たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう
みなさんこんにちは。全国の予備校や塾で大学受験地理を教えています「たつじん」と言います。
楽しく勉強していきましょう。
地理とは何なのでしょうね。我々の身の回りにあるものが全て「社会」です。その中で人間の意思ではどうにもならないもの、それが地理です。歴史や政治、倫理は人間が作り出したものです。一方、地理は自然科学であり社会科学であります。人間の力の及ぶ範囲のものではありません。太陽光線が地球に注ぎ、大気が循環し、降水をもたらし、農業が営まれ、人間が生まれる。その様子を理論的に関連づけていく科目が地理なのです。経済も同様です。お金の流れは人間がコントロールできるものではありません。お金が世界を支配し、その中でさまざまな産業が発達し、都市が栄える。経済によって我々人間の生活がどのように規定されているのか、考える科目もまた地理なのです。自然科学そして社会科学、そういった科学的な視点を持って取り組んで行きましょう。
そもそも地名都市名や専門用語が多く問われる科目ではありません。心を開いて、柔軟な思考を持ち、ゆっくりゆっくり考えていきましょう。センター試験を30分で解き終わっている人はいませんか。
せっかく60分という時間が与えられているのですから、じっくり落ち着いて思考を深めながら解いて行きましょう。そもそも地理は思考科目ですから、時間がかかって当たり前なのです。単なる一問一答式の暗記科目ではありません。柔軟な思考を持って、自由な考えを尊重し、論理的に考えて、そして最後は「地理の真理」へと到達するのです。考えるってとても大事だと思いませんか。地理はそうした思考力を養う科目でもあるのです。
新しく実施される共通テスト。すでに概要は発表され、試行試験も2回実施されています。しかし、そこでは共通テストとセンター試験との大きな違いは、少なくとも地理については見受けられません。むしろセンター地理で強調されている「思考力」については共通テストの試行試験においてさらに大きく取り上げられているような気がします。つまり共通テストは「センター地理よりさらにセンター地理的な試験である」というわけです。
ですので、共通テスト対策としてはセンター試験の学習法を踏襲していけば十分ということです。これまでに実施された過去20年以上のセンター試験の内容を踏まえて勉強していきましょう。
例えばセンター試験にはケッペンの気候区分はほとんど登場しません。あるいは難しい地名なども問われることはほぼありません。他の科目とは違って教科書の内容がさほど重視されませんし、地理学習の基本と思われている地図帳を用いた勉強法が、実は有効ではなかったりします。ポイントは2つです。それは「中学地理の完成」、そして徹底的な「過去問研究」です。
センター地理は高い思考力が必要とされる反面、知識の量と質についてはみなさんが思うほど多いものではなく、難しいものでもありません。高校地理の内容より、中学地理の内容を完璧にマスターすることを最優先に考えてください。基礎を固めるという意味合いもありますし、どうしても高校地理の学習では疎かになる日本地理の学習対策という意味合いもあります(センター試験では意外なほど日本地理が出題されていますよね)。実際、中学地理の知識をしっかり固めておけば、思考力さえ十分であるなら、センター試験で80点以上の高得点が狙える場合もあります。
具体的な勉強法としてはひたすら問題集を解いてください。教科書や参考書を漠然と読むのは効率が悪い勉強法です。問題に取組み、考えながら解き、そして知識を取り込むのです。とくにお勧めの問題集はありません。中学時代に使っていたもの、あるいは書店に行って新しく購入したもの、何でも構いません。知識に漏れがないように、複数の問題集(できれば3冊程度)を完成させるのがコツです。センター試験に直接出題されるような内容が問われているケースすらあります。中学地理の内容を固め、センター地理に取り組む強固な土台を築き上げてください。
さらに次の段階として過去問研究があります。先にも言っているようにセンター試験では教科書の内容や地図帳から得られる知識などは出題されにくいのです。では、そもそもセンター試験を作っている先生がたは何を基準に新しい問題を作り上げているのでしょう。センター過去問を本試験だけで構いませんから、さかのぼって10年分解いてみてください。必ずや気づくと思います。センター試験では、似たような内容が何度も繰り返し出題されているということに。つまりセンター作問者の先生がたは、多かれ少なかれセンター過去問を参考にして、その内容を反映させながら新しい問題を作っていると考えられるのです。
出題される範囲はある程度決まっており、出題のパターンも類似したものがいくつも見受けられます。登場する国名や都市名もある程度パターン化していますし、わざわざ地図帳を開くことなく、過去問にしっかり取り組んでおけば、そういった固有名詞も自然と頭に入るのです。極端に言えば、センター試験を丸ごと覚えてしまえば、必ずや来年のセンター試験でも高得点が狙えるのです。もちろんみなさんの場合は丸覚えまではできないと思いますが、それでも何回も繰り返し解くことによってセンター試験のエッセンスのようなものは次第に身に染みて理解できてくるはずです。過去問を少なくとも10年分以上、何回も繰り返して解き、センター試験の「正体」を掴むことを目標としてください。敵(センター試験)を知ること、これが勝利(受験突破)への秘訣なのです。
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