たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう
2005年地理B本試験[第1問]
自然環境に関する大問。オーソドックスな大問ではあるが、世界全体(問1・問2)、南アメリカ(問3)、アフリカ(問4・問5)、日本(問6・問7)と非常に広い範囲を話題としている点に特徴がある。また、問1では大地形、問2では鉱産資源、問3・問5では降水量、問6では小地形と、ジャンル別に区分しても非常に多彩である点がおもしろい。
問1・問2は簡単、問3・問4は難しい。それ以外は通常の難易度。2問ロスの可能性もある。
問1
[講評]何だ、こりゃ?簡単でしょ。っていうか、海嶺って海にあるんやからすぐにわかるやん。意味ないでしょ(笑)。だから実際には選択肢3つのうちから古期造山帯だけ当てる問題になってるんだよね。それにしても簡単だと思うなあ。第1問問1ってひねくれた問題が結構多いんだけど、今年に関してはどうってことなかったってことかな。
[解法]古期造山帯の最も代表的な山脈としてオーストラリア大陸東岸に沿うグレートディバイディング山脈がある。これに注目すればいいでしょう。
[関連問題]大地形は重要視されるジャンルでもなく、それでも例年1問ぐらいずつは出題されているわけだが、それにしても難易度は低く、本問はその典型例。
過去に出題された例をみていこう。
04B本第1問問5参照。これは難易度が高く、大地形の問題としては例外的。
04B追第1問問1選択肢①参照。「安定陸塊」という言葉が登場。典型的なものはシベリアやアフリカなど。しかし安定陸塊に関する知識がなくとも問題を解く際には関係ない。
03B追第1問問1参照。オーストラリア東部が古期造山帯である(変動帯ではない)ことがポイント。
03B追第3問問3参照。ウラル山脈、ヨーロッパ北部の山脈が古期造山帯であることがポイント。
03A追第1問問2参照。イタリアと韓国の地体構造(あ、地体構造っていうのは、大地形のことね。安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯)。イタリアはともかく韓国については難問なので参考にはならないが。
02B本第1問問1選択肢①参照。アイスランドがプレートの境界部であることが述べられている。
02B本第1問問5参照。アイスランドでの地熱発電。
02A追第1問問1参照。インド洋には海嶺が存在する。
01B追第1問問1選択肢①参照。「安定陸塊」「古期造山帯」、そして新期造山帯では「地震や火山」。
97B追第5問問2参照。新期造山帯の名称が問われている。ただし本問のようなパターンはこれ以降出題されていないので、考慮する必要はない。
[今後の学習]地体構造(大地形)については徹底的に勉強しようとすると時間も労力も足りずかなりしんどい。それなのにセンター試験では出題されにくいところなので、とくにマークする必要はないとは思う。
とりあえず今回の問題を拡大コピーでもしておいて、大地形ごとに色分けでもしてその位置を目で押さえておいてください。新期造山帯については、アルプスヒマラヤ造山帯(アフリカ北西端からインドネシアまで)と環太平洋造山帯(太平洋一周。ただしキューバも含んでいるので注意)、古期造山帯については、米国南東部、オーストラリア東部、アフリカ南東端、ヨーロッパ北部、ロシア中部など。
また解法や関連問題では触れなかったけれど、海溝の位置も非常によく出題されているので、海嶺と合わせて押さえておこう。
問2
[講評]鉱産資源ネタ。出題されるとしても難易度が低く恐れる必要はない点が問1の大地形ネタと重なるが、その大地形はほぼ例年出題されるのに対し、こちらのネタはあまり出題が見られない。
[解法]難易度は低い。オーストラリアに注目すればいいだろう。古期造山帯に沿って分布する資源は主に石炭であり(もちろん例外も多いが。詳しくは後述)、ゆえにイが石炭に該当。さらにここからは銅鉱の世界的な産出国としてチリに注目。南アメリカ大陸の太平洋岸にはアがみられ、これを銅鉱とする。
[関連問題]先にも述べているように鉱産資源に関する問題は少ない。とくにその分布地域が問われたものとしては、00本第2問問2ぐらいかな。
また銅鉱についてはチリに関する問題とも受け取れ、そう考えると04B本第1問問3問6問7、03B本第2問問7、04A本第1問問4などが関連問題となる。どうもチリはここ数年センター作問者から好まれる傾向があるようだ。
[今後の学習]出題例が少ないのでどうにも勉強しにくいものなのだが。ただし、石炭も鉄鉱石も銅鉱もいずれもメジャーなものであり、いまさらとくに対策を立てるほどのこともないと思う。とりあえず、本図を参考にそれぞれの分布域を整理しておこう。
石炭・・・オーストラリア東部、南アフリカ共和国南東部(ともに古期造山帯)
