たつじん先生の共通テスト(センター試験)地理解説!楽しく勉強していきましょう

<[地理B]2025年/本試験・第4問解説>

たつじんオリジナル解説[地理B]2025年/本試験・第4問

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問1解説>

 

[ファーストインプレッション]シンプルな気候グラフ問題と思いきや、これは読み取りにくいグラフですね。ポイントを絞って考えていかないと。

 

[解法]気候グラフの問題だが、これは今までに見たことのないパターン。「冬日」と「真冬日」が問われている。冬日は「最高気温が0以上かつ最低気温が0未満の日」であり真冬日は「最高気温が0未満の日」である。これ、具体的にどういうことか分かるかな?

要するに冬日も真冬日も「最低気温が0未満」であることは共通している。明け方がときに寒くなるので最低気温が記録されるのもこの時間帯だろう。我々の生活の中で考えてみればいい。夜明けに冷え込んで、通学途中に道路が凍っているようなそういった状況。ま、一言で言えば「寒い」ってことだけどね(笑)

 

ここでグラフを簡単に読んでおこう。①は7月でも「寒い」日が月の半分ぐらいある。年間を通じて寒冷となるかなり特殊な気候。北極や南極だろうか。

②は冬はすべて(1月や12月は31日間、2月は28日間)寒冷となる一方で、夏は寒冷な日はない。しっかりと気温の上がる季節があり、気温年較差は大きい。北海道のような亜寒帯の気候だろうか。大陸内部など(北海道は大陸内部ではないけどね・笑)

③も②とほとんど同じような気候。ただ11月から2月における冬日と真冬日の分布が②とはちょっと異なっているね。こちらの方がやや暖かいのかな。それでも十分に寒いことには変わらないけれど。

一転して④はかなり暖かいのではないかな。5月まで冬日があるのだからさすがに日本よりは寒いのだろうけれど、1月でも最低気温が0以上の日が7日間ほどある。真冬日になる日も10日程度。他の地点に比べて明らかに気温が高い。海洋性気候だろうか。

 

これらをザックリと確認して図から位置をチェックしていく。Aは西ヨーロッパ沖合の島国でアイスランド。Bはかなりの高緯度。Cは中央アジア、Dはシベリア内陸部。

このうち、年間を通じて寒冷、つまり夏でも冬日が存在しうるところはどこだろうか。半球は違うけれどたとえば南極大陸ならば夏でも凍りついている。そんなイメージでいいと思う。北極に近く夏も十分に気温が上がらない(ただ、北極圏に位置するので太陽はずっと当たりっぱなしの白夜になるけどね)。Bを①と考えていいだろう。人が住めるところではない。

残った地点は3つ。AとC、D。このうち、AとDは緯度が同じであり、CとDは大陸性気候という条件が同じ。グラフは②、③、④の3つ。

 

3つのグラフについて夏の値はほとんど変わらない。6~8月の夏には冬日はない(もちろん真冬日もない)。ここでは冬に注目しよう。たとえば11月ならば、④は10日ほどが冬日であり真冬日はほぼ無い。③は20日ほどが真冬日であり1週間程度が冬日。②では30日間全部が真冬日。明らかに「温暖な④、中間の③、寒冷な②」という違いが見られる。

同緯度のAとDを比べる。本来ならば太陽からの受熱量が同じなので同緯度の地点では気温の様子は同じになるはず。しかし、ここで考えるべきは「比熱」である。比熱とは1グラムの物質を1温度を上げる時に必要となる熱量(カロリー量)。分子の密度が高く熱を伝えやすい固体で比熱が小さく、分子間の隙き間が大きく熱が逃げやすい液体で比熱が大きい。固体は少しのエネルギーで温度が変化しやすく、液体はその反対。気候に対する海の影響が強い地域では気温は「暖まりにくく冷めにくい」海洋性気候となり、大陸内部においては「暖まりやすく冷めやすい」大陸性気候となる。図中ではAで海洋性気候、Dで大陸性気候となることは十分に想像できるだろう。それぞれの冬の気候を考えよう。海洋の影響で温度が保たれやすいAでは冬の気温は比較的高く、一方のDは大陸の影響を強く受け気温は急激に低下する。冬の気温は「Aで高く、Dで低い」。

さらにCとDを比較。いずれも大陸性気候という特徴があり、季節による寒暖の差は大きいはずだ。しかし絶対的な温度の差は明確なんじゃないかな。もちろん「緯度」が考慮される。高緯度で太陽からの受熱量が小さいDの方が寒冷であり、それより低緯度で受熱量が大きいCはDよりは温暖だろう。年間の気温がDで低くCで高いと考えられるのだから、もちろん冬の気温に限定しても「Cで高く、Dで低い」ことは確定。

 

以上より、冬の気温を考察すると「Aで高く、Dで低い」、「Cで高く、Dで低い」のだから、3地点中でDが最低となる(AとCはわからないが、今回は判定の必要はない)。②~④の中で冬の気温が最も低いと思われる②がDに該当する。

