たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう

2025年旧地理B[追試験]第5問解説

<2025年旧地理B第5問問1>



正解;②


一般的なパターンとして気温の等値線は緯度に平行する。低緯度で高く、高緯度で低くなる傾向がある。もちろん太陽からの受熱量が緯度によって異なるから。

AとBを比較し、等値線が「横向き」(緯度に平行)になっているのはどちらだろうか?そこまではっきりとした横向きになっているわけではないが、あえて言えばアの等値線の方が緯度に平行する向きに引かれているとみていいんじゃないかな。こちらが気温。

さらに、気温は(北半球ならば)北で低く南で高い。大きい(高い)値はイの方。



<2025年旧地理B第5問問2>



正解;①


普通はこういった問題ならば3つ選択肢があった場合、第1次産業・第2次産業・第3次産業と区分けされるのだが、本問は第2次産業が一つ(製造業)、第1次産業が二つ(農業・林業)となっており、判定が難しい。

製造業については一般に所得水準が高く、労働力も豊富な地域を考えればいいだろう。和歌山県の場合県都の和歌山市が最大の都市と思われ製造業も集まっていると考えられる。和歌山市の位置は図1から読み取れる。和歌山市の値が大きいカが「製造業」。

農業と林業の判定は地形に頼ればいいだろう。農業については水田や畑をイメージすればよく平野に集まっているだろう。とくに水田については河川沿いの沖積低地(氾濫原など)。

一方の林業は森林分布と対応すると考える。日本の場合、とくに山地斜面が森林に覆われている。

図1を参照すると和歌山県の場合、北部に平野が集まっており、農業が盛んに行われているのではないか(なお、この帯状の低地は紀ノ川沿いの沖積低地。奈良県から西に向かって流れている)。とくに水田が広く開かれていることが想像できるね。この地域の値が高いキが「農業」。

残ったクが「林業」。図1よりほとんどが山地であるエリアで値が高くなっている。山地が森林に覆われているのだろう。



<2025年旧地理B第5問問3>


正解;④


先に選択肢の文章を読もう。誤文判定問題なので誤っている(誤っていそう)なものを一つだけピックアップすればいい。選択肢1や2のように数字に関する内容を述べているものは誤り選択肢になりえるものではある。一方で選択肢3のような曖昧な文章は誤り選択肢にはなりにくい。おそらくこれは正文でしょう。おっと、選択肢4は怪しいね!「市場でいずれの~高値」とある。これはすぐに統計で確認できるはず。


では3は正文(だから答えではない)と決めつけて、①②④を検討しよう。まず①だがこれは最初の「和歌山県における農業産出額構成割合」を見ればいい。果実は68%に達し、3分の2を占めている。正文とみていいんじゃないかな。もっとも「全国に比べてその割合が高い」については判定できないんじゃない?これに関するデータはない。とはいえ、果実、野菜、米、畜産の4つの指標があるなかで全国平均でも果実が飛び抜けて生産額が多いとは思えないよね。米の価格は安いから微妙だけど、野菜や畜産物など値段の高い農産物の方が割合は高いんじゃないかな、日本全体を考えてみると。


さらに②について。これは左下の「ミカン栽培面積の全国に占める割合」を参照すればいい。和歌山県の値は1975年には8程度だったが、2020年には20近くに上昇している。全国に占める割合が2倍以上向上したとみていいだろう。全国のミカン畑の5分の1が和歌山県に集中しているなんて驚きだね。正文。

ただ、この選択肢はまだ続きがあって、右上のグラフも見てほしい。「和歌山県におけるミカン栽培面積の推移」だが、1975年から2020年にかけてその面積は大きく減じられている。1975年で12千ヘクタール、2020年で8千ヘクタール。実数としてのミカン畑の面積は縮小しているのに、全国に占める割合は高まっている。つまり日本全体で考えれば、和歌山県をはるかに超える低下率でミカン畑が減少しているのだ。よかったら1975年と2020年の全国のミカン畑の面積も計算してみよう。


最後に④。これは最後の「全国の卸売市場における産地別のミカンの単価」を確認。10月は静岡県が最も高く次いで和歌山県。11月は愛媛県が最も高く次が和歌山県。12月も同じく愛媛県、和歌山県の順。このように変化する理由はよくわからないけれど、和歌山県産ミカンが「市場でいずれの産地より高音」で取引されているわけでjはないよね。これが誤りで正解。