鉄鉱石・・・オーストラリア北西部、ブラジル北部(アマゾン川流域)、ブラジル南部(ブラジル高原)
銅鉱・・・チリ中部、アフリカ中央部(カッパーベルト。コンゴ民主南部からザンビアにかけての地域)
ちなみに問題文中に「ゴンドワナランド」とあり、問題を解く際には関係ないものの、過去にも出題されたことがある言葉であり、一応説明しておこう。
はるか数億年前、地球の陸地はほぼ一つの大陸に限られていた。これが「パンゲア」という古大陸。この古大陸は2つに分裂し、北側のものが「アンガラランド」、南側のものが「ゴンドワナランド」である。その後、アンガラランドは高緯度地方に移動し、現在ではシベリアの一部分となっている(図1においてもシベリアの広い範囲が安定陸塊となっているが、これがアンガラランド。地図では「シベリア中央高原」となっているかもしれない。よかったら確認しておこう。6億年以上前に形成された極めて古い地盤だ)。ゴンドワナランドはさらに分裂し、それぞれの断片は現在では、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、マダガスカル島、アラビア半島、インド半島、南極大陸、オーストラリア大陸などになっている。つまりこれら全てが「かつてゴンドワナランドを構成していた地域」となるのだ。
ゴンドワナランドについては00B本第2問問4選択肢①で登場。「アフリカ大陸とオーストラリア大陸の大部分」は「ゴンドワナランドの一部分」であった。
問3
[講評]え!パタゴニアが出題されているじゃないですか!?これってまさに前年度出題された問題そのまんまなのでは!いやぁ、昨年パタゴニアが出題された時には「こんなマイナーなネタ出すなよ~。無視じゃ、無視!」って感じやったのに、こういった形で出るんですなぁ。う~ん、そうやねんなあ、実はこんな風にある年度にマイナーなネタが出題された場合、翌年に同じネタが再度出題されるケースって少なくない。今回に関しても十分に予想できたはずなのに、あえて外してしまいました(反省)。「前科者には気を付けろ!」ってことか。
[解法]少雨気候の要因には4種類ある。それぞれ説明していこう。
(1)中緯度高圧帯の影響
赤道付近で上昇した空気が、南北両半球それぞれ緯度20~30度付近一帯で下降気流となり、上空から地表付近へと吹き降ろす。この帯を中緯度高圧帯といい、上昇気流の発生が抑えられるため雲が生じにくく、少雨気候となる。この緯度帯にはサハラ砂漠やアラビア半島、オーストラリア中央部など砂漠が多く形成されているが、これらは中緯度高圧帯によるもの。
(2)海から隔離されている
一般的に気温が低い高緯度地域では蒸発量が抑えられるため砂漠は形成されにくいのだが(注)、それでも中国のタクラマカン砂漠やモンゴルのゴビ砂漠など緯度が高い地域にも砂漠は存在する。これらは大陸の中央部にあり、山脈や高原などによって海から湿気を含んだ空気が届かないことによって少雨気候となるのだ。これを「隔海度が高い」といい、米国の西部の砂漠もこれが成因。
(注)蒸発量に比べ降水量が少ない状態を「乾燥」という。原則として乾燥地域では樹木は生育できない。ただし乾燥の度合があまり強くない状態ならば草は生え、これを「ステップ」という。乾燥の度合が激しく、草すら生えない状態を「砂漠」という。砂漠から「砂」をイメージするのは間違いで、草すら生えていない荒野を想像するのが正しい。砂漠とは地形を表す用語ではなく、植生を示す語である。
(3)寒流の影響
沿岸を寒流が流れている場合、少雨気候となりやすい。周囲の気温が高いのに、寒流が流れていることによって地表付近の空気が冷却され密度を増し、これがゆえに大気が安定し、上昇気流が発生しないために、雲が生じず雨も降らない。暑い日にクーラーをかけたものの、冷気が足元に集まってしまい、上の方は気温が下がらないような状態を考えればいい。「下が重い」バランスであるので、大気は対流しにくい。
このことが成因となって形成された少雨地域には、アフリカ北西部(サハラ砂漠西岸)、アフリカ南西部(ナミビア沿岸。ナミブ砂漠)、メキシコ太平洋岸(カリフォルニア半島)、南アメリカ北西岸(チリ北部からペルー、エクアドルにかけて)。それぞれ、カナリア海流、ベンゲラ海流、カリフォルニア海流、ペルー海流が沿岸を流れている。
ポイントはこれらの地域が、中緯度から低緯度にかけて分布していて、決して高緯度ではないということだ。このカラクリがわかるかな。それは簡単で、このような少雨地域が形成されるための絶対条件として「周囲の気温が高いこと」が挙げられるからだ。例えば、クーラーから出る冷たい空気と部屋の中の気温が同じだったらどうなる?それって全く意味がないでしょ?当たり前の話だ。寒いところ(つまり高緯度地域)を流れている寒流っていうのは、これと全く意味が同じなのだ。寒流は暖かいところを流れていてこそ、存在感がある!