 

[アフターアクション]Dを当てる問題っていうのがいいよね。まず最も寒冷なものとしてBを切ってしまう(夏でも冬日があるなんて異常なところだ!)。残りの3つのグラフは夏の数値はあまり変わらないので冬の気温で考える。

A・C・Dの3つについては、Cだけが「緯度が違う」、Aのみが「大陸性気候と海洋性気候とが異なる」のであり、Dは同じ緯度であるという点においてAと比較しやすく、同じ大陸性気候ということでCと対比しやすい。AとCの判定が求められていないのがミソで、あくまでDを中心に思考することで科学的な視点から問題を解析することができる。良問ですね。

 

いちおうAとCについては、Aが④、Cが③だろうね。Aは「高緯度、海洋性気候」、Cは「低緯度、大陸性気候」であり、冬の気温はどちらが低いか分かりかねる。さらに言えば、低緯度ながらCは標高が高いかも知れず(標高に関する情報はこちらの図にはない)全体的に気温が低い可能性がある。

 

よってここはAの冬の様子を単独で考えるべきだと思う。付近の気候を想像しよう。暖流や偏西風の影響で西ヨーロッパの大西洋岸は高緯度であっても冬は比較的温度が高い。ノルウェーの沿岸は不凍港であり、この周辺の海域は凍りつかない。Aでも冬の気温はさほど低下せず、とくに「島全体が冬の間、氷に覆われる」ということは考えにくい(北海道の沿岸が流氷によって閉ざされるのとは対照的)。とくにAはアイスランド島の南部にあたり、冬の気温も大きく氷点下となることはないはずだ(気温が氷点下ならば海水温も低く凍結しているはず)。真冬日もさほど多くないと考えられ、③と④のうち、温暖な④がAとなる。残った③がCとする。こちらはもしかしたら標高が高いのかも知れない。5月にもかなり寒い日があるなど、夏の気温はちょっと低めのようにグラフを読解できるよね。高原の可能性がある(しかしやはり冬の気温はC③よりD②の方が低いけどね)。

 

というわけで、これで正解だと思う。それにしても本問はかなり新傾向っぽい気候グラフ問題だなって思った。でも「新」傾向ではあるけれど、今年で地理Bは終わりなので「この先」は存在しない。それとも地理総合・探究にこの傾向は引き継がれるのだろうか。とても論理的で立ち止まって考えることが必要な問題だと思う。

 

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問2解説>

 

[ファーストインプレッション]土地利用の問題。この数年間しばしば見た問題パターンですね。この手の問題は「牧場・牧草地」に注目すれば解けるものが多いのだが、本問はどうだろう。「牧場・牧草地=樹木が繁茂しない=乾燥地域」というセオリーなのだが。

 

[解法]土地利用割合を問う問題になっているね。本来こういった問題は「牧場・牧草地」に注目するのがベストな方策なのだが、本問はちょっと違うかな。牧場・牧草地については「草原」をイメージするべきで(本問の表では「草地」がそれに該当)、その分布は乾燥気候に対応。樹木は湿潤地域に生育するが乾燥地域ではあまりみられない。樹木が分布しない「草原」は乾燥のキーワードとなる。

 

ただし今回はテーマが「寒冷地域」である点がこれまでの土地利用の問題とは異なっている。原則として寒冷地域は乾燥しない。乾燥とは「降水量<蒸発量」のバランスのこと。寒冷地域は低温であるため蒸発量が少ない(とくに理論的には氷点下の地域では蒸発量はゼロである)。蒸発量が極端に少ないならば少しでも降水(雨や雪)があれば湿潤となってしまうよね。土地利用は基本的には「乾燥=草原」で考えるのだが、乾燥しない気候なのだからこの地域に草原があったとしてもそれは乾燥が理由ではない。乾燥するか否かを基本として考えるわけにはいかない。

 

あくまで土地利用に関する例外的な問題であることを踏まえて、この表を解析していこう。①はほぼ全てが「森林」によって覆われている。世界的な森林国である日本でも森林面積割合は6割程度。①は極端な森林地域であることが分かる。②も同じくほとんどが森林。しかしちょっと異なっているのは「水域」の割合が高いということ。④はともかく①や③は水域がほとんどないことを考えると、②の水域の高さはかなり特殊。河川も該当するだろうが、やはりここは「湖」を考えるべきだろう。

 

さらに③だが、こちらは「低木・草地」の割合が高い。本来ならこれは乾燥気候を占める記号であるが、上述のように本問の場合はこの原則に当てはまらない。「低木」は小規模な樹木がまばらにしか生えていない状況を考える。草原はもちろん樹木そのものが見られない。ともに広く捉えれば「無樹木」である。

 