<2025年旧地理B第5問問4>


正解;③


ちょっと変わった問題。かなり手こずった。君たちも時間をとってゆっくり考えて欲しい。一旦答えを出した後でも、本当にそれが正しいのか繰り返し検証すること。


サから。「石碑」があることがヒントになっているね。「江戸時代」に「避難先」となっている。現代のような土木技術がなかった江戸時代には埋立地や堤防など人工の地形は存在しなかったはずで、天然の地形のみだった。低地と山地がそこに広がるだけだろう。この時代に津波の被害を避けられる場所は標高の高いところであるはず。これはKが該当するんじゃないかな。等高線がみられ小高い地形となっていることがわかる。石碑のような地図記号もあるよね。なお「神社」の地図記号がみられないのだが、これは「K」の四角の下に隠されてしまっているのかな。


シについて。こちらも「石碑」がカギになっているね。「津波襲来後」なのでサの時期より新しい。「堤防」とあるが、これがわかるだろうか?「通行止」という看板がみられるけど、これに接する面が土手の断面となっている。写真中央から左手に向けて土手がみられ、現在はコンクリートで固められているようだが、当時は土を盛っただけのものだったんじゃないかな。津波を防ぐ堤防である。


「通行止」と記された板状のものが「扉」であることがわかるだろうか。通常時は道路が通っているが、いざ津波に襲われた際にはこの扉によって道路を塞いで、津波が奥の集落の方向へと達するのを防ぐのだろう。本写真の手前側が海であり、土手の向こう側の家屋がみられる方が内陸部。Jに該当するだろう。やはり石碑がみられる。


最後のスについては決定的なキーワードは「農地」である。周囲が果樹園や田であるLが該当する(なおこちらには石碑はない)。津波や洪水の被害から住民を守る「避難タワー」。高所にあり、一時的な避難場所となる。ただ、この高さじゃ洪水はともかくとして津波は防げないかも知れないなぁ。。。


ちなみにJやKの石碑は「災害伝承碑」。別に知らなくても何となく石碑っぽいなってことは分かるよね。




<2025年旧地理B第5問問5>


正解;⑥


ツが分かりやすいかな。他の二つに比べて「幅の広い道」が多い。これはPだと思うな。この図ってちょっとわかりにくいけれど、単なる黒い線は細い道路を示しているんだと思う。RやQにはこの細い道路がたくさんみられるが、Pは道幅のはっきりした太い道路が主にみられる。


この細い道路が読み取れるならば、チの判定ができるね。ここには「東西に伸びる細い道」とある。東西つまり横方向に多くの細い道路(黒い線)が多く見られるのはQの方だね。「かつての砂浜に出る」利便性があるとのことだが、1960年当時の海岸線も確認しておこう。この線の内陸側に砂浜があり、なるほどこの細い道路は砂浜に接するものだったのだろう。現在は埋め立てが進み、海岸線はより西方へと進んでいる。なお「Q」の文字があるやや上にある細長い水域が「堀」なのだろうか。河川に沿い、この堀に船をつけて醤油樽などを積んだ様子が想像できる。


残ったRがタだが、これは消去法で考えるしかないね。「かつてにぎわった」ことはわからないし、「小学校」もどこにあるのかわからない。お寺は多いけどね。




<2025年旧地理B第5問問6>


正解;①


これは簡単なんじゃないかな。もちろん①が違うね。棚田は伝統的な田園風景にみられるものであり、もちろんそれがつくられたのは古い時代。「新たな棚田」なんてことはありえないよね。棚田は傾斜地に開かれた田だけれども、ひと区画の面積も小さくさらに山間部にあることから農業機械も導入しにくく生産性は上がらない。

とはいえ、棚田が広がる風景は美しいものであり観光資源として非常に重要。とくに最近はグリーンツーリズム・エコツーリズムの対象として棚田を利用した農業体験も行われているね。


他の選択肢も重要なのでしっかり読んでいこう。②のような地域の風土を生かした地場産業の創出には大きな経済効果がある。さらに先にも述べたが農村では滞在型・体験型のグリーンツーリズム・エコツーリズムも人気を集めている(なおグリーンツーリズムとエコツーリズムは区別しなくていいです。前者は農水省、後者は環境省と管轄省庁が異なるだけ)。


個人的には④の選択肢が非常に重要だと思う。ネット環境が整い、リモートワークも広がっている現在、農村に「テレワークに適した施設」を整備することは地域の活性化にとって非常に大きな意味を持つ。このようなインフラへの投資によって若い世代(しかも高所得)が流入し税収が上がり、もちろん出生率も上がるので人口も増える。未来の日本はこのような農村へのICT技術の導入にあると思う。とても素晴らしいことだと思います。

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