たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう

2015年度地理B地理B本試験[第3問] 問4

問4 [インプレッション] パリの問題。あれっさっきもパリの問題あったな!ボクはランダムな順番で問題を解いていくので、先に第5問を解いてからこの第3問に取りかかってる。第5問問2でもパリが登場しちゃってるわけだ。被ってるよなぁ。どうなんだろ、これって。

[解法]パリは伝統的な都市であり、多くの観光客も集める。歴史的価値の高い都心近くの街区では再開発が制限されている。新しい建物を造ろうとすれば「伝統的景観を損なう」と反論が出るのもパリ特有のことだろうね(日本では京都で似たようなことがあるけれど)。③がパリに該当。

[アフターアクション] パリについては、都心部の再開発が制限されていることと併せて、郊外のラデファンス地区に副都心が作られ、そこに一部の都市機能(行政・経済・商業そして住宅)が移転していることを知っておく。ただ、そうなると第5問問3が疑問やねんなぁ。こちらでは「郊外にアラブからの移民が流入」ってあるんだわ。どうもすっきりしない。

ちなみに。①はニューヨーク。1人当たりGNIが高く、そしてGNIは世界最大。「国際金融拠点」はアメリカ合衆国のキーワード。②はシャンハイ。「近年急成長」は中国。③はワルシャワ。これ、ポーランドの首都なんですが、知ってたかな?旧社会主義国であり、冷戦期にソ連の政治的影響下にあった。

問3 [インプレッション] いやぁ、これ厳しいなぁ。地理の知識うんぬんではなく、文章と図からその場で推理しないといけない。できる人にとっては簡単なんだろうけれど、こうした問題を苦手にしている人って多いと思うよ。

[解法]都市の形状を問う問題だが、最大のキーワードは「囲郭」。防御のため都市の周囲を壁で取り囲み、古代の中国やヨーロッパでみられた。もちろんこのような壁があっては市街地の拡大ができないので、平和になった現在は多くの囲郭は取り壊されている。そしてその囲郭に沿って、環状道路が敷設されていることも多い。
そういった観点からするとアがCになるだろう。都市の周囲を取り囲むように道路がみられ、これがかつての囲郭の跡に設けられたものであることが十分推測できる。都市内部の街路は、小ざっぱりとしており、近代的な都市なのかなという感じもする。
さらにイとウ。文章から考えるしかない。ポイントは「計画的」。AとBのどちらか計画的にみえるかってことだよ(Cが最も計画的に見えるって?そりゃあそうかもしれないけれど、これはすでに「囲郭」でアに決まっているんで、ここでは考慮外なのです)。どちらも入り組んだごちゃごちゃした街路になっているのだ。

[アフターアクション] 囲郭のネタはぜひ知っておいて!これは結構問われる。それからイの「イスラームの都市」という言い方はかえって分かりにくいと思うので(インドネシアなどイスラム地域は地球上の広い範囲に広がっているからね)、ここでは「北アフリカ・西アジアの乾燥地域」と言い換え、迷路状の街路がみられることを知っておこう。

表示:PC