気候帯には5つあり、熱帯・乾燥帯・温帯・亜寒帯(冷帯)・寒帯。このうち熱帯・温帯・亜寒帯が「樹木」気候(*)。地表面に樹木が生育し、植生は広葉樹林や針葉樹林となる。一方乾燥帯と亜寒帯は「無樹木」気候。それぞれ乾燥の度合いが高いこと、十分に気温が上がらないことによって樹木が生育しない。本問の表1中の「草原」についてはこの無樹木の状態を考えるべきであり、とくに寒冷によって樹木が見られない荒地が広がっている様子を想像する。草原は「草に覆われている」というより「木が生えていない」というイメージ。

 

ただしちょっと気をつけて欲しいのは亜寒帯は樹木気候であり、寒帯が無樹木ということ。亜寒帯の代表的な地域は北海道。冬は凍結するほどに寒冷だが、夏は十分に気温が上がり(夏の北海道は暑いよ!)樹木の生育が阻害されることはない。針葉樹は亜寒帯気候に適した植生である。亜寒帯地域は針葉樹の純林であるタイガで覆われ、見渡す限りモミやツガが広がっている。それに対し寒帯は氷に閉ざされ、あるいは夏の間は一時的に氷はとけるかも知れないが、そこは荒地であり樹木が生育できるような土地ではない。南極大陸や北極海周辺のツンドラを想像してほしい。ツンドラとは極付近にみられる荒地のことだが同時に植生を表す言葉である(地理では植生は非常に重要だね)。

 

最後に④。これは明確なんじゃないかな。「氷河・氷床」とある。氷床とは大陸氷河のことであり、ようするに氷河と同じ。全体の60%以上が氷の下にあり、残る30%も「草地」なのだからこれはツンドラだろう。大陸氷河は夏になっても氷点下であり、年間を通じて氷が解けない。こんな特殊な場所はグリーンランドや南極大陸ぐらいなんじゃないか(ここでは問1のグラフもヒントになっている。問1におけるD②、C③、A④は夏に冬日や真冬日はなく十分に暑い。地表面の氷はもちろん溶けてしまうだろう。それに対しB①は7月ですら月の半分は冬日である。残りの半月も気温が大きく上がる日はないだろう。夏の間もほとんど氷は解けないんじゃないか。これが極に極めて近い場所の気候。

 

全体を見て④が最も分かりやすいと思う。大陸氷河に覆われている。こんな特殊な場所、北半球ではグリーンランドぐらいでしょ。北極海に面しているわけではないが、グリーンランドの分厚い氷の中に位置している。暖流が流れる大西洋北東部(ノルウェー沿岸など)とは異なり、ここは暖流の影響はない。どちらかといえば大陸東岸であり(巨大な大陸の東側にくっついた島。日本列島と位置的には共通点があるね)、偏西風の影響も弱いと思う。大陸氷河に覆われるグリーンランドのアが「氷河・氷床」の多い④に該当する。「低木・草地」も30%ほど占めているが、これについてはあまり考えなくていい。グリーンランド沿岸部に広がるツンドラだろう。短い夏の間だけ地表面の氷が解ける。地衣・蘚苔類が繁茂し、一部に人々の生活がみられる(狩猟・採集、遊牧など。農業は不可能だね)。

 

他は判別が難しい。ここはイを直接判定しよう。イはフィンランド。バルト楯状地に平坦な国土を有する国である。大陸氷河に削られ地力には乏しい(楯状地とは古代の岩盤が露出した平坦な地形。かつて存在していた地層は大陸氷河の侵食作用によって削られてしまった)。農業は適さないが、しかし森林が国土の広い範囲を覆う。モミなど針葉樹の純林が広がる。タイガである。

さらに氷河の影響は他の地形にも見られる。それは湖。氷河が土地を削り凹地を作り出し、さらに土砂を運搬し堆積させることで河川が堰き止められる。これらの作用によってかつて大陸氷河に覆われていた地域では湖(氷河湖)が多く分布するのだが、バルト海沿岸はその典型的な地域。そもそもバルト海自体、土地が氷河の重みで押しつぶされ、大きく窪んだ土地に海水が入り深い入江となったもの(だから、大陸氷河が溶けた現在は年間に数センチの割合でバルト海の海底が持ち上がっているそうだ)。北米五大湖周辺も同じく「かつて存在した大陸氷河とそれによって形成された多くの氷河湖」がみられる地域。北米五大湖はまさしく氷河湖であるし、さらに五大湖の西側に接するミネソタ州は「湖の州」というニックネームがある。ミネソタ州のミネアポリスに本拠を置くプロバスケットボールのチームの名称はそれにちなんで「湖の人」と名付けられた。レイクの人々、そう、レイカーズだね。現在は西海岸に移転してロサンゼルス・レイカーズとして知られるチームだ。

 

フィンランドこそ湖の国だよね。フィンランドはしばしば「森と湖の国」と呼ばれている。フィンランド人は自分の国のことを「スオミ」というけれど、これは彼らの言葉で「湖」の意味なのだ。ジャパンの人々も自国を「日本」と呼ぶが、これは彼らの言葉で「日の出」の意味だよね。太陽が昇る方向つまり東に位置する国なのだ。ジャパンが「日の出」、フィンランドが「湖」。実に象徴的な名前だと思わない?