(4)恒常風の風下斜面
日本を考えてみようか。夏は南東から季節風が吹くので日本海側は少雨となる。逆に北東から風が吹く冬には太平洋側で雨が少ない。このシステムは理解できるよね。湿った風が山脈にぶつかることによって風上斜面側は降水が多くなり、風下斜面側では少雨となる。日本は季節によって風向が変わる季節風の影響が強い国なので季節によって多雨地域や少雨地域が入れ替わるのだ。
でも考えてほしい。年中一定方向から風を受けているところならば、一年中多雨な地域ができる代わりに、一年中雨が少ないところもできてしまうではないか。
この一定方向に吹き続ける風のことを恒常風といい、偏西風や貿易風などがある。代表的な例はイギリス。偏西風の風上斜面に当たるペニン山脈西麓のランカシャー地方は年中多雨で、これにより綿工業が栄えたことは有名(綿は空気が湿っていた方が切れにくい)。逆に風下斜面となる東麓のヨークシャー地方は少雨で、羊が放牧されている。ニュージーランドも西岸で多雨、東岸で少雨となっており、これも同じく偏西風の影響。貿易風の影響で多雨地域と少雨地域が明確になっているのはマダガスカル。アフリカ南東部に浮かぶ島だが、貿易風の風上斜面の東部でとくに多雨となっており熱帯気候が見られる。同じく風下斜面である西部では少雨となり、さらにここは緯度が低いことから気温が高く「降水量<蒸発量」のバランスとなっているので、草原や砂漠など乾燥地域が広がっている。マダガスカルは生物の種類が多様な島であるのだが、それはこのように地域によって気候の違いが大きいからだ。
さあ、以上のことが頭に入っただろうか。ちなみにこれらのことが理由となって砂漠が形成された場合には、それぞれ「中緯度砂漠」「内陸砂漠」「海岸冷涼砂漠」「地形性砂漠」というので知っておくといい。
それではこのことを応用しながら問題を解いていこう。
Nに注目。まずN1であるが、降水量はどうだろうか。緯度から考えて気温は冷涼と思われる(緯度40度というのは日本ならば東北地方ぐらい)。沿岸を寒流が流れているはずだが、その影響は大きくないだろう。もともと気温が低く、さらに地表付近がやや冷やされる程度。さらに同じく緯度から考えて、この緯度帯は偏西風帯に当たるはず。つまり年中、西からの風を受け続けているというわけだ。アンデス山脈がこの背後を南北に縦断していることを考えたら、風上斜面に当たるN1付近は多雨気候がみられるはずである。
一方、反対側のN3~5に注目。N2付近をアンデス山脈が通過しているのだから、こちらは偏西風の風下斜面側に当たる。太平洋からもたらされるはずの水分が風上斜面側で雨となって使い果たされてしまっているので、こちらには乾いた風が吹き降ろすこととなる。大気が水分をほとんど含まないのだから、少雨気候となるはずだ。
以上より、正解は④となる。
他の選択肢について。M1に注目。ここは寒流のはたらきによって少雨となっている(N1に比べれば気温は高いのだから、その分だけ寒流による大気の安定化作用も顕著)ことに加え、緯度的に考えて中緯度高圧帯の影響も強いはずだ。いわばダブルの少雨効果により、世界で最も乾燥した大地の一つであるアタカマ砂漠が形成されることとなる。このことからMは1地点の降水の極端に少ない③が該当。
KとLについては判定しにくい。Lが②だろうか。エクアドルの沿岸部も寒流の強い作用によって降水量は比較的少ない。それに対しアマゾン内陸部は多雨である。残ったKが①か。全体的に降水は多め。寒流の影響などはもちろんない。
[関連問題]講評の部分で述べているように、前年に同じネタでの出題がある。04B第1問問4参照。Cの地域がパタゴニアで乾燥地域。しかし、パタゴニアの出題も珍しく、さらにハイサーグラフも珍しく、だからこんな問題どうせ捨て問だろって思ってたもんな~。まさかこれが伏線になって同じ内容が問われるなんて思わなかったよ(涙)。
また99B本第4問図1に世界の乾燥地域の分布が示されているので参考にするといい。ウやエは中緯度砂漠、アは内陸砂漠、イは海岸冷涼砂漠、選択肢にはないがパタゴニアやマダガスカル西部は地形性砂漠。また同じく問2ではリマの気候グラフも問われている(リマの気候グラフは他にも出題例があるが、ここでは省略)。
[今後の学習]
考えなさい。覚えるからアカンねん。考えて、どうしてそこにそういう気候が生じるのか説明できるようにしなさい。「考えた方がおもしろい」とか「暗記するだけの勉強は意味がない」とか、今さらそんなダサいことは言いたくない。そんなこと全く関係なく、センター地理で明らかに思考力が試されているのだから、受験者である君たちはやっぱり思考力を鍛えて、それで勝負するしかないんだよ。
今回、実は多浪生の連中でこの問題の正解率がとくに低かった。やみくもに「南アメリカ大陸西岸は乾燥地域」っていう風に覚えていて、それを使って解いてしまったんだ。頭が固くなってるんだよ。地理っていう科目を思考試験だととらえていないってことだ。
