栽培の中心地」からイを牧ノ原としていいと思う。アが倉平になるわけだが、文章を検討していこう。「近世」とある。近世とは江戸時代のことで、古い時代から茶畑が開かれていたようだ。「焼畑」はここでは気にしなくていいだろう。本来焼畑農業は熱帯雨林で行われているもので、仮に日本で行われていたとしても小規模な限定的なものに過ぎないと思う。「労働集約的」とは労働力が重視された農業のことで、収穫量を労働者を割った1人当たりの収量は小さくなる。多くの人手をかけて丁寧に農業を行うという意味で、Pのような山間地ならそういった形態になるのではないか。少なくとも機械化はしにくいはずだよね。「有機農法」や「無農薬農法」についても、価格は高くなると思うが、人間の手作業に依存する丁寧な農業が営まれる農業地域においてこそ。アとPを倉平と考えていいだろう。

[今後の学習]実は中学地理(あるいは小学校地理)がポイントになってるんじゃないかな、とも思う。牧ノ原→牧ノ原台地→日本最大の茶の産地→「流域の茶栽培の中心地」というイメージの連鎖ができれば解答は容易だったはず。中学までの勉強を確実にマスターしておきましょう。

 

問4 [ファーストインプレッション]新旧地形図を比較するオーソドックスな問題。地形図問題のコツは最初に選択肢の文章を読んでしまい、ある程度の先入観を持ってから図を参照すること。意外と最初から図を見てしまうと、時間ばかりかかって混乱するよ。とくに本問は誤文選択問題でもあり、いかにも誤っていそうな言葉に注目しておくのは大事。

[解法]先に選択肢の文章に注目し、誤っていそうな言葉を探してみよう。対義語を持つ名詞、「高い・低い」のような形容詞表現がポイント。また地形図問題では土地利用記号が問われるので、これにも注意。

①これは間違っていないような気がするなぁ。②「水田が広く分布」が怪しいな。チェックしよう。③駅北側とか駅南側っていう言い方が気になるけど、時代を追うごとに市街地が広がっていくことは間違ってはいない。④「同じ架橋位置」だな。これがずれていたらこの選択肢が誤りなわけだ。

で、チェック。最初に土地利用。おっと、これは微妙。1895年の図にみられる記号、実はこれ、昔の「田」なんだよね(正確には「湿田」だが、田には変わりない)。水田はオッケイでした。

では今度は④。どうだろう?橋の位置を確認。おっと、ちょっとずれているんじゃない?川原町側の橋の起点がやや北側に移動しているよね。④が誤文となります。

[重要問題リンク]

[今後の学習]昔の田の記号が難しい。必ずチェックしておこう。昔の田には2種類あって、一つが「湿田」、一つが「乾田」。湿田は本図に描かれている通り。乾田は下の横線が無く、縦線2つだけ。つまり現在の「田」の記号と同じ。乾田は土中の水分が少なく、普通の畑としても利用されるため、こうした田ではしばしば二毛作(裏作として秋から翌春の間に小麦などを栽培)が行われていた。湿田は土中の水分が多く軟弱な土壌で、こちらは二毛作には適さない。一説には、この区分けは軍事上のもので、重量の大きい戦車が侵入しても大丈夫なのが乾田で、通行不能であるのが湿田なんだそうだ。しかし1895年ってそもそも戦車なんか無かった時代だけどね(笑)。

ちなみに昔の地形図で「空白」によって表されるのが「畑」。本図では見られないようだが。

なお、湿田と乾田のうち、現在の田に近いのは湿田の方。記号でいえば、田と乾田が同じなのだが、性格でみると田と湿田が同じ。ちょっとややこしいわけだ。

 

問5 [ファーストインプレッション]へぇ~、変わった問題。ちょっと今まで見たことないな。中学校の問題みたいだね。センスというか、感覚的に解いてしまっていいと思う。

[解法]なるほど、最大の手がかりは「漁業」だったわけか。注意して見ていかないといけないね。川根本町や島田市のような内陸部で漁業がさかんとは考えにくい。クを吉田町としましょうか。カとキの判定。島田市は名称も「市」であるし、第一次産業に比べ第三次産業が発達しているとみていいんじゃないかな。それに対し山間の川根本町はあくまで主産業は農業なのではないか。カを島田市、キを川根本町とする。第二次産業ではちょっと判定しにくい問題だね。

[今後の学習]図や表は丁寧に読みましょうってことかな。漁業に注目できるかどうかが最大のポイントだと思うよ。あとは何となく(笑)。

 

問6 [ファーストインプレッション]変わった問題。決して集落の問題でないことはわかるんだけどね。ただ、こんな風にネタとして集落を使うっていうのはなかなかセンスがいいなぁ。僕もこんな問題を作れるように努力しないと。

[解法]扇状地が堆積地形なのは問題ない。シはどういった意味なんだろう。図4や図5には方位や示されていないし。そうなると図4を頼りにするしかないんだよね。Rと河川の関係を見てみよう。大井川は北西から南東に向かって流れているわけだが、もし洪水となって河川が氾濫した場合、水は北西の方向からRに襲いかかるんじゃないかな。こちらの方向からの洪水に備えた家屋と思われます。

[今後の学習]扇状地が堆積地形なのはもちろん知っておかなくてはいけない。扇状地とは沖積平野の一種で、山地と平野の間に形成された緩い傾斜地。上流で削り取られた土砂がここまで運搬され、堆積した。沖積平野には他に自然堤防帯(氾濫原)や三角州もあり、いずれも河川の堆積作用によって形成されている。

それに対し、シの方は、これはもう考えないといけないよ(笑)。この問題、意味がわからない!?って感じることがあると思うけど、逆にそういった問題は考えれば何とかなる思考問題である可能性が高い。とにかく粘り強く考えてみようよ。考えるだけで解ける問題なんてラッキーじゃないか。とくに本問の場合は、図から河川の流れを読み取るだけなので、もはや絵を眺めるレベルで答えが求められるよ。

 

 

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