これよりフィンランドのイについては「森林」だけでなく「水域」の割合も他より高くなっている②が該当する。水域が8.8%ということは国土の1割近くが湖(と河川)ということだ。琵琶湖の存在感が大きい滋賀県は、面積の6分の1が琵琶湖。だから15%ほどってことかな。そう考えると滋賀県の方が「湖」の国と言えるかもね(笑)。

 

残った二つはよく分からない。いずれも針葉樹林が多いように思うのだが、片方はそうでもないんだね。判定の必要はないのでそのまま不明ということにしておきましょうか。適当なことを言って間違っていたら、後から訂正するのが面倒だし(苦笑)。

 

(*)ケッペンの気候「区分」はテストに出題されないが、5つの気候「帯」は登場するので注意。とはいえ中学地理でも学ぶ内容であるので、理解は難しくないと思う。大まかに赤道周辺が熱帯、西アジアや北アフリカ、オーストラリアが乾燥帯、本州以南やヨーロッパが温帯、北海道やロシア、カナダが亜寒帯。北極海周辺や南極大陸が寒帯。どうかな?簡単にイメージできるよね。

 

[アフターアクション]新しいタイプの土地利用問題。オーソドックスな土地利用を問う問題では「草原=乾燥」がポイントになっているのだが、本問はそれとはかなり異なっているね。「フィンランドは森と湖の国だ」ということで一発で解ける問題でもあったけれど、せっかくなのでその自然環境がどうやってつくられたのか、大陸氷河との関係で是非とも理解しておこう。

なお上の文章中では言い忘れたけれど、フィンランドについては木材資源を有効に使う国としても知っておこう。木材は重要な輸出品の一つであるし、木材を原料としてパルプ・紙工業が発達している。さらに木材を加工した木質ペレットや廃材から得られる木屑は燃料として火力発電に利用されている。フィンランドは安定した地盤(楯状地は古代の岩盤なのだ)であり原子力発電が行われる国だが、実は火力発電の割合も高い。本来火力発電は化石燃料の燃焼によって硫黄酸化物を生じるものだが(そして酸性雨によって森林を破壊するものであるが)フィンランドの場合はバイオマスの利用によって大気汚染物質の排出は抑えられている。原子力発電と木質バイオマスによる発電は、フィンランドの「楯状地」と「森林「という自然環境を十分に活用した発電方式なのだ。

 

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問3解説>

 

[ファーストインプレッション]これ、かなり厄介な問題だな。都市が問われている。

 

[解法]ボリビアは出題頻度の高い国なので知っておくべきだと思う。南アメリカの内陸国でアンデス高原に国土を有する。首都ラパスは標高4000メートルに位置し、富士山より高い。世界最高所の首都である。標高100mで0.5ほど気温が下がる。4000メートルならば20である。低地で気温が30だったとしてもラパスの気温は10であり、低緯度であり気温年較差はほとんどないことを考えると「常冬」の気候がみられることになる。このことから標高4000m付近に都市がいくつかみられるクがボリビア。また図からボリビアを除く2つの国が海に面する国であることがわかる。標高0mの都市にはクが存在せず、一方でカとキの都市は多い。内陸国と沿岸国との違いが表れている。

 

残った2つだけどどうかな。ここはペルーの首都リマに注目しておこう。人口1000万人規模の都市はぜひ知っておいてほしい。南米においてはブラジルのサンパウロ、アルゼンチンのブエノスアイレス、そしてペルーの首都リマがある。1000万人規模の都市があるカがペルーとなり、正解は③。

 

本問はちょっとイレギュラーな問題だったとは思う。ボリビアのラパスは気候や地形といった自然環境を学習する際にしばしば登場する都市であり、教科書でも取り上げられているんじゃないかな。知識レベルの難易度としては高くない。

 

しかしさすがにリマは難しかったかな。いや、もちろん地理では「1000万人規模の都市は知っておけ」というセオリーがあるので、全く的外れな出題ではない。当然出題が予想されていたところ。でもさすがに1000万都市の中でもリマはマイナーな存在だし、そこまで知っておけっていうのは無理だったかも知れない。

 

ただ、君たちがこのグラフを読解する際にまず「1000万」という数字には注目してほしいのだ。そしてビックリしてほしいのだ。人口1000万人に達する都市は世界中見渡してもさほどあるわけではなく、かなり「選ばれた」存在。そんな「エリート」的な都市が果たして南米の太平洋岸のマイナーな国々の中に存在するのだろうか。これは甚だ疑問なわけだ。

 

候補としては(ボリビアはすでにキとわかっているので)ペルーとエクアドル。この両国のうち、あえていえば「世界的な巨大都市」が存在するかも知れない国はどちらだろうか。国としてペルーの方が大きいと思うし有名だから、もしも巨大都市があるならばペルーの方なんじゃないかな?っていう「勘」で解くしか無い問題でもあると思うし、それで十分だったと思うよ。