そもそもそんな連中は「乾燥」の意味だって知らないよ。何度もいうけれど、乾燥っていうのは蒸発量より降水量の方が少ない状態のこと。だから基本的に冷涼な地域には乾燥気候は生まれにくいし(日本だって「冬は乾燥する」っていうけれど、そんなことはないよ。気温が低い分だけ蒸発が抑えられるのだから、やっぱり降水の方が多いのだ)、とくに寒流が成因である少雨地域については、周囲との温度差が重要となるのだから、気温そしてそれを決定付ける緯度という要素は極めて重要なファクターになるのだ。N1の地点っていうのは緯度から考えてみて、もともと気温が低いわけで、そこを寒流が流れていてもさほど大気の状態に影響はない。
しかし、そういう観点からすると、N5地点っていうのはすごいね。気温が低いのにそれでもここは砂漠になってるんだよ。ホント、降水量が少ないんだろうな~。それに海の近くだっていうのに、その影響はない。どれだけ偏西風の影響が強く、どれだけアンデス山脈によって太平洋から運ばれるはずの水分が妨げられてしまっているか、想像できるってもの。ここは一年中、乾いた西風が吹きさらす荒野なんだろうね。
問4
[講評] ちょっと今までと傾向が違うんだ、この問題。難しいよ。通常の問題ならば、「チャド湖」という固有名詞が与えられた場合、それが「乾燥地域に存在する湖沼」の一つの例として一般化してから考えるという手順を踏むはず。しかしこの問題ではそうではなく、あくまで「チャド湖」限定の問題としてとらえなくてはいけない。その辺りがどうもちょっと困惑する部分なんだよなぁ(嘆息)。
[解法] この問題では「乾燥地域の湖沼一般についていえること」ではなく「チャド湖」限定でその事象について答えなくてはいけない。意味わかるかな。例えば本年度の問題で言えば、第4問問3選択肢②を参照してほしいんだけど、この「食料不足」や「飢餓」っていうのはエチオピア限定のことではなく、アフリカで一般的(ちょっと偏見が入ってるかもしれないけれど、他の大陸に比べればアフリカでこの傾向が強いのは明らかだよね)にいえる現象なわけだ。だからこの問題においては、固有名詞としての「エチオピア」ではなく、むしろ「アフリカに属する一つの国」と読み替えてから考えることが大事になってくる。
さて、ひるがえって本問であるが、ここではそういったパターンではない。あくまで「チャド湖」にこだわるべきなのだ。このことを頭に入れておかないと正解がおぼつかない。でも、しかし、そう、これはやっぱりセンター試験の傾向からすると特殊なことなんだよ。センター試験に習熟した者ならばむしろそうは考えないよね。図4におけるチャド湖の位置から(サハラ砂漠に近いよね)「チャド湖=乾燥地域の湖沼」と変換して、それから考えてしまう。
だから僕は思うんだが、ここで選択肢④を選んで間違えたならばそれは仕方ないよ。だって、やっぱり乾燥地域の湖沼といえば「アラル海」が有名でしょ?アラル海でやってんねんから、チャド湖の周辺でも灌漑が進められていてもおかしくないって考えるよね(涙)。
いや、でもねえ、実はやっぱりそれでは考えが甘いんだ。より深く思考していけば、④が誤りであることに気付く。いいかい、君たちはアラル海の事例があるから、同様のことがチャド湖でもなされていると考えて④を正解にしたのかもしれない。でも、ちょっと待てよ。果たして④のようなことがアラル海で行われているか。
先にアラル海についてまとめておこうか。この湖(海とあるけれどれっきとした湖だよ)は中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンの国境に位置するのだが、海への出口を持たない内陸湖である。つまりこの湖へと注ぎ込む河川がもたらす流水と、湖面から蒸発する水分とのバランスがイーブンであるからこそ、湖水の量(そして湖の面積)が一定に保たれているわけだ。
ただし、当時のソ連って国はやっぱり恐ろしいね。「自然改造計画」の号令のもとに大胆な開発を進めてしまい、ウズベキスタンを大規模な綿花生産国へと転換してしまった。農業用水はアラル海に注ぎ込むアムダリア川などからの灌漑によって確保したのだが、このように人間が自然を変えてしまえばどのようなデメリットが起きるか、当時のソ連の人々は想像できなかったのだろうか。本来アラル海に注ぎ込むはずの河川水が、灌漑用水として周囲に開かれた綿花畑へと散水されることになり、終点である湖まで達しない。蒸発作用は相変わらず活発なのだから、流入する水分と蒸発して失われる水分とのバランスは乱れ、彼らは綿花の生産と引き換えに豊かな湖を失うことになってしまうのだ。
このウズベキスタンやアラル海に関する問題はセンターでもしばしば問われているので、君たちも知っているだろう(具体的な出題年次などは関連問題の項で)。史上最悪の環境破壊の一つとして数え上げられているほどなのだから。
で、これでアラル海についての説明は終わったので、このことが決して選択肢④とは合致していないことに気付くかな、君たちは。いや、っていうかそもそもこの④は選択肢そのものに矛盾があるんだよ。わかるかな。さあ、どこから取水してるのだ!?
