たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう

[地理総合・探究]2025年/本試験<第3問>解説

たつじんオリジナル解説[地理総合・探究]2025年/本試験

 

<[地理総合・探究]2025年/本試験・第3問問1解説>

 

[ファーストインプレッション]植生の問題と思いきや、気候の、そして地形の問題。マルチジャンルである点が最近の共通テストの傾向。

 

[解法]「植生の分布」を示した問題だが、グラフは「光合成」の活発度を表したもの。成長力が旺盛な地域でこそ光合成の量が大きいんじゃないかと予想。温暖多雨の地域で光合成の値が「高」となり、冷涼少雨の地域で「低」となる。例えば最も極端な動きを示している①に注目してみようか。最初の部分だけが「低」であり、それ以外のほとんどの地域では光合成は極めて活発に行われている。これ、おそらくDなんじゃないかな。南米大陸の西岸をアンデス山脈が沿う。高峻な地形で自然環境は厳しい。植物の生育には適さないので光合成はほとんど行われない。しかし、アンデス山脈は太平洋岸の一部にみられるだけであり、それを超えて仕舞えば内陸から東部地域は広く温暖で降水量の多い地域が広がる。熱帯雨林であったり草原であったり農耕地であったり。スタートの一部のみ「低」、他がほとんど「高」である①こそ南米を横断した際にみられる光合成の様子を示したものだろう。

このような急激な変化がおもしろいと思う。1=Dにおいては山地と低地の部分とで光合成量が圧倒的に異なり、ここに極端な段差が生じている。似たような段差があるものとして②がある。半分ほどは光合成が非常に盛んな地域であるのに対し、残る半分はほとんど光合成が行われない。極端な違いがあり、明確な段差が生じている。これもDと同様に地形による気候環境への影響と考えていいのではないか。これ、Bだと思うんですよね。南アジアの地形を考える。とくにBの南部はインド東部からバングラデシュにかけての地域。巨大な河川が流れ、それに沿う低地や三角州(バングラデシュが大河川三角州の国であることは他の問題でも話題にされていたね。被災者数が多いのだ)。モンスーンアジアで降水が多く、さらに気温も高い。植物は成長力が旺盛であり、光合成量も多いだろう。Bの南側は「高」である。

しかし、南アジアは北部が高峻な山岳地域である。ネパールや中国との国境にヒマラヤ山脈が聳え、それを超えると広大なチベット高原が展開している。同じく高峻な地形であり、険しい地形であることに加え、標高が高いことにより気温も低い。さらにインド洋からの湿った風が高い山脈に遮られ、この高原までは届かない。冷涼少雨の気候となり、植物の成長力は低い。森林はみられず主に草原となっている(チベット高原はホイットルセー農牧業区分の遊牧地域である。ヤクが放牧される一方で、穀物などの栽培は行われない)。北半分の地域の光合成の値は「低」と思われ、②がBとなる。

 

ではさらにAとCについて判定してみよう。ここはアンデス山脈やヒマラヤ山脈、チベット高原などの「段差」をもたらすような険しい山地地形はみられない。グラデーションを描きながら光合成の値は変化しているはずだ。グラフは③と④。これはわかりやすいんじゃないかな。③は黒丸側の「高」となり、④はその反対。白丸側で「高」となっている。AもCも低緯度であり気温は高いだろう。さらに高峻な山岳もみられない。ここは「降水量」で考えてしまっていいよね。多雨で植物の成長力が旺盛なところ、少雨で植物の成長力が弱いところ、これらを想像すればいい。

 

Aではスタート側(黒丸側)が熱帯の湿潤地域。ゴール側が内陸部でこちらは少雨地域。サハラ砂漠が広がっているね。③が該当するとみていいんじゃないか。一方のCはスタート側が内陸部でこちらは少雨の乾燥地域とみていいんじゃないかな。東部は湿潤地域であり光合成の量は大きくなるはず。④が該当するでしょう。

 

[アフターアクション]植生の問題と思いきや実は気候の問題であり、さらにいえば地形の問題でもある。地形によって気候環境がガラッと変わり、植物の成長の度合いにも大きな影響が与えられる。問題そのものはAを問う問題だったけれど、ヒマラヤ山脈・チベット高原、アンデス山脈の存在が非常に重要だったね。こうした複数ジャンル(マルチジャンル)、ジャンルなし(ジャンルレス)が近年の共通テストの傾向なのだ。

 

 

<[地理総合・探究]2025年/本試験・第3問問2解説>

 

[ファーストインプレッション]これは変な問題だ。偏見や先入観を捨て、冷静に図を読み取る。もちろん国名は関係なく、文章と図を対応させればいい。

 

[解法]図と文章を対応させる問題。図から考えると曖昧になってしまうので、文章から考えていこう。

F「固い岩盤が長い時間をかけて風化している」とある。これ、ちょっとピンと来ない?周囲が風化される中で固い岩盤だけが取り残されて特殊な景観となっている。そう、ウルルだよね。オーストラリア中央部にみられるエアーズロックという名称でも知られる巨大な一枚岩。周囲は侵食された平坦な地形が広がるが、侵食を免れた巨大な岩塊がそびえ立っている。図で判断すると、これアに該当しそうな感じがしない?周囲が平坦なのだが、中央部分だけが尖っている。この部分がオーストラリアでいうところのウルルであり、侵食から取り残された巨大な一枚岩。おそらく他の地域にも似たような地形はあるんだろうね。

H「プレート境界に近く、火山が多く存在する」とある。プレート境界ならばアフリカ大地溝帯のような巨大な断層がみられるはずだがどうだろう?それより「火山」が分かりやすいんじゃないかな。火山ならば山頂には火口があるはず。あるいは火口付近が大きく陥没(あるいは爆裂)したカルデラが確認できるだろう。イがちょっと怪しくないかな。右上に溝状の地形で大きな凹地がある。断層かどうかはわからないが、これを火口とみることは可能だろう。火口の周囲が大きく陥没(あるいは爆裂)し巨大な凹地が作られている。カルデラである。Hをイとしよう。残ったGがウとなる。これはよくわからない。

 

[アフターアクション]ウルルについての知識は必要なんだが、これは中学レベルの知識だよね。特別なものではないし、地図帳で位置を確認する必要もない。単に写真でウルルを見たことさえあれば(有名な地形だからそれは問題ないよね)、周囲の平坦な地形と合わせ上方から見た眺めを想像することは十分に可能。

あとは火山だけど、それはイとウの図を比較すれば自ずと見えてくるんじゃないかな。イの右上の凹地吐極めて特徴的な地形だと思う。

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