 

リマは砂漠気候のみられる都市として知られている。ペルーの沿岸部に位置し(本図でもカの1000万都市がリマなのだが、標高は低いよね。高山都市ではない)。沿岸を寒流が流れ、その影響で少雨となる。「蒸発量>降水量」のバランスより乾燥気候となる。こんな雨の少ないところに人口1000万都市があるなんて!とビックリするかも知れないが、リマの場合はアンデス山脈から流れ出る河川や湧水があるので水は得やすい。多雨ではないので衛生環境も良く感染症の危険も少ない。実は暮らしやすい場所なんだね。

 

[アフターアクション]基本的に都市に関する知識は問われない地理総合・探究だが、一応知っておくといい都市はいくつかある。詳しくはYouTubeたつじんチャンネル「共通テストで問われる都市名100」の動画を見てくださいね。やみくもに都市名や地名を丸暗記しようとしてはダメ。丸暗記は思考停止を招き、論理的な考え方が失われます。「テストにこのような形で出ていたから、それに沿って出題パターンを身につけよう」という思考が大切なのです。

 

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問4解説>

 

[ファーストインプレッション]2002年に全く同じ問題が出ていますね。同じくネパールが舞台になって、低地(温暖)は米、高地(寒冷)は厳しい環境に耐える大麦やジャガイなど。そういえば今年は地理総合・探究でサツマイモが出題されている。イモがトレンドなのかも?

 

[解法]農産物の栽培条件に関する問題。穀物は次のような並びで認識しておこう。

(寒冷・少雨)大麦←→ライ麦←→小麦←→トウモロコシ←→米(温暖・多雨)

最も厳しい自然閑居に耐える作物が大麦、次いでライ麦。以降、小麦、トウモロコシの順で並び、栽培に最も温暖かつ多雨気候が必要になる穀物が米。

さらにこれに重ねて、ライ麦とジャガイモの、トウモロコシと大豆の、栽培条件が同じであるとも考えてほしい。北部ヨーロッパではライ麦とジャガイモの輪作がみられ、アメリカ合衆国コーンベルトではトウモロコシと大豆の輪作が行われる。

図を参照。ネパールはインドの北に接する国であり、ヒマラヤ山脈の南麓に位置する。北に接する中国との国境は高峻なヒマラヤ山脈であり、南に向かって標高が低くなっている。最も南側のサで低地と考えられ、気温は高いはず。温暖な気候が必要な「米」の栽培地域だろう。逆に最も険しい地形で標高の高い北部で気温が低いと考える。厳しい自然環境でも栽培が可能なジャガイモの栽培地域だろう。中間のスがトウモロコシ。

なお降水量についてはいずれの地域も多雨と考えられる。南アジアは季節風の影響が強い地域。夏は海洋から吹き込む湿った風の影響で多雨となる。冬は少雨だが年間の総降水量を考えるならば多雨とみていいだろう。

 

[アフターアクション]ちょっと古いけど2002年地理B本試験第5問問3の問題がほとんどそのままの形。さすがに四半世紀前の問題を解いておけとは言わないけれど、趣味でセンター・共テ地理を研究しているマニアのみなさんは(僕のことです・笑)ぜひご覧ください。こんな「全く同じ」問題を出しちゃっていいの!?地理っていい加減な試験やなって笑ってしまうよ。

 

なお南アジアについては2025年は当たり年で地理総合・探究の試験でもこういった形で出題されています。

・第3問問1 バングラデシュが低地であり背後にヒマラヤ山脈やチベット高原などの高峻な地形がみられる。

・第6問問1 パキスタンは乾燥地域。外来河川インダス川とセットでぜひ知っておこう。

いずれも地図帳を見るほどの難解な知識ではないし、そもそもパキスタンもバングラデシュも超メジャーな国(いずれも世界人口ランクングの10位までに入る)。こういった国は搭乗率が高いね。

 

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問5解説>

 

[ファーストインプレッション]あれ、さっきトロントの問題なかった?またカナダの問題だよ。ま、特殊な知識が問われているわけでもないし、トロントそのものが再登場しているわけでもないのでどうでもいい話なんですが。とはいえ「同じ地域」が異なる大問で登場しているってことは、逆に異なる人がそれぞれの問題(大問)を作っているってことなんだろうね。同じ人が作っているならば(あるいは連絡が密な場合は)こういった重なりはないように思う。トロントの問題が全くカナダに関する知識を不要とする考察問題であったことに比べれば、本問は中学レベル程度の知識は必要なんじゃないかな。

 