ほら、おかしいよね。④には「湖から取水」とある。アラル海において湖から取水したらどうなる?アラル海は先にも述べたように内陸湖であり、そういった湖は蒸発作用のさかんな乾燥地域に位置しているわけだ。そういった湖の湖水は必ず塩分濃度が高くなる。いわゆる「塩湖」というものだ。北米大陸にはその名もずばりグレートソルト湖なんて湖もあるし、そもそも世界最大の湖沼であるカスピ海も塩湖。西アジアの死海は、塩分濃度が極端に高く生物が住めない湖として有名だろう。
ここまで言えばわかったよね。アラル海は湖ではなく、そこに注ぎ込む河川から取水しているのだ。決して湖水ではない。まさか塩水を農業用水として使用することはできないだろう。この時点で、選択肢④は全くの大嘘として消してしまっていい!
以上の点より正解は③となる。え、①や②はどうだって?おっと、言い忘れていたけれども、この問題はたしかに正解率が極端に低かったんだが、そのほとんど全員が④を解答してしまって誤っている。つまり明らかに出題者側の意図として④が「引っかけ選択肢」として用意されていたってことなのだ。だから④が違っていることさえキチンと説明してしまえば、本問の解説は終わりっていうこと。君もそうなんじゃない?③か④かで迷って、それで④を答えにしてしまったんでしょ?アラル海の例があるからって言って。え、①や②を答えとしたって?マジで?う~ん、それはどうしよう。。。ま、スルーっていうことで(笑)。
[関連問題] チャド湖については過去に出題例がある。99B本第4問問6選択肢①参照。「チャドの国境付近では、砂漠化の進行に伴い1970年代以降、内陸湖の面積が大幅に縮小した」とある。この内陸湖こそもちろんチャド湖のこと。サハラ砂漠の南縁に沿うサヘルステップに位置する湖であり、チャドやナイジェリアなどの国境湖沼ともなっている。ただしここでは、砂漠化による周辺の降水量変化によって湖水が減少していることについては説明されておらず、そういった意味では本問への応用は利かなかったかもしれない。また99B追第1問問1に登場しているシャリ川はチャド湖に注ぐ内陸河川(外海に出口を持たない湖つまり内陸湖に注ぐ河川を内陸河川という)であるが、これも本問とは関係ないかな。
これ以外の湖面縮小ネタはアラル海に限定されている。代表的なものとして03B追第3問問4を参照しておいてほしい(無責任?まぁ許せ・笑)。
[今後の学習] 平均点が高かった今回のセンター試験の中では例外的な難問だと思うし、実際に正解率も低かった。だから、まぁ思い切って捨て問としてしまい、他でガッチリと得点を稼いだらそれで良かったんじゃないかとも思えるわけで、あまり気にしないでいいね(笑)。
ただ、講評の部分でも述べているけれど、今までの問題とややテイストが異なっているのが妙に心に引っかかるんだよね~。問題解く時に、まずチャド湖の位置を確認するでしょ?そうしたらこれがサハラ砂漠に近い場所にある(厳密にはサヘル地帯だけれども)ことがわかり「なるほど乾燥地域の湖として一般的に言えることについて解答すればいいんだ」って思うわけだよね。それで、過去問でも何回も登場してきているアラル海のことを思い浮かべて「あぁそうや、アラル海といえば灌漑や」ってな感じで、素直に④を選択してしまう。
この思考方法はすごくスムーズで正しいものだと思う。でも今回に関してはそうじゃなかった。今回はこんな感じで思考を進めないといけなかったのだ。
地図でチャド湖の位置を確認。サハラ砂漠のやや南側なので、この湖がサヘル地帯に位置することを理解する。で、ここからはむしろ主役はサヘル地帯となる。そう、サヘル地帯といえば砂漠化だよね。自然的な環境変化に加え、過放牧や薪炭材の過剰な伐採など人為的な作用によって植生が失われ、すなわち砂漠化が顕著に進行している。砂漠化ということは植物がなくなってしまうということで、例えば植物が存在することによりその体内には水分が多少は蓄えられていただろうし、あるいは樹木があればそれが木陰を作り、そこでは太陽が直接差し込まないために水分蒸発が抑えられ、地下水が涵養(かんよう。養うこと)されることもあっただろう。しかし見渡す限り土と岩がむき出しになった荒地で、そんな植物のもたらす恵みなど期待できるはずもない。地域全体が有する水分の量も次第に減っていき、もちろん大気もさらに乾き切ったものとなり、雲さえ生じにくく、ほとんど雨も降らない。そういった地獄のような状況の中で、「湖へ流入する水の量が減少し、湖の水位が低下」することは十分二考えられるのではないか。