[解法]輸出すなわち産業に関する問題だね。「鉱産資源」、「水産物」、「農畜産物」、「林産物」の4つが対象。最もわかりやすいのは水産物じゃないかな。つまり魚介類だね。魚介類の生産は海に面したところで多いのが大原則。一部に中国のように内水面(湖や川)での淡水魚の漁獲および養殖が多い国もあるけれど、それは例外的とみていいでしょう。カナダの場合、南は米国と接し陸地となっている。北部は北極海であり、通常期は凍りついていることを考えれば漁獲は考えにくい。やはり大西洋に面する東岸と太平洋に面する西岸だね。内陸の州で値の大きい③と④は真っ先に外れる。①と②が候補だが①では大西洋に面する島々が含まれる州でほとんど輸出がなされていないようだ。これはちょっと不自然かな。一方で②ではその大西洋の島々での値が大きくなっている。内陸と沿岸のバランスを考え①ではなく②が「水産物」とみていいんじゃないかな。

 

次は農畜産物について考えてみよう。南北アメリカ・オセアニアの農業は高度に「商業化」されており輸出用作物の生産が盛ん。カナダの重要な輸出品目である農畜産物、何かイメージできるかな?そう「小麦」だよね。我が国もカナダから多くの小麦を輸入している。小麦を大規模に商業的に栽培する農業形態は「企業的穀物農業」であり、アメリカ合衆国の中央部で行われている。西経100度にほぼ沿って年降水量500ミリの等値線が走行し、肥沃な土壌を利用して大規模な小麦栽培がなされている(年降水量500ミリは半乾燥のステップ。草が枯れて腐植が積み重なっている。黒土だね。北米のプレーリー土、ウクライナのチェルノーゼム、アルゼンチンのパンパ土が該当)。アメリカ合衆国の中央部(カンザス州など)では冬小麦、北部(ノースダコタ州など)では春小麦、この春小麦地帯がカナダまで及んでおり、カナダの中央部の州でもアメリカ合衆国との国境に沿う南部は大規模な小麦栽培地域となっている。

このことを考え、内陸部の中央の州で値が大きくなっている④を「農畜産物」とみていいだろう。小麦が栽培され、そして輸出されている。なお北東部は酪農地帯であるが、こちらでは生乳や酪農製品が生産され輸出されているのだろう。

 

残りは①と③。③は特徴的であり、北極海につながる高緯度海域に面する州(*)にも小さな円が描かれている。北極圏を含む高緯度地域であり、こういった地域では人々の生活はほとんど見られない。北極海沿岸にはツンドラが広がるなど植生も決して豊かではない。こういった地域に森林が果たして分布するだろうか。林産資源が豊かで主な輸出品目になっているとはちょっと考えてにくいんですよね。一方で鉱産資源ならば気候環境に左右されない。寒冷や乾燥、標高の高い土地など極めて厳しい気候環境であっても鉱山開発は行われるだろうし、鉱産資源の産出があっても不思議ではない。寒冷エリアでも輸出品とされている③を「鉱産資源」とみていいのではないか。

 

残った①が「林産物」すなわち木材。アメリカ合衆国北西端のシアトルは林産資源の豊富な都市として知られている。気候区分としては地中海性気候となるのだが、他の地中海性気候の地域とは異なりシアトル周辺は降水量が多い。地中海性気候は年間を通じて降水は多くなく、とくに夏にほとんど雨が降らないため、飲料確保のためにブドウが栽培される。しかしシアトルではこのような「飲み水に困る」状況はない。むしろシアトル周辺は全米でもとくに雨が多い地域として悪名高い。実際の降水量は1000ミリに満たないのだが(それでもアメリカ国内では雨が多い方である)年間を通じて雲が多く陰気なイメージで捉えられることが多い地域のようだ。沿岸を暖流が流れ水分が常に供給されている。偏西風が吹き込み背後の山地にぶつかり地形性降雨を生じている。地球上で唯一の「降水量の多い地中海性気候」である。当然こういった地域ではブドウを栽培する必要がない(飲み水は十分にある)。温暖(暖流の影響で冬の気温が高い。緯度的にはサハリンと同じだが、最寒月平均気温は5ほどであり東京と変わらない)かつ湿潤であり周辺は大規模な森林地帯となっている。シアトルはそもそも木材の積み出し港として栄えた都市。アメリカ合衆国北西部は林産物の生産と輸出が多い。

これをカナダにも当てはめてみよう。先ほどの小麦地帯と同じである。アメリカ合衆国北部からカナダ南部は気候や地形、そして農業や植生など自然条件が連続しており、共通した特徴がみられる。アメリカ合衆国北西端が森林地帯ならばそこから連続するカナダ南西端も同じく森林地帯であり、林産物の生産と輸出が盛んであるはず。太平洋岸の州においてとくに大きな値となっている①を林産物と判定するのは自然だろう。シアトル周年から連続する森林地帯がカナダ南西部に及んでおり、バンクーバーが木材の輸出港となっている。

(*)実はこれらは州ではなく準州なのですが。詳しくはアフターアクションで取り上げています。

 

[アフターアクション]

せっかくなので、もうちょっと地誌的な話をしておこうか。地誌は地理の勉強においては必ずしも必須なものではなく、単に「覚える」のではなく系統地理の「理解を助ける」ものと考えてほしい。

まず州の名前から。北西端(アラスカ州に接する)から「ユーコン準州」、その東が「北西準州」、さらに東が「ヌナブト準州」。

南西の太平洋岸は「ブリティッシュコロンビア州」、そこから東につづけて「アルバータ州」、「サスカチュワン州」、「マニトバ州」、「オンタリオ州」。オンタリオ州の北に接する面積の大きな州が「ケベック州」。他は小さい州なのでとくに認識する必要はない。っていうか僕もよく名前を知りません(笑)。ニューファンド・ラブラドル、ノバスコシア、プリンスエドワーズアイランド(赤毛のアンの島ですね)などがあったと思う(名前が違っていたらゴメンなさい)。

 

①の林産物について。ブリティッシュコロンビア州の値が圧倒的。暖流や偏西風の影響で冬でも温暖でありさらに降水量が多い。森林地帯となっており木材が日本や中国に輸出される。重要な木材輸出港として南西端のバンクーバーがある。シアトルとバンクーバーは近接した都市であり共通の特徴を有している。バンクーバーは世界で最も過ごしやすい気候環境をもつ都市に選ばれたこともある。寒暖の差が小さく年間を通じて雨が多い(ちょっと雨が多すぎるかもしれないけどね)。

また東部のオンタリオ州やケベック州にも円が描かれる。もちろん針葉樹を中心としたパルプ材や建材の輸出(アメリカ東部のメガロポリスなどに輸出される)も多いが、ここでは「林産物」という言い方からメイプルシロップを想像してもいいかもしれないね。メイプルは国旗にも描かれるカナダを象徴する樹木。落葉広葉樹林であるが、亜寒帯のカナダ東部に広く分布している。

 

②の水産物について。カナダ太平洋岸は暖流(アラスカ海流)が流れ海域の栄養分は乏しい。ただ、ここはロッキー山脈から多くの河川が流れ込んでいることが大切。河川で生まれ海洋で育ち再び河川に戻る。そう、サケだよね。天然のサケの漁獲が多い(溶食のサーモンはチリやノルウェーだね)。

東部ではニューファンドランドなどで水産物が多く得られる。この海域は寒流であるラブラドル海流が流れ込み栄養分が豊富。またバンクと呼ばれる浅堆(海底のとくに浅い部分。海底まで太陽光が注ぎ海藻など豊かとなりそれを餌とする魚も多い)も多く、さらに寒流のラブラドル海流と暖流のメキシコ湾流がぶつかることで潮目も形成されている。世界三大漁場の一つ。ただ、そもそもカナダはあまり魚を食べる国民ではないので漁獲量自体はさほど多くないんですよね。あえて言えばこの辺りはロブスターが有名かな。

 

③の鉱産資源について。カナダは鉱産資源の豊富な国。例えば石炭は日本にとって重要な輸入国の一つとなている。主な石炭地域はアルバータ州のカルガリー。ちなみにカルガリーに本拠を置くNHL(プロアイスホッケーリーグ)のチームはカルガリー・フレイムズ。「フレイム=炎」はもちろん石炭を象徴。

カナダは世界有数の原油埋蔵量を誇る国であもる。カナダの最大の輸出品目は原油。アルバータ州北部にはオイルサンド(石油を含んだ砂)が広く分布し、莫大なエネルギー量。日本と共同で開発や利用が進められている(この話、ずいぶん昔からよく聞くのですが、なかなか実用化っていうニュースは伝わってこないな。世界はすでに脱炭素であり需要は減っているのかも???)。同じくアルバータ州にはエドモントンの近くに国内最大の油田もある。エドモントンのNHLチームの名称はエドモントン・オイラーズ。エドモントンの石油採掘者たち。

北西準州やヌナブト準州はほとんど人は住んでいないものの(ともに先住民の文化が維持されている地区)鉱山開発は行われている。ウラン鉱山や金鉱山などが分布。

オンタリオ州のサドバリ鉱山はニッケルを産する。

東部のラブラドル半島は巨大な楯状地であり、古代の岩盤が露出。こうした古い地盤には鉄鉱床がつくられていることが多く、この半島にも多くの鉄山がみられる。

 

④の「農畜産物」について。ここは平原三州に注目しよう。アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州は平原三州と呼ばれ、いずれも南部を中心に大規模な小麦農業(企業的穀物農業)地域となっている。ここではマニトバ州南部のウィニペグを知っておくといいだろう。カナダの春小麦地帯の東部に位置し小麦の集散地である(小麦が取引され、東部の大市場へと送られる)。北米大陸のちょうど中心に位置し典型的な大陸性気候である。最暖月平均気温は20にまで上がり暑い一方で最寒月平均気温はマイナス20にまで低下し極めて寒冷である。気温年較差は40にも及ぶ。年降水量は500ミリ程度で半乾燥の気候(アメリカ合衆国中央を縦断する西経100度の経線が年降水量500ミリの等値線とほぼ一致することを思い出してほしい。ウィニペグはここに位置している)だが、降水は夏に集中し冬は雪すら降らない。冬の大陸内部は極めて寒冷となり空気が収縮し高気圧となるため雲が生じない。氷が融解する春を待って農業が行われる春小麦地帯なのだ。平原三州の主な生産物そして輸出品目である農産物は小麦である。