つまりこれは「チャド湖」の問題なのではなく、「サヘル地帯の砂漠化」そのものに関する問題だったわけだ。
湿潤な日本では砂漠化というものは実にイメージしにくい。砂漠化とは乾燥地域特有の事例であるからだ。しかし時に想像してみてほしい。例えば公園で夏の暑い日、大樹の木陰で涼を取りながら「もしこの木が無くなってしまったらどうなるのだろう?」と。樹木が蓄えている水分が失われ、樹木が木陰を作ることによって保たれていた湿気もなくなってしまうのだ。大地を緑というじゅうたんで覆いつくすことの大切さを我々は常に考えておくべきだろう。
問5
[講評] いや、マジでビックリしたよ!?ケッペンの気候区分やん!でも数秒見ただけでそれが苦笑に変わる。だってケッペンの気候区分なんて問題解くのに全然関係ない。むしろケッペンの気候区分にとらわれた人がバカを見るよね。だって降水量と河川の流れを結びつけて考えれば一発やねんから(笑)。
[解法] とりあえず赤道の位置を確認しておこうか。アフリカの胴体を横切るわけだから、コンゴ川の河口ぐらいか。これによりコンゴ川流域が熱帯の雨林地帯であることが想像できる。年間を通し太陽からの日射量が大きく、それゆえに気温が高く上昇気流の作用も活発(赤道低圧帯)であり、降水量もとりわけ多い。このことから「年流出高」の多い(注)カをコンゴ川と考えていいだろう。
さて次は年流出高の少ないクに注目してみよう。ニジェール川とザンベジ川、果たしてどちらがそうなのだろうか。
しかしこれについては案外と簡単に答えが出るんじゃない?アフリカ大陸最大(というか世界最大)のサハラ砂漠を知らない人はいないと思う。さらにその南縁に沿う草原地帯であるサヘル地帯についてもある程度の知識はあるだろう。まさにニジェール川の最も北側に湾曲した部分(「ニジェール川」と記されている辺り)などはサハラ砂漠やサヘル地帯に相当するエリアを通過しているのではないか。このことから全体を平均した降水量は少なくなると見なし、クをニジェール川と考える。そもそもニジェール川は外来河川(乾燥地域を流れる河川)の代表例であり、かなり有名。
(注)年流出高については「1年間の河川総流出量を流域面積で除し、水深に換算したもの」とある。よくわからないデータだが(笑)、とりあえず河川総流出量っていうのはその地域全体に降った雨の総量とほとんどイコールだろうし、それを面積で割るわけだから、つまり「面積当たりの降水量」ってことになるよね。「面積当たり」って言い方がややこしければ、「ある地点」における降水量と言ってもいいかもしれない。ようするに、ニジェール川沿いのある地点、コンゴ川沿いのある地点、ザンベジ川沿いのある地点で、それぞれ降水量を測って比べれば、ニジェール川沿いが最も雨が少なく、コンゴ川沿いが最も雨が多いっていうこと。ま、ホントによくわけのわからないデータではあるけれど、そんな時は最もシンプルに(つまり「年流出高=雨の多さ」)と考えてしまえばいいってことだよ(笑)。
[関連問題] 河川流量に関する問題はしばしば出題されている。
99B追第1問問1参照。単純に降水量の多い地域を流れる河川(例えばアマゾン川)は流量が多く、乾燥地域を流れる河川(例えばコロラド川)は流量が少ないということを理解しておけばいい。
ニジェール川については、近年は出題例がない。92本第5問問1で登場している程度。ちなみに同問ではザイール川(コンゴ川のこと)やザンベジ川も名前だけ登場。
コンゴ川の特徴は河口付近に急流があること。これはアフリカ大陸が台地状の地形をしているからだが、このことが出題されたのは03A本第1問問2選択肢④。このHルートというのはコンゴ川から外れてはいるが、「海岸の近くに急な斜面」が存在することはアフリカ大陸の大きな特徴の一つであり、それが顕著に現れているのがまさにコンゴ川の河口付近なので、チェックしておくべきだろう。
ケッペンの気候区分は97年度に地理Bという科目が始まって以来、初めての登場!もちろん地理Aでも、本試験でも追試験でも見当たらない。っていうかその前の旧課程までさかのぼっても、96年と95年には存在せず、94年まで戻ってようやく見受けられる程度。つまり今回実に10年以上ぶりにセンター試験の問題用紙に姿を表したことになる!その時、君たちは何歳だったんだ?
[今後の対策] ようするにケッペンの気候区分についてどうすりゃいいかってことだよね。たしかに来年からの新課程ではケッペン気候区分が取り上げられる可能性が高いと思う。でも、あえて無視しよう。だって今年の出題パターンを見る限り、別に知らなくても解けるやん(笑)。それに実際にどんなパターンで出題されるのかはっきりと見えてこない。それなのに闇雲に勉強するのはマイナスにしかならない。来年はっきりと出題されてしまった場合には最悪「捨て問」にするしかないんだけれども、だからといって詰め込みの暗記学習をするか?気候区分っていうのは地理を学習する生徒が最も嫌がる部分だもの。そんなところを勉強しなあかんっていう強迫観念よりも、開き直って「何とかなるさ」っていう気持ちで取り組んだ方がよっぽどプラスになるよ。
それでもやはり不安だって?それなら一つ例を教えよう。僕とある生徒との会話。この生徒はすごくできる男。地理に関してはかなりの実力者。ただしこのエピソードについては本人の了承は取っていないので、ちょっとまずいんだが、まぁいいでしょ(笑)。
生徒「先生、ケッペンの気候区分出ましたよ」
僕(まだ問題見てませんでした)「マジかよ~」
生徒「でも僕はできましたよ。Cwを手がかりにしたんです」
僕「え、何だって?Cwってかなり特殊な気候区やで。私大でも問われへんぐらい」
生徒「そんなことないでしょ。ケープタウンの地中海性気候は有名ですよ」
僕「ちょっと待てや。地中海性気候はCsやで」
生徒「そうなんですか。いや、僕はてっきりCwかと。あ、いや、南半球は季節が反対になるから北半球はCsでも南半球の地球会性気候はCwで表すんじゃないですか」
僕「いやいや、何を言うてんねん。sっていうのは夏の意味で、夏に中緯度高圧帯の影響によって乾季になるからCs気候って言うねんで。北半球は7月を中心とした時期、南半球は1月を中心とした時期やけれども、同じ夏には変わらへんやん」
以下はうんぬんかんぬん(っていうか後で問題見たらケープタウンなんて全然関係ないやんけ・笑)。
ちゅうわけで、かなり地理の理解度が高い生徒であってもケッペンの気候区分については誤解が多い。よっぽど時間と労力を使って習熟しないと理解には遠いし、それをテストで使いこなすなんてことはまず不可能。どうだろうか?浪人生活という短い期間の中で、しかも理系で地理に時間なんて避けない状況の中で、君たちはこんな徒労をするのか。僕は「捨てて」しまっていいと思う。そういった割り切りも必要なのだよ。不器用にセコセコ勉強するなんてダサいやんか。要領かましてスマートに行こうぜ。
問6
[講評] いきなり日本じゃないですか!?っていうか日本っていうより小地形の問題だな、こりゃ。全体のバランスを取るためにここに入れたってことなのかな。問題そのものはある単語に気付けば即答できる。間違い探しのレベル(でもそれゆえに難しいのかもしれないが。。。)
[解法]シンプル。とにかく注目すべきは「粘土」という言葉。これは過去にも出題例があるが、たいへん目の細かい土砂のことで、同義語は「泥」。かなり河川の下流域まで流され、例えば三角州などではこの泥・粘土によって地形が形成されている。しかし扇状地は山地から平野に河川が出て来たばかりの場所で、流水が土砂を押し流す作用はまだ強い。このような場所に堆積するのは礫(レキ。小石のこと)や目の粗い砂利などである。
[関連問題] そのものズバリの元ネタは94本第2問問2。扇状地は礫など目の大きな土砂による堆積地形であり、粘土はキーワードにならない。さらに94本第2問問5も参照してほしい。これは河川の中下流部に広がる地形であるが、こういった場所ならば、砂や泥なども堆積している。
さらに他の選択肢についても。
選択肢①;天井川についていくつか出題例がある。94本第2問問3参照。天井川は河床が周囲より高くなってしまった河川のことであるが、これは主に人為的な原因、具体的には堤防を建設することによって形成される。洪水を防ぐために堤防を造るのだが、その堤防に囲まれた部分にさらに土砂が堆積してしまい、結果として河床の持ち上がった流れとなってしまうのだ。それにしてもおもしろいうのが、この94年の問題における「人間が住居や耕地を洪水から守るために、堤防を高くしてきた」と、本問の「氾濫から住居や耕地を守るために堤防を高くした」という部分の類似性はほとんどパクリ!いかにセンター出題者が過去問から引用して問題を作っているかがわかる。
さらに天井川については、97B本第4問問6選択肢④、97B追第4問問6選択肢④などがある。
選択肢②;先にも挙げた94本第2問問2が重要だと思う。また04B追第1問問4も参照してほしい。上流側のTが礫だらけであるのに対し、下流側のUでは砂の目が細かい。
選択肢③;ため池がはっきりと確認できるのは97B本第4問問7図2。「灌漑用水路の整備」によって水田が開かれた例といえるだろう。
選択肢④;扇状地の扇央は水はけが良く、河川水が伏流してしまい、地表面には水が流れない(水無し川)。94本第2問図1では、井田川の流れが点々で表されている。97B本第4問図2では、M川の流れが点線となっている。いずれも水無し川。また、91追第1問問4図3でも、桂川の流れは石原付近で点線となっており、これも水無し川。
さらに、扇端の湧水帯について出題されているのが、00A本第2問問2。「扇状地の湧水」が利用できるのは扇端。
[今後の学習] 扇状地が地形図問題ではなく、文章正誤問題として出題されたという点において珍しい。ただし通常の文章正誤問題と解き方は共通しており、とにかくキーワードを探すことが重要。もちろんここでは「粘土」がキーワードになるのはいうまでもない。粘土という言葉は過去にも出題例があるので、知っていて当然だったと思う。じっくり読んで言葉を探せ。
さらにポイントとしては、地形図問題はとくに古い問題であってもしっかり解いておくことが重要。今回も94年に取り上げられた「粘土」という言葉がカギだったわけで、古い問題を研究していなかったとすれば解きようがない。もっとも、そんな古い問題なんてやってられるわけない!という意見もあるだろう。それは当然なのだが、しかし地形図問題に関しては、一通り手に入るだけの問題は(赤本にかなり古い年次まで掲載されているはずだ)消化しておいてもらえないだろうか。問題数も限られているのでたいした負担にはならないと思う。また、地形図問題は「目を鍛える」ことも大切で、そのためには練習として数多くの問題に当たる必要が生じる。そういった時に古い時代のセンター過去問を有効に使ってほしいのだ。「地形図問題は、古いものまで数多くやりなさい」。
問7
[講評] どうも今回のセンター試験は選択肢があいまいになっているところが多いような気がするんだが、これなんかまさにその典型。意外と間違えた人が多かったと思う。
[解法] ①これなんかまさにその通り。火山爆発が一旦落ち着いたとしてもまだ用心しないといけない。とくに雨などが降って地盤が緩んだりしたらもう大変!二次災害の可能性も一気に高まる。
②おおよそ北緯40度の緯度帯に位置する日本列島の上空には偏西風が通常は吹いており、さまざまな事象がこの影響を受けている。例えば移動性高気圧や低気圧の進路は必ず西から東だが、これは偏西風に押し流されているから。日本から太平洋を越え米国に向かう航空機は、往路よりも復路の方がより時間がかかる。偏西風が追い風になる往路に比べ、復路では向かい風となるからだ。これらのことを考えれば、日本列島で火山が噴火した場合、その噴出物(火山灰など)は火山の西側に堆積することになるだろう。例えば桜島の噴出物は大隈半島の方向に、富士山の噴出物は関東平野に、それぞれ厚く堆積する。もちろん文中の「上空に吹く風」というのは偏西風のこと。
③これがよくわからない。でも「義務づけられている」っていうのが不自然なんだよなあ。だって「火山地域にある国立公園」ってものすごく範囲広いよ。当然、人も住んでいるだろうし、町もある。例えば屋久島って国立公園なんだけれど、この島の中央には宮之浦岳っていうのは火山なわけだ。でも屋久島は無人島じゃないし、たくさんの人が普通の暮らしをしているよね。どうなんだろう?この文にあるような極端な取り決めが行われているとは思えないのだが。
④これも悩むよね。そもそも温泉や地熱以前に火山灰に覆われた土壌っていうのは野菜や果樹栽培に適するのだろうか。例えば鹿児島のシラス台地を考えてみるけれど(シラスっていうのは桜島から噴出された火山灰による土壌のことだよね)、サツマイモの栽培やそれを飼料とした家畜飼育は有名だけれども、野菜や果樹ってどうかなあ。それに「促成栽培」ってあるけれど、野菜ならば温室(ビニールハウス)を用いて栽培環境の調節をしてしまうわけだし、ちょっと待てよ!果樹の促成栽培なんていうのがあるのか!?って考えてみると、どうもそんなの聞いたことないような。ちゅうわけで、実にあいまいですが、この選択肢も誤文ってことでいいんじゃないかな。
以上より①が正解になる。あいまいではあるのだが。。。
[関連問題] 本問があいまいで決め手に欠ける最大の要因は、過去問に類似したものがないこと。つまり「元ネタ」がないわけだ。これはツライなあ(涙)。火山に関する問題は少なくないのだが、それでも③や④に関するような話題は今までに登場していません。
[今後の学習] とくに言うことないや。こういった問題はファーストインプレッションで解きましょう。とにかくじっくりと問題を読み、そして考える。そこで得られた印象から素直に解答をマークすればいい。おそらくね~この手の問題って後から見直しすると迷うよ。最初の印象でせっかく①をマークしたのに、見直すことによって③なんかに書き直してしまうのだ。そういうことってよくあるでしょ?君たちの心理として、後から見直しすべきだ、っていうのがあるかもしれないけれど、それは往々にして過ちの原因となりうる。その場その場で死力を振り絞って考え、そこでマークした解答はもう変えてはいけないのだよ。これもそういう問題なんじゃないかと思う。一期一会の精神を大切に、ていねいに解いてくださいね。
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