他にはブリティッシュコロンビア州のリンゴ、オンタリオ州やケベック州の乳製品なども重要な農産物となっている。畜産も発達し、日本にも牛肉や豚肉が輸出されている。

 

以上、地誌的な内容だったけれどとくに難しいことはなかったよね。すでに持っている知識(カナダの中央部では小麦栽培が盛んであるなど)と結びつけ理解を深めてほしい。

 

 

<[地理B]2025年/本試験・第4問問6解説>

 

[ファーストインプレッション]人口の問題か。そもそも北欧って人が住んでいないからね(笑)

 

[解法]北欧3カ国について人口を基準に交通手段を比較している。今までに見たことのないパターンの問題だが、どうなんだろう。

まず国名チェック。北ヨーロッパの3カ国のうち、最も西に位置する大西洋に面する国がノルウェー、最も東のロシアと長い国境を共有する国がフィンランド、中央がスウェーデン。

表を参照しよう。XYのいずれかが航空、いずれかが鉄道。シンプルに総数で考えてみよう。3カ国の値を合計すると、Xは40万(千人)近い値となるのに対し、Yは2万(千人)程度。そもそもの規模が違うことがわかるだろうか。我々の生活を考えてみて、一般に交通手段として日常的に使われるのが鉄道である。鉄道の方が乗客数が多いとみていいんじゃないか。Xが鉄道、Yを航空機とする。

なるほど、スウェーデンでは圧倒的に鉄道の方が多いがこれは納得だろう。人口のほとんどが南部に集中しており、この地域の人口密度は高い。限定されたエリアにおいて鉄道網が張り巡らされていることが想像され、鉄道の利用人数も多いだろう。一方で北部の人口は少なく人口密度も極めて低い。例えば南部から北部への移動は遠隔となるため航空機を利用することもあるだろうが、そもそもの人口が少ないのだから利用者も少ないだろう。人口分布が南部に偏るスウェーデンにおいて乗客数が鉄道で多く航空機で少ないことは納得。

このことを踏まえて考えると、鉄道と航空機の利用については国内の人口分布の様子が重要であることが想像できる。スウェーデンと同じような人口分布を見せる国はどちらだろう。国内の特定の地域に人口が集中し、他地域は人口過疎となる。それはフィンランドではないかな。こちらも南部の人口が多い(人口密度が高い)一方で北部の人口は少なく、スウェーデンと同じような「偏り」がある。それに対しノルウェーはどうだろうか。こちらも南部に多くの人口が集まっているが、スウェーデンやフィンランドほど極端ではない。人口分布の中心は南部の、とくにスウェーデンに接する地域だが、同じ南部でもやや離れた大西洋沿岸の西部にも人口密度が高い地域がみられる。さらに沿岸には比較的均等に都市が点在し、北部の沿岸にも都市(というか集落程度の規模かも知れないが)がいくつか見られる。スウェーデンやフィンランドに比べると都市が広く国内に分散しており、航空機の利用の方が便利な場合が多そうだ。一方で人口が偏在しているエリアが狭く、鉄道網もさほど発達していないのではないか。鉄道にしても近郊の人を運ぶ通勤用のものより遠隔の都市(あるいは集落)をつなぐローカル線のようなものが一般的なのではないか。航空機の乗客数が多くなっているミと判断し、残ったマがフィンランドである。

 

[アフターアクション]なぞなぞみたいな問題だね(笑)。まず鉄道と航空機の判定については我々の普通の生活をイメージする。北欧特有の事例が問われているわけではない(というかそもそも鉄道と航空機の利用について国別の特殊な事情があるわけはない)。そりゃ普通に鉄道の方が利用者は多いでしょ?みたいな「生活の中から得られる知恵」でまず考える。

さらにノルウェーとフィンランドの判定だけど、これは図を見ればいい。スウェーデンの様子も参考になるわけで、その場で得られる情報は多い。「資料を読解する知性」があれば十分に解ける問題。

知識量が求められる早押しクイズではなく、知恵を利かせて考えるなぞなぞに近いっていうわけだね。

もっともそもそもノルウェーとフィンランドの位置がわからないと解けないわけだけど、さすがにそれは大丈夫だよね。中学地理でも学ぶことだと思う。中学生でも分かるレベル。逆に言えば、中学レベルの知識さえあればこの問題は解けるっていうこと。共通テストで求められている国に関する知識なんて、全然たいしたことないね(笑)

 